JP2784986B2 - 防音型エンジン - Google Patents

防音型エンジン

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JP2784986B2
JP2784986B2 JP5271920A JP27192093A JP2784986B2 JP 2784986 B2 JP2784986 B2 JP 2784986B2 JP 5271920 A JP5271920 A JP 5271920A JP 27192093 A JP27192093 A JP 27192093A JP 2784986 B2 JP2784986 B2 JP 2784986B2
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engine
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洋介 森本
一利 岡本
保一 鎌田
正夫 岡崎
健 王
定矢 辻
学 宮▲崎▼
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Kubota Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防音型エンジンに関
し、詳しくは、排気の膨張騒音を低減できるものに関す
る。
【0002】
【従来技術】防音型エンジンの従来技術として、本発明
と同様、防音ケース内に縦型のエンジン本体を収容し、
エンジン本体の前側に冷却ファンを取り付け、エンジン
本体の横側に排気マフラを配置した基本構造を備えたも
のがある。
【0003】この種のものでは、エンジン本体の燃焼室
で発生する爆発音、エンジン本体の作動部分から発生す
る振動音、冷却ファンの風切り音等の騒音が防音ケース
で遮音される。また、冷却ファンの吸風力により吸風口
から吸風された冷却風が、冷却ファンの送風力でエンジ
ン本体の左右両横側に沿って流れ、エンジン本体が両横
側から空冷されるとともに、排気マフラも同時に空冷さ
れる。
【0004】ところで、この種のものでは、従来、冷却
風がエンジン本体の左右両横側にほぼ均等に流れるよう
に構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、エ
ンジン本体の左右両横側のうち、排気熱が集中する排気
マフラ側も、熱集中のない吸気側もほぼ均等量の冷却風
が流れるため、排気マフラへの冷却風の供給量が不足
し、排気マフラ内の排気が高温高圧のまま大気中に放出
され、その膨張騒音が大きい。
【0006】本発明の課題は、防音型エンジンにおい
て、排気の膨張騒音を低減できるものを提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】(第1発明) 第1発明は、図1に例示するように、防音ケース1内に
縦型のエンジン本体2を収容し、エンジン本体2の前側
に冷却ファン3を取り付け、エンジン本体2の横側に排
気マフラ29を配置した、防音型エンジンにおいて、冷
却ファン3と対向する位置で防音ケース1のケース前壁
4に吸風口5をあけ、防音ケース1の所定のケース壁1
2に排風口13をあけ、エンジン本体2の左右両側のう
ちの排気マフラ29側、または排気マフラ29側に偏っ
た位置で、排気マフラ29よりも後側に、排風口13へ
の排気導入口38をあけ この排気導入口38から排風
口13にまで至る排風空間15に排風ファン37を設け
た、ことを特徴とする。
【0008】(第2発明)第2発明は、図1に例示する
防音型エンジンにおいて、図1に例示するように、排気
マフラ29をシリンダヘッド23よりも低い位置に設
け、この排気マフラ29から後方に導出した排気導出管
40を防音ケース1のケース上壁12に向けて立ち上げ
たことを特徴とする。
【0009】(第3発明)第3発明は、図1に例示する
第2発明の防音型エンジンにおいて、防音ケース1のケ
ース上壁12に排気放出管42を設け、この排気放出管
42にベンチュリ部43を内設し、このベンチュリ部4
3内に排気導出管42の終端開口部44を臨ませたこと
を特徴とする。
【0010】
【発明の作用及び効果】(第1発明) 第1発明は次の作用効果を奏する。 図1に例示するように、冷却ファン3の送風力で排気
マフラ29側を後向きに通過した冷却風は、排気マフラ
29よりも後側の排風導入口38を経て排風口13から
速やかに排風されるため、排気マフラ29側での冷却風
の流れがスムーズになり、排気マフラ29側を通過する
冷却風の流量が増加する。 しかも、この排気マフラ29
側での冷却風の流量が、排風ファン37の吸風力により
