JP5745449B2 - Dpfから延出する排気流路を備える作業機 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1の乗用型草刈機では、機体後端側に備えたDPFの後部から後方に排気流路としての排気口が延出され、排気ガスが後方向きに排気されるように構成されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、DPFから排出される排気ガスを排気流路内において効果的に冷却することができる作業機を提供することにある。
前記エンジンからの排気ガスが、前記DPFを介した後にDPFから延出する排気流路を通過して排気されるように構成された作業機であって、
前記ボンネットの内部において、前記機体の前後方向における前方から、前記冷却ファン、前記エンジン、及び、前記DPFがこの順で配置され、
前記冷却ファンが後方に冷却風を供給するように配置され、前記DPFがその長手方向を機体幅方向に沿わせて配置され、
前記排気流路は、前記エンジンの上面より上方において、前記DPFの一端から前方上向きに延出された後に前記DPFの前側で前記DPFの他端まで、当該DPFの長手方向に沿うように延在する第一流路と、
前記第一流路における下流部分から、前記DPFの他端側の前記エンジンの側面より機体幅方向の外側において、下方に延在する第二流路と、
前記第二流路における下流部分から、前記DPFの他端側の前記エンジンの側面より機体幅方向の外側において、後方に延在するとともに排出口を有する第三流路とを備えて構成されている。
また、特に、排気流路をDPFから前方上向きに延出した後にDPFの前側で当該DPFの長手方向に沿うように延在することにより、排気流路が、エンジンの上端よりも上方にある程度突出した状態で、DPFの長手方向に沿って延びることとなる。特に、冷却風が流通し易いエンジンとボンネットとの間の空間において、排気流路長を長く確保することができる。
前記第一流路の前記長手方向に沿って延在する部分が、下流側に向かうほど後方に位置するように構成されている。
従って、上記構成を備える本発明の作業機は、排気流路から排気される排気ガスの温度を更に低減させることができる。
前記第二流路は、下方側部分ほど前方に位置するように構成されている。
また、上記構成によると、第二流路が冷却ファンに近づくことによって第二流路に冷却風が当たり易くなるので、第二流路を通過する排気ガスを更に効率良く冷やすことができる。
従って、上記構成を備える本発明の作業機は、排気流路から排気される排気ガスの温度を更に低減させることができる。
前記排気流路は、複数の管状部材を連結させてなり、
前記管状部材は、下流側のものほどその径を大きく形成され、
前記第一流路の前記長手方向に沿って延在する部分に位置されている管状部材同士の連結部分では、上流側の管状部材の終端部が、それに続く下流側の管状部材の始端部に対して径方向における隙間を有する状態で挿入されており、且つ、前記始端部の周方向における後部に沿って形成された板部材が、前記上流側の管状部材の後側において、前記始端部の周方向における後部から前記第一流路に沿って延出するように備えられている。
つまり、第一流路の前記長手方向に沿って延在する部分に位置されている管状部材同士の連結部分では、前記上流側の管状部材の終端部から前記下流側の管状部材の内側に排気ガスを流出させることで生じるエジェクタ作用によって、前記連結部分の周囲に供給された冷却風が前記隙間に吸引されると共に、前記下流側の管状部材の内側に流入される。即ち、排気流路に冷却風が取り込まれる。
前記上流側の管状部材の終端部の流路断面積が、それより上流側の流路断面積よりも小さく形成されている。
つまり、前記上流側の管状部材の終端部の流路断面積が上記のように構成されていない場合に比して、前記上流側の管状部材の終端部から前記下流側の管状部材の内側に排気ガスを勢いよく流出させることができるので、前記隙間での前記エジェクタ作用が更に強まる。これによって、冷却風を更に多く排気流路に取り込むことができるので、排気流路を通過する排気ガスを更に効率よく冷やすことができる。
前記第三流路に位置されている管状部材同士の連結部分では、上流側の管状部材の終端部が、それに続く下流側の管状部材の始端部に対して径方向における隙間を有する状態で連結されている。
