JPH0680831U - 防音形内燃機関作業機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 内燃機関で駆動される発電器や洗浄機などの
防音形作業機において機関設置室内の過度な温度上昇を
効果的に抑制できるものとする。 【構成】 箱形ケ−シング（１）内に内燃機関（３）及
びこの機関で駆動される機械装置（４）の収容された機
関設置室（Ａ）と、内燃機関の排気消音器（１５）の収
容された遮蔽室（Ｂ）とを設け、この遮蔽室の一端には
遮蔽室内を大気へ通じしめるための開口（１２）を設け
てなる防音形作業機において、内燃機関の冷却風を機関
設置室内に解放しないで遮蔽室内に流入させるものとし
た排風案内通路手段（１８）を設け、遮蔽室内に流入し
た前記冷却風が開口から大気へ流出される構成となす。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関で駆動される防音形の作業機（例えば発電機や洗浄機など ）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

箱形ケ−シング内に、内燃機関及びこの機関で駆動される機械装置の収容され た機関設置室と、内燃機関の排気消音器の収容された遮蔽室とを設け、この遮蔽 室の一端には機関設置室内の空気を遮蔽室内へ送るためのフアンを、そして他端 には遮蔽室内の空気を大気へ放出させるための開口を設けたものとなされた防音 形作業機は本出願人の提案に係り、既に公知となっている（実開平３−８６２７ 号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の防音形作業機においては、内燃機関の冷却風が機関設置室内に 先ず解放され、次いでフアンに吸引されて遮蔽室内に流入され、その後、排気消 音器を冷却しつつ開口から大気へ放出されるのであり、このため機関設置室内の 温度が冷却風の熱に起因して過度に上昇されるといった問題がある。本考案は斯 かる問題点を合理的に解消し得るものとした防音形内燃機関作業機を提供するこ とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案では、箱形ケ−シング（１）内に内燃機関（３ ）及びこの機関で駆動される機械装置（４）の収容された機関設置室（Ａ）と、 内燃機関（３）の排気消音器（１５）の収容された遮蔽室（Ｂ）とを設け、この 遮蔽室（Ｂ）の一端に遮蔽室（Ｂ）内を大気へ通じしめるための開口（１２）を 設けてなる防音形作業機において、内燃機関（３）の冷却風を機関設置室（Ａ） 内に解放しないで遮蔽室（Ｂ）内に流入させるものとした排風案内通路手段（１ ８）を設け、遮蔽室（Ｂ）内に流入した前記冷却風が開口（１２）から大気へ流 出される構成となす。

【０００５】 このさい、排風案内通路手段（１８）は遮蔽室（Ｂ）に沿わせて設けた排風案 内室（２０）を具備したものとなし、この排風案内室（２０）は内燃機関（３） の冷却風を遮蔽室（Ｂ）に沿ってその開口（１２）側からその他端側へ流動させ た後に同室（Ｂ）へ流入させる構成となすのがよい。

【０００６】

【作用】

排風案内通路手段（１８）は温度上昇した内燃機関（３）の冷却風を機関設置 室（Ａ）内に解放しないで遮蔽室（Ｂ）内へ導き、これを通じて大気へ放出させ るものとなり、したがって冷却風が機関設置室（Ａ）内の空気を直接的に加熱す ることは防止される。

【０００７】 さらに排風案内室（２０）は遮蔽室（Ｂ）などとの関連で冷却風を急激に膨張 させたり或いはその流動方向を急激に転換させることにより、内燃機関（３）か ら冷却風に付与された騒音エネルギ−を効果的に減衰させるものとなる。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示す平面視断面図、図２は図１のｘ−ｘ部を示す縦 断面図、図３は図１のｘ１−ｘ１部を示す横断面図である。

【０００９】 図において、（１）は箱形ケ−シングで、これの内方には機関設置室（Ａ）と この室（Ａ）の上方片隅部に位置された水平状の遮蔽室（Ｂ）とを設けるほか、 機関設置室（Ａ）の前方に吸気室（Ｃ）を設けてなる。また箱形ケ−シング（１ ）の下面側には吸気室（Ｃ）の下部と連通された大気導入室（Ｄ）が設けてあっ て、これの下面壁（２）に設けられた透孔（２ａ）から大気を流入せしめ、吸気 室（Ｃ）へ案内するものとなしてある。

