JPH0680895U - 磁気駆動式密封ポンプ - Google Patents

磁気駆動式密封ポンプ

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JPH0680895U
JPH0680895U JP2035993U JP2035993U JPH0680895U JP H0680895 U JPH0680895 U JP H0680895U JP 2035993 U JP2035993 U JP 2035993U JP 2035993 U JP2035993 U JP 2035993U JP H0680895 U JPH0680895 U JP H0680895U
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magnetic pole
magnet
driven
pump casing
impeller
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JP2035993U
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良作 澤田
憲作 澤田
幸作 澤田
宗作 澤田
幹夫 松井
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株式会社阪神技術研究所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気によって羽根車をポンプケーシング外か
ら非接触で駆動回転し、その羽根車の軸封を不要として
液を完全無漏洩で移送できる磁気駆動式密封ポンプにつ
いて、羽根車に伝達する回転トルクを高めて液の移送能
力を向上させる。 【構成】 ポンプケーシング(1) 内に、側端に円盤状の
従動マグネット(3) を取着した羽根車(2) を回転自由に
封入配置する一方、そのポンプケーシング(1) 外側に、
電動機(5) に連結された円盤状の駆動マグネット(4) を
内部の従動マグネット(3) に対向させて回転可能に配置
し、かつ、従動マグネット(3) および駆動マグネット
(4) の本体(3a),(4a) が、同径の円盤状に形成されると
共に、互いに対向させた本体(3a),(4a) の対向面それぞ
れの外周寄りに、複数のN磁極面(6a)とS磁極面(6b)と
を交互に隣接させて回転方向に円環状に連ねて構成され
た交番磁極面(6) を設けてなるものとする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、磁気駆動式密封ポンプに関し、詳細には、羽根車をポンプケーシン グ外から非接触で駆動回転させて羽根車軸の軸封を不要とし、酸化反応等のため 漏洩を忌避する処理液や薬液の移送に適する磁気駆動式密封ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
大気中に漏洩すると酸化反応等により劣化や有害ガスを生じたりする処理液や 薬液等を無漏洩で移送するための小型ポンプとして、例えば〔図5〕図に示すよ うに、磁気によって羽根車を外部から非接触で駆動回転させることで、その羽根 車軸の軸封を不要とした磁気駆動式密封ポンプが用いられている。
【0003】 〔図5〕は、従来の磁気駆動式密封ポンプの代表的な1例の構成を示す図面で あって、 (a)図は正断面図、 (b)図は (a)図のA−A断面図である。
【0004】 この従来の磁気駆動式密封ポンプでは、渦巻羽を有する羽根車(22)の側端中央 部に短円柱状の従動マグネット(23)を取着すると共に、これらをベアリング(28) を介して中心軸(27)に同軸に回転自由に外挿して、非磁性のポリプロピレンから なるポンプケーシング(21)内に封入配置する一方、そのポンプケーシング(21)壁 を中間に介在させた従動マグネット(23)の外周上に、連結具(24b) を介して電動 機(25)に連結させた円筒状の駆動マグネット(24)を回転可能に配置している。
【0005】 一方、従動マグネット(23)は、フエライトマグネット材からなる本体(23a) の 外周面に、 (b)図に示すように、2つのN磁極面(26a) と2つのS磁極面(26b) とを周方向に一定間隔を隔てて交互に着磁形成してなり、また、駆動マグネット (24)も同様に、フエライトマグネット材からなる本体(24a) の内周面に、2つの N磁極面(26a) と2つのS磁極面(26b) とを周方向に一定間隔を隔てて交互に着 磁形成してなる。
