JPH0680588A - Mri用造影剤 - Google Patents

Mri用造影剤

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JPH0680588A
JPH0680588A JP4235531A JP23553192A JPH0680588A JP H0680588 A JPH0680588 A JP H0680588A JP 4235531 A JP4235531 A JP 4235531A JP 23553192 A JP23553192 A JP 23553192A JP H0680588 A JPH0680588 A JP H0680588A
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JP
Japan
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water
salt
metal salt
soluble
manganese
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Pending
Application number
JP4235531A
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English (en)
Inventor
Osamu Nagasawa
攻 長沢
Katsuki Yamada
克樹 山田
Toyonori Takeda
豊功 武田
Koji Munechika
宏次 宗近
Shuichi Sato
秀一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】生体への毒性が皆無であり、しかも、容易且つ
安全に製造することができるMRI用造影剤を提供する
ことにある。 【構成】水溶性の酸性多糖類又はそのアルカリ金属塩と
水溶性の常磁性金属塩とを水に溶解してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMRI用造影剤に関し、
詳しくは、容易且つ安全に製造することができ、しか
も、生体への毒性が皆無である新規なMRI用造影剤を
提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】近年、NMR(核磁気共鳴)法の医療へ
の応用として、MRI、即ち、磁気共鳴画像(Magnetic
Resonance Imaging)法による腫瘍 血管障害、炎症、
代謝異常等の疾患の診断が注目されている。このMRI
法は、核スピンを有するプロトン(1H)等の原子核に電
磁波(ラジオ波、パルス波)を生体に照射してNMR現
象を生起させ、このときに原子核から発せられる磁気共
鳴信号によつて生態組織を画像化し、疾病の部位及び種
類を特定する診断法である。
【0003】MRI法は、生態組織に対して有害な電離
放射線(X線)を用いる診断法と異なり、磁場と電磁波
とを人体に照射するので、非破壊、無侵襲であること、
X線診断に比べて、筋肉組織と脂肪組織との相違、及び
正常組織と腫瘍組織との相違が明確であること、内視鏡
による直接検査法と異なり、被検者に対して、肉体的、
精神的苦痛を与えないこと等、数多くのすぐれた特徴を
有している。
【0004】MRI法は、縦緩和(スピン−格子緩和)
及び横緩和(スピン−スピン緩和)によつて、スピン系
が遷移状態から元の平衡状態に復帰する際に発せられる
磁気共鳴信号の強弱、即ち、コントラストを画像化する
ものであるが、この磁気共鳴信号の強弱は、一般に、生
体組織中に存在する原子核密度と緩和時間(縦緩和時間
1 及び横緩和時間T2 )の長短等に依存する。
【0005】ここに、人体組織の場合は、原子核密度の
組織による相違が小さいために、磁気共鳴信号の強弱
は、上記緩和時間の長短に大きく依存することとなる。
従つて、組織学的に相違しても、磁気的な相違が小さい
ときは、高コントラストの画像を得ることが困難であ
る。そこで、かかる問題を解決するために、従来、MR
Iの画質を高めるために、通常、造影剤が用いられてい
る。このような造影剤としては、現在、金属キレートの
一種であるGd−DTPA(ガドリニウム−ジエチレン
トリアミン5酢酸)が実用化されているが、これ以外に
も、例えば、特開昭61−155338号公報や特開昭
62−123159号公報等に記載されているように、
従来、種々の造影剤が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、実際に