また、上記構成の作業機は、以下のように構成すると好適である。
前記ボンネットの内部に、エアクリーナを備え、
前記エアクリーナが、機体幅方向における中央部よりも一方の側方側に位置ずれして備えられ、
前記第一流路の前記長手方向に沿うように延在する部分において、上流側に位置する管状部材の終端部と下流側に位置する管状部材の始端部との間に径方向における隙間が形成されるように前記管状部材同士が配置され、
前記隙間が、機体幅方向における中央部よりも他方の側方側に位置ずれして配置されている。
本発明を実施するための形態の作業機は、例として乗用型草刈機とする。
図1に示すように、乗用型草刈機は、機体の前端側に支持された左右一対の前輪1と、操向自在な駆動輪として機体の後端側に支持された左右一対の後輪2とを備えられている。
そして、機体の前方に、バーブレード型のモーア3が昇降自在に吊り下げ支持されている。即ち、本実施形態の乗用型草刈機は、所謂フロントマウント仕様に構成されている。
そして、機体フレームの一部分として機体の後部に位置されている左右一対の後部フレーム4の上側に、ボンネット5が配備されている。そして、ボンネット5の内部に、後部フレーム4に搭載された水冷式ディーゼルエンジン(以下、単にエンジン21と称する)を有する原動部20が備えられている。
また、ボンネット5の天板部5A及び左右の側板部5Bは、原動部20を内包する閉姿勢と、原動部20の上方を開放する開姿勢とに亘って、機体幅方向の後部軸芯X(図2に示す)回りに上下揺動自在に構成されている。
図1乃至図4に示すように、原動部20には、エンジン21の他に、ラジエータ22、エアクリーナ23、冷却ファン24、及び、エンジン21からの排気ガスを浄化するDPF25が設けられている。
具体的には、ボンネット5の内部において、機体の前後方向における前方から、ラジエータ22、冷却ファン24、エンジン21、及び、DPF25がこの順で配置されている。エンジン21は当該エンジン21のクランクシャフトが機体前後方向に沿う所謂縦置き配置されている。
また、エアクリーナ23が、エンジン21の上側に、機体幅方向における中央部よりも側方側に寄せて配備されている。エアクリーナ23は、その外形状を円筒状に形成されている。
そして、機体フレームから上方向きに延出されたDPF用支持部材7(図2、図4に示す)に、DPF25が、その長手方向を機体幅方向に沿わせた横置きの状態で固定配置されている。
また、DPF25は、エンジン21の上部の後方側に位置されている。具体的には、DPF25は、図4に示す背面視でエンジン21の上部と重なり合うように位置されている。
なお、図1乃至図3に示すように、DPF25の一部分は、ボンネット5の天板部5A及び左右一対の側板部5Bの後端から出されており、DPF25の前記一部分は、囲み部材8によって上方、左右側方、及び、後方を覆われている。
つまり、エンジン21からの排気ガスは、排気マニフォールド21C、エンジン21用の排気集合管21D、及び、DPF25用の吸気管25Aを経由してDPF25に流入されるように構成されている。
図2乃至図4に示すように、DPF25を介して浄化された後の排気ガスは、DPF25から延出されている排気流路Fを通過してボンネット5の外側に排気されるように構成されている。
排気流路Fの始端部分に流入した直後の排気ガスは、約600程度という非常に高い温度を有している。そのため、排気流路Fの終端部分に有されている排出口FEの周囲が熱くなり過ぎないように、排出口FEから排気された状態の排気ガスは、その温度を約270度程度まで低減されてあることが望ましい。
そのための、排気流路Fの構成を以下で説明する。
具体的には、図2に示す側面視及び図3に示す平面視において、DPF25の上側に位置しない位置、即ち、エンジン21の後部の上側に位置するまで、第一流路F1が前方上向きに延ばされている。
具体的には、第一流路F1の前記長手方向に沿って延在する部分は、図2に示す側面視及び図3に示す平面視において、DPF25の前面上部の上側に位置するまで、DPF25の長手方向に沿って延ばされながら後方に向かうように構成されている。
つまり、第二流路F2は、冷却風が流通する「ボンネット5の内部横方空間」において下方に向けて延在されている。
具体的には、第二流路F2は、図2に示す側面視において、エンジン21と重なり合い、且つ、ボンネット5の下端部と重なり合うまで、下方側に延ばされながら前方に向かうように構成されている。