【0006】 この従来の磁気駆動式密封ポンプでは、上記の構成のもとで、電動機(25)にて 駆動マグネット(24)を回転させ、対向して極相の異なるN磁極面(26a) とS磁極 面(26b) との間の磁気吸引力によって、従動マグネット(23)を非接触で駆動し、 すなわち外部からポンプケーシング(21)内に封入配置された従動マグネット(23) を駆動して羽根車(22)を回転させ、その遠心力によってポンプケーシング(21)の 中心部の吸込口(21a) より吸入した液を外周部の吐出口(21b) から吐出させる。 そして、羽根車(22)をポンプケーシング(21)内に封入配置することで軸封を不 要とし、これよって液を無漏洩で移送できる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の磁気駆動式密封ポンプは、液を無漏洩で移送することがで き、大気中に漏洩すると酸化反応等により劣化や有害ガスを生じたりする処理液 や薬液等を移送する小型ポンプとしては優れるものの、駆動マグネットから従動 マグネットに伝達できる回転トルクが低く、水より高い粘度の液を移送する場合 には、その液粘度が高まるほど、また管路抵抗が高まるほど急激に吸入・吐出量 が低下するという問題点がある。
【0008】 本考案は、上記従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、磁気によって 羽根車をポンプケーシング外から非接触で駆動回転させ、その羽根車の軸封を不 要として液を無漏洩で移送できてなお、羽根車に伝達する回転トルクを高めて液 の移送能力を向上させることのできる磁気駆動式密封ポンプを提供することを目 的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は以下の構成とされている。すなわち、本 考案に係る磁気駆動式密封ポンプは、非磁性材からなるポンプケーシング(1) 内 に、側端に従動マグネット(3) を同軸に取着した羽根車(2) を回転自由に封入配 置する一方、従動マグネット(3) に対向するポンプケーシング(1) の外側に、電 動機(5) に連結された駆動マグネット(4) を回転可能に配置してなり、駆動マグ ネット(4) の回転によって、ポンプケーシング(1) 内の従動マグネット(3) を非 接触で駆動して羽根車(2) を回転させる磁気駆動式密封ポンプにおいて、従動マ グネット(3) および駆動マグネット(4) が、互いに対向させた本体(3a),(4a) の 対向面それぞれに、複数のN磁極面(6a)とS磁極面(6b)とを交互に隣接させて回 転方向に同数連ねて構成された交番磁極面(6) を設けてなることを特徴とする。
【0010】 また、上記従動および駆動マグネット(4),(3) の本体(3a),(4a) が、同径の円 盤状に形成されると共に、それぞれの対向面の外周寄りに交番磁極面(6) を設け ていても良い。
【0011】 また、上記従動マグネット(3) の本体(3a)が、外周面に交番磁極面(6) を設け てなる小円筒状に形成される一方、駆動マグネット(4) の本体(3a)が、内周面に 交番磁極面(6) を設けてなる大円筒状に形成されて、従動マグネット(3) の外周 上に位置して配置されていても良い。
【0012】
【作用】
本考案者らは、ポンプケーシング内に配置した従動マグネットを、その外側に 配置した駆動マグネットによって駆動するについて、それら従動マグネットと駆 動マグネットとに設ける磁極面の配置数を多くすることで、両者間の磁気吸引力 を配置数に比例して増大させることができ、これにより駆動マグネットから従動 マグネットに伝達される回転トルクを高めることができると考えた。
【0013】 そして、このことを確認するため、〔図3〕の (a)図に示すように、長さLが 16mm、幅Wが10mm、厚さTが 6mmであって、その表裏面に 950ガウスのN極およ びS極を有する薄肉平板状の永久磁石(M) を用い、その永久磁石(M) を所定間隔 を隔て、かつ互いの極相を違えて対向させたときの横方向への滑動抵抗力が、対 向させた永久磁石(M) それぞれの配列数によってどのように増減するかの実験を 行った。
【0014】 その実験は、〔図3〕の (b)図に示すように、上面に設けた凹部内に上記永久 磁石(M) をN極面を上にして配すると共に、その上をケーシング(1) 壁としての ポリプロピレン板(31a) で覆ってなる平板状の固定板(31)を固定配置する一方、 この固定板(31)上に、下面に設けた凹部内に上記永久磁石(M) をS極面を下にし て配してなる移動板(32)を、複数のコロ(33)を介して横方向に滑動可能に配置し た。更に、この移動板(32)に横方向への荷重(g) を負荷できるようにし、これに より移動板(32)の横方向への滑動抵抗力(gr)、すなわち極相を違えて対向させた 上下の永久磁石(M) 間の磁気吸引力に対抗して移動板(32)を横方向に滑動・分離 させる力の値を調べた。また、固定板(31)と移動板(32)とに配する永久磁石(M) は、それぞれ1〜5個まで同数の組合せで変化させ、かつ複数配する場合には、 それら永久磁石(M) の長手方向の側面を互いに密着させて連ねた。
