JP2003000775A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

ゴルフクラブヘッド

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JP2003000775A
JP2003000775A JP2001186984A JP2001186984A JP2003000775A JP 2003000775 A JP2003000775 A JP 2003000775A JP 2001186984 A JP2001186984 A JP 2001186984A JP 2001186984 A JP2001186984 A JP 2001186984A JP 2003000775 A JP2003000775 A JP 2003000775A
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Hiroto Setogawa
広人 瀬戸川
Yoshie Takano
由重 高ノ
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性を向上しうるゴルフクラブヘッドを提
供する。 【解決手段】 ボールを打球するフェース部2の少なく
とも一部に、下記の組成式で表されるチタン合金からな
りかつ厚さ減少率が10%以上の熱間鍛造加工を経て形
成されたフェース部材7を用いたことを特徴とするゴル
フクラブヘッド1である。 Ti100-x-y M1x M2y (数値はすべて原子%) ただし、M1は、Zr、Hfから選ばれる1種又は2種
以上の元素、M2は、V、Nb、Ta、Mo、Cr、W
から選ばれる1種又は2種以上の元素、かつx+y≦5
0(0<x<50、0<y<50)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性を向上しう
るゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばウッド型のゴルフクラブヘッドに
おいては、打球の飛距離を増大させるために、ボールを
打球するフェース部に反発性の良い金属材料を用いるこ
とが行われている。近年では、反発性に優れた金属材料
として、Ti−15Mo−3Cr−3Sn−3Alなど
のβ型のチタン合金が多用されつつある。またβ型チタ
ン合金は、冷間での加工性に優れるため、従来では冷間
プレス等によりフェース部材の形状に成形される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フェー
ス部材の形状などが複雑化すると、加工性に優れるβ型
チタン合金と言えども冷間加工での成形ではおのずと限
界がある。また冷間圧延工程において、圧下率を大きす
ると、圧延時にクラック等が生じ耐久性や歩留まりを低
下させるなどの問題がある。
【0004】本発明は、以上のような問題点に鑑み案出
なされたもので、ボールを打球するフェース部の少なく
とも一部に、一定の組成式で表されるチタン合金からな
りかつ厚さ減少率が10%以上の熱間鍛造加工を経て形
成されたフェース部材を用いることを基本として、より
複雑な形状等の加工も可能となり、しかも耐久性を向上
しうるゴルフクラブヘッドを提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、ボールを打球するフェース部の少なくとも
一部に、下記の組成式で表されるチタン合金からなりか
つ厚さ減少率が10%以上の熱間鍛造加工を経て形成さ
れたフェース部材を用いたことを特徴とするゴルフクラ
ブヘッドである。 Ti100-x-y M1x M2y (数値はすべて原子%) ただし、M1は、Zr、Hfから選ばれる1種又は2種
以上の元素、M2は、V、Nb、Ta、Mo、Cr、W
から選ばれる1種又は2種以上の元素、かつx+y≦5
0(0<x<50、0<y<50)である。
【0006】また請求項2記載の発明は、前記フェース
部材は、厚さ減少率が40〜90%の熱間鍛造加工を経
て形成されたことを特徴とする請求項1記載のゴルフク
ラブヘッドである。
【0007】また請求項3記載の発明は、前記フェース
部材は、厚さ減少率が75〜85%の熱間鍛造加工を経
て形成されたことを特徴とする請求項1記載のゴルフク
ラブヘッドである。
