JP4548008B2 - β型Ti−Zr系合金及びその製造方法、β型Ti−Zr系合金部材 - Google Patents

β型Ti−Zr系合金及びその製造方法、β型Ti−Zr系合金部材 Download PDF

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本発明は、高強度で低弾性率であり、かつ冷間加工性に優れたβ型Ti−Zr系合金とその製造方法、及びβ型Ti−Zr系合金部材に関する。
特開平2−59731号公報 特開平11−335757号公報
Ti系金属は軽量かつ高強度で耐食性に優れることから、種々の用途に広く使用されている。特に身近な用途としてはゴルフクラブヘッドがある。ゴルフクラブヘッドにおいては、ボールの打撃面をなすフェース部の反発特性が高いことが望ましいとされ、高ヤング率のチタン合金を用いる提案がなされている。しかし、その後の研究により、ゴルフクラブヘッドの反発力をより効果的に増大するには、ヘッドスイングの運動エネルギーを弾性波の形でボールに移行させるための効率、換言すれば、ゴルフクラブヘッドの機械インピーダンス(物体の駆動点に加えられる起振力F(N)と、これによって駆動点に生ずる速度ξ(m/s)との比:F/ξ)をボールの機械インピーダンスに近づけることが重要であることがわかった。両者の機械インピーダンスの差(つまり不整合率)が大きいと、衝突により発生する弾性波の一部がエネルギー交換せずにヘッド側に反射波として残り、反発効率が悪くなる。
機械インピーダンスの定義からも明らかな通り、同じ起振力が加えられる場合でも、剛性の高い材料(つまり、高ヤング率の材料)の場合は弾性変位速度ξが小さく、機械インピーダンスは大きくなる。金属製のヘッドとゴルフボールとではボールのヤング率の方が低いから、反発効率を高めるためには金属製のヘッド側のヤング率を下げることが有利であり、その結果、ゴルフクラブヘッド用としては、より低ヤング率の材料が求められるようになってきている。
しかし、ゴルフクラブヘッド等に用いられてきたTi−6Al−4V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−22V−4Alといった合金は、いずれも上記の目的においてヤング率の低減が十分ではなく、満足のいく結果は得られていなかった。特に、Ti−6Al−4Vはα+β型合金であり、異相界面が多量に形成される等の要因により内部摩擦が大きく、反発力の吸収も生じやすい。また、Ti系合金材料のヤング率を合金組成の調整により低減しようとした場合、降伏応力などの強度値レベルがトレードオフ的に下がってしまうジレンマがある。
なお、特許文献2においては、ZrをFe及びOとともに数質量%のZrを添加した、高強度及び高延性のTi合金が開示されているが、上記のような用途におけるヤング率のもつ意義に言及したものではない。
本発明の課題は、ゴルフクラブヘッド用として従来用いられていた材料と同等もしくはそれ以上の強度を確保しつつ、ヤング率を効果的に低減できるβ型Ti−Zr系合金とその製造方法、及びそれを用いたβ型Ti−Zr系合金部材を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の上記課題を解決するために、本発明のβ型Ti−Zr系合金は、Zr:10質量%以上60質量%以下、Cr:5質量%以上15質量%以下を含有し、残部がTi及び不可避的不純物からなり、マトリックス組織が立方晶系のβ相からなり、また、該マトリックス組織に含まれる六方晶系α相の体積比率が5%以下であり、かつ、ヤング率が50GPa以上100GPa以下、内部摩擦が1×10−5以上3×10−4以下であることを特徴とする。
また、本発明のβ型Ti−Zr系合金の製造方法は、上記本発明のβ型Ti−Zr系合金の製造方法であって、該β型Ti−Zr系合金の組成が得られるように原料を溶解し、該溶解により得られる素材を、マトリックス組織が立方晶系のβ相単相となる温度域にて固溶化処理し、その後、β相からなるマトリックス組織が得られる冷却速度にて冷却することを特徴とする。