【0015】 ところが、期待に反して、対向する磁石(M) の配列数を増しても、移動板(32) の横方向への滑動抵抗力(gr)は、〔図4〕のグラフに黒丸印でプロットして示 すように、1組で対向させた場合に比べて僅かな上昇しか認められず、このこと から、従動マグネットおよび駆動マグネットに設ける逆極相の磁極面それぞれの 配置数を単に多くしただけでは、両者間の磁気吸引力を比例的に増大させること はできず、これによって従動マグネットから駆動マグネットに伝達される回転ト ルクを高めることは困難であることが判った。
【0016】 ところで、表裏面にN極およびS極を有する薄肉平板状の永久磁石(M) を互い の側面を密着させて連ねる場合、隣接させられたもの同士は、外力を加えて保持 しない限り、相互の磁力によって互に極相を反転させた状態で連なろうとする。 そこで、この配列状態、すなわち〔図3〕の (c)図に示すように、複数の永久 磁石(M) を、そのN極とS極とを上下交互に違えて側面同士を密着させて連ね、 かつ、上下で対向する極相が互いに異なるようにして、固定板(31)と移動板(32) とに配し、上記と同様に移動板(32)の横方向への滑動抵抗力(gr)を調べた。 その結果、〔図4〕のグラフに白抜き丸印でプロットして示すように、永久磁 石(M) の配列数(n) に比例して移動板(32)の横方向への滑動抵抗力(gr)が増大 して行くことが判った。また、固定板(31)および移動板(32)に、各3個の永久磁 石(M) を配した例において、それら永久磁石(M) の間に非磁性スペーサを介装し て、1mm 、3mm 、5mm および10mmの異なる間隔を保たせて連ねたところ、それら を密着させて連ねた場合に 205grであった滑動抵抗力が、 1mmの間隔で 190gr、 3mmの間隔で 170gr、 5mmの間隔で 135gr、10mmの間隔で 104grと、その間隔の 増大に伴って低下し、密着させたときに最大の滑動抵抗力(gr)が得られること が判った。
【0017】 これは、極相を違えて対向させた上下の永久磁石(M) 間の磁気吸引力に対抗す る力を移動板(32)に負荷し、この移動板(32)が横方向に移動し始めると、例えば 、〔図3〕の (c)図に示す移動板(32)のS極の永久磁石(M) の一部が、その下方 のN極の永久磁石(M) に隣接する同極(S極)の永久磁石(M) 上に移動して行く ことになるので、それらの間に磁気吸引力に加えて磁気反発力が作用し、その相 乗効果によって滑動抵抗力(gr)が増大し、また、それ故に、各永久磁石(M) を 密着して連ねてなる交番磁極面としたときに、その相乗効果が最大になるものと 考えられる。
【0018】 また、移動板(32)に横方向への力が負荷されていない無負荷状態では、この移 動板(32)と固定板(31)とに配列した極相の異なる永久磁石(M) 同士が対向して吸 引し合う位置関係で停止し、双方の永久磁石(M) 間に閉鎖磁界が形成されるので 、このような配列状態としても、各永久磁石(M) が相互の磁界の干渉で消磁され て機能低下する懸念がないことも判った。
【0019】 本考案者らは、これらのことから、従動マグネットおよび駆動マグネットに設 ける磁極面を、複数のN磁極面とS磁極面を交互に隣接させて回転方向に連ねて 構成された交番磁極面とし、かつ、両者の磁極面が相異なる極相で対向できるよ うにすることで、両者間に磁気吸引力だけでなく磁気反発力も作用させ、これに よって従動マグネットから駆動マグネットに伝達される回転トルクを高めること ができるとの知見を得たのである。
【0020】 本考案は、上記知見に基づいて完成されたものであって、羽根車(2) の側端に 同軸に取着され、ポンプケーシング(1) 内に封入配置された従動マグネット(3) の本体(3a)と、この従動マグネット(3) に対向するポンプケーシング(1) 外側に 配置された駆動マグネット(4) の本体(3a)との対向面それぞれに、複数のN磁極 面(6a)とS磁極面(6b)を交互に回転方向に連ねて構成された交番磁極面(6) を設 けているので、駆動マグネット(4) を電動機(5) によって回転させることで、ポ ンプケーシング(1) 内に封入配置された従動マグネット(3) を非接触で駆動して 羽根車(2) を回転させることができ、また、羽根車(2) をポンプケーシング(1) 内に封入配置することで軸封を不要とし、これよって液を無漏洩で移送できる。 また、従動マグネット(3) と駆動マグネット(4) とに設ける交番磁極面(6) が 、N磁極面(6a)とS磁極面(6b)を交互に隣接させて回転方向に同数連ねて構成さ れているので、両者間に磁気吸引力だけでなく磁気反発力も作用させることがで き、これによって従動マグネット(3) から駆動マグネット(4) に伝達される回転 トルクを高めることができる。
