JP6577754B2 - 磁気カップリング機構およびこれを備えたポンプ装置 - Google Patents

磁気カップリング機構およびこれを備えたポンプ装置 Download PDF

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Description

本発明は磁気カップリング機構およびこれを備えたポンプ装置に関する。
従来から磁気カップリング機構により非接触の状態でポンプ室内のインペラにモータなどの回転力を伝達するポンプ装置が知られている。このようなポンプ装置は、ポンプ部Pと、このポンプ部Pを駆動する駆動源(モータ)Mとに別れて設置され、ポンプ部PとモータMとは、各々の主軸が、駆動側磁石と従動側磁石を磁気結合して動力を伝達する磁気カップリング機構で連結されている。
図6は従来の磁気カップリング機構を備えるポンプ装置90を示す模式断面図である。ポンプ装置90は、駆動側磁石92と、インペラ94が連結された従動側磁石93とが、ポンプ室916を区画するケーシング91の一部である隔壁部911を挟んで同一軸線上に対向配置されている。駆動側磁石92はモータ95の回転軸951に固定されており、従動側磁石93は、軸部914、および隔壁911に設けられた軸受915により回転可能に支持されている。駆動側磁石92および従動側磁石93はいずれも、片面2極で厚み方向に着磁されたフェライト永久磁石である。
近年、駆動側磁石と従動側磁石にハルバッハ配列構造の永久磁石を用いた磁気カップリングクラッチ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の磁気カップリングクラッチ装置は、駆動側磁石および従動側磁石にハルバッハ配列構造の永久磁石を用い、互いの対向面側に磁束を集中させることにより、従動側磁石に伝達される伝達トルク(以下、「トルク」という。)を高めている。たとえば、かかるポンプ装置90に特許文献1に示す磁気カップリング機構を適用することにより、駆動側磁石92から従動側磁石93に伝達されるトルクを高くすることが可能である。
特開2010−216502号公報
しかしながら、かかるポンプ装置90に特許文献1に示す磁気カップリング機構を適用することにより、駆動側磁石92と従動側磁石93との間で発生する(これらを隔壁部911側に)吸引する力、すなわち、磁気的吸引力(以下、単に「吸引力」という。)も高くなる。そのため、駆動側磁石92および従動側磁石93と、隔壁部911との間隙(ギャップ)を小さくすることが難しく、伝達効率の悪化が懸念される。
そこで、上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、駆動側磁石から従動側磁石に伝達されるトルクを高め、かつ、これら駆動側磁石と従動側磁石との間で発生する吸引力を、同程度のトルクを発生する他の方法で着磁された磁石間における吸引力よりも低減することが可能な磁気カップリング機構、およびこれを備えたポンプ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の磁気カップリング機構は、対向配置された一対の永久磁石を備え、これら永久磁石を非接触で磁気結合させることにより回転力の伝達を可能とした磁気カップリング機構であって、前記一対の永久磁石は互いに軸線方向に向かい合うように配置され、前記一対の永久磁石のうち一方は、複数の永久磁石片が組み合わせられたハルバッハ配列構造を有し、他方の前記永久磁石は径方向に着磁されていることを特徴とする。
本発明の磁気カップリング機構は、一方の永久磁石を、他方との対向面側の磁場が増大するように複数の永久磁石片を組み合わせたハルバッハ配列構造とし、他方の永久磁石を径方向に着磁することにより、そのトルクを高めることが可能である。また、これにより、駆動側磁石と従動側磁石との間で発生する吸引力を、同程度のトルクを発生する他の方法で着磁された磁石間における吸引力よりも低減することが可能となる。
