JP3152899U - 高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッド - Google Patents

高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッド Download PDF

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【課題】フェース部の厚さを有効に低減させ、クラブヘッドの重心位置を調整することが可能な高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドを提供する。【解決手段】ゴルフクラブヘッド100は、ゴルフボールの打撃に用いる打撃面102aを有し、厚さが2.7mm〜3.5mmである高強度アルミニウム合金のフェース部102と、フェース部102以外の部分を構成する本体104とを備える。【選択図】図1B

Description

本考案は、ゴルフクラブヘッドに関し、特に高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドに関する。
ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブの番号に応じて略固定された規格値の重量を有する。例えば、♯5のゴルフクラブヘッドは、約256gの重量を有する。従来のフェース部は、重心位置を調整するために、高強度のステンレス鋼により製造されていた。フェース部をステンレス鋼で製造した場合、2.1mmまで厚さを低減させることができるが、ステンレス鋼の密度が約7.8g/cmと高かったため、総重量が約244.87gのゴルフクラブヘッドの場合、ステンレス鋼のフェース部の重量は約57.59gとなった。このように、ゴルフクラブヘッド全体に占めるフェース部の重量%の割合が非常に高いため、ゴルフクラブヘッド全体の重心位置の調整にとって好ましくなかった。
ゴルフクラブヘッドの重心位置は、理想的な打球性能を得るために調整する必要があった。そのため、フェース部の重量を軽量化し、ゴルフクラブヘッドの総重量を変更せずに、もともとフェース部にあった重量をゴルフクラブヘッドの他の部分に移動させることにより、ゴルフクラブヘッドの重心位置を変えていた。密度が約4.5g/cmであるチタン(Ti)合金によりフェース部を製造する場合、上述した総重量が約244.87gのゴルフクラブヘッドは、フェース部(厚さ約2.8mm)の重量を約44.46gにまで低減させることができる。
密度のみを考慮した場合、密度が約2.7g/cmのアルミニウム合金でフェース部を製造すると、理論上、フェース部の重量を有効に低減させることができる。しかし、ゴルフクラブヘッドのフェース部は、ゴルフボールに直接接触する打撃点として用いるため、密度および重量の他に強度、伸張性、靭性などの機械的性質も考慮しなければならなかった。これら機械的性質は、主にゴルフクラブヘッドのフェース部の疲労寿命に影響を与えた。
従来の高強度アルミニウム合金において、例えば、7000系の7075の析出硬化型アルミニウム合金は、その機械的性質が不足する虞があり、ゴルフクラブヘッドに必要な機械的性質を得るために、フェース部を厚くする必要があった。つまり、従来の高強度アルミニウム合金は、フェース部の重量を有効に低減させたり、ゴルフクラブヘッドの重心位置を調整したりすることができなかった。
本考案の目的は、フェース部の厚さを有効に低減させ、クラブヘッドの重心位置を調整することが可能な高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドを提供することにある。
(1)本考案は上記目的を達成するため、ゴルフボールの打撃に用いる打撃面を有し、厚さが2.7mm〜3.5mmである高強度アルミニウム合金のフェース部と、前記フェース部以外の部分を構成する本体と、を備えることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
本考案の高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドによれば、フェース部の厚さを有効に低減させ、クラブヘッドの重心位置を調整することができる。
本考案の一実施形態による高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドを示す断面図である。 図1Aの高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドを示す正面図である。 本考案の他の実施形態による高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドを示す断面図である。 本考案の一実施形態による高強度アルミニウム合金のキャノン試験に通過するフェース部の厚さと引張強度との関係を示すグラフである。 ゴルフクラブヘッドの重心高さを示す模式図である。 ゴルフクラブヘッドの重心深度を示す模式図である。 ゴルフクラブヘッドの重心距離を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して本考案の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1Aおよび図1Bを参照する。図1Aおよび図1Bに示すように、本考案の一実施形態によるゴルフクラブヘッド100は、フェース部102および本体104を含む。本体104は、炭素鋼(例えば、S20CまたはS25Cの炭素鋼)、ステンレス鋼(例えば、17−4PHのステンレス鋼)、合金鋼、鉄−マンガン−アルミニウム合金、ニッケル基合金、鋳鉄、超合金鋼、純チタン、チタン合金(例えば、TiAlVまたはCPTiチタン合金)、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金などの金属材料からなる。フェース部102と本体104とは、鋳造、粉末焼結、鍛造、機械加工などにより一体成形させてもよい。本実施形態のゴルフクラブヘッド100には、ロストワックス法により、フェース部102が配置される開口部を含む本体104が鋳造され、本体104の開口部にフェース部102を配置して半田接続される。フェース部102と本体104とを半田接続させる工程を行い、半田接続工程が完了したゴルフクラブヘッド100には、研削(grinding)、研磨(polishing)または時効硬化(age hardening)をさらに行ってもよい。本体104に半田接続されるフェース部102は、押出成形(extrusion)、鋳造または圧延により形成されてもよい。