【0008】また請求項4記載の発明は、前記熱間鍛造
加工は、鍛造温度T(℃)と厚さ減少率R(%)との比
(T/R)が10以上であることを特徴とする請求項1
乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1は本実施形態のゴルフクラブ
ヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1
の正面図、図2はそのY−Y線端面図、図3はフェース
部材を単体で示す斜視図をそれぞれ示しており、図1、
図2では、いずれもヘッド1を規定のライ角α、ロフト
角βで水平面HPに載置した基準状態を示している。
【0010】図において、本実施形態のヘッド1は、ボ
ールを打撃するフェース部2と、このフェース部2の上
縁2aに連なりヘッド上面をなすクラウン部3と、前記
フェース部2の下縁2bに連なりヘッド底面をなすソー
ル部4と、前記クラウン部3とソール部4との間を前記
フェース部2のトウ2tからバックフェースを通りヒー
ル2hまでのびるサイド部5と、図示しないシャフトが
装着されるシャフト取付部6とを具える。また本実施形
態のヘッド1は、金属材料からなりかつ内部を中空形状
としたウッド型のものが例示されている。
【0011】前記ヘッド1は、前記フェース部2の少な
くとも一部、本例では主要部をなす板状のフェース部材
7と、このフェース部材7を打球面側に配する開口を有
した本体部9とを一体に固着することにより形成された
ものを例示する。なお図1には、前記フェース部材7の
境界が鎖線で示されており、フェース部2の全表面積S
1とフェース部材7の表面積S2との比(S2/S1)
は、例えば0.9以上に設定するのが望ましい。
【0012】前記本体部9は、一つの部材又は2以上の
部材を適宜溶接することにより形成され、好適にはチタ
ン合金が用いられる。本例ではこのヘッド本体9をα+
β型チタン合金としてTi−6Al−4Vをロストワッ
クス鋳造により一体に成形したものを例示する。また前
記シャフト取付部6は、本例では上部に突出形成されて
おり、その内部にはシャフト(図示省略)を挿入し接着
剤等にて固着しうるシャフト取付孔6aが形成されてい
る。このシャフト取付孔6aの孔中心線CLは後に取り
付けられるシャフトの軸中心線と実質的に一致するた
め、本明細書ではこの孔中心線CLを基準にライ角αを
定めている。
【0013】また前記フェース部材7には、下記の組成
式(1)で表されるチタン合金が用いられる。 Ti100-x-y M1x M2y (数値はすべて原子%)…(1) ただし、M1は、Zr、Hfから選ばれる1種又は2種
以上の元素、M2は、V、Nb、Ta、Mo、Cr、W
から選ばれる1種又は2種以上の元素、かつx+y≦5
0(0<x<50、0<y<50)である。
【0014】本発明者らの実験の結果、上記式(1)で
表されるチタン合金は、引張強度や硬さを大としつつ
も、ヤング率が著しく低く、また大きな弾性伸び、塑性
伸びを示すため高反発のフェース部材に好適であること
を見い出した。このようなチタン合金の高い強度と硬さ
は、主として大きな原子半径差、例えば上述の組み合わ
せから10%以上の原子半径差を有する元素を固溶して
いることによる固溶体強化に、また低ヤング率は主とし
て構成元素が互いに引力相互作用を持たないために低応
力で原子が可逆的に移動できることに、さらに、大きな
弾性伸び限界などは相互作用を持たない多種類の元素に
よる可逆的移動サイトの多様性のために可逆的原子移動
が高いひずみ域まで起きることができるともに変形応力
の上昇も起こりづらくなることに夫々起因するものと考
えられている。
【0015】とりわけ前記の如く原子半径の差が大きい
少なくとも2つの元素を含む構成元素を固溶することに
より、原子の再配列が起こり難くなって拡散能が低下す
るため、例えば溶湯を急冷することなく、徐冷した場合
においてもbcc固溶体単相ないしbcc固溶体を主体
的に含むβ型のチタン合金を得ることができる。そし
て、このような固溶体は、熱間鍛造により比較的大きな
厚さ減少率で加工することにより、高い強度と成型性の
向上、さらには耐疲労特性の向上を実現できる。
【0016】なお上記式(1)において、チタンの含有
量が50原子%を下回る場合、上記した合金の優れた機
械的特性を発現させることはできるが、比重が大きくな