また、本発明において、前記一方の永久磁石は、単極着磁された4つの永久磁石片の組み合わせからなる円環状の磁石であり、前記他方の永久磁石は径方向に単極着磁されている構成とすることが好ましい。
本発明では、厚み方向に単極着磁された2つの永久磁石片と、長さ方向に単極着磁された2つの永久磁石片とを組み合わせることにより、最少の部品点数により一組の円環状のハルバッハ配列を構成することが可能である。これにより一方の永久磁石(ハルバッハ配列磁石)の小型化を図ることが可能であるとともに、その組立工数が抑えられる。また、これら永久磁石は対向面の極数を増やすほどトルクが低くなる傾向を示す。上記ハルバッハ配列磁石および径方向に単極着磁された永久磁石を用いることにより、極数を抑えて比較的高いトルクを伝達することが可能である。
また、本発明では、前記一対の永久磁石はフェライト磁石であることが好ましい。
本発明の磁気カップリング機構は、一対の永久磁石間のトルクと吸引力とのバランスを改善することを趣旨としている。磁気カップリング機構に高価で強力な磁石を用いた場合、当然、フェライト磁石を用いた場合よりも伝達トルクは高くなるが、一対の永久磁石間の吸引力も高くなる。そのため、フェライト磁石を用いた従来の磁気カップリング機構を本発明の磁気カップリング機構に置き換える場合、従来の磁石と同様にフェライト磁石を用いることが好適である。
また、本発明のポンプ装置は、本発明の磁気カップリング機構を備えたポンプ装置であって、前記一方の永久磁石はモータにより回転駆動される駆動側磁石であり、前記他方の永久磁石は前記駆動側磁石の回転に連動して回転する従動側磁石であり、前記従動側磁石にはインペラが連結され、前記駆動側磁石および前記従動側磁石は、液体を移送するポンプ室を区画するケーシングの一部である隔壁部を挟んで対向し、前記駆動側磁石は前記ポンプ室の室外側に、前記従動側磁石は前記ポンプ室の室内側に配置されていることを特徴とする。
本発明において、ポンプ装置が本発明の磁気カップリング機構を備えることにより、ポンプ室外の駆動側磁石からポンプ室内の従動側磁石に伝達されるトルクを高めることができ、かつ、これら駆動側磁石と従動側磁石の間で発生する吸引力を、同程度のトルクを発生する他の方法で着磁された磁石間における吸引力よりも低減することができる。そのため、駆動側磁石および従動側磁石と、隔壁部との間隙(ギャップ)を小さくすることが可能となり、トルクの伝達効率を高めることが可能となる。
以上のように、本発明にかかる磁気カップリング機構およびこれを備えたポンプ装置によれば、駆動側磁石から従動側磁石に伝達されるトルクを高め、かつ、これら駆動側磁石と従動側磁石との間で発生する吸引力を、同程度のトルクを発生する他の方法で着磁された磁石間における吸引力よりも低減することが可能である。さらに、本発明のポンプ装置によれば、駆動側磁石および従動側磁石と、隔壁部との間隙(ギャップ)を小さくすることが可能となり、トルクの伝達効率を高めることが可能となる。
実施形態にかかる渦巻ポンプの構成を示す模式断面図である。 駆動側磁石および従動側磁石の構成を示す平面図および側面図である。 実施例および比較例の磁気カップリング機構の構成を示す図である。 片面2極厚み方向着磁の磁石および径方向単極着磁の磁石の磁力線到達範囲の違いを表す模式図である。 実施例および比較例の磁気カップリング機構におけるトルクおよび駆動側磁石と従動側磁石との間の吸引力の測定結果を示すグラフである。 従来のポンプ装置の磁気カップリング機構を示す模式断面図である。 駆動側磁石の他の実施形態を示す平面図である。
以下、本発明の磁気カップリング機構、および、該磁気カップリング機構を備えたポンプ装置について図面を用いて詳細に説明する。
(ポンプ装置の構成概要)
図1は、本実施形態にかかるポンプ装置としての渦巻ポンプ80の構成を示す模式断面図である。本実施形態にかかる渦巻ポンプ80は磁気カップリング機構により非接触の状態でポンプ室内のインペラにモータなどの回転力を伝達するポンプ装置である。渦巻ポンプ80は冷蔵庫に搭載され、冷蔵庫内に配管された冷媒管に冷媒を循環させている。