用いられており、或いは提案されている造影剤は、いず
れも、その製造が容易でなく、高価であるうえに、化学
的に不安定であるものが多い。本発明は、従来の造影剤
における自棄した問題を解決するためになされたもので
あつて、容易且つ安全に製造することができ、しかも、
生体への毒性が皆無である新規なMRI用造影剤を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるMRI用造
影剤は、水溶性の酸性多糖類又はそのアルカリ金属塩と
水溶性の常磁性金属塩とを水に溶解してなることを特徴
とする。常磁性金属イオンが単独にて縦緩和時間を短縮
することは、既によく知られているが、本発明は、この
ような常磁性金属イオンに酸性多糖類を共存させること
によつて、縦緩和時間の短縮効果が著しく増大されると
いう新規な知見に基づいてなされたものである。
【0008】本発明において、上記酸性多糖類とは、分
子内に酸性基を有する水溶性の多糖類であつて、ここ
に、上記酸性基とはカルボキシル基又は硫酸基をいい、
また、酸性多糖類のアルカリ金属塩とは、そのような酸
性基がアルカリ金属によつて造塩している水溶性の多糖
類をいう。従つて、本発明において、酸性多糖類は、構
成糖である単糖がガラクツロン酸のようにカルボキシル
基を有するものであつてもよいし、構成糖である単糖自
体はカルボキシル基をもたない中性糖であるが、これに
化学的にカルボキシル基を導入してなるカルボキシメチ
ルセルロースのような多糖類であつてもよい。また、酸
性基は、カラギーナンにおけるように、硫酸基であつて
もよい。更に、酸性基は、その一部が分子中でエステル
又は塩を形成していてもよい。本発明において、酸性多
糖類は、その分子量が特に限定されるものではないが、
通常、1000以上であることが好ましい。
【0009】従つて、本発明において好適に用いること
ができる水溶性の酸性多糖類又はそのアルカリ金属塩の
具体例として、例えば、ペクチン酸、ペクチン、アルギ
ン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、アラビアゴム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カ
ラギーナン、キサンタンガム等を挙げることができる。
【0010】また、本発明において、水溶性の常磁性金
属塩としては、水溶性の鉄塩、マンガン塩又はガドリニ
ウム塩が好ましく用いられる。かかる水溶性の常磁性金
属塩の具体例としては、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄
(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、
チオシアン酸鉄(III)、硫酸鉄(II)(III)アンモニウ
ム、可溶性ピロリン酸鉄(III)等の鉄塩、塩化マンガン
(II)、硫酸マンガン(II)、硫酸マンガン(II)アン
モニウム等のマンガン塩、塩化ガドリニウム、硫酸ガド
リニウム、硝酸ガドリニウム等のガドリニウム塩等を挙
げることができる。
【0011】本発明によるMRI用造影剤において、上
記酸性多糖類又はそのアルカリ金属塩と常磁性金属塩と
の配合比率は、特に限定されるものではないが、通常、
常磁性金属塩における金属イオンの1モルに対して、酸
性多糖類又はそのアルカリ金属塩の量は、それを構成す
る単糖に換算して、50モル以上であることが好まし
く、かかる配合比率とすることによつて、縦緩和時間の
短縮効果がすぐれた造影剤を得ることができる。
【0012】本発明によるMRI用造影剤は、その製造
方法において、特に制約を受けるものではないが、通
常、水溶性常磁性金属塩の粉末と水溶性酸性多糖類又は
そのアルカリ金属塩の粉末とを混合し、これを水又は生
理食塩水に溶解させて得ることができる。しかし、一方
を粉末、他方を水溶液として用いてもよく、また、両方
を水溶液として用いてもよい。例えば、常磁性金属塩の
水溶液と酸性多糖類又はそのアルカリ金属塩の水溶液と
を混合してもよい。本発明によるMRI用造影剤は、経
口投与もできるし、また、血管投与もできる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、実施例において、縦緩和時間は、(株)日立製
作所製によるFT−NMR(型式R−1500(60M
Hz))を用い、酸性多糖類と常磁性金属塩との混合物
の水溶液0.05mlに重水0.45mlを加え、十分に振盪し
た後、これを5mm×180mmのNMRチユーブに入れ、
室温にてインバージヨン・リカバリー法のパルス系列を