上記のごとく組成調整された本発明のβ型Ti−Zr系合金は、TiとZrとを主成分とするマトリックス組織を有し、さらに上記組成範囲のCrが添加されることで、急冷により室温でも立方晶系のβ単相マトリックス組織を準安定的に得ることができる。その結果、耐食性と機械的強度に優れ、かつ冷間加工性も良好である。そして、Ti+Zrからなる主成分中のZrの含有率を上記のように10質量%以上60質量%以下に調整することで、機械的強度と冷間加工性を損ねることなく合金のヤング率を顕著に低減することができ、前述のゴルフクラブヘッド(特にフェース部)に好適な低ヤング率のβ型Ti−Zr系合金を実現することができる。ヤング率が100GPaを超えると、上記用途に適合したヤング率低減の意義が失われ、50GPa未満のヤング率は上記組成範囲内では実現不能である。合金のヤング率は、より望ましくは50GPa以上100GPa以下とするのがよい。
また、六方晶系のα相の時効析出が過度に進行しない状態(具体的には、マトリックス組織中のα相の体積比率が5%以下)、つまり、β相からなるマトリックス組織が維持される状態である限り、内部摩擦要因となる異相界面の形成や、析出による歪みないし結晶欠陥の発生も抑制され、内部摩擦の値を3×10−4以下の小さな値に留めることができる。その結果、ゴルフクラブヘッド等に適用した場合の反発力の吸収が生じ難く、飛距離を稼ぐことができる。内部摩擦が3×10−4を超えると、反発時の吸収が大きくなってゴルフクラブヘッド等への適用が不適となり、3×10−4未満の内部摩擦は上記組成範囲内では実現不能である。合金の内部摩擦は、より望ましくは5×10−5以上2×10−4以下とするのがよい。なお、冷間加工性を確保し、かつヤング率及び内部摩擦を上記範囲に留めるためには、α相はなるべく少ないことが望ましい。
以下、本発明のβ型Ti−Zr系合金における組成限定理由について説明する。
(1)Cr:5質量%以上15質量%以下
Crは、Ti−Zr系のマトリックス相をβ相として安定化させるための元素であり、Cr含有量が5質量%未満では、室温でβ単相マトリックス組織を得ることが困難となる。他方、Cr含有量が15質量%を超えると、TiCr等の脆い金属間化合物の形成が著しくなり、材料の靭性が低下する。Cr含有量は、より望ましくは8質量%以上14質量%以下の範囲で調整するのがよい。
(2)Zr:10質量%以上60質量%以下
Ti:25質量%以上85質量%以下
Zrは、Ti−Zr系マトリックス相のヤング率低減効果を直接的に担う元素である。Zr含有率が10質量%未満ではヤング率低減効果が不十分となり、100GPa以下のヤング率を実現できなくなる。また、Zr含有率が60質量%を超えると、軽量の比重が増し、軽量材料としての意義を失うことにつながる。Ti含有率は、上記Zr及びCrの含有率との兼ね合いで、組成残余部分の主成分元素として、25質量%以上85質量%以下の範囲に設定する。
ある程度大きな合金比重が求められる用途では、Zrの含有率が35質量%以上60質量%以下であり、Tiの含有率が25質量%以上60質量%以下である組成が好適である。例えばゴルフクラブヘッドの場合、ヘッド体積を小さくして重心を安定化させ、ヒットした場合の飛距離をより増大させるような場合に上記のような高比重の合金の採用が好適である。一方、軽量化が優先されたり、その他の要因により比較的小さい合金比重が求められる用途では、Zrの含有率が10質量%以上35質量%未満であり、Tiの含有率が50質量%以上85質量%以下である組成が好適である。例えばゴルフクラブヘッドの場合、ヘッド体積を大きくしてスイートスポットを広げ、初心者でも飛距離を出しやすくできるようにしたい場合には、上記のような低比重の合金の採用が好適である。
本発明のβ型Ti−Zr系合金においては、Zr及びTiの一部を0.1質量%以上5質量%以下のSnで置換することができる。Snは、β相マトリックスを固溶強化するので、合金の強度向上に寄与する。含有率が0.1質量%未満では効果に乏しく、逆に5質量%を超える添加は効果の飽和を招く。Snの添加量は、より望ましくはそれぞれ、1.0質量%以上3.5質量%以下の範囲で調整するのがよい。