渦巻ポンプ80の主な構成は、駆動源となるモータ85と、モータ85の駆動力によって回転駆動するインペラ82と、このインペラ82を回転自在に格納するポンプ室816と、モータ85の駆動力を非接触の状態でインペラ82に伝達する磁気カップリング機構からなっている。
渦巻ポンプ80は、冷媒の吸入口812および吐出口813を有するポンプ室816を区画するケーシング81を備えている。ケーシング81はその一部に非磁性体からなる隔壁部811を有し、かかる隔壁部811を挟んで一対の永久磁石(以下、単に「磁石」ともいう。)である駆動側磁石10および従動側磁石20が同一軸線上に対向配置されている。これら駆動側磁石10および従動側磁石20は、隔壁部811を挟んで非接触で磁気結合されることにより磁気カップリング機構を構成している。
駆動側磁石10は、バックヨーク13を備えたフェライト磁石であり、ポンプ室816の室外に配置されている。駆動側磁石10はモータ85の回転軸851に固定され、モータ85が駆動することにより回転軸851と一体に回転する。
従動側磁石20は、駆動側磁石10の回転に連動して回転するフェライト磁石であり、ポンプ室816の室内において、軸部814および隔壁部811に設けられた軸受815に回転可能に支持されている。また、従動側磁石20の駆動側磁石10との対向面20aの反対側の端面20bには、インペラ82が連結されている。
上述した渦巻ポンプ80は、モータ85が駆動すると、回転軸851とともに駆動側磁石10が回転し、駆動側磁石10と磁気結合された従動側磁石20が駆動側磁石10の回転に連動して回転する。すなわち、駆動側磁石10と従動側磁石20との磁気的な結合力により、従動側磁石20に連結されたインペラ82にトルクが伝達される。従動側磁石20が回転することにより従動側磁石20に連結されたインペラ82も一体に回転し、インペラ82の回転により生じた遠心力と圧力差により、冷媒が吸入口812から吐出口813へと移送される。
(磁気カップリング機構の構成)
図2は渦巻ポンプ80の磁気カップリング機構を構成する駆動側磁石10および従動側磁石20の構造を示す図である。
本実施形態の磁気カップリング機構は、モータ85のトルクを駆動側磁石10から磁気的な結合を介して従動側磁石20とインペラ82に伝達する動力伝達機構である。磁気カップリング機構は、駆動側磁石10から従動側磁石20に非接触でトルクを伝達できることから、隔壁部811によるポンプ室816のシールが可能であり、駆動側磁石10と従動側磁石20とを完全に分離した状態でトルクを伝達することができる。本実施形態の渦巻ポンプ80は、上記磁気カップリング機構を備えることにより、ポンプ室816を完全にシールできることから、ポンプ室816からの冷媒の漏洩を考慮する必要がない。
(駆動側磁石の構成)
図2(a)は、駆動側磁石10を従動側磁石20との対向面10a側から見た平面図であり、図2(b)は図2(a)の駆動側磁石10をA方向から見た側面図である。なお、図2(b)に示す矢印は各永久磁石片の着磁方向(磁力線の方向)を示す。
駆動側磁石10は、隣り合った永久磁石片の着磁方向(磁力線の方向)が90度ずつ回転している(異なる)複数の永久磁石片を一列に配置した磁気回路である、いわゆるハルバッハ配列を構成している。
駆動側磁石10は円環状の外形を有し、図面視上下左右(以下、「上、下、左、右、手前」の指定は「図面視」を省略する。)の4つの永久磁石片111、112、121、122が組み合わされてなる磁石である。すなわち、駆動側磁石10は、4つの永久磁石片111、112、121、122で一周期の磁界を構成している。より具体的には、上下の永久磁石片11は厚み方向に単極着磁された磁石であり、手前がN極となるように配置された上磁石片111と、手前がS極となるように配置された下磁石片112とからなる。左右の永久磁石片12は長さ方向に単極着磁された磁石であり、上磁石片111側がN極、下磁石片112側がS極となるように配置された、左磁石片121および右磁石片122からなる。