具体的には、第三流路F3は、第二流路F2の下流部分から後方下向きに延在された後に、後方向きに延在されている。
つまり、第三流路F3は、冷却風が流通する「ボンネット5の下方側外部横方領域」において後方に延在されている。
なお、排出口FEは、機体幅方向に沿って排気ガスを排気する側方排気仕様で設けられていてもよい。
なお、DPF25用の排気管25Bと、第一管状部材31とは、略同じ径となるように形成されている。
即ち、第一流路F1の前記前方上向きに延出されている部分の前記途中部分から、第一流路F1の前記長手方向に沿って延在されている部分の途中部分までは、第一管状部材31によって形成されている。
即ち、第一流路F1の前記長手方向に沿って延在されている部分の前記途中部分から、第三流路F3の途中部分までは、第二管状部材32によって形成されている。
以下、第一管状部材31の終端部と、第二管状部材32の始端部との連結部分を、第一連結部分C1と称する。
なお、図3及び図4に示すように、第一流路F1の前記長手方向に沿って延在されている部分の前記途中部分に位置する前記第一連結部分C1は、機体前後方向において前記エアクリーナ23と重なり合わない位置に設定されている。
即ち、第三流路F3の前記途中部分から、第三流路F3の終端部分までは、第三管状部材33によって形成されている。そして、第三管状部材33の終端部が、第三流路F3に設けられている排気流路Fの排出口FEに相当する。
以下、第二管状部材32の終端部と第三管状部材33の始端部との連結部分を、第二連結部分C2と称する。
これによると、第一管状部材31の終端部から流出される排気ガスの速度が、それより上流側での排気ガスの速度よりも速くなるので、第一管状部材31の終端部から第二管状部材32の内側に排気ガスを勢いよく流出させることができる。従って、第一隙間S1でのエジェクタ作用が更に強まるので、冷却風が更に多く第二管状部材32の内側に吸引される。
具体的には、板部材40は、第二管状部材32の始端部の周方向における後部に沿って湾曲形成されている。そして板部材40は、第一管状部材31の後側において、その内面を前記冷却風の風向きに対して臨ませるようにして、第二管状部材32の始端部の前記周方向における後部から第一流路F1に沿って延出するように備えられている。
即ち、板部材40によって、冷却風を第一隙間S1に誘導することで第二管状部材32の内側に流入させ、それによって排気流路Fに冷却風が取り込まれる。
上記構成によると、前記長手方向に沿って延在されている部分の前記途中部分に位置する前記第一連結部分C1の前記第一隙間S1は、冷却風の風向きに対して臨むように開口されているのであり、冷却風が第一隙間S1に更に吸引され易くなっている。そのうえ上記構成によると、板部材40は、その第一流路F1の下流側に位置する部分ほど後方に位置するような姿勢に設定されているのであり、冷却風が板部材40によって更に第一隙間S1に誘導され易くなっている。
これによって前記冷却風は、エアクリーナ23に遮られることなく前記第一連結部分C1の周囲に供給されるので、更に効率良く第一隙間S1に冷却風を吸引及び誘導させることができるようになっている。
つまり、前記第二連結部分C2では、第二隙間S2が第三流路F3の上流側に臨むように前方向きに開口されている。
また、第二隙間S2が前方向きに開口されていることにより、走行風を直接的に第二隙間S2に流入可能にもなっている。
〔1〕
本実施形態では、第一管状部材31、第二管状部材32、及び、第三管状部材33が複数の管状部材Pであるとしたが、複数の管状部材Pの数は、上記に限定されるものではない。
複数の管状部材の数が三つでない場合においても、管状部材P同士の連結部分では、上流側の管状部材Pの終端部が、それに続く下流側の管状部材Pの始端部に対して径方向における隙間を有する状態で連結されていることが好適である。
また、複数の管状部材Pの数が三つでない場合においても、本実施形態の第一連結部分C1、第二連結部分C2に相当する構成、及び、第一連結部分C1に係る構成(板部材40や、上流側の管状部材Pの終端部の流路断面積など)に相当する構成が適用されていることが好適である。
本実施形態では、上記のように第三流路F3は、前記「ボンネット5の下方側外部横方領域」において後方に延在するように構成されている。即ち、第三流路F3は、ボンネット5から露呈されている。
