JPH0681766B2 - シラン化合物変性重合体の製造方法 - Google Patents

シラン化合物変性重合体の製造方法

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JPH0681766B2
JPH0681766B2 JP11358487A JP11358487A JPH0681766B2 JP H0681766 B2 JPH0681766 B2 JP H0681766B2 JP 11358487 A JP11358487 A JP 11358487A JP 11358487 A JP11358487 A JP 11358487A JP H0681766 B2 JPH0681766 B2 JP H0681766B2
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文雄 堤
満彦 ▲榊▼原
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/42Introducing metal atoms or metal-containing groups

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リビングポリマーの活性基末端に特定のハロ
ゲン化シラン化合物を反応させたのち、さらにアルコー
ルまたはアルコキサイドを反応させることによって得ら
れ、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの
白色充填剤との親和性が高く、良好な引張特性および耐
摩耗性を示すシラン化合物変性重合体の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、不活性有機溶媒中で有機アルカリ金属触媒を使用
して、共役ジエンおよび/またはビニル芳香族化合物を
重合して得られる(共)重合体(以下、単に「重合体」
という)は、合成ゴムあるいは合成樹脂として汎用され
ている。
しかしながら、この重合体にシリカや炭酸マグネシウム
などの白色充填剤を配合した加硫物は、引張強度が低い
ため、この引張強度を向上させる目的でさらに補強助剤
として多量のシランカップリング剤やチタンカップリン
グ剤が用いられている。
このようなシランカップリング剤などの補強助剤を用い
ずに、白色充填剤を用いる加硫物でも充分に高い引張特
性を有し、かつ製造プロセスも簡単な重合体を開発する
には、重合体中にシリカなどの充填剤と親和性の良好な
官能基を導入し、しかもこの官能基が重合体の製造時や
保管時には安定で、かつ加硫物製造時にシリカやフィラ
ーなどと相互作用することが必要である。
かかる観点から、シリカと親和性の高いシラン化合物に
よって変性された重合体として、例えば次のような先行
技術が提案されている。
すなわち、特公昭49−36957号公報(以下「先行技術
1」という)には、加工性改良を目的として、有機リチ
ウム化合物を触媒に用い単量体を重合して得られるリチ
ウム末端重合体に、少なくとも3個の反応性部位を有す
る化合物、例えばシリコンテトラクロライド、シリコン
テトラブロマイド、シリコンテトラアイオダイドなどの
シリコンテトラハライド、あるいはトリクロロメチルシ
ラン、トリクロロエチルシランなどのトリハロシランな
どを反応させることにより、該シラン化合物を中心にし
た枝分かれ重合体を生成する方法が提案されている。し
かしながら、先行技術1によって得られた重合体は、該
シラン化合物に結合しているハロゲン原子末端が全てリ
チウム末端重合体と反応して、ケイ素原子にはシリカと
反応性を有する官能基が残存しないため、シリカとの親
和性が低く、シリカを充填剤に用いた加硫物の引張強度
は不充分なものである。
また、特公昭52−5071号公報(以下「先行技術2」とい
う)には、有機リチウム触媒を用いて単量体を重合する
途中で、ハロゲン化アルキルシラン化合物、アルコキシ
シラン化合物、ハロゲン化シラン化合物などのシラン化
合物よりなるカップリング剤を連続的に添加してシラン
化合物変性重合体を製造する方法が開示されている。
しかしながら、この先行技術2で得られる重合体は、重
合反応終了時にはシラン化合物中のハロゲン原子やアル
コキシ基のほとんどが重合体の活性末端と反応して消失
するため、この重合体を用いてシリカなどを充填剤とし
て組成物を製造してもシリカとの親和性が低く、これを
用いた加硫物の引張強度は不充分なものである。
さらに、特開昭56−104906号公報(以下「先行技術3」
という)には、アルカリ金属または有機アルカリ金属を