更に増強されるので、この増強された冷却風で排気マフ
ラ29が強力に冷却され、排気マフラ29内の排気の温
度が低下してその圧力が低下し、大気放出時の膨張騒音
が低下する。
【0011】(第2発明)第2発明は、上記第1発明の
作用効果に加え、次の作用効果をも奏する。 図1に例示するように、排気導出管40の立ち上がり
寸法が長くなり、これ排気導出管40の大きく冷却風が
吹き当たる。このため、排気導出管40内の排気が強力
に冷却され、この排気の温度が低下して圧力が低下し、
大気放出時の膨張騒音が一層低下する。
【0012】(第3発明)第3発明は、上記第1発明の
作用効果または第2発明の作用効果・に加え、次
の作用効果をも奏する。 図1に例示するように、排気放出管42の終端開口部
44から放出される排気によりベンチュリ部43内で負
圧が発生し、排気放出管42にその下側から防音ケース
1内の空気が吸い込まれ、排気放出管42内で排気に空
気が混入される。このため、排気放出管42内の排気の
温度が低下してその圧力が低下し、大気放出時の膨張騒
音が低下する。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜3は本発明の実施例を説明する図である。この実
施例は、防音型エンジンユニットであり、その構成は次
の通りである。すなわち、図1に示すように、防音ケー
ス1内にエンジン本体2が収容されている。防音ケース
1は、底部を構成するベースフレーム18上に前後一対
の門型フレーム19を立設し、これを骨組として金属板
を矩形箱型に保形して構成されている。各門型フレーム
19の上側には吊り上げ用のフック係止リング21が取
り付けられている。防音ケース1の内面にはそのほぼ全
面にわたりウレタン製の吸音材20が内張りされてい
る。
【0014】防音ケース1内に収容されたエンジン本体
2は縦型水冷式の多気筒ディーゼルエンジンで、シリン
ダブロック22の上側にシリンダヘッド23とヘッドカ
バー24とが順に組み付けられ、シリンダブロック22
の下側にオイルパン25が組み付けられている。図2
(A)に示すように、エンジン本体2の前側から見て、
エンジン本体2の前側中央部には冷却ファン3が取り付
けられ、シリンダヘッド23の右横側にはオルタネータ
26と排気マニホルド28が、左側には吸気マニホルド
27が配置され、シリンダブロック22の右横側には排
気マフラ29が配置されている。
【0015】また、図1に示すように、シリンダブロッ
ク22の右横側にはセルモータ30が配置され、エンジ
ン本体2の後側にはフライホイル31が設けられ、これ
に外嵌されたリングギヤ32にセルモータ30のピニオ
ンギヤ33が噛み合わされている。図2(A)に示すよ
うに、このエンジン本体2は、ベースフレーム18上に
防振ゴム34を介して防振支持されている。防音ケース
1内には左右両側からステー52が内向きに突設され、
その先端にゴム製の受けゴム51が取り付けられ、これ
に吸気マニホルド27とヘッドカバー24に設けた枠材
53とが接当され、エンジン本体2の横振れが抑制され
る。図1に示すエンジン本体2の冷却ファン3の前方に
はラジエータ35が配置され、このラジエータ35を挟
んで冷却ファン3と対向する位置で防音ケース1のケー
ス前壁4に吸風口5があけられ、ケース上壁12に排風
口13があけられている。
【0016】この防音型エンジンユニットでは、エンジ
ン本体2の燃焼室で発生する爆発音、エンジン本体2の
作動部分から発生する振動音、冷却ファン3の風切り音
等の騒音が防音ケース1内の吸音材20で吸収されると
ともに、防音ケース1である程度遮音される。また、冷
却ファン3の吸風力により吸風口5から吸風された冷却
風は、ラジエータ35を通過してその放熱を行う。そし
て、ラジエータ35を通過してきた冷却風は、冷却ファ
ン3の送風力でエンジン本体2の左右両側に沿って流
れ、エンジン本体2を左右両横側から空冷するととも
に、排気マフラ29等も同時に空冷する。エンジン本体
2等の空冷を終了した冷却風は排熱風となり、排風口1
3から排風される。
【0017】この実施例では、エンジン本体2の右横側
に配置される排気マフラ29等の冷却を促進するため、
次のような構成が採用されている。すなわち、図2
(A)に示すように、排気マフラ29の上方で防音ケー
ス1のケース上壁12に右側に下り傾斜する傾斜部36
が設けられ、ここに排風ファン37を備えた排風口13
があけられている。この排風口13にはその下側から傾
斜部36と平行な遮風板14が臨み、遮風板14と排風
口13との間に形成される排風空間15の左右両横側が
閉塞されている。図1に示すように、排風空間15の後
側には排気導入口38が開口され、これは排気マフラ2