る傾向があるためヘッドに適用するに際して重量増大化
やコスト高、さらには高融点化を招く傾向がある。また
Zr又はHfの元素が含まれていないと、原子半径差の
大きい金属元素を多量に固溶するのが困難な傾向があ
り、固溶強化できない傾向がある。逆に、Zr、Hfの
元素のトータル含有量が50原子%を上回ると、比重が
大きくなったり、また高融点化を招くなどの不具合があ
る。さらに、V、Nb、Ta、Mo、Cr、Wから選ば
れる1種または2種の元素が含まれていない場合、強度
の低下や耐食性の低下を招き易い。またこれらの元素の
トータル含有量が50原子%を上回ると、合金の比重が
大となったり、高融点化を招いたり、コストの上昇をも
たらしやすいためである。特に好ましくは、Ti、Z
r、Nb及びTaの組み合わせである。即ち、M1をZ
rとし、M2はNb、Taとする。またZrは、より好
ましくは10〜40原子%、さらに好ましくは15〜3
0原子%とすることが望ましく、残部を実質的にNb及
びTaで構成するのが良い。
【0017】また本実施形態では、前記式(1)で表さ
れるチタン合金を熱間で鍛造することにより、加工に必
要な力を小とし、かつフェース部材への成形性を向上し
ている。またチタン合金の内部に存在する空隙を圧縮で
き、結晶組織の緻密化、内部欠陥の減少、偏析の均一化
を図ることができる。さらに、熱間鍛造により、チタン
合金は引張強さ、硬さなどの機械的性質のばらつきが抑
制されるとともに、製品形状に沿った鍛流線が得られ、
靱性の向上と耐疲労特性の向上にも役立つ。また鍛造で
は、比較的複雑な形状に成形することができるため、例
えば図3(B)に示すように、フェース部材7を、フェ
ース部2の周縁で折れ曲がりかつ小巾で後方にのびるク
ラウン側の張り出し部2A、トウ側の張り出し部2B、
ヒール側の張り出し部2C又はソール側の張り出し部2
Dの少なくとも一つを一体に形成することもできる。ま
た図4(A)に示すように、フェース部材7は、トウ側
の張り出し部2Bとヒール側の張り出し部2Cとが大き
く突出する態様(トウ側の張り出し部2B及び/又はヒ
ール側の張り出し部2Cのみが突出する態様を含む)
や、図4(B)に示すように、クラウン部側の張り出し
部2Aとソール側の張り出し部2Dとが大きく突出する
態様(クラウン部側の張り出し部2A及び/又はソール
側の張り出し部2Dのみが突出する態様を含む)など種
々のものが含まれ得る。さらに鍛造では、圧延などと異
なりフェース部材の厚さの分布を各部で異ならせること
が容易に行えるため、例えば図3(A)に示すように、
厚さが小の薄肉部7aと、厚さが大の厚肉部7bとをフ
ェース部材7に一体に形成することもできる。
【0018】熱間鍛造は、塊状の素材(ビレット)を再
結晶温度以上に加熱して打撃または加圧し所定の形状に
成形する成形法であり、本明細書でいう「鍛造」には一
対のロールに素材材料を噛み込ませて延伸する圧延を含
まないものとする。また鍛造時の素材の加熱温度である
鍛造温度Tは、好ましくは600〜2000℃、より好
ましくは700〜1500℃とするのが望ましい。上記
式(1)で表されるチタン合金は、融点が比較的高くな
る傾向があるため、前記鍛造温度Tが600℃未満では
素材の組成流動が起こりにくく、加工性が悪くなるため
高出力の鍛造装置が必要となるほか、加工の際に亀裂や
割れが生じやすくなる傾向がある。逆に、鍛造温度Tが
2000℃を超えると、高出力の鍛造設備が必要となる
ため、製造コストを上昇させる傾向があるほか、材料の
劣化などを招きやすい。
【0019】また鍛造における成形法は、例えば自由鍛
造、型鍛造(開放型、密閉型、或いは半密閉型を含
む)、高速鍛造又は等温鍛造など各種のものを含み、素
材に圧縮塑性変形を生じさせるものであれば適宜のもの
が採用できる。好ましくは、鍛造によって得られた素形
材の表面に酸化膜(スケール)が生じにくい密閉型型鍛
造法などを用いるのが望ましい。
【0020】熱間鍛造工程では、先ず前記チタン合金の
鋳塊から例えば角柱状(円柱状等でも勿論良い)のビレ
ット等の素材が準備される。そして、この素材を所定の
温度まで加熱した後、鍛造機で鍛造される。熱間鍛造で
は、冷間圧延加工などに比べると材料の変形抵抗が小さ
いため、下記式(2)で表される厚さ減少率を10%以
上、より好ましくは40〜90%、さらに好ましくは7