触媒として単量体を重合して得られるリビングポリマー
の活性末端1個当たり1分子中に少なくとも2個の加水
分解性の官能基を有するシラン化合物を1分子以上反応
させてポリマー末端のみをシラン化合物で変性した重合
体が開示されている。しかしながら、この重合体は、末
端に加水分解性の官能基がついており、しかもその官能
基量が多いため、容易に加水分解、縮合反応を生起し、
有機溶剤に不溶となる。
このため、製造工程で脱溶するときにスチーム凝固がで
きないという致命的な問題点を有する。
また、この重合体は、加水分解や、縮合反応を起こしや
すいため、製造時や保存時もしくは加硫物を得るための
配合時に、すでに多くのシリカとの親和性を有する官能
基が消失するため、シリカを用いた加硫物となっても充
分に高い引張強度特性を示さない。
本発明者らは、これらの先行技術の問題点に鑑み、先に
リビングポリマーに特定のシラン化合物を特定割合で反
応させて得られるシラン化合物変性重合体は、シリカな
どと反応可能な官能基を特定量有するため、シリカなど
の白色充填剤との親和性が高く、この加硫物は良好な引
張特性を示すことを見出した(特願昭61−710003号明細
書参照、以下「先行技術4」という)。しかしながら、
本発明者らの提案した先行技術4では、シラン化合物が
シリコン−ハロゲン結合とシリコン−アルコキシ結合の
両方を含有しているため、シラン化合物の製造時に、競
争反応によりシリコン−ハロゲン結合とシリコン−アル
コキシ結合との数を調整することが困難である。その結
果、シラン化合物の製造価格が高くなり、またシラン化
合物の製造工程が複雑になるなどの問題点があることが
判明した。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたもの
で、従来のシランカップリング剤などの補強助剤を用い
ずに、シリカなどの白色充填剤を用いる加硫物において
も、充分に高い引張強度および耐摩耗性を持ち、しかも
通常の操作では実質的に加水分解せず、製造が容易なシ
ラン化合物変性重合体の製造方法を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明らは、前記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討した
結果、リビングポリマーに特定のハロゲン化シラン化合
物を反応させたのち、さらにアルコールまたはアルコキ
サイドと反応させることによって得られるシラン化合物
変性重合体は、シリカなどと反応可能な官能基を有する
ため、シリカなどの白色充填剤との親和性が高く、この
加硫物は良好な引張特性と耐摩耗性を示すことを見出
し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、不活性有機溶媒中で有機アルカリ
金属触媒を用いて単量体を重合して得られるリビングポ
リマーの活性末端に、一般式(I) XSiR4−n ・・・・・・・(I) (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であ
るハロゲン原子、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アル
ケニル基、またはアリール基を示し、nは2〜4の整数
である)で表されるシラン化合物を反応させたのち、次
いで一般式(II) MOR′ ・・・・・・・(II) (式中、Mは水素原子または周期律表第Ia族のアルカリ
金属原子、R′は炭素数4〜20の炭化水素基を示す)で
表されるアルコールまたはアルコキサイドを反応させる
ことを特徴とするシラン化合物変性重合体の製造方法を
提供するものである。
本発明で使用される不活性有機溶媒としては、例えばペ
ンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼ
ン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテルなどが用いられる。
また、この際、共重合する場合には、ランダム化剤であ
り、同時に単量体として共役ジエンを使用する場合に該
共役ジエンのミクロ構造を調節剤として、必要に応じて
ルイス塩基を用いることができ、このものとしては例え
ばジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキ
シエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、トリエチルアミ
ン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N′,N′−
テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエ
タンなどのエーテル類および第3級アミン類などを挙げ
ることができる。
また、本発明に使用される有機アルカリ金属触媒として
は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−
ブチルリチウム、1,4−ジリチオブタン、ブチルリチウ
ムとジビニルベンゼンとの反応物などのアルキルリチウ
ム、アルキレンジリチウム、フェニルリチウム、スチル
ベンジリチウム、ジイソプロペニルベンゼンジリチウ
ム、ナトリウムナフタレン、リチウムナフタレンなどを
挙げることができる。
本発明で使用される単量体としては、有機金属触媒を使
用してリビング重合できる単量体全てが含まれ、例えば
共役ジエン、ビニル芳香族化合物、ビニルピリジン、ア
クリロニトリル、メタアクリロニトリル、メチルメタア
クリレート、アクリル酸エステルなどを挙げることがで
きる。
このうち、共役ジエンおよび/またはビニル芳香族化合
物が好ましい。
ここで、共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、2,3−
ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3
−ペンタジエン、ヘキサジエンなどが挙げられるが、他
の単量体との共重合性の容易さから1,3−ブタジエンあ
るいはイソプレンが好ましい。
かかる共役ジエンは、1種単独で使用することも、また
2種以上を併用することもできる。
また、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチル
スチレン、p−ブチルスチレン、ビニルナフタレンなど
が挙げられ、好ましくはスチレンである。かかる芳香族
ビニル化合物は、1種単独で使用することも、また2種
以上を併用することもできる。
なお、共役ジエンと芳香族ビニル化合物とを併用する場
合の割合は、共役ジエン/芳香族ビニル化合物(モル
比)=100/0〜40/60、好ましくは95/5〜55/45である。
本発明で使用されるリビングポリマーの重合方法は、重
合系を窒素置換した反応器内に、本発明で使用される不
活性有機溶媒、単量体および有機アルカリ金属触媒、さ
らに必要に応じてルイス塩基を一括仕込み、あるいは断
続的もしくは連続的に添加して重合を行う。
重合温度は、通常、−120〜+150℃、好ましくは−80〜
+120℃、重合時間は、通常、5分間〜24時間、好まし
くは10分間〜10時間である。
重合温度は、前記温度範囲内で一定温度で反応させて
も、また昇温もしくは断熱下で重合してもよい。また、
重合反応は、バッチ式でもあるいは連続式でもよい。
なお、溶媒中の単量体濃度は、通常、5〜50重量%、好
ましくは10〜35重量%である。
また、リビングポリマーを製造するために、有機アルカ
リ金属触媒およびリビングポリマーを失活させないため
に、重合系内にハロゲン化化合物、酸素、水あるいは炭
酸ガスなどの失活作用のある化合物の混入を極力なくす
ような配慮が必要である。
本発明により得られる変性重合体は、このようにして重
合系内で得られるリビングポリマーの活性末端に、特定
のハロゲン化シラン化合物を反応させ、さらに特定のア
ルコールまたはアルコキサイドを反応させ、実質的に加
水分解しないSi−O−R′結合(ここで、R′は前記に
同じ)を有する変性重合体である。
ここで、本発明のリビングポリマーと反応させるシラン
化合物は、1分子中にハロゲン原子と炭化水素基を有す
るシラン化合物であって、下記一般式(I)で表され
る。
SiR4−n ・・・・・・・(I) (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であ
るハロゲン原子、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アル
ケニル基またはアリール基を示し、nは2〜4の整数で
ある。) すなわち、本発明のシラン化合物は、ハロゲン原子およ
び炭化水素基を有するハロゲン化シラン化合物である。
前記Rのうち、アルキル基としてはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、t−ブチル基などを、アルケニル
基としてはビニル基、イソプロペニル基、アリル基など
を、アリール基としてはフェニル基、トルイル基、ナフ
チル基などを挙げることができる。
前記一般式(I)において、例えばnが4の場合はテト