9よりも後側に位置している。ケース上壁12の傾斜部
36の上側には網材を備えた保護カバー39(図3参
照)が装着されている。
【0018】このような構成によれば、図1に示すよう
に、冷却ファン3の送風力で排気マフラ29側を後向き
に通過した冷却風は、排風ファン37の吸風力で排気導
入口38から速やかに排風されるため、排気マフラ29
側での冷却風の流れがスムーズになり、排気マフラ29
側を通過する冷却風の流量が増加し、排気マフラ29、
排気マニホルド28、オルタネータ26、セルモータ3
0が強力に冷却され、これらの過熱が抑制される。この
うち、排気マフラ29の冷却は、単にその過熱を抑制す
るのみでなく、その内部を通過する排気の温度を低下さ
せてその圧力を低下させ、大気放出時の膨張騒音を低下
させる利点もある。
【0019】また、この実施例では、排気の膨張騒音を
一層低下させるため、次のような構成が採用されてい
る。すなわち、図1に示すように、排気マフラ29がシ
リンダヘッド23よりも低い位置に設けられ、排気マフ
ラ29から後方に導出した排気導出管40が防音ケース
1のケース後壁41に沿ってケース上壁12に向けて立
ち上げられている。このような構成によれば、排気導出
管40の立ち上がり寸法が長くなり、この排風導出管4
0に多くの冷却風が吹き当たる。このため、排気導出管
40内の排気が冷却され、この排気の温度が低下して圧
力が低下し、排気の大気放出時の膨張騒音が一層低下す
る。
【0020】更に、図1に示すように、排風口13の後
側で、防音ケース1のケース上壁12に排気放出管42
が設けられ、この排気放出管42にベンチュリ部43が
内設され、このベンチュリ部43内に排気導出管42の
終端開口部44が臨ませてあるため、排気放出管42の
終端開口部44から放出される排気によりベンチュリ部
43内で負圧が発生し、排気放出管42にその下側から
防音ケース1内の空気が吸い込まれ、排気放出管42内
で排気に空気が混入される。このため、排気放出管42
内の排気の温度が低下してその圧力が低下し、大気放出
時の膨張騒音が低下する。
【0021】この実施例では、冷却ファン3の風切り音
の漏れを抑制するため、次のような構成が採用されてい
る。すなわち、図1に示すように、前記した通り、エン
ジン本体2の冷却ファン3と対向する位置で防音ケース
1のケース前壁4に吸風口5があけられている。そし
て、このケース前壁4の外側に消音箱6が取り付けられ
ている。図2(B)に示すように、消音箱6は防音ケー
ス1のケース前壁4からケース左右横壁45に沿って平
面視コの字状に形成され、その内面には吸音材46が内
張りされている。消音箱6には吸風口5と対向する箇所
に連通口47が開口され、消音箱6内は吸風口5と連通
している。消音箱6の左右両横側には外気導入口7があ
けられている。
【0022】このような構成によれば、図1に示すよう
に、吸風口5からの冷却ファン3の風切り音の漏れは吸
風により抑制されるうえ、ここから漏れた風切り音は消
音箱6内で減音される。このため、外気導入口7から大
気中に放出される風切り音の音量は小さくなり、防音ケ
ース周囲環境の静粛化を促進できる。
【0023】この実施例では、防音ケース周囲環境の静
粛化を更に促進するため、図1に示すように、排風口1
3とエンジン本体2にそれぞれ対向する遮風板14の両
面に吸音材16・16を設けてある。これにより、エン
ジン本体2の燃焼室で発生する爆発音、エンジン本体2
の作動部分から発生する振動騒音等の各種騒音は、エン
ジン本体2に臨む一方の吸音材16で吸収されるととも
に、排風空間15を通過する際、排風口13に臨む他方
の吸音材16でも吸収される。このため、排風口13か
ら大気中に放出される騒音の音量も小さくなり、防音ケ
ース周囲環境の静粛化を更に促進できる。
【0024】この実施例では、周囲環境の静粛化よりも
コンパクト化の方が強く要請される場合を考慮し、消音
箱6を防音ケース1のケース前壁4に着脱自在とし、吸
風口5に防塵網8を張ってある。これにより、消音箱6
を取り外して、コンパクト化を図ることができる。尚、
この場合には、防塵網8により吸風口5から防音ケース
1内への塵埃の侵入が抑制される。
【0025】この実施例では、吸気ダクト17の使用も
考慮し、吸気ダクト接続箱9を備え、防音ケース1のケ
ース前壁4の外側に消音箱6と吸気ダクト接続箱9とを
相互に交換して着脱できるようしてある。これにより、
消音箱6を吸気ダクト接続箱9に交換すると、防音ケー
ス1の遠隔箇所から吸気ダクト17を介して吸気を導入
することができる。このため、例えば、防音ケース1が
多塵雰囲気に設置されている場合には、塵埃の少ない遠