駆動側磁石10はこれら上下左右の永久磁石片11および12が上記配置とされていることにより、一組のハルバッハ配列を構成している。すなわち、駆動側磁石10は、図2(a)に示すように、隣り合った永久磁石片の着磁方向(磁力線の方向)が90度ずつ回転するように、4つの永久磁石片111、122、112、121を時計方向に沿って一列に配置したものである。ハルバッハ配列は公知技術であるため、その詳細な説明は省略するが、駆動側磁石10をハルバッハ配列とすれば、その形成する磁束は原理的に配列の片側方向、すなわち図2(b)における従動側磁石20と対向する対向面10a側に集中する。換言すれば、駆動側磁石10は、その従動側磁石20と対向する側の面の磁場が強められており、その反対側の面の磁場は打ち消しあって弱められている。
円環状のハルバッハ配列磁石を構成するためには、少なくとも4つの永久磁石片が必要である。本実施形態における駆動側磁石10はかかる最小構成とされていることにより、駆動側磁石10の部品点数および組立工数が抑えられている。また、本実施形態の駆動側磁石10の外径はφ30mmであり、このような小型の磁石を製造する際に上記構成は特に好適である。
(従動側磁石の構成)
図2(c)は、従動側磁石20を駆動側磁石10との対向面20a側から見た図である。従動側磁石20も駆動側磁石10と同じく円環状の外形を有し、径方向に単極着磁された永久磁石である。
図4は、片面2極で厚み方向に着磁された磁石、および、径方向に単極着磁された磁石の磁力線の到達範囲の違いを表す模式図である。図4に示すように、径方向に単極着磁された磁石(図4(b))の磁束Fは、片面2極で厚み方向に着磁された磁石(図4(a))の磁束Fよりも広い範囲に及ぶ。本実施形態における従動側磁石20は径方向に単極着磁された磁石(図4(b))であることから、片面2極で厚み方向に着磁された磁石(図4(a))を従動側磁石20に用いる場合よりも、駆動側磁石10に到達する磁束Fの量が増大し、これにより駆動側磁石10と従動側磁石20との間の磁束密度が高められている。すなわち、磁力線が発生する領域(磁場)は増大することで広がるが、磁力線がでる方向(磁力線の向き)は、駆動側磁石10と対面する方向ではないので、吸引力の影響をうけにくくなり、同程度のトルクを発生する他の方法で着磁された磁石間よりも吸引力が低減する。
(本実施形態の主な効果)
上述したように、本実施形態の磁気カップリング機構は、駆動側磁石10を、従動側磁石20との対向面10a側の磁場が増大するようにハルバッハ配列構造とし、従動側磁石20を径方向に着磁することにより、駆動側磁石10から従動側磁石20に伝達されるトルクを高めることが可能であるとともに、これら駆動側磁石10と従動側磁石20との間で発生する吸引力を、同程度のトルクを発生する他の方法で着磁された磁石間における吸引力よりも低減することが可能である。
また、駆動側磁石10は、厚み方向に単極着磁された2つの永久磁石片と、長さ方向に単極着磁された2つの永久磁石片とを組み合わせることにより、最少の部品点数により一組の円環状のハルバッハ配列を構成することが可能である。これにより駆動側磁石10(ハルバッハ配列磁石)の小型化を図ることが可能であるとともに、その組立工数が抑えられる。また、これら駆動側磁石10と従動側磁石20は対向面の極数を増やすほどトルクが低くなる傾向を示すが、本実施形態のような駆動側磁石10(ハルバッハ配列磁石)および従動側磁石20(径方向に単極着磁された永久磁石)を用いることにより、極数を抑えて比較的高いトルクを伝達することが可能である。
さらに、本実施形態の磁気カップリング機構は、駆動側磁石10と従動側磁石20との間のトルクと吸引力とのバランスを改善することを趣旨としている。磁気カップリング機構に高価で強力な磁石を用いた場合、当然、フェライト磁石を用いた場合よりも伝達トルクは高くなるが、一対の永久磁石間の吸引力も高くなる。そのため、図6に示すようなフェライト磁石を用いた従来の磁気カップリング機構を本実施形態の磁気カップリング機構に置き換える場合、従来の磁石と同様にフェライト磁石を用いることが好適である。