ラハロゲン化シラン、nが3の場合はトリハロゲン化モ
ノアルキルシラン、nが2の場合はジハロゲン化ジアル
キルシランであり、いずれもリビングポリマーの活性末
端と反応性を有する化合物である。
本発明で使用される前記一般式(I)で表されるシラン
化合物の具体例としては、テトラクロロシラン、テトラ
ブロモシラン、テトラヨードシラン、メチルトリクロロ
シラン、メチルトリブロモシラン、メチルトリヨードシ
ラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラ
ン、ビニルトリヨードシラン、フェニルトリクロロシラ
ン、フェニルトリブロモシラン、フェニルトリヨードシ
ラン、トルイルトリクロロシラン、トルイルトリブロモ
シラン、トルイルトリヨードシラン、クロロメチルトリ
クロロシラン、クロロメチルトリブロモシラン、クロロ
メチルトリヨードシラン、ブロムメチルトリクロロシラ
ン、ブロムメチルトリブロモシラン、ブロムメチルトリ
ヨードシラン、クロロエチルトリクロロシラン、クロロ
エチルトリブロモシラン、クロロエチルトリヨードシラ
ン、ジブチルジクロロシラン、ジブチルジブロモシラ
ン、ジブチルジヨードシラン、ジフェニルジクロロシラ
ン、ジフェニルジブロモシラン、ジフェニルジヨードシ
ラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェニルメチル
ジブロモシラン、フェニルメチルジヨードシラン、エチ
ルメチルジクロロシラン、エチルメチルジブロモシラ
ン、エチルメチルジヨードシランなどを挙げることがで
きる。
これらのシラン化合物のうち、クロル化シラン化合物、
この中でも、特にnが3以上のテトラクロロシラン、メ
チルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどが
好ましい。
これらのシラン化合物は、1種単独でも、あるいは2種
以上を併用することもできる。
本発明は、前記リビングポリマーの活性末端に一般式
(I)で表されるシラン化合物を反応させるが、この際
のシラン化合物の使用量は、好ましくはリビングポリマ
ーの活性末端1個当たり、0.5〜5.0、好ましくは0.6〜
3.0分子反応させて得られるものである。
シラン化合物の使用量が、リビングポリマーの活性末端
1個当たり0.5未満では、リビングポリマーがシラン化
合物によってカップリングするため、ポリマーに付加し
たSi−Cl結合の数が少なくなり、必然的にアルコールま
たはアルコキサイドの処理によって導入されるSi−OR結
合の数が少なくなるか、なくなってしまう。そのため物
性改良効果がでない。
一方、5.0を超えても未反応のシラン化合物が増加する
だけで物性の改良効果は飽和しており経済上好ましくな
い。
本発明において、リビングポリマーの活性末端と官能基
を有するシラン化合物との反応は、リビングポリマーの
重合系の溶液中に該化合物を添加するか、あるいは該シ
ラン化合物を含む有機溶液中にリビングポリマーの溶液
を添加することにより実施される。
反応温度は、−120〜+150℃、好ましくは−80〜+120
℃であり、反応時間は1分〜5時間、好ましくは5分〜
2時間である。
次に、本発明では、リビングポリマーとハロゲン化シラ
ンとがカップリングし、未反応のシリコン−ハロゲン結
合をアルコキシ化し、実質的に非加水分解性で、しかも
ゴム加硫時に白色充填剤と親和性の高い官能基に置換す
るために、前記反応が終了したのち、前記で得られたシ
ラン化合物変性重合体溶液中の未反応のシリコン−ハロ
ゲン結合をアルコキシ化する目的で、次いで下記一般式
(II)で表されるアルコールあるいはアルコキサイドを
反応させる。
MOR′ ・・・・・・・(II) (式中、Mは水素原子または周期律表第I族のアルカリ
金属原子、R′は炭素数4〜20の炭化水素基を示す。) ここで、R′は、α位の炭素に炭素原子が3個結合した
炭化水素基やβ位の炭素に炭素数が1個以上の炭化水素
基の結合した炭化水素基またはフェニル基もしくはトル
イル基で示される芳香族炭化水素基が好ましい。
R′の炭素数が3以下では空気中で加水分解しやすく、
製造した重合体の安定性に問題があり、また炭素数が20
を超えても実質的に非加水分解性の効果は同じであり、
工業的な取り扱いや経済性の面からみて好ましくない。
前記一般式(II)で表されるアルコールとしては、例え
ばn−ブタノール、sec−ブタノール、2−メチル−1
−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−エチ
ルヘキシルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシル
アルコール、フェノール、トルイルアルコール、t−ブ
タノールなどである。
また、前記一般式(II)で表されるアルコキサイドとし
ては、前記アルコールのリチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどのアルカリ金属のアルコキサイドであり、好まし
くはフェノール、あるいは2−エチルヘキシルアルコー
ル、2−メチル−1−ブタノールなどのアルコキサイ
ド、具体的にはソジウムフェノキサイド、ポタシウム−
2−エチルヘキサイド、ソジウム−2−メチル−1−ブ
トキサイド、リチウム2−エチルヘキサイドなどであ
る。
これらのアルコールあるいはアルコキサイドは、1種単
独で使用することも、また2種以上を併用することもで
きる。
これらのアルコールあるいはアルコキサイドの使用量は
特に限定されないが、好ましくは前記シラン化合物1モ
ルに対して1〜100倍モル、さらに好ましくは2〜50倍
モルである。
リビングポリマーとシラン化合物との反応物である変性
重合体へのアルコールあるいはアルコキサイドの反応温
度は、−120〜+150℃、好ましくは−80〜+120℃であ
り、反応時間は、通常、5分〜24時間、好ましくは10分
〜10時間である。
反応終了後、受酸剤としてトリエチルアミンなどのアミ
ン化合物を添加するのがプラントの耐腐蝕性上好まし
い。この量は、重合系内を中和する量が好ましく、多す
ぎるとシラン変性重合体を劣化させるため好ましくな
い。
反応終了後、ポリマー溶液中にスチームを吹き込んで溶
媒を除去するか、あるいはメタノールなどの貧溶媒を加
えてシラン化合物変性重合体を凝固したのち、熱ロール
もしくは減圧下で乾燥してシラン化合物変性重合体を得
ることができる。
また、ポリマー溶液を直接減圧下で溶媒を除去してシラ
ン化合物変性重合体を得ることもできる。
なお、本発明のシラン化合物変性重合体の分子量は、広
い範囲にわたって変化させることができるが、そのムー
ニー粘度(ML1+4、100℃)は、通常、10〜150、好ま
しくは10〜100の範囲であるとよい。
また、本発明により得られるシラン化合物変性重合体が
共重合体である場合には、リビングポリマーの構造に準
じてブロック共重合体あるいはランダム共重合体であっ
てもよい。
なお、本発明により得られるシラン化合物変性重合体
は、例えば赤外吸収スペクトルにより、Si−O−C結合
に起因する1,100cm-1付近の吸収、Si−O−φ結合に起
因する1,250cm-1付近の吸収、あるいはSi−C結合に起
因する1,160cm-1付近の吸収などにより、その構造を確
認することができる。
かくて、本発明により得られるシラン化合物変性重合体
は、単独または天然ゴム、シス−1,4ポリイソプレンを
はじめ、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体、溶液
重合スチレン−ブタジエン共重合体、低シス−1,4ポリ
ブタジエン、高シス−1,4ポリブタジエン、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレン、ハロゲン
化ブチルゴム、NBRなどとブレンドし使用され、必要な
らば芳香族系、ナフテン系、パラフィン系などのオイル
で油展し、次いでカーボンブラック、シリカ、炭酸マグ
ネシウム、炭化カルシウム、ガラス繊維などの白色充填
剤、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤、加硫促進剤な
らびに加硫剤などの通常の加硫ゴム配合剤を加え組成物
となすことができる。
なお、前記組成物中には、シラノール縮合剤として知ら
れているジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオ
クトエート、ジブチルスズラウレート、酢酸第一スズ、
オクタン酸第一鉄、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、2
−エチルヘキサン鉄、ナフテン酸コバルト、チタン酸エ
ステル、キレート化合物を配合することもできる。
得られる組成物は、成形加工後、加硫を行い、トレッ
ド、アンダートレッド、サイドウオール、ビート部分な
どのタイヤ用途をはじめ、ホース、ベルト、靴底、窓
枠、シール材、その他の工業用品などの用途に用いるこ
とができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