5〜85%程度まで高めるのが望ましい。 厚さ減少率={(h1−h2)/h1}×100[%] (ただし、h1は素材の鍛造前の最大厚さ、h2は鍛造
後の厚さ)
【0021】熱間鍛造時における厚さ減少率が10%よ
りも小さいと、組成流動が少なくなって、鍛造加工によ
る曲げ強度や疲労強度等の機械的特性の向上が得られな
い傾向があり好ましくない。他方、厚さ減少率が大きす
ぎると、鍛造時にクラックが発生したり、またクラック
を防止するために、鍛造温度を高くする必要があるな
ど、設備コスト、加工コストを大とする傾向があるため
好ましくない。
【0022】また熱間鍛造加工は、前記鍛造温度T
(℃)と厚さ減少率R(%)との比(T/R)が10以
上、より好ましくは15以上、さらに好ましくは20以
上であることが望ましい。前記比(T/R)が10未満
であると、厚さ減少率に対して鍛造温度が低くなって、
加工性が悪化しクラックなどが生じやすい傾向がある。
なお前記比(T/R)の上限は特に限定されるものでは
ないが、大きすぎると、厚さ減少率に対して過度に鍛造
温度を高めることとなり実用面で問題があるため、前記
いずれかの下限値との組み合わせにおいて100以下、
より好ましくは75以下、さらに好ましくは50以下に
設定するのが良い。
【0023】なお熱間鍛造工程では、荒打ち、仕上げ打
ちなど加工具を替えて複数段の鍛造を行うことができ、
しかる後、形成されたフェース部材は、バリ取りなどが
行われる。また熱間鍛造後のフェース部材の表面に酸化
膜が形成されているときには、表面研磨によってこれを
除去する。
【0024】仕上がり後のフェース部材7の厚さt(図
2に示す)は、特に限定されるものではないが、例えば
1.0〜4.0mm、より好ましくは2.0〜3.0mm、
さらに好ましくは2.2〜2.7mmの厚さtとすること
が望ましい。前記厚さtが1.0mm未満であると実用的
な強度が不足し耐久性が低下する傾向にあり、逆に4.
0mmを超えるとフェース部2の剛性が過度に高められ、
反発性能が低下して打球の飛距離が低下しやすい傾向が
ある。
【0025】またこのようにして得られたチタン合金か
らなるフェース部材7は、概ねその曲げ最大応力(JI
S Z2204準拠)が1600MPa以上、より好ま
しくは1700MPa以上、さらに好ましくは1800
MPa以上であることが望ましい。このような曲げ最大
応力は、熱間鍛造時の前記厚さ減少率を大とすることに
よって高めることができる。
【0026】また前記曲げ最大応力が大であっても、フ
ェース部材7の絶対的な厚さtが小さかったり、逆にフ
ェース部材7の厚さtが大であっても曲げ最大応力が著
しく低い場合には、いずれもへッド1としての実用上の
強度が不足する傾向がある。このような観点より、フェ
ース部材7の曲げ最大応力kとフェース部材7の厚さt
との積k×t(MPa・mm)の値を4300〜700
0、より好ましくは4500〜7000、特に好ましく
は4800〜7000とすることが望ましい。
【0027】以上のように成形されたフェース部材7
は、前記本体部9の打球面側に例えば接着、カシメ、溶
接、圧接、ロウ付け等の固着手段により固着される。
【0028】以上本発明の実施形態についてウッド型の
ゴルフクラブヘッドを例に取り説明したが、本発明は、
ウッド型のゴルフクラブヘッドに限定されるものではな
く、アイアン型やパター型、ユーティリティ型の各ヘッ
ドなどにおいても好適に適用しうるのは言うまでもな
い。
【0029】
【実施例】次に本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法
をより具体的に説明する。前記式(1)を満たすチタン
合金として「Ti50Zr30Nb10Ta10」の組成(原子
半径差は最小−最大で約11.7%)のものを以下の方
法で試作した。先ず真空引きされかつアルゴン置換され
た雰囲気中の真空アーク溶解炉にて前記構成元素を溶解
し、上記組成を有する合金を矩形状の鋳塊に製造した。
そして、この鋳塊を1000℃に予熱するとともに、3
50屯クランク式プレス機にて熱間型鍛造し厚さ3mmの
フェース部材を得た。そして、フェース部材に形成され
た酸化膜を研磨により除去し中央部の厚さが2.7mmの
フェース部材を得るとともに、これをヘッド本体部に溶
接した。なおヘッドの共通仕様は次の通りである。 ヘッド体積:300cm3 ロフト角 :10゜ ヘッド本体:Ti−6Al−4Vのチタン合金をロスト
