JPH0680455U - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易であり、製品コストが低いチタン
製ゴルフクラブヘッドを提供する。 【構成】 フェース面及びシャフト接合部（ホーゼル
部）を有するフェース部材１は、高強度のチタン合金に
より形成されている。また、このフェース部材１に接合
されてヘッドの後半部を構成するバック部材２は、純チ
タンにより形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数のヘッド構成部材を接合して形成されたゴルフクラブヘッドに 関し、フェース面を有するフェース側部材を高強度のチタン合金材により構成し 、ヘッド後半部を構成するバック側部材を純チタンにより構成することにより、 製造を容易にしたものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６はゴルフクラブヘッドの一例を示す斜視図である。このゴルフクラブヘッ ド１０は、例えば図７に示すフェース部材１１と、図８に示すバック部材１２と を接合して形成されたものであり、内部は中空になっている。

【０００３】 メタルウッド等のゴルフクラブヘッドは、このように、複数（通常、２〜４個 ）のヘッド構成部材を接合して形成されている。ゴルフクラブヘッドの材料とし ては、種々の金属材が使用されているが、大型のヘッドを作成する場合には、軽 量であると共に強度が高いことから、（α＋β）型又はβ型等のチタン合金が優 れている。

【０００４】 この種のゴルフクラブヘッドは、以下に示すようにして製造されている。即ち 、例えば図９に示すように、溶体化処理を施したチタン合金板を所定の形状の金 型を用いてプレス成形し、プレス成形材１３を得る。次に、このプレス成形材１ ３をトリミングすることにより、フェース部材１１を得る。これと同様にして、 チタン合金板をプレス成形して、バック部材１２を形成する。そして、これらの フェース部材１１及びバック部材１２を溶接する。これにより、ゴルフクラブヘ ッドが完成する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来のチタン合金製ゴルフクラブヘッドには以下に示 す問題点がある。即ち、（α＋β）型又はβ型のチタン合金は、強度が高いとい う利点がある反面、スプリングバックの発生量が大きいという欠点があり、プレ ス等により複雑な形状に塑性加工する際には、チタン合金の素材を約７００乃至 ９００℃の温度に加熱する必要がある。従って、従来のゴルフクラブヘッドは、 製造が煩雑である。また、チタン合金（特に、β型のチタン合金）は材料自体が 高価であるため、従来のチタン合金製ゴルフクラブヘッドには製品コストが高い という欠点もある。

【０００６】 本考案はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、製造が容易であると共 に製品コストを低減できるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るゴルフクラブヘッドは、チタン合金からなりフェース面を有する 所定の形状に成形加工されたフェース側部材と、純チタンからなり前記フェース 側部材に接合されたバック側部材とを有することを特徴とする。

【０００８】 なお、本願において純チタンとは、ＪＩＳ Ｈ４６００で規定される第２種の ものをいう。

【０００９】

【作用】

ゴルフクラブヘッドにおいて、フェース面はボールを殴打する部分であり、強 度が要求される。しかし、ヘッドの後半部を構成するバック側部材には、それほ どの強度は供給されない。そこで、本考案においては、高強度のチタン合金によ り形成されたフェース側部材と、比較的加工性が良好である純チタンにより形成 されたバック側部材とによりゴルフクラブヘッドを構成する。これにより、バッ ク側部材の製造が容易になるという効果を得ることができる。また、純チタンは チタン合金に比して材料コストが低いため、製品コストを低減することができる という効果もある。

【００１０】 なお、前記バック側部材は１つの部材から構成されたものであってもよいし、 例えばヘッド後半部の上側を構成するクラウン部材及びヘッド後半部の下側を構 成するソール部材等のように、複数の部材から構成されていてもよい。また、ホ ーゼル部は、フェース側部材又はバック側部材と一体的に構成してもよいし、フ ェース側部材又はバック側部材と別部材として構成してもよい。更に、シャフト 取り付け部であるホーゼル部も強度が要求される部分であるので、ホーゼル部も チタン合金からなることが好ましい。

【００１１】

【実施例】

次に、本考案の実施例について、添付の図面を参照して説明する。

【００１２】 図１は本考案の実施例に係るゴルフクラブヘッドを示す組立図である。本実施 例に係るゴルフクラブヘッドは、フェース面及びホーゼル部の前半部を有するフ ェース部材１と、フェース部材１に接合されてゴルフクラブヘッドの後部を構成 するバック部材２とにより構成されている。フェース部材１は、（α＋β）合金 又はβ合金等の高強度チタン合金からなる。また、バック部材は純チタンからな る。