【００１０】 機関設置室（Ａ）内には内燃機関（３）やこの機関（３）で駆動される機械装 置としてのポンプ（４）を設けると共にこれらに関連した機器類としてバッテリ （５）や燃料タンク（６）のほか図示しない弁や管などが設けてある。このさい 、内燃機関（３）は吸気室（Ｃ）から吸気管（７）を通じて燃焼用空気を吸引す ると共に冷却フアン（８）の回転により縦壁面（９）に設けた孔（９ａ）を通じ て吸気室（Ｃ）から冷却風を取り入れ、この冷却風を適宜な案内板を介して所要 の経路に沿って流動させることによりこれの発熱部を冷却するものとなす。なお （１０）は内燃機関（３）の出力軸に固定されたプ−リ、（１１）はポンプ（４ ）の入力軸に固定されたプ−リで、これらプ−リ（１０）（１１）は図示しない ベルトで連動させる。

【００１１】 遮蔽室（Ｂ）は前側となる一端にこれの内部空間と大気を連通せしめるものと した開口（１２）を設け、この開口（１２）と対向した他端の壁面には機関設置 室（Ａ）内の空気をこの遮蔽室（Ｂ）内へ移動させるものとした電動フアン（１ ４）を設け、且つ遮蔽室（Ｂ）内部にはこれの長手方向に沿って断面形状が楕円 形となされた内燃機関（３）の排気消音器（１５）を固定してある。このさい内 燃機関（３）の排気管（１６）はその排気出口部（３ａ）から延出させた後、こ の出口部（３ａ）の出来るだけ近くからこの遮蔽室（Ｂ）内へ導き、ここで排気 管（１６）の途中に伸縮継手（１７）を設けた後に前記消音器（１５）の入口側 に接続させ、さらにこの消音器（１５）の出口側からも排気管（１６ａ）を延出 させ、これの先端を大気に開放させるようになす。

【００１２】 しかして、（１８）は内燃機関（３）を冷却した後の冷却風を機関設置室（Ａ ）内に解放することなく遮蔽室（Ｂ）内に流入させるものとした排風案内通路手 段であって、接続部通路（１９）と排風案内室（２０）からなる。

【００１３】 接続部通路（１９）は内燃機関（３）から排出される冷却風を排風案内室（２ ０）に導くための通路で、内燃機関本体表面（イ）、金属屈曲板（２１）、遮蔽 室壁面（ロ）、排風案内室壁面（ハ）及びゴムなどの弾性板（２２）などで遮蔽 壁面を形成させてなる。このさい接続部通路（１９）は遮蔽室（Ｂ）や排風案内 室（２０）と剛体的に結合しないことにより、内燃機関（３）の振動を吸収し得 るものとなす。このため金属屈曲板（２１）は内燃機関（３）の排気出口部（３ ａ）とクランクケ−ス側部にボルト（２３）（２４）で固定すると共に遮蔽室壁 面（ロ）や排風案内室壁面（ハ）と接する端縁部にはウレタン材などの弾性帯部 材（２５）を被着させ、これを遮蔽室壁面（ロ）や排風案内室壁面（ハ）に圧接 させるようになす。また弾性板（２２）は主に内燃機関（３）本体の消音器（１ ５）側の側部表面（ニ）と遮蔽室（Ｂ）の下面との間の複雑な形状の空間を遮蔽 させるのであって、具体的には遮蔽室（Ｂ）の下面の縦方向にリブ部材（２６） を設け、このリブ部材（２６）から垂下させてその下縁部を前記側部表面（ニ） に当接させると共に前後側縁を金属屈曲板（２１）の内面や内燃機関本体表面な どに当接させるようになす。

【００１４】 排風案内室（２０）は遮蔽室（Ｂ）に沿って設けるのであって、具体的には遮 蔽室（Ｂ）の側面に連続して固設すると共にその形状を直方体となしてある。こ のさい（ｐ１）は排風案内室（２０）の内部空間と接続部通路（１９）の内方と 連通させるために排風案内室（２０）の前面壁に設けた孔であり、また（ｐ２） は排風案内室（２０）の内部空間と遮蔽室（Ｂ）の内部空間とを連通させるため に排風案内室（２０）の後部でしかも遮蔽室（Ｂ）のフアン（１４）の設けられ た端部近傍となる箇所に設けた孔であり、また排風案内室（２０）と遮蔽室（Ｂ ）との関係は排風案内室（２０）内における冷却風の流れ方向と遮蔽室（Ｂ）内 におけるその流れ方向とが逆向きになるように設定する。