ポンプ装置としての渦巻ポンプ80は、上述した磁気カップリング機構を備えることにより、ポンプ室816外の駆動側磁石10からポンプ室816内の従動側磁石20に伝達されるトルクを高めることができ、かつ、これら駆動側磁石10と従動側磁石20の間で発生する吸引力を、同程度のトルクを発生する他の方法で着磁された磁石間における吸引力よりも低減することが可能である。また、吸引力を低減することが可能であることから、渦巻ポンプ80において、駆動側磁石10と隔壁部811との間隔および隔壁部811と従動側磁石20との間隙(ギャップ)を小さくすることが可能となり、トルクの伝達効率および伝達可能トルクを高めることが可能となる。さらに、渦巻ポンプ80の磁気カップリング機構は、従動側磁石20が駆動側磁石10に対してモータ軸線方向に位置する、いわゆる、面対向構造となっている。そのため、駆動側磁石10と従動側磁石20との間で発生する吸引力を、同程度のトルクを発生する他の方法で着磁された磁石間における吸引力よりも低減することが可能となる。その結果、軸部および軸受の摩耗が抑えられ、ポンプ室816内の部品の寿命を向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態および実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本実施形態における駆動側磁石10および従動側磁石20にはいずれもフェライト磁石が使用されているが、使用可能な永久磁石はフェライト磁石に限られない。これらに使用可能な他の永久磁石としては、例えば、要求されるトルクや移送する媒体の性質などに応じて適当な磁性材料が混合されたプラスチックマグネットなどが考えられる。
また、本実施形態における駆動側磁石10および従動側磁石20は同一軸線上に対向配置されているが、これら磁石の軸線は必ずしも一致している必要はなく、要求される伝達トルクや許容される吸引力に応じて、軸線が平行するように配置されていても良い。
さらに、駆動側磁石10の構成は本実施形態のものに限定されず、図7(a)に示す角環状の駆動側磁石30のように、厚み方向に単極着磁された角柱状の上磁石片311および下磁石片312と、長さ方向に単極着磁された同じく角柱状の左磁石片321および右磁石片322とを組み合わせた構成としても良い。
また、図7(b)に示す円板状の駆動側磁石40のように、手前がN極となるように着磁された上半体411と、手前がS極となるように着磁された下半体412とからなる、片面2極で厚み方向に着磁された円環状の磁石41の中心穴部に、径方向に単極着磁された円板状の磁石42を、上半体411側がN極、下半体412側がS極となるように嵌合した構成としても良い。
本実施形態では、磁気カップリング機構は、従動側磁石20が駆動側磁石10に対してモータ軸線方向に位置する、いわゆる、面対向構造となっているが、これに限定されるものではない。たとえば、従動側磁石20が駆動側磁石10の外周側に位置する、いわゆる、周対向構造であってもよい。
以下に、本発明の磁気カップリング機構について実施したトルクおよび駆動側磁石と従動側磁石間の磁気的吸引力(以下、単に「吸引力」ともいう。)の試験について、その試験方法および試験結果を示す。
〔実施例および比較例の構成〕
実施例および比較例として、図3と以下の表1に示す構成の磁気カップリング機構を用意した。尚、本発明の磁気カップリング機構の実施例は表1において符号gで示すものであり、かかる実施例g以外はその比較例(比較例a〜f)である。尚、比較例aは図6に示す従来のポンプ装置90の磁気カップリング機構と同じ構成である。
実施例および比較例に使用した駆動側磁石および従動側磁石の基本的な仕様は以下の通りである。
(駆動側磁石)
外径:φ30mm
内径:φ12.5mm
厚み:4.5mm
バックヨークの厚み:1mm(バックヨークを備えない比較例fを除く)
(従動側磁石)
外径:φ26.5mm
内径:φ12.5mm(中心穴部を有さない比較例e、f、および実施例gを除く)
厚み:4.5mm
Figure 0006577754
〔トルクの測定方法〕