用いて測定した。即ち、180度パルスを照射した後、
90度パルスを照射するまでの時間(t)を順次変化さ
せたときの信号を観測し、縦磁化が反転する時間(t)
の関数として、式T1 =t/loge2から縦緩和時間
(T1 )を測定した。
【0014】実施例1 塩化マンガン(II)4水和物0.02gを水600mlに溶
解させ、更に、この水溶液にペクチン又はアラビアゴム
又はカルボキシメチルセルロースナトリウム塩2.2gを
混合し、室温で攪拌して、溶解させた。このようにして
得たそれぞれの水溶液について、縦緩和時間(T1 )を
測定した。塩化マンガン−ペクチン混合液は2.2秒、塩
化マンガン−アラビアゴム混合液は2.0秒、塩化マンガ
ン−カルボキシメチルセルロースナトリウム塩混合液は
1.1秒であつた。これに対して、塩化マンガン水溶液
は、3.8秒であつた。このように、本発明によれば、塩
化マンガンに酸性多糖類を混合することによつて、縦緩
和時間の短縮効果が大きいMRI用造影剤を得ることが
できることが理解される。
【0015】実施例2 生体内におけるMRIの高コントラスト化の程度を調べ
るために、実施例1で得た塩化マンガン−カルボキシメ
チルセルロースナトリウム塩混合液及び塩化マンガン水
溶液のそれぞれ5mlを蒸留水にて50mlに希釈し、これ
をウサギに経口投与した。次いで、投与後の胃の領域を
示す断面の0.5T(テスラ)におけるプロトンMRIを
FE法(T1 強調画像、TR/TE=305/14mse
c、フリツプ角90度)によつて撮影した。
【0016】その結果、プロトン緩和時間の短縮化に起
因して、塩化マンガン−カルボキシメチルセルロースナ
トリウム塩混合液の希釈液を用いた場合に、高コントラ
ストの画像を得た。即ち、ウサギの胃内の体液は、当初
は黒色であつて、周辺の臓器と区別できなかつたが、塩
化マンガン−カルボキシメチルセルロースナトリウム塩
混合液の希釈液の投与後には白色となつた。これに対し
て、塩化マンガン水溶液の希釈液を投与したときは、胃
内の体液は、ほぼ黒色のままであつて、周辺の臓器と区
別できなかつた。
【0017】実施例3 硫酸鉄(II)7水和物0.9gを水600mlに溶解させ、
得られた水溶液にアラビアゴム190gを加え、攪拌し
て溶解させた。この水溶液の縦緩和時間(T1 )は1.8
秒であつたが、アラビアゴムを含まない硫酸鉄(II)の
みの水溶液の縦緩和時間(T1 )は2.4秒であつた。
【0018】実施例4 硝酸ガドリニウム6水和物0.05g水600mlに溶解さ
せ、得られた水溶液にアルギン酸ナトリウム6.8gを加
え、攪拌して溶解させた。この水溶液の縦緩和時間(T
1 )は1.7秒であつたが、アルギン酸ナトリウムを含ま
ない硝酸ガドリニウムのみの水溶液の縦緩和時間
(T1 )は2.8秒であつた。
【0019】比較例1 塩化マンガン(II)4水和物0.02gを水600mlに溶
解させ、得られた水溶液に更にグアガム又はデキストラ
ン2.2gを混合し、室温で攪拌して溶解させた。このよ
うにして得たそれぞれの水溶液の縦緩和時間(T1
は、塩化マンガン(II)−グアガム混合液が3.9秒であ
り、塩化マンガン(II)−デキストラン混合液が3.7秒
であつて、それぞれ塩化マンガン(II)のみの水溶液の
縦緩和時間(T1 )3.8秒と実験誤差範囲内で一致し
た。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明によるMRI用造
影剤は、縦緩和時間を著しく短縮させて、高コントラス
トのMRI画像を与えるうえに、生体に無害であり、し
かも、その製造が容易であり、安全であり、且つ、低廉
に製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性の酸性多糖類又はそのアルカリ金属
    塩と水溶性の常磁性金属塩とを水に溶解してなることを
    特徴とするMRI用造影剤。
  2. 【請求項2】常磁性金属塩が鉄塩又はマンガン塩又はガ
    ドリニウム塩であることを特徴とする請求項1記載のM
    RI用造影剤。
JP4235531A 1992-09-03 1992-09-03 Mri用造影剤 Pending JPH0680588A (ja)

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JP4235531A JPH0680588A (ja) 1992-09-03 1992-09-03 Mri用造影剤

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