【００１５】 上記した作業機の使用中における作用を説明すると、内燃機関（３）は吸気室 （Ｃ）から燃焼用空気を吸引して作動し、その排気は排気管（１６）（１６ａ） 及び消音器（１５）を経て大気へ排出される。また内燃機関（３）の作動中には 冷却フアン（８）が回転し吸気室（Ｃ）の大気を吸って冷却風を生成せしめ、こ れを内燃機関（３）の所定の経路へ供給し、発熱部を冷却させた後、同経路の出 口端から排出させるものとなる。

【００１６】 一方では電動フアン（１４）が回転されて、吸気室（Ｃ）又は箱形ケ−シング （１）の底面から機関設置室（Ａ）内へ向けて適宜な吸気孔から新気を流入させ 、さらにこの空気を遮蔽室（Ｂ）の内方へ移動させる。この移動された空気は消 音器（１５）を冷却しつつ前方へ流れ開口（１２）から大気へ放出される。

【００１７】 しかして接続部通路（１９）は内燃機関（３）から排出された冷却風を案内し て排風案内室（２０）へ到達させる。このさい接続部通路（１９）は内燃機関（ ３）と同体的に振動するが、弾性帯部材（２５）や弾性板（２２）が冷却風を機 関設置室（Ａ）内に漏洩させることを防止した状態でこれを吸収するものとなる 。

【００１８】 また排風案内室（２０）はここに達した冷却風を矢印（ｆ１）で示すように後 方へ向けて案内し、続いて孔（ｐ２）を通じて遮蔽室（Ｂ）内へ移動させるので あり、この移動中において、内燃機関（３）から冷却風に付与された騒音エネル ギ−をその急激な膨張や方向転換などで減衰させるものとなる。

【００１９】 かくして遮蔽室（Ｂ）内に達した冷却風は電動フアン（１４）に送られた空気 と共に開口（１２）へ向けて移動され、この移動中に消音器（１５）を冷却する と共に騒音エネルギ−を減衰されるものとなる。このさい冷却風の移動方向は排 風案内室（２０）内におけるそれと逆向きとなるが、このことが冷却風の騒音エ ネルギ−を減衰させる上で効果的に寄与するものとなる。

【００２０】

【考案の効果】

以上の如く構成した本考案によれば、内燃機関（３）の冷却風が機関設置室（ Ａ）内に解放されずに排風案内通路手段（１８）及び遮蔽室（Ｂ）内を通って大 気に放出されるため、騒音の増大を伴うことなく機関設置室（Ａ）内の過度な温 度上昇を抑制し得るものとなる。

【００２１】 また請求項２に記載したものによれば排風案内室（２０）の存在により騒音エ ネルギ−を一層、効果的に減衰させることができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す平面視断面図である。

【図２】図１のｘ−ｘ部を示す縦断面図である。

【図３】図１のｘ１−ｘ１部を示す横断面図である。

【符号の説明】

Ａ 機関設置室 Ｂ 遮蔽室 １ 箱形ケ−シング ３ 内燃機関 ４ ポンプ（機械装置） １２ 開口 １５ 消音器 １８ 排風案内通路手段 ２０ 排風案内室

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱形ケ−シング（１）内に内燃機関
   （３）及びこの機関（３）で駆動される機械装置（４）
   の収容された機関設置室（Ａ）と、内燃機関（３）の排
   気消音器（１５）の収容された遮蔽室（Ｂ）とを設け、
   この遮蔽室（Ｂ）の一端に遮蔽室（Ｂ）内を大気へ通じ
   しめるための開口（１２）を設けてなる防音形作業機に
   おいて、内燃機関（３）の冷却風を機関設置室（Ａ）内
   に解放しないで遮蔽室（Ｂ）内へ流入させるものとした
   排風案内通路手段（１８）を設け、遮蔽室（Ｂ）内へ流
   入した前記冷却風は開口（１２）から大気へ流出される
   ことを特徴とする防音形内燃機関作業機。
2. 【請求項２】 排風案内通路手段（１８）は遮蔽室
   （Ｂ）に沿わせて設けた排風案内室（２０）を具備した
   ものとなし、このさい排風案内室（２０）は内燃機関
   （３）の冷却風を遮蔽室（Ｂ）に沿ってその開口（１
   ２）側から他端側へ流動させた後この他端側から遮蔽室
   （Ｂ）内へ流入させることを特徴とする請求項１記載の
   防音形内燃機関作業機。