何ら制約されるものではない。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量
部および重量%を意味する。
また、実施例中の各種の測定は、下記の方法に拠った。
すなわち、リビングポリマーの活性末端とシラン化合物
の反応は、反応前後の共重合体のムーニー粘度の変化お
よび赤外吸収スペクトルの変化により確認した。
ムーニー粘度は、予熱1分、測定4分、温度100℃で測
定した。
ブタジエン部分のミクロ構造は、赤外吸収スペクトル法
(モレロ法)によって求めた。
スチレン含量は、699cm-1のフェニル基の吸収に基づい
た赤外吸収スペクトル法により、あらかじめ求めておい
て検量線により測定した。
加硫物性は、JIS K6301に従って測定した。
耐摩耗試験であるランボーン摩耗指数は、ランボーン摩
耗法により測定した。測定条件は、負荷荷重が4.5kg、
砥石の表面速度が100m/秒、試験片速度が130m/秒、スリ
ップ率が30%、落砂量が20g/分、また測定温度は室温と
した。
ランボーン摩耗指数は、シリコン化合物未変性のスチレ
ン−ブタジエン共重合体を100として示した、数値の大
きいほど、耐摩耗性が良好である。
実施例1 撹拌機、ジャケット付きの内容積5のオートクレーブ
を乾燥し、窒素置換した。このオートクレーブに、あら
かじめ精製、乾燥したシクロヘキサン2,500g、スチレン
100g、1,3−ブタジエン400gおよびテトラヒドロフラン2
5gを導入した。
次いで、オートクレーブ内の温度を10℃にしたのち、毎
分2回転で撹拌しながら冷却水を止めてn−ブチルリチ
ウム0.450gを添加して30分間重合した。このポリマー溶
液を一部取り出してムーニー粘度(ML1+4、100℃)
を測定したところ、10以下であった。
次に、残りのポリマー溶液にテトラクロロシランのシク
ロヘキサン溶液7.03ml(濃度1.00モル/、n−ブチル
リチウムに対するテトラクロロシランのモル比は、1.0
に相当する)を加えたところ、リビングアニオンの黄赤
色が消失し、溶液粘度が高くなった。さらに、50℃で30
分間反応させた。
次いで、2−エチルヘキシルアルコールのシクロヘキサ
ン溶液21.1ml(濃度0.20モル/、テトラクロロシラン
に対する2−エチルヘキシルアルコールのモル比は、3.
0に相当する)を50℃に加温して加えた。
さらに、30分後にトリエチルアミンのシクロヘキサン溶
液21.1ml(濃度1.00モル/、n−ブチルリチウムに対
するトリエチルアミンのモル比は3.0に相当する)を加
えた。
その後、50℃で30分間反応させ、所定時間後、2,6−ジ
−t−ブチルフェノール(BHT)を重合体100g当たり0.7
gを加え、スチームで脱溶後、100℃の熱ロールで乾燥し
た。
重合体の収量は、ほぼ定量的に得られた。
以下の実施例でも、重合体収量は定量的であった。この
重合体は、テトラヒドロフランに溶解しても不溶分はな
かった。
また、この変性重合体の赤外吸収スペクトルには、1,10
0cm-1付近にSi−O−C結合に基づく吸収と、1,160cm-1
にSi−C結合に基づく吸収が存在した。
この重合体のGPC分析によるポリスチレン換算の重量平
均分子量(Mw)は346,000、数平均分子量(Mn)は249,0
00であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。
また、この重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)
は35であり、一方ロール間隔0.5mmの100℃ロールで成形
し、30分間スチームで煮沸したのち、乾燥した重合体の
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は37と、ほとんど変
化はみられなかった。
このシラン化合物変性重合体を下記配合処方で加硫し、
物性を評価した。すなわち、145℃の熱ロールでポリマ
ー、シリカ、DBTDL、ステアリン酸、酸化亜鉛を予備混
練りし、その後50℃のロールで残りの配合剤を混練りし
た。この配合物を成形して、145℃でプレス加硫した。
以下の実施例においても、全て同様の方法により加硫を
実施した。結果を第1表に示す。
配合処方 (部) ポリマー 100 シリカ 40 (日本シリカ(株)製、ニプシールVN3) ステアリン酸 2 酸化亜鉛 3 老化防止剤;810NA*1 1 〃 TP*2 0.8 加硫促進剤;D*3 0.6 〃 DM*4 1.2 トリエタノールアミン 1.5 硫黄 1.5 DBTDL*5 1.0 合計 151.1 *1)N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニ
レンジアミン *2)ソジウムジブチルジチオカーバメート *3)ジフェニルグアニジン *4)ジベンゾチアジルジスルフィド *5)ジブチルスズジラウレート 比較例1〜2 実施例1において、2−エチルヘキサノールとトリエチ
ルアミンとを用いない場合(比較例1)、また実施例1
において2−エチルヘキサノールとトリエチルアミンと
を用いず、さらにテトラクロロシランを1/4倍モルに減
量した場合(比較例2)について、それぞれシラン化合
物変性重合体を製造した。重合結果と得られた重合体の
加硫物性を第1表に示す。
実施例2 実施例1のテトラクロロシランの代わりに、ビニルトリ
クロロシランを用い、また2−エチルヘキサノールの代
わりにフェノールを2/3倍モル、かつトリエチルアミン
を2/3倍モルに減量した以外は、実施例1と同様にシラ
ン化合物変性重合体を製造した。重合結果と得られた重
合体の加硫物性の結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1とテトラクロロシランの代わりに、メチルトリ
クロロシラン、2−エチルヘキサノールとトリエチルア
ミンの代わりにリチウム2−エチルヘキサイドを用いた
以外は、実施例1と同様にシラン化合物変性重合体を製
造した。重合結果と得られた重合体の加硫物性を第1表
に示す。
実施例4〜6 実施例4はジブチルジクロロシランを用いてt−ブタノ
ール処理をした例、実施例5はフェニルトリブロモシラ
ンを用いて2−メチル−1−ブタノール処理した例、実
施例6はテトラヨードシランを用いて2−エチルヘキサ
ノール処理をした例である。詳細な添加量、およびこれ
ら得られた重合体の加硫物性を、第1表に示す。
比較例3 実施例1と同様にテトラクロロシランで変性したのち、
メタノール処理した例である。
重合結果と重合体の加流物性を、第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明は、不活性有機溶媒中で有機アルカリ金属触媒を
用いて単量体を重合して得られるリビングポリマーに特
定のハロゲン化シラン化合物をカップリング反応させ、
さらに特定のアルコールまたはアルコキサイドを反応さ
せて、未反応のシリコン−ハロゲン結合をSi−O−R′
結合に交換することにより、実質的に加水分解しないSi
−O−R′結合を有するシラン化合物変性重合体を製造
する方法であり、得られるシラン化合物変性重合体は、
従来、高引張強度の得られなかったシリカなどの白色充
填剤の配合においても高引張強度を示し、その結果、着
色が可能な高引張強度で良好な耐摩耗性を有する加硫物
を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性有機溶媒中で有機アルカリ金属触媒
    を用いて単量体を重合して得られるリビングポリマーの
    活性末端に、一般式(I) XSiR4−n ・・・・・・・(I) (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であ
    るハロゲン原子、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アル
    ケニル基またはアリール基を示し、nは2〜4の整数で
    ある)で表されるシラン化合物を反応させたのち、次い
    で一般式(II) MOR′ ・・・・・・・(II) (式中、Mは水素原子または周期律表第Ia族のアルカリ
    金属原子、R′は炭素数4〜20の炭化水素基を示す)で
    表されるアルコールまたはアルコキサイドを反応させる
    ことを特徴とするシラン化合物変性重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】単量体が共役ジエンおよび/またはビニル
    芳香族化合物である特許請求の範囲第1項記載のシラン
    化合物変性重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(II)で表されるアルコールまたは
    アルコキサイドのR′がα位の炭素に炭素原子が3個結
    合した炭化水素基、β位の炭素に炭素原子が1個以上の
    炭化水素基が結合した炭化水素基、またはフェニル基も
    しくはトルイル基で示される芳香族炭化水素基である特
    許請求の範囲第1項または第2項記載のシラン化合物変
    性重合体の製造方法。
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