本発明の合金は、鋳造時の冷却速度が十分に大きければ、鋳造上がりの状態でもβ単相マトリックス組織を得ることができるが、α相の残留が懸念される場合は、鋳造品をβ変態点以上に加熱して、冷却時に生ずる析出物を固溶化する固溶加熱処理を行うことが望ましい。固溶化熱処理温度は、β変態点以上であって1000℃以下にて実施することが望ましい。また、固溶化熱処理後の冷却速度は、α相の析出を抑制するために、10℃/分以上300℃/分以下とすることが望ましい。
なお、上記の固溶加熱処理をβ相マトリックスの再結晶化処理として利用することもできる。再結晶化によりβ相マトリックスの結晶粒を微細化することで、ヤング率を増大させることなく合金の強度をさらに向上できる。該再結晶化による結晶粒の微細化効果は、再結晶化温度(ひいては固溶加熱処理温度)をβ相変態点付近(例えば変態点の±100℃)に設定する場合に特に著しい。また、本発明のチタン合金は、冷間加工により必要形状を容易に得ることができ、また加工硬化による強度向上を図ることもできる。この場合、再結晶化処理に先立って冷間加工を施すことで、β相マトリックスの結晶粒の微細化をさらに促進することができる。さらに、再結晶処理後に冷間加工を施せば一層の強度向上を図ることができる。しかし、過度に微細な組織は内部摩擦の増大を招くので、β相マトリックスの平均結晶粒径(組織断面にてラインインターセプト法により求めた値である)は、例えば10μm以上500μm以下に調整することが望ましい。
本発明のβ型Ti−Zr系合金部材は、上記本発明のβ型Ti−Zr系合金にて構成され、製品の少なくとも一部がβ型Ti−Zr系合金の冷間加工部材として構成されたことを特徴とする。これにより、上記本発明の合金の利点を生かしつつ、低弾性率特性を有した部材を冷間加工により容易に得ることができる。特に、前述のごとく、ゴルフクラブヘッドの構成部材として有用である。また、これ以外には、めがねフレーム等への適用も可能である。
軽量で低弾性率の発明の合金は、飛距離が求められる、ゴルフクラブヘッドの中でも、比較的大体積で飛距離が求めら得る中空のドライバーヘッドに適用すると、その効果が特に著しい。この場合、ドライバーヘッドの壁部の一部(特に、塑性加工による成形が施される部分:高反発性能を有して強度も要求されるフェース部や、刻印の施されるソール部)を、本発明のβ型Ti−Zr系合金の冷間加工板材として構成することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のβ型Ti−Zr系合金部材の一実施形態である、ゴルフクラブヘッド
(以下、単にヘッドという)の一例を示す斜視図である。ヘッド1は、ドライバー用のメタルヘッドであって、フェース部2、クラウン部3及びソール部6を有するヘッド本体部4と、該ヘッド本体部4と一体に形成されたホーゼル部(ネックとも称する)7が形成されている。なお、ホーゼル部7には、シャフト8が取り付けられる。
ヘッド本体部4は、図2に示すように中空に形成され、その壁部の一部、本実施形態ではフェース部2とソール部6とが、本発明のβ型Ti−Zr系合金の冷間加工板部材として形成され、残余の本体部4が、本発明のβ型Ti−Zr系合金による精密鋳造体として構成される。該β型Ti−Zr系合金は、Ti:25質量%以上85質量%以下、Zr:10質量%以上60質量%以下、Cr:5質量%以上15質量%以下を、TiとZrとCrとの合計含有量が95質量%以上となるように含有し、マトリックス組織が立方晶系のβ相からなり、かつ、ヤング率が50GPa以上100GPa以下、内部摩擦が1×10−5以上3×10−4以下である。組成限定理由については、既に「課題を解決するための手段及び発明の効果」の欄で詳しく説明したので、ここでは省略する。