【0021】
【実施例】
本考案の実施例について図面を参照して以下に説明する。 〔図1〕は、本考案の第1実施例の磁気駆動式密封ポンプの構成を示す図面で あって、 (a)図は正断面図、 (b)図は (a)図の要部のA−A矢視断面図、 (c)図 は (a)図の要部のB−B矢視断面図である。
【0022】 〔図1〕の (a)図において、(1) はポンプケーシングであって、このポンプケ ーシング(1) は、非磁性材であって薬液等に対して安定なポリプロピレンからな り、円盤状空間に形成された液室を有し、その側部中心に吸込口(1a)を、外周部 に吐出口(1b)を設けた密封容器に形成されている。
【0023】 (2) は羽根車であって、この羽根車(2) は、デイスク状本体の側面に複数の渦 巻羽を1体に形成したポリプロピレン製のものである。また、この羽根車(2) の 渦巻羽と反対側の端面には、該羽根車(2) よりもやや小さな外径の円盤状に形成 された従動マグネット(3) が取着されると共に、その従動マグネット(3) と同軸 に中心軸(7) に回転自由に外挿され、それらと共にポンプケーシング(1) 内に封 入配置されている。
【0024】 (4) は駆動マグネットであって、この駆動マグネット(4) は、従動マグネット (3) と同外径の円盤状に形成されたもので、連結部材(4b)を介して電動機(5) に 連結され、従動マグネット(3) に対向するポンプケーシング(1) の外側に回転可 能に配置されている。また、電動機(5) は、筒状のハウジング(5a)を介してポン プケーシング(1) に連結されることで、その回転軸心を羽根車(2) の回転軸心に 一致させられている。
【0025】 翻って、従動マグネット(3) は、磁性材からなる円盤状の本体(3a)の外周寄り の端面に、 (b)図に示すように、N磁極面(6a)とS磁極面(6b)とを円周方向に交 互に着磁することで、それぞれ6個のN磁極面(6a)とS磁極面(6b)とを隣接させ て交互に、回転方向に円環状に連ねて構成した交番磁極面(6) を設けてなる。 また、駆動マグネット(4) も同様に、磁性材からなる円盤状の本体(4a)の外周 寄りの端面に、 (c)図に示すように、同数(各6個)のN磁極面(6a)とS磁極面 (6b)とを交互に円環状に連ねて構成した交番磁極面(6) を設けてなる。
【0026】 そして、これら従動マグネット(3) と駆動マグネット(4) は、ポンプケーシン グ(1) 壁を中間に介在させた状態で、双方の交番磁極面(6) を対向させて配置さ れている。また、従動マグネット(3) の中心部両側と、駆動マグネット(4) の中 心部側端とポンプケーシング(1) 側壁との間にはスラスト軸受(8) が配されてあ り、これにより従動マグネット(3) と駆動マグネット(4) とは、ポンプケーシン グ(1) 壁との間に一定の間隙を保持して回転できるものとされている。
【0027】 ここで、従動マグネット(3) および駆動マグネット(4) の交番磁極面(6) につ いて説明すると、その交番磁極面(6) を構成するN磁極面(6a)とS磁極面(6b)は 、平面形状が略扇形となる同形でもって、円周方向に隣接して順次に着磁されて 円環状に連ねられている。従って、無負荷状態における従動マグネット(3) と駆 動マグネット(4) とは、双方の交番磁極面(6) の同形でかつ極相の異なるN磁極 面(6a)とS磁極面(6b)同士が対向して吸引し合う回転方向の角度位相関係を自律 的にとり合って停止し、これによって双方の交番磁極面(6) の対向するN磁極面 (6a)とS磁極面(6b)の間に閉鎖磁界が形成され、相互の磁界の干渉で消磁されて 機能低下することが防げる。
【0028】 上記構成の本実施例の磁気駆動式密封ポンプでは、駆動マグネット(4) を電動 機(5) によって回転させることで、ポンプケーシング(1) 内に封入配置された従 動マグネット(3) を非接触で駆動して羽根車(2) を回転させ、その遠心力よって ポンプケーシング(1) 中心部の吸込口(1a)より吸入した液を外周部の吐出口(1b) から吐出させることができる。また、羽根車(2) をポンプケーシング(1) 内に封 入配置することで軸封を不要とし、これよって液を無漏洩で移送できる。