一方、別実施形態として、ボンネット5の側板部5Bの下部にカバー部材(図示しない)を下方向きに延出するように取り付け、前記カバー部材によって第三流路F3の横外側を覆うように構成してもよい。
これによると、冷却ファン24からの冷却風が前記カバー部材に沿って後方に向かうので、前記冷却風が第三流路F3の周囲に供給され易くなる。
本実施形態では、エンジン21は、水冷式ディーゼルエンジンとしたが、それ以外のものであってもよい。
本実施形態の乗用型草刈機は、機体の前方にモーア3を備えたフロントマウント仕様としたが、モーア3を前輪1と後輪2との間に配置したミッドマウント仕様のものであってもよい。
本実施形態では、本発明を適用する作業機として乗用型草刈機を例示したが、本発明はDPFから延出する排気流路を備える他の作業機にも適用できる。
21 エンジン
23 エアクリーナ
24 冷却ファン
25 DPF
31 第一管状部材
32 第二管状部材
33 第三管状部材
40 板部材
C1 第一連結部分
C2 第二連結部分
F 排気流路
F1 第一流路
F2 第二流路
F3 第三流路
FE 排出口
P 複数の管状部材
S1 隙間(第一隙間)
S2 隙間(第二隙間)
Claims (7)
- 機体の後部に備えられているボンネットの内部に、冷却ファン、エンジン、及び、エンジンの排気ガスを浄化するDPFを備え、
前記エンジンからの排気ガスが、前記DPFを介した後にDPFから延出する排気流路を通過して排気されるように構成された作業機であって、
前記ボンネットの内部において、前記機体の前後方向における前方から、前記冷却ファン、前記エンジン、及び、前記DPFがこの順で配置され、
前記冷却ファンが後方に冷却風を供給するように配置され、前記DPFがその長手方向を機体幅方向に沿わせて配置され、
前記排気流路は、前記エンジンの上面より上方において、前記DPFの一端から前方上向きに延出された後に前記DPFの前側で前記DPFの他端まで、当該DPFの長手方向に沿うように延在する第一流路と、
前記第一流路における下流部分から、前記DPFの他端側の前記エンジンの側面より機体幅方向の外側において、下方に延在する第二流路と、
前記第二流路における下流部分から、前記DPFの他端側の前記エンジンの側面より機体幅方向の外側において、後方に延在するとともに排出口を有する第三流路と、を備えて構成されている作業機。 - 前記第一流路の前記長手方向に沿って延在する部分が、下流側に向かうほど後方に位置するように構成されている請求項1に記載の作業機。
- 前記第二流路は、下方側部分ほど前方に位置するように構成されている請求項1又は2に記載の作業機。
- 前記排気流路は、複数の管状部材を連結させてなり、
前記管状部材は、下流側のものほどその径を大きく形成され、
前記第一流路の前記長手方向に沿って延在する部分に位置されている管状部材同士の連結部分では、上流側の管状部材の終端部が、それに続く下流側の管状部材の始端部に対して径方向における隙間を有する状態で挿入されており、且つ、前記始端部の周方向における後部に沿って形成された板部材が、前記上流側の管状部材の後側において、前記始端部の周方向における後部から前記第一流路に沿って延出するように備えられている請求項1〜3の何れか一項に記載の作業機。 - 前記上流側の管状部材の終端部の流路断面積が、それより上流側の流路断面積よりも小さく形成されている請求項4に記載の作業機。
- 前記第三流路に位置されている管状部材同士の連結部分では、上流側の管状部材の終端部が、それに続く下流側の管状部材の始端部に対して径方向における隙間を有する状態で連結されている請求項4又は5に記載の作業機。
- 前記ボンネットの内部に、エアクリーナを備え、
前記エアクリーナが、機体幅方向における中央部よりも一方の側方側に位置ずれして備えられ、
前記第一流路の前記長手方向に沿うように延在する部分において、上流側に位置する管状部材の終端部と下流側に位置する管状部材の始端部との間に径方向における隙間が形成されるように前記管状部材同士が配置され、
前記隙間が、機体幅方向における中央部よりも他方の側方側に位置ずれして配置されている請求項1〜6の何れか一項に記載の作業機。
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