以下、ヘッド1の製造方法について説明する。上述のような形状の薄肉のヘッド本体部4は、プレス等の機械加工で形成することは非常に困難であるが、精密鋳造法を使用すれば比較的容易に形成することができる。この場合、精密鋳造法としては減圧吸上鋳造法、特に特開平4−22562号及び特開平4−94859号の各公報において開示されている、レビテーション溶解を併用した減圧吸上鋳造法を適用することにより、寸法精度の高いヘッド本体部4を効率よく製造することができる。以下、その鋳造法の概略について説明する。
図3は、上記減圧吸上鋳造法に使用される装置の一例を模式的に示したものである。鋳造装置13は、その下部に円筒状の水冷銅製セグメントアセンブリ14が配置され、その外側に誘導加熱コイル15が配置されている。セグメントアセンブリ14は、図4にその断面を示すように、相互に絶縁状態で円環状に配置された複数の銅製セグメント17によって構成され、それぞれ水冷パイプ16によって水冷されるとともに、図3に示すように、その上部には磁気シールド部17aが設けられている。一方、セグメントアセンブリ14の内側にはチタン合金の母材18が下方から供給されるようになっている。
次に、セグメントアセンブリ14の上側には鋳型チャンバ19が設けられ、この鋳型チャンバ19の底面とセグメントアセンブリ14の内面によって囲まれる部分が溶解空間20とされ、その内部はアルゴン等の不活性ガス雰囲気とされる。一方、鋳型チャンバ19内にはセラミックシェル鋳型等の通気性鋳型21が配置されている。通気性鋳型21の内部には上述のヘッド本体部4を鋳造するための鋳造空間21aが形成され、吸引通路部(スノート)22、及び湯道Qを介して溶解空間20と連通している。また、鋳型チャンバ19の内側空間は、吸引口24より図示しないポンプにより減圧吸引されるようになっている。なお、25は鋳型チャンバ19とセグメントアセンブリ14との間の気密性を保持するためのシール部材である。
そして、図示しない高周波電源より誘導加熱コイル15に高周波電流を供給すると、銅製セグメントアセンブリ14の内側に渦電流が形成され、この交番電流である渦電流によって母材18は表皮渦電流が誘起されて溶解する。このとき、その溶解した融体26の表面およびセグメントアセンブリ14の内面にはそれぞれ逆位相で渦電流が生じ、その渦電流の反発力によって、融体26がセグメントアセンブリ14の内面から少し離れてギャップGが形成される(レビテーション溶解)。この状態で、吸引口24より鋳型チャンバ14の内側空間を減圧吸引することにより、通気性鋳型21の壁部を介して鋳造空間21a内も減圧吸引され、吸引通路部22を通って融体26が鋳造空間21a内へ吸い上げられて鋳造が行われる。なお、図3中に一点鎖線で示すように、鋳型チャンバ14の外部に設けられたモータ27により、シャフト28を介して鋳型21を回転させ、鋳型21に遠心力を加えながら鋳造を行うこともできる。
次に、フェース部2あるいはソール部6等の壁部を別体形成する板部材6aは、例えば本発明の合金の冷間圧延板材からの切り出し、打抜き等により形成され、必要に応じて図5に示すように、上型30及び下型31を有するプレス機32を用いてプレス加工することにより凹凸模様6bや曲面部を形成したり、刻印6c(図7)を形成することができる。
そして、図7に示すように、板部材6aを、その外縁部に6dにおいて、ヘッド本体部4に対し溶接により接合する。好ましい溶接法としては、タングステン電極35を使用したTIG溶接法を挙げることができる。接合が終了したら、β相単相化のための固溶化熱処理を施し、水冷等により急冷した後、溶接部10を含めた外表面を研磨等により仕上げてヘッド1が完成する。なお、固溶化熱処理は、溶接前のヘッド本体部4あるいは板部材6aに個別に施してもよい。
以下、本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。
プラズマスカル炉を用いて、表1に示す各種組成のチタン合金インゴットを、それぞれ質量約6kg、直径100mmの鋳塊にて溶製した。
Figure 0004548008