ワックス精密鋳造法により製造
【0030】このようなヘッドに同一のシャフト(46
インチ、フレックスS)を装着してウッド型のゴルフク
ラブとし、これをツルーテンパー社製のスイングロボッ
トに取り付けてヘッドスピード54m/sかつフェース
中央でゴルフボールを試打しフェース部が破壊するまで
耐久テストを行った。評価は、フェース部が破壊したと
きの打球数で評価した。打球数が多いほど耐久性に優れ
る。
【0031】また機械的強度として、各フェース部材か
らそれぞれJISZ2204に準拠して3号試験片を切
り出し、曲げ試験を行って曲げ弾性限応力(n=3)を
測定した。テストの結果などを表1に示すが、実施例の
ものでは、厚さ減少率が大となる程、耐久性、曲げ最大
応力が向上していることが確認できた。またヤング率に
ついては実質的な変化がなくヘッドの反発性能の低下が
ないことも確認できた。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】上述したように、請求項1記載の発明で
は、ボールを打球するフェース部の少なくとも一部に、
一定の組成式で表されるチタン合金からなりかつ厚さ減
少率が10%以上の熱間鍛造加工を経て形成されたフェ
ース部材を用いたことにより、フェース部の低ヤング率
と高い強度を両立しうる結果、飛距離の増大と耐久性の
向上とを図りうる。またフェース部材は、熱間鍛造加工
を経て形成されるため、複雑な形状であっても成形で
き、かつ材料の品質を向上しかつ耐疲労性を高めうる。
【0034】また請求項2ないし3記載の発明のよう
に、前記フェース部材の厚さ減少率を一定範囲に限定し
たときには、鍛造時のクラックの発生などを防止し品質
ないし歩留まりを向上しうるとともに、鍛造されたフェ
ース部材の曲げ最大応力をさらに大にでき、耐久性をよ
り一層向上しうる。
【0035】また請求項4記載の発明のように、前記熱
間鍛造加工は、鍛造温度T(℃)と厚さ減少率R(%)
との比(T/R)を一定範囲に限定することにより、厚
さ減少率に見合った鍛造温度を設定でき、鍛造加工時の
クラックの発生などをより効果的に抑制しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のゴルフクラブヘッドの基準状態に
おける正面図である。
【図2】そのY−Y線端面図である。
【図3】(A)、(B)は、フェース部材の一例を示す
斜視図である。
【図4】(A)、(B)は、フェース部材の他の例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 ゴルフクラブヘッド 2 フェース部 3 クラウン部 4 ソール部 5 サイド部 6 シャフト取付部 7 フェース部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボールを打球するフェース部の少なくとも
    一部に、下記の組成式で表されるチタン合金からなりか
    つ厚さ減少率が10%以上の熱間鍛造加工を経て形成さ
    れたフェース部材を用いたことを特徴とするゴルフクラ
    ブヘッド。 Ti100-x-y M1x M2y (数値はすべて原子%) ただし、M1は、Zr、Hfから選ばれる1種又は2種
    以上の元素、 M2は、V、Nb、Ta、Mo、Cr、Wから選ばれる
    1種又は2種以上の元素、かつx+y≦50(0<x<
    50、0<y<50)である。
  2. 【請求項2】前記フェース部材は、厚さ減少率が40〜
    90%の熱間鍛造加工を経て形成されたことを特徴とす
    る請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 【請求項3】前記フェース部材は、厚さ減少率が75〜
    85%の熱間鍛造加工を経て形成されたことを特徴とす
    る請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 【請求項4】前記熱間鍛造加工は、鍛造温度T(℃)と
    厚さ減少率R(%)との比(T/R)が10以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴ
    ルフクラブヘッド。
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