JPH0680814B2 - スイツチ素子 - Google Patents

スイツチ素子

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JPH0680814B2
JPH0680814B2 JP62073350A JP7335087A JPH0680814B2 JP H0680814 B2 JPH0680814 B2 JP H0680814B2 JP 62073350 A JP62073350 A JP 62073350A JP 7335087 A JP7335087 A JP 7335087A JP H0680814 B2 JPH0680814 B2 JP H0680814B2
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redox
film
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switch element
electrode
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悟 磯田
智嗣 上山
広明 川窪
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、集積回路分野におけるスイッチ素子に関す
るもので、酸化還元物質を該素子の構成材料として用い
ることにより、そのサイズを分子レベルの超微細な大き
さ(数十〜数百A)に近づけることができ、高密度、高
速化を図ることができるようにしたものである。
〔従来の技術〕
従来、集積回路に用いられているスイッチ素子として
は、例えば柳井久義、永田穣共者の集積回路工学(1)
に記載されているような第3図に示す電界効果型トラン
ジスタ(FET)があった。図において、(11)はn形シ
リコン基板、(12)はチャンネル領域、(13)はP+層、
(14)はSIO2膜、(15)はソース電極、(16)はゲート
電極、(17)はドレイン電極であり、この従来のFETを
トランジスタ動作又はスイッチング動作させるには、ゲ
ート電極を介して印加するゲート電圧の制御により行
う。即ち、ゲート電圧によってソース電極(15)とドレ
イン電極(17)間の表面層における電流キャリヤ数を変
化させ、これにより電流を制御する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のスイッチ素子は以上のように構成されているた
め、微細加工が可能であり、現在では上記構造のスイッ
チ素子あるいはこれと類似の構造の整流素子を用いたLS
Iとして、256KビットLSIが実用化されている。
ところで、集積回路のメモリ容量と演算速度を上昇させ
るには、素子そのものの微細化が不可欠であるが、Siを
用いる素子では0.2μm程度の超微細パターンで電子の
平均自由行程と素子サイズとがほぼ等しくなり、素子の
独立性が保たれなくなるという限界を抱えている。この
ように、日々発展を続けているシリコンテクノロジー
も、微細化の点ではいずれは壁に突きあたることが予想
され、新しい原理に基づく電気回路素子であって上記0.
2μmの壁を破ることのできるものが求められている。
この発明は、かかる状況に鑑みてなされたもので、酸化
還元物質を電気回路素子の構成材料として用いることに
より、そのサイズを分子レベルの超微細な大きさまで近
づけることのできる電気回路素子を、特にそのうちのス
イッチ素子を得ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
ところで、生体内には、電子を定められた方向へ運ぶ電
子伝達能を有する蛋白質(以下、電子伝達蛋白質と記
す)が複数種類存在しており、該電子伝達蛋白質は、例
えば生体膜中に一定の配向性をもって埋め込まれ、分子
間で電子伝達が起こるように特異的な分子間配置をとっ
ている。
この電子伝達蛋白質は、電子伝達時に酸化還元(レドッ
クス)反応を伴い、各電子伝達蛋白質のレドックス電位
の負の順位から正の順位へと電子を流すことができるも
のであり、これを利用すれば電子の動きを分子レベルで
制御することができると考えられる。
また、最近の知見によれば、生体内に存在している電子
伝達蛋白質以外の電子伝達物質を組み合わせて電子伝達
が可能な電子伝達複合体を形成することが可能であるこ
とが示されている。
従って、適当なレドックス電位を持つ電子伝達物質を2