こうして得られた各インゴットを950℃に加熱して、熱間鍛造により直径20mmの丸棒とした。その後、さらに各丸棒に、900℃にて30分の固溶化処理を実施後水冷した。処理後の丸棒は、機械加工によってASTM E8に規定される3号引張試験片(直径6.35mm、標点距離25mm)を作製し、引張強さ及び伸びを測定した。他方、各合金のヤング率と内部摩擦とを厚さ2mm、幅8mm、長さ60mmの試験片を作製し、JIS:Z2280記載の横共振法により測定した。また、各合金の比重をアルキメデス法により測定した。さらに、各合金は光学顕微鏡により、ミクロ組織を観察し、α相の面積率より、α相の体積比率を求めた。以上の結果を表1に示す。これによると、本発明の組成要件を充足する実施例の合金は、いずれもα相の体積率が5%以下であり、低ヤング率であってしかも高強度であり、内部摩擦も低いので、ゴルフクラブヘッドなどへ適用したときの反発係数を高める上で好都合であることがわかる。また、Zrの含有量が60質量%以下に留められているので軽量である。他方、Zr含有率が本発明の範囲外組成となる比較例1,2の合金は、低Zr組成のもの(比較例1)は、α相の形成が顕著であり、高ヤング率で内部摩擦が高い一方、高Zr組成のものは比重が高くしかも強度が不足していることがわかる。また、周知のα+β型合金である比較例3は、多量のα相が形成されており、ヤング率の上昇と内部摩擦の増大が一層顕著である。
本発明の適用対象の一例を示すゴルフクラブヘッドの斜視図。 図1のA−A断面図。 減圧吸引上鋳造法を実施するための装置の例を示す模式図。 板部材をプレス加工する工程説明図。 ヘッド本体部に板部材を溶接する工程を説明する斜視図。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
4 ヘッド本体部
5 開口部

Claims (10)

  1. Zr:10質量%以上60質量%以下、Cr:5質量%以上15質量%以下を含有し、残部がTi及び不可避的不純物からなり、マトリックス組織が立方晶系のβ相からなり、また、該マトリックス組織に含まれる六方晶系α相の体積比率が5%以下であり、かつ、ヤング率が50GPa以上100GPa以下、内部摩擦が1×10−5以上3×10−4以下であることを特徴とするβ型Ti−Zr系合金。
  2. Zrの含有率が35質量%以上60質量%以下であり、Tiの含有率が25質量%以上60質量%以下である請求項1記載のβ型Ti−Zr系合金。
  3. Zrの含有率が10質量%以上35質量%未満であり、Tiの含有率が50質量%以上85質量%以下である請求項1記載のβ型Ti−Zr系合金。
  4. Zr及びTiの一部が0.1質量%以上5質量%以下のSnで置換され、TiとZrとCrとSnの合計含有量が95質量%以上である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のβ型Ti−Zr系合金。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のβ型Ti−Zr系合金の製造方法であって、該β型Ti−Zr系合金の組成が得られるように原料を溶解し、該溶解により得られる素材を、マトリックス組織が立方晶系のβ相単相となる温度域にて固溶化処理し、その後、β相からなる前記マトリックス組織が得られる冷却速度にて冷却することを特徴とするβ型Ti−Zr系合金の製造方法。
  6. 前記溶体化処理時に前記マトリックス組織を再結晶させる請求項5記載のβ型Ti−Zr系合金の製造方法。
  7. 前記再結晶後の素材に冷間加工を施す請求項6記載のβ型Ti−Zr系合金の製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のβ型Ti−Zr系合金にて構成され、製品の少なくとも一部が前記β型Ti−Zr系合金の冷間加工部材として構成されたことを特徴とするβ型Ti−Zr系合金部材。
  9. ゴルフクラブヘッドとして構成された請求項8記載のβ型Ti−Zr系合金部材。
  10. 前記ゴルフクラブヘッドは中空のドライバーヘッドであり、その壁部の一部が前記β型Ti−Zr系合金の冷間加工板材として構成された請求項9記載のβ型Ti−Zr系合金部材。
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