【００１３】 （α＋β）合金は、例えば、４．０乃至７．０％（重量％；以下、同じ）のＡ ｌ及び３．０乃至７．０％のＶを含有し残部がＴｉ及び不可避的不純物からなる 合金であり、必要に応じて１．０乃至３．０％のＳｎが添加される。代表的な（ α＋β）合金としては、Ｔｉ−６％Ａｌ−４％Ｖ合金がある。

【００１４】 また、β合金としては、１．０乃至５．０％のＡｌ及び１５．０乃至３０．０ ％のＶを含有し、Ｏ含有量を０．５％以下、Ｆｅ含有量を２．０％以下に規制し 、残部がＴｉ及び不可避的不純物からなる合金、１．０乃至５．０％のＡｌ、１ ５．０乃至２５．０のＶ及び０．５乃至２．０％のＳｎを含有し、Ｏ含有量を０ ．５％以下、Ｆｅ含有量を２．０％以下に規制し、残部がＴｉ及び不可避的不純 物からなる合金、１．０乃至５．０％のＡｌ、５．０乃至１０．０％のＶ、３． ０乃至８．０％のＣｒ、２．０乃至７．０％のＭｏ及び２．０乃至７．０％のＺ ｒを含有し、Ｏ含有量を０．５％以下、Ｆｅ含有量を２．０％以下に規制し、残 部がＴｉ及び不可避的不純物からなる合金、１．０乃至５．０％のＡｌ、１．０ 乃至５．０％のＳｎ及び１．０乃至５．０％のＣｒを含有し、Ｏ含有量を０．５ ％以下、Ｆｅ含有量を２．０％以下に規制し、残部がＴｉ及び不可避的不純物か らなる合金並びに１．０乃至５．０％のＡｌ、３．０乃至７．０％のＺｒ及び１ ２．０乃至１８．０％のＭｏを含有し、残部がＴｉ及び不可避的不純物からなる 合金等がある。

【００１５】 以下に、本実施例に係るゴルフクラブヘッドの製造方法について説明する。フ ェース部材は、従来と同様に形成する。即ち、先ず、図２に示すように、チタン 合金板をプレス成形してプレス成形材３を形成し、このプレス成形材３をトリミ ングして、図３に示す形状のフェース面及びホーゼル部を有するフェース部材１ を形成する。一方、図４に示すように、純チタン板をプレス成形してプレス成形 材４を形成し、このプレス成形材４をトリミングして、図５に示す形状のバック 部材２を得る。この場合に、素材が純チタン板であるため、プレス成形時の成形 温度を室温乃至３００℃と低くしても、容易に塑性加工を施すことができる。

【００１６】 その後、フェース部材１とバック部材２とを溶接して一体化する。そして、フ ェース部材１を構成するチタン合金の組成によっては、必要に応じて熱処理を施 す。これにより、本実施例に係るゴルフクラブヘッドが完成する。

【００１７】 本実施例に係るゴルフクラブヘッドは、バック部材がチタン合金に比して加工 性が優れていて塑性加工が容易な純チタンからなるため、従来に比して製造が容 易である。また、純チタンはチタン合金に比して材料コストが低いため、製品コ ストを低減できるという効果もある。

【００１８】 なお、上述の実施例においては、フェース部材とバック部材との２つのヘッド 構成部材によりゴルフクラブヘッドが構成されている場合について説明したが、 ヘッド構成部材の形状及び個数がこれにより限定されるものではないことは勿論 である。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、フェース面を有するフェース側部材がチ タン合金からなり、このフェース側部材に接合されたバック側部材が純チタンか らなるため、製造が容易であると共に製品コストを低減できるという効果を奏す る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例に係るゴルフクラブヘッドを
示す組立図である。

【図２】 フェース部材の製造方法の一工程を示す斜視
図である。

【図３】 フェース部材を示す斜視図である。

【図４】 バック部材の製造方法の一工程を示す斜視図
である。

【図５】 バック部材を示す斜視図である。

【図６】 ゴルフクラブヘッドの一例を示す斜視図であ
る。

【図７】 フェース部材を示す斜視図である。

【図８】 バック部材を示す斜視図である。

【図９】 従来のゴルフクラブヘッドの製造方法の一工
程を示す斜視図である。

【符号の説明】

１，１１…フェース部材、２，１２…バック部材、３，
４，１３…プレス成形材、１０…ゴルフクラブヘッド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チタン合金からなりフェース面を有する
   所定の形状に成形加工されたフェース側部材と、純チタ
   ンからなり前記フェース側部材に接合されたバック側部
   材とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。