種類(A及びB)用い、A-B-Aと3層接着接合すれば、
それらのレドックス電位の差異を利用してトランジスタ
特性又はスイッチング特性を生ずる接合を形成できると
考えられる。本件発明者はこのことに着目してこの発明
を創作したものである。
そこで本発明に係るスイッチ素子は、第1の酸化還元物
質で作成された第1酸化還元物質膜と、上記第1酸化還
元物質のレドックス(酸化還元)電位と異なるレドック
ス電位を有する第2の酸化還元物質で作成され、上記第
1酸化還元物質膜上に累積して接着接合された第2酸化
還元物質膜と、上記第2酸化還元物質のレドックス電位
と異なるレドックス電位を有する第3の酸化還元物質で
作成され、上記第2酸化還元物質膜上に累積して接着接
合された第3酸化還元物質膜と、それぞれ上記第1,第2,
第3酸化還元物質膜に電気的に、あるいは電気的影響を
与えるために接続される第1,第2,第3の電極とを備え、
上記第1,第2,第3酸化還元物質膜のうちの1者が蛋白質
膜であり、他の2者のうちの1者がLB膜または化学修飾
膜であり、残りの1者が上記蛋白質膜、LB膜、または化
学修飾膜であり、上記各酸化還元物質のレドックス電位
の差異を利用してトランジスタ特性またはスイッチング
特性を発生させるようにしたものである。
〔作用〕
この発明においては、レドックス電位の異なる少なくと
も2種類の酸化還元物質によりトランジスタ特性又はス
イッチング特性を発生させる。即ち、第4図(a),
(b)のA-B-A型酸化還元物質複合体の模式図とそのレ
ドックス電位の関係を用いて説明すると、この酸化還元
物質A(3),B(4),A(5)を接合してなる複合体で
は、A,B,A酸化還元物質のレドックス電位の分布をB酸
化還元物質への印加電圧を制御して変化させることがで
き、これによりn型半導体とp型半導体を接合してなる
p-n-p接合と類似のトランジスタ特性又はスイッチング
特性を呈する素子を得ることができる。
また、上記酸化還元物質膜としてLB膜,化学修飾膜等の
人工分子を用いることにより、隣接する酸化還元物質膜
間での分子の配向性や電極までの距離の制御を容易に行
うことができる。
〔実施例〕
以下、この発明に一実施例を図をもとに説明する。第1
図はこの発明の一実施例によるスイッチ素子を拡大して
模式的に示す断面構成図であり、図において、(1)は
絶縁性を有する基板、(2a),(2b),(2c)はそれぞ
れ第1,第2,第3の電極、(3),(4),(5)はそれ
ぞれ第1,第2,第3の酸化還元物質膜であり、この例は第
1酸化還元物質膜(3)が金属電極(2a)を有機合成分
子で化学修飾して作成された単分子膜すなわち化学修飾
膜、第2酸化還元物質膜(4)が電子を一定方向に伝達
可能な、すなわち膜(4)が累積された方向(第1図の
矢印方向)に電子が流れ、これと垂直な方向、すなわち
水平方向の隣接する蛋白質分子間では電子の授受がなさ
れないよう配向されているレドックス蛋白質または擬似
レドックス蛋白質からなる膜すなわち蛋白質膜、第3酸
化還元物質膜(5)がラングミューア・ブロジェット法
で作成された有機合成分子の単分子膜すなわちLB膜であ
る場合を示す。(6)は親水性基、(7)は疏水性のメ
チレン鎖、(8),(9)はそれぞれ適当なレドックス
電位を有する酸化還元機能団である。
このような構成になる素子では、例えば酸化還元機能団
(8),(9)としてレドックス電位が約‐200mVのフ
ラビン分子団、レドックス蛋白質(4)としてレドック
ス電位が+255mVのチトクロームCを用いると、電極(2
a),(2b),(2c)に対する電圧の印加状態によって
スイッチング特性を呈するようになる。
次にこの作用効果について第2図を参照して説明する。
第2図(a)は本実施例のスイッチ素子の電圧印加状態
を示す模式図で、同図(b)はこのときの各酸化還元物
質のレドックス電位状態を示す図である。同図(b)に
おいて、実線で示すa状態のレドックス電位は電圧V1
びV2を印加していない状態を示し、一点鎖線で示すb状
態のレドックス電位は電圧V1を印加せず、かつ電圧V2
電極(2c)に対し負電圧として印加したときの状態(オ
フ状態)を示し、破線で示すc状態のレドックス電位は
電圧V2をb状態と同様に印加するとともに、電圧V1を電
極(2c)に対して負電圧として印加したときの状態(オ
ン状態)を示す。
b状態では電極(2c)と電極(2a)との間で電子は流れ
ず、c状態では電子が流れる。即ち、電極(2c)と(2