【0029】 また、従動マグネット(3) および駆動マグネット(4) の交番磁極面(6) が、N 磁極面(6a)とS磁極面(6b)を交互に、かつ隣接させて回転方向に連ねて構成され ているので、両者間に磁気吸引力だけでなく磁気反発力も作用させることができ 、これによって従動マグネット(3) から駆動マグネット(4) に伝達される回転ト ルクを、磁気吸引力だけに依存する従来技術のものよりも高めることができる。
【0030】 〔図2〕は、本考案の第2実施例の磁気駆動式密封ポンプの構成を示す図面で あって、(a) 図は正断面図、(b) 図は (a)図のA−A断面図である。
【0031】 〔図2〕において、(11)はポンプケーシングであって、このポンプケーシング (11)は、前記第1実施例のものと同様にポリプロピレンからなり、円盤状空間に 形成された主液室の側部中心に吸込口(11a) を、外周部に吐出口(11b) を設けた 密封容器に形成されると共に、吸込口(11a) と反対側の中心部壁を軸方向にカッ プ状に突出させている。
【0032】 (12)は羽根車であって、この羽根車(12)は、前記第1実施例のものと同様に、 複数の渦巻羽を1体に形成したポリプロピレン製のものである。また、この羽根 車(12)の渦巻羽と反対側の中心部端面には、該羽根車(12)よりも小さな外径の円 筒状に形成された従動マグネット(13)が取着されると共に、ベアリング(18)を介 して、従動マグネット(13)と同軸に中心軸(17)に回転自由に外挿され、かつ従動 マグネット(13)を突出部内に位置づけて、それらと共にポンプケーシング(11)内 に封入配置されている。
【0033】 (14)は駆動マグネットであって、この駆動マグネット(14)は、従動マグネット (13)の外径より大きな内径を有する円筒状に形成されたもので、連結部材(14b) を介して電動機(15)に連結され、ポンプケーシング(11)の突出部の壁を中間に介 在させた従動マグネット(13)の外周上に位置して配置されている。また、電動機 (15)は、筒状のハウジング(15a) を介してポンプケーシング(11)に連結されるこ とで、その回転軸心を羽根車(12)の回転軸心に一致させられている。
【0034】 翻って、従動マグネット(13)は、磁性材からなる円筒状の本体(13a) の外周面 に、 (b)図に示すように、N磁極面(16a) とS磁極面(16b) とを周方向に交互に 着磁することで、それぞれ6個のN磁極面(16a) とS磁極面(16b) とを隣接させ て交互に、回転方向に円環状に連ねて構成した交番磁極面(16)を設けてなる。 また、駆動マグネット(14)も同様に、磁性材からなる円筒状の本体(14a) の内 周面に、同数(各6個)のN磁極面(6a)とS磁極面(16b) とを交互に円環状に連 ねて構成した交番磁極面(16)を設けてなる。
【0035】 ここで、従動マグネット(13)と駆動マグネット(14)の交番磁極面(16)について 説明すると、それら交番磁極面(16)を構成するN磁極面(6a)とS磁極面(16b) は 、平面形状が軸方向に長い短冊状の同形でもって、円周方向に隣接して順次に着 磁されて円環状に連ねられている。従って、無負荷状態における従動マグネット (13)と駆動マグネット(14)とは、第1実施例と同様に、双方の交番磁極面(16)の の略同形でかつ極相の異なるN磁極面(16a) とS磁極面(16b) 同士が対向して吸 引し合う回転方向の角度位相関係を自律的にとり合って停止し、これによって双 方の交番磁極面(16)の対向するN磁極面(16a) とS磁極面(16b) の間に閉鎖磁界 が形成され、相互の磁界の干渉で消磁されて機能低下することが防げる。
【0036】 上記構成の本実施例の磁気駆動式密封ポンプでは、第1実施例のものと同様に 、外部の駆動マグネット(14)の回転により、ポンプケーシング(11)内に封入配置 された従動マグネット(13)を非接触で駆動して羽根車(12)を回転させることがで き、羽根車(12)の軸封を不要として液を無漏洩で移送できる。 また、同様に従動マグネット(13)と駆動マグネット(14)との間に、磁気吸引力 だけでなく磁気反発力も作用させることができ、よって従動マグネット(13)に伝 達される回転トルクを高めることができる。