駆動側磁石および従動側磁石の対向面を、互いに異極同士が周方向に半面ずつ対向する角度に配置し、シミュレーションによりこれら磁石の各部に生じた電磁力を解析した。そして、これら磁石を回転させる方向に作用する成分の総和を算出し、これを従動側磁石に伝達されるトルクとした。
〔駆動側磁石と従動側磁石の間の吸引力の測定方法〕
駆動側磁石および従動側磁石の対向面を、互いに異極同士が対向する角度に配置し、シミュレーションによりこれら磁石の各部に生じた電磁力を解析した。そして、これら磁石の吸引方向に作用する成分の総和を算出し、これを従動側磁石が駆動側磁石に吸引される吸引力とした。
尚、上記シミュレーションには、電磁界解析ソフトウェア(JMAG(登録商標):株式会社JSOL製)を使用した。また、駆動側磁石と従動側磁石との間隔を10mm、15mm、および20mmとした場合のそれぞれについて測定を行った。
〔試験結果〕
図5は、各実施例および比較例について実施した上記試験の結果を示すグラフである。図5(a)はトルクの測定結果を、図5(b)は駆動側磁石と従動側磁石の間の吸引力の測定結果をそれぞれ示している。
(伝達されるトルクの測定結果)
図5(a)はトルクの測定結果を示すグラフであり、縦軸に駆動側磁石から従動側磁石に伝達されるトルクをとり、横軸は駆動側磁石と従動側磁石との間隔をとっている。
実施例gは、ハルバッハ配列構造の駆動側磁石と、径方向単極着磁の従動側磁石とからなる磁気カップリング機構であり、駆動側磁石および従動側磁石の間隔を10mm、15mm、および20mmとしたいずれの場合においても最も高いトルクを示した。
実施例gの次に高いトルクを示したのは比較例eである。実施例gと比較例eとは駆動側磁石の着磁方法が異なっており、実施例gがハルバッハ配列構造であるのに対して、比較例eは片面2極厚み方向着磁である。これにより、駆動側磁石の着磁方法は片面2極厚み方向着磁とするよりもハルバッハ配列構造とした方が高いトルクが得られることがわかる。
また、比較例a〜dはいずれも、駆動側磁石および従動側磁石が同極数で厚み方向に着磁された構成である。比較例a〜dのトルクは、一部反転が見られるものの、その極数が増えるにつれて低下する傾向にある。つまり、実験した磁気カップリング機構ではトルクを高い水準で維持するためには極数は少ない方が好適であると考えられる。
比較例a〜dはいずれも、上記比較例eよりもトルクが低い。比較例eと比較例aとは、駆動側磁石の構成は同じであるが、従動側磁石の仕様が異なっている。具体的には、従動側磁石の着磁方法が異なっているとともに、従動側磁石の中心穴部があるか、ないかで異なっている。比較例aは、従動側磁石が片面2極厚み方向に着磁されており、従動側磁石に中心穴部がある例である。これに対し、比較例eは、従動側磁石が径方向単極に着磁されており、従動側磁石に中心穴部がない例である。
上記結果から、従動側磁石の着磁方法は片面2極厚み方向着磁とするよりも径方向単極着磁とした方が高いトルクが得られた。また、従動側磁石の中心穴部はない方が高いトルクが得られることがわかる。上記相違点のうち、特に着磁方法を径方向単極着磁としたことにより、比較例eのトルク向上効果が得られているものと考えられる。
一方で、比較例fは比較例eよりも低いトルクを示している。比較例eと比較例fとは、駆動側磁石の仕様が異なるものであり、従動側磁石の仕様は同じである。具体的には、駆動側磁石の着磁方法が異なり、さらに、駆動側磁石がバックヨークを備えているか、いないかで異なっている。比較例eは、駆動側磁石が片面2極厚み方向に着磁されており、駆動側磁石がバックヨークを備えている例である。比較例fは、駆動側磁石が径方向単極に着磁されており、駆動側磁石がバックヨークを備えていない例である。
上記結果から、駆動側磁石および従動側磁石の着磁方法は、両方を径方向単極着磁とするよりも、一方を片面2極厚み方向着磁として、バックヨークを備えている方が高いトルクが得られることがわかる。特に、駆動側磁石の着磁方法を片面2極厚み方向着磁としたことにより、比較例fのトルク向上効果が得られているものと考えられる。さらには、上で述べた実施例gおよび比較例eの比較結果から、かかる一方側を片面2極厚み方向着磁からハルバッハ配列構造にした組み合わせ(つまり実施例gの構成)が、高いトルクを得る上で最も好適な組み合わせであることがわかる。