a)との間に一定の負電圧V2を印加しておき、電極(2
c)と(2b)との間の一定の負電圧V1をオン−オフする
ことにより、電極(2c)と(2b)との間に流れる電流を
オン−オフすることが可能であり、スイッチング特性を
実現できる。V0はフラビン分子団とチトクロームcとの
レドックス電位の差である。
このような本実施例によれば従来の半導体スイッチ素子
(p-n-p接合タイプ)と同様の動作を行なうスイッチ素
子を、分子レベルの超微細な大きさの素子として実現で
き、該素子を用いて高密度、高速度化が可能な集積回路
を得ることができる。
なお、上記実施例ではレドックス蛋白質または擬似レド
ックス蛋白質からなる膜およびLB膜が単分子膜である場
合について説明したが、単分子膜累積膜であってもよ
く、また、レドックス蛋白質としては、非ヘムー鉄・硫
黄蛋白質、チトクロームc系蛋白質、チトクロームb系
蛋白質、チトクロームa、フラボドキシン、プラストシ
アニン、チオレドキシン等が用いられる。
また、LB膜や化学修飾膜に用いられる有機合成分子の酸
化還元機能団としては、ビオロゲン類、フラビン類、チ
オニン類、有機金属錯体、酸化還元色素、またはこれら
の物質と他の有機物との結合体等が用いられ、有機金属
錯体としてはフタロシアニン、ポルフィリン、アヌレン
の誘導体等が、酸化還元色素としてはメチレンブルー、
メチルカブリブルー、ガロシアニン、インドフェノー
ル、インジコ、フェノサフラニン、ニュートラルレッ
ド、トルイジンブルー等が挙げられる。
また、上記実施例では、化学修飾膜として金属硫黄結合
を利用した場合を示したが、これ以外に‐O-Si-結合を
用いてもよく、また、金属電極表面と修飾される分子が
直接結合しない物理吸着を利用した化学修飾法によって
作成された膜であってもよい。
さらに、上記実施例では、第1酸化還元物質膜(3)が
化学修飾膜、第2酸化還元物質膜(4)が蛋白質、第3
酸化還元物質膜(5)がLB膜である場合について説明し
たが、これに限るものではなく、第1,第2,第3酸化還元
物質膜(3),(4),(5)のうち1者が蛋白質膜で
あり、他の2者のうちの1者がLB膜または化学修飾膜で
あり、残りの1者が蛋白質膜、LB膜、または化学修飾膜
であればよく、組合せはいろいろ考えられる。
なお、参考として、第1,第2,第3酸化還元物質膜
(3),(4),(5)がそれぞれ化学修飾膜がLB膜で
あるスイッチ素子も考えられる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、第1の酸化還元物質
で作成された第1酸化還元物質膜と、上記第1酸化還元
物質のレドックス電位と異なるレドックス電位を有する
第2の酸化還元物質で作成され、第1酸化還元物質膜上
に累積して接着接合された第2酸化還元物質膜と、上記
第2酸化還元物質のレドックス電位と異なるレドックス
電位を有する第3の酸化還元物質で作成され、上記第2
酸化還元物質膜上に累積して接着接合された第3酸化還
元物質膜と、上記第1,第3酸化還元物質膜にそれぞれ電
気的に接続された第1,第3の電極と、上記第2酸化還元
物質膜に電気的影響を与えるための第2の電極とを備
え、上記第1,第2,第3酸化還元物質膜のうちの1者が蛋
白質膜であり、他の2者のうちの1者がLB膜または化学
修飾膜であり、残りの1者が上記蛋白質膜、LB膜、また
は化学修飾膜であり、上記各酸化還元物質のレドックス
電位の差異を利用してトランジスタ特性またはスイッチ
ング特性を呈するスイッチ素子を構成したので素子サイ
ズを分子レベルの超微細な大きさに近づけることがで
き、該素子を用いて高密度化が可能な集積回路を得るこ
とができる。
また、上記酸化還元物質膜としてLB膜,化学修飾膜等の
人工分子を用いることにより、隣接する酸化還元物質膜
間での分子の配向性や電極までの距離の制御を容易に行
うことができ、電極の接続部における電子の移動特性を
大幅に向上でき、高速動作可能なスイッチ素子が得られ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるスイッチ素子を拡大
して模式的に示す断面構成図、第2図(a)は上記スイ
ッチ素子の電圧印加状態を示す模式図、第2図(b)は
その各酸化還元物質のレドックス電位状態を示す説明
図、第3図は従来のMOS構成のスイッチ素子の一例を示
す断面構成図、第4図(a)はA-B-A型酸化還元物質複
合体を示す模式図、第4図(b)はレドックス電位状態