【0037】 なお、上記第1および第2実施例では、従動および駆動マグネットの本体が磁 性材からなり、かつ、それらに設けた交番磁極面を構成するN磁極面およびS磁 極面は、磁性材からなる本体表面に直設に着磁されてなるものとしたが、これは 1例であって、従動および駆動マグネットに設ける交番磁極面がN磁極面とS磁 極面とを隣接して交互に連ねて構成されている限り、必ずしもこのような構成で なくても同様の効果を得ることができる。
【0038】 例えば、従動マグネットおよび駆動マグネットの本体を非磁性材からなるもの とし、かつ、それらに設ける交番磁極面は、表裏面にN磁極およびS磁極を有す る薄肉平板状の複数の永久磁石を、側端面同士を密着させると共に、表側の磁極 相を交互に違えて回転方向に連ねて、非磁性材からなる本体表面に取着すること で構成されても良い。また、その交番磁極面を構成するに用いる永久磁石として は、極一般的なフエライト系の他、より高トルクを得るためにネオジウム系やサ マリウムコバルト系等の高ガウスのものが適用されても良い。 また、上記第1および第2実施例では、従動および駆動マグネットの交番磁極 面を構成するN磁極面およびS磁極面の数はそれぞれ6個としたが、これは対象 ポンプの容量等に応じて、それら交番磁極面が6個とは異なる偶数個のN磁極面 およびS磁極面を連ねて構成されて良いことは言うまでもない。
【0039】
【考案の効果】
以上に述べたように、本考案に係る磁気駆動式密封ポンプによれば、磁気によ って羽根車をポンプケーシング外から非接触で駆動回転させ、その羽根車の軸封 を不要として液を無漏洩で移送できてなお、羽根車に伝達する回転トルクを高め て液の移送能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例の磁気駆動式密封ポンプの
構成を示す図面であって、 (a)図は正断面図、 (b)図は
(a)図の要部のA−A矢視断面図、 (c)図は (a)図の要
部のB−B矢視断面図である。
【図2】本考案の第2実施例の磁気駆動式密封ポンプの
構成を示す図面であって、 (a)図は正断面図、 (b)図は
(a)図のA−A断面図である。
【図3】本考案の磁気による回転トルクの伝達に関わる
説明図である。
【図4】本考案の磁気による回転トルクの伝達に関わる
永久磁石の配列数と滑動抵抗力との関係を示すグラフで
ある。
【図5】従来の磁気駆動式密封ポンプの代表的な1例の
構成を示す図面であって、 (a)図は正断面図、 (b)図は
(a)図のA−A断面図である。
【符号の説明】
(1) --ポンプケーシング、(1a)--吸込口、(1b)--吐出口
(1b)、(2) --羽根車、(3) --従動マグネット、(3a)--本
体、(4) --駆動マグネット、(4a)--本体、(4b)--連結部
材、(5) --電動機、(5a)--ハウジング、(6) --交番磁極
面、(6a)--N磁極面、(6b)--S磁極面、(7) --中心軸、
(8) --スラスト軸受。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性材からなるポンプケーシング(1)
    内に、側端に従動マグネット(3) を同軸に取着した羽根
    車(2) を回転自由に封入配置する一方、従動マグネット
    (3) に対向するポンプケーシング(1) の外側に、電動機
    (5) に連結された駆動マグネット(4) を回転可能に配置
    してなり、駆動マグネット(4) の回転によって、ポンプ
    ケーシング(1) 内の従動マグネット(3) を非接触で駆動
    して羽根車(2) を回転させる磁気駆動式密封ポンプにお
    いて、従動マグネット(3) および駆動マグネット(4)
    が、互いに対向させた本体(3a),(4a) の対向面それぞれ
    に、複数のN磁極面(6a)とS磁極面(6b)とを交互に隣接
    させて回転方向に同数連ねて構成された交番磁極面(6)
    を設けてなることを特徴とする磁気駆動式密封ポンプ。
  2. 【請求項2】 従動および駆動マグネット(4),(3) の本
    体(3a),(4a) が、同径の円盤状に形成されると共に、そ
    れぞれの対向面の外周寄りに交番磁極面(6)を設けてい
    る請求項1記載の磁気駆動式密封ポンプ。
  3. 【請求項3】 従動マグネット(3) の本体(3a)が、外周
    面に交番磁極面(6)を設けてなる小円筒状に形成される
    一方、駆動マグネット(4) の本体(3a)が、内周面に交番
    磁極面(6) を設けてなる大円筒状に形成されて、従動マ
    グネット(3)の外周上に位置して配置されている請求項
    1記載の磁気駆動式密封ポンプ。
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