(駆動側磁石と従動側磁石の間の吸引力の測定結果)
図5(b)は駆動側磁石と従動側磁石の間の吸引力の測定結果を示すグラフであり、縦軸に駆動側磁石と従動側磁石の間の吸引力をとり、横軸に駆動側磁石と従動側磁石との距離をとっている。
実施例gは、上述したとおり、高い伝達トルクを得ているが、駆動側磁石と従動側磁石の間の間隔が小さい10mm、15mmでは比較例aよりも小さい吸引力であった。ちなみに、比較例aは、図6に示す従来の磁気カップリング機構と同じ構成であり、駆動側磁石と従動側磁石の間の距離に応じて、これら磁石間の吸引力の影響を受けやすいことがわかる。
(測定結果のまとめ)
図5(a)に示す伝達トルクの測定結果によれば、実施例g、比較例b、比較例e、比較例fは、図6に示す従来の構成である比較例aよりも高い伝達トルクを示している。なお、比較例bは、間隔が10mmの場合であり、比較例fは、間隔が15mm、20mmの場合である。
つぎに、図5(b)に示す駆動側磁石と従動側磁石の間の吸引力の測定結果によれば、上述した実施例gおよび比較例b、e、fのうち、比較例aよりも低い吸引力を示すものは、実施例g、比較例b、および比較例eである。トルクに対する吸引力の比率に着目すると、もっとも良好な比率(トルクに対して吸引力が低いこと)を示しているのは、実施例gである。
以上の試験結果から、実施例gの構成の磁気カップリング機構を備えることにより、図6に示すような磁気カップリング機構の構成よりも従動側磁石に伝達される伝達トルクを高めることができ、かつ、伝達トルクに対して良好な比率で駆動側磁石と従動側磁石の間の吸引力を抑えられることが認められる。また、本実施形態に示す磁気カップリング機構では、同一間隙でトルクが大きいほど、もしくは、同一のトルクで間隙が広いほど、応用範囲は広がる。
10 駆動側磁石
10a 対向面
11 上下の永久磁石片
12 左右の永久磁石片
20 従動側磁石
20a 対向面
80 渦巻ポンプ
81 ケーシング
811 隔壁部
814 軸部
815 軸受
816 ポンプ室
82 インペラ

Claims (4)

  1. 対向配置された一対の永久磁石を備え、これら永久磁石を非接触で磁気結合させることにより回転力の伝達を可能とした磁気カップリング機構であって、
    前記一対の永久磁石は互いに軸線方向に向かい合うように配置され、
    前記一対の永久磁石のうち一方は、複数の永久磁石片が組み合わせられたハルバッハ配列構造を有し、
    他方の前記永久磁石は径方向に着磁されていることを特徴とする磁気カップリング機構。
  2. 前記一方の永久磁石は、単極着磁された4つの永久磁石片の組み合わせからなる円環状の磁石であり、
    前記他方の永久磁石は径方向に単極着磁されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気カップリング機構。
  3. 前記一対の永久磁石はフェライト磁石であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気カップリング機構。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気カップリング機構を備えたポンプ装置であって、
    前記一方の永久磁石はモータにより回転駆動される駆動側磁石であり、
    前記他方の永久磁石は前記駆動側磁石の回転に連動して回転する従動側磁石であり、
    前記従動側磁石にはインペラが連結され、
    前記駆動側磁石および前記従動側磁石は、液体を移送するポンプ室を区画するケーシングの一部である隔壁部を挟んで対向し、
    前記駆動側磁石は前記ポンプ室の室外側に、前記従動側磁石は前記ポンプ室の室内側に配置されていることを特徴とするポンプ装置。
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