を示す図である。 図において(1)は基板、(2a)は第1電極、(2b)は
第2電極、(2c)は第3電極、(3)は第1酸化還元物
質膜、(4)は第2酸化還元物質膜、(5)は第3酸化
還元物質膜、(6)は親水性基、(7)は疏水性メチレ
ン鎖、(8),(9)は酸化還元機能団である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示すもの
とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−86077(JP,A) 特開 昭61−141883(JP,A) 特開 昭61−163663(JP,A) 特開 昭61−163668(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の酸化還元物質で作成された第1酸化
    還元物質膜と、 上記第1酸化還元物質のレドツクス電位と異なるレドツ
    クス電位を有する第2の酸化還元物質で作成され、第1
    酸化還元物質膜上に累積して接着接合された第2酸化還
    元物質膜と、 上記第2酸化還元物質のレドツクス電位と異なるレドツ
    クス電位を有する第3の酸化還元物質で作成され、上記
    第2酸化還元物質膜上に累積して接着接合された第3酸
    化還元物質膜と、 上記第1,第3酸化還元物質膜にそれぞれ電気的に接続さ
    れた第1,第3の電極と、 上記第2酸化還元物質膜に電気的影響を与えるための第
    2の電極とを備え、 上記第1,第2,第3酸化還元物質膜のうちの1者がレドツ
    クス蛋白質もしくは擬似レドツクス蛋白質からなる膜
    (以下、蛋白質と略す)であり、他の2者のうちの1者
    がラングミューア・ブロジエツト法で作成された有機合
    成分子の単分子膜もしくは単分子累積膜(以下、LB膜と
    略す)、または有機合成分子で化学修飾して作成された
    単分子膜(以下、化学修飾膜と略す)であり、残りの1
    者が上記蛋白質、LB膜、または化学修飾膜であり、 上記各酸化還元物質のレドツクス電位の差異を利用して
    トランジスタ特性またはスイツチング特性を発生させる
    ようにしたスイツチ素子。
  2. 【請求項2】レドツクス蛋白質は、非ヘム−鉄・硫黄蛋
    白質、チトクロームc系蛋白質、チトクロームb系蛋白
    質、チトクロームa、フラボドキシン、プラストシアニ
    ン、またはチオレドキシンである特許請求の範囲第1項
    記載のスイツチ素子。
  3. 【請求項3】レドツクス蛋白質または擬似レドツクス蛋
    白質からなる膜は単分子膜または単分子膜累積膜である
    特許請求の範囲第1項または第2項記載のスイツチ素
    子。
  4. 【請求項4】レドツクス蛋白質または擬似レドツクス蛋
    白質からなる膜は、隣接する蛋白質分子間において、上
    記膜が累積された方向に電子が流れ、累積された方向と
    垂直な方向では電子の授受がなされないよう配向されて
    いる特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記
    載のスイツチ素子。
  5. 【請求項5】有機合成分子は、ビオロゲン類、フラビン
    類、チオニン類、有機金属錯体、酸化還元色素、または
    これらの物質と他の有機物との結合体を酸化還元機能団
    として有する特許請求の範囲第1項ないし第4項の何れ
    かに記載のスイツチ素子。
  6. 【請求項6】酸化還元色素は、メチレンブルー、メチル
    カブリブルー、ガロシアニン、インドフエノール、イン
    ジコ、フエノサフラニン、ニユートラルレツド、または
    トルイジンブルーである特許請求の範囲第5項記載のス
    イツチ素子。
  7. 【請求項7】有機金属錯体は、フタロシアニン、ポルフ
    イリン、またはアヌレンの誘導体である特許請求の範囲
    第5項記載のスイツチ素子。
  8. 【請求項8】電極は金属電極である特許請求の範囲第1
    項ないし第7項の何れかに記載のスイツチ素子。
JP62073350A 1987-03-26 1987-03-26 スイツチ素子 Expired - Lifetime JPH0680814B2 (ja)

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