隔箇所から吸気ダクト17を介して吸気口5に清浄な空
気を導入することができ、防塵網8の目詰まりを抑制で
きる。
【0026】尚、上記実施例では、図3に示す消音箱
6、吸気ダクト接続箱9、保護カバー39、図1に示す
吸気導入ケース49、フライホイルカバー50等はいず
れも着脱自在となっており、これら各部品毎に形状、着
色の異なる複数種のものが準備されている。このため、
ユーザーの希望に応じて部品を選択し、外観を整えるこ
とができる。
【0027】本発明の実施例の内容は以上の通りである
が、本発明は上記実施例の内容に限定されるものではな
い。例えば、上記実施例として防音カバー内にエンジン
本体とその付属部品のみを収容した防音型エンジンユニ
ットを用いたが、本発明は防音型エンジンであれば適用
することができ、防音カバー内に発電機やポンプ等の作
業機を収容した防音型エンジン作業機にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る防音型エンジンユニット
の縦断側面図である。
【図2】図2(A)は図1のII−II線断面図、図2
(B)は図2(A)のB−B線断面図である。
【図3】図1の防音型エンジンユニットの斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…防音ケース、2…エンジン本体、3…冷却ファン、
4…ケース前壁、5…吸風口、12…ケース(上)壁、
13…排風口、15…排風空間、23…シリンダヘッ
ド、29…排気マフラ、37…排風ファン、38…排風
導入口、40…排気導出管、42…排気放出管、43…
ベンチュリ部、44…終端開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡崎 正夫 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (72)発明者 王 健 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (72)発明者 辻 定矢 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (72)発明者 宮▲崎▼ 学 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 平4−179821(JP,A) 特開 昭53−21339(JP,A) 実開 昭61−162546(JP,U) 実開 平4−59332(JP,U) 実開 昭51−4802(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01P 5/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防音ケース(1)内に縦型のエンジン本体
    (2)を収容し、エンジン本体(2)の前側に冷却ファン
    (3)を取り付け、エンジン本体(2)の横側に排気マフラ
    (29)を配置した、防音型エンジンにおいて、 冷却ファン(3)と対向する位置で防音ケース(1)のケー
    ス前壁(4)に吸風口(5)をあけ、防音ケース(1)の所定
    のケース壁(12)に排風口(13)をあけ、エンジン本体
    (2)の左右両横側のうちの排気マフラ(29)側、または
    排気マフラ(29)側に偏った位置で、排気マフラ(29)
    よりも後側に、排風口(13)への排気導入口(38)を設
    この排気導入口(38)から排風口(13)にまで至る排風
    空間(15)に排風ファン(37)を設けた、 ことを特徴とする防音型エンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した防音型エンジンにお
    いて、排気マフラ29をシリンダヘッド23よりも低い
    位置に設け、この排気マフラ(29)から後方に導出した
    排気導出管(40)を防音ケース(1)のケース上壁(12)
    に向けて立ち上げた、ことを特徴とする防音型エンジ
    ン。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した防音型エンジンにお
    いて、防音ケース(1)のケース上壁(12)に排気放出管
    (42)を設け、この排気放出管(42)にベンチュリ部
    (43)を内設し、このベンチュリ部(43)内に排気導出
    管(42)の終端開口部(44)を臨ませた、ことを特徴と
    する防音型エンジン。
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