図1Bを参照する。図1Bに示すように、フェース部102は、ゴルフボールの打撃に用いる打撃面102aを含む。このフェース部102の打撃面102aには、ゴルフクラブヘッド100の底部106に対して略平行に設けられ、かつ、水平に延伸された複数のスコアライン(score line)102bが設けられている。ゴルフクラブヘッド100は、フェース部102以外の部分である本体104をさらに含む。本実施形態において、フェース部102の背面102c(打撃面102aと表裏の関係にある面(図1Bを参照する))の周囲領域102dは、本体104に固着され、背面102cの残りの領域は、本体104の貫通孔104b内に露出している。
図2を参照する。図2に示すように、本考案の他の実施形態によるゴルフクラブヘッド200は、本体104aの底部106aに設けられたバランスウェイト108をさらに有すること以外は、図1A,1Bに示される実施形態のゴルフクラブヘッド100と略同じである。バランスウェイト108は、クラブヘッド本体の材料よりも比重が大きな材料(例えば、タングステン合金、タングステン−鉄−ニッケル合金、銅合金またはこれらの組み合わせ)からなり、鋳造、鍛造、粉末冶金などの方法によって製造されてもよい。バランスウェイト108の比重は、例えば、8〜18である。
下記表1は、本実施形態のフェース部に使用される高強度アルミニウム合金の成分を示す成分表である。
Figure 0003152899
上述したように高強度アルミニウム合金に含まれる成分および含有量が限定される理由を以下説明する。
本実施形態において、SiおよびFeは、高強度アルミニウム合金中に存在が許容される不純物と見なすことができる。Siは、含有量が多い場合(即ち、0.06%を超える場合)、アルミニウム合金中にSi析出物が形成され、Scと結合してScSiまたはScAlSiの析出物が形成されてアルミニウム合金の機械的性質に影響を与えるため、Siの含有量は高強度アルミニウム合金の全体重量の0.06%以下であることであることが好ましい。Feの含有量が多すぎる場合(即ち、0.1%を超える場合)、高強度アルミニウムの中に形成されるAlFeの析出物が、アルミニウム合金の再結晶温度を低下させるとともに、ひび割れの原因ともなるため、アルミニウム合金の破壊靭性を低下させることがある。そのため、Feの含有量は、高強度アルミニウム合金の全体重量の0.1%を超えないことが好ましい。
本実施形態では、高強度アルミニウム合金の中に適量のCuを添加することにより、化合物CuAlを有効に形成してGPゾーン(Guinier−Preston zone)の形成を促進することができると共に、高強度アルミニウム合金の常温時の延伸率を向上させることができる。そのため、製造するフェース部102の靭性を向上させ、フェース部102の低サイクル疲労寿命(low cycle fatigue life)を改善させることができる。また本実施形態では、フェース部102の高強度アルミニウム合金の常温時の延伸率を1%〜2%向上させるために、Cuの含有量が高強度アルミニウム合金の全体重量の2%〜2.5%であることが好ましい。Cuの含有量が少なすぎる場合(即ち、2%未満の場合)、高強度アルミニウム合金の靭性を有効に改善することができず、Cuの含有量が多すぎる場合(即ち、2.5%を超える場合)、半田接続を行う際の耐高温割れ性が低下することがある。
Znの含有量を多くすると、好適な焼入れ反応(quenching reaction)を起こさせることができる。そのため、高強度アルミニウム合金に好適な焼入れ反応を起こさせるために、本実施形態ではフェース部102に使用する高強度アルミニウム合金中のZn含有量を多くしてもよい。本実施形態のZnは、フェース部102の全体重量の5%〜9.5%であることが好ましい。Znの含有量が多すぎる場合(即ち、9.5%を超える場合)、アルミニウム合金が凝固する過程で高温割れが発生する虞があるため、Znの含有量は高強度アルミニウム合金の全体重量の9.5%以下であることが好ましい。
Mgは、アルミニウム合金における主な析出強化相である。Mgの含有量は、高強度アルミニウム合金の全体重量の1.5%〜2.5%であることが好ましい。Mgの含有量が多すぎる場合(即ち、2.5%を超える場合)、応力腐食に対する抵抗力を低下させる虞があり、反対にMgの含有量が少なすぎる場合(即ち、1.5%未満の場合)、機械的性質を低下させる虞がある。
さらに、アルミニウム合金の機械的性質(例えば、引張強度)を高めるために、他の実施形態によるフェース部102の高強度アルミニウム合金の中に含まれるZnとMgとの含有量は、重量比で3.2〜4.4である。高強度アルミニウム合金の中に含まれるZnとMgとの含有量の重量比を高めた場合、高い強度が得られるだけでなく、Al−Zn−Mg化合物を有効に形成し、高強度アルミニウム合金の抗腐食性を高め、機械的性質を有効に向上させることができる。応力腐食割れ性(Stress Corrosion Cracking:SCC)は、Zn/Mg比の増加に従い、低くなった後に高くなるため、Zn/Mg比が高すぎたり低すぎたりすることは、応力腐食割れ性の向上にとって不利である。
高強度アルミニウム合金の中には、主に結晶粒の微細化のためにMn、Cr、Tiが添加される。Cr、Mn、Tiは、析出物の分散に寄与して結晶粒の微細化に都合が良いが、含有量が多すぎる場合(即ち、各々0.05%を超える場合)に焼入れ性が増大し、熱処理を行った後に厚さが異なるようになり、機械的性質を均一にすることが困難となる。そのため、Crの含有量は、高強度アルミニウム合金の全体重量の0.05%以下であることが好ましい。MnおよびTiの含有量は、それぞれ高強度アルミニウム合金の全体重量の0.05%以下であることが好ましい。
本実施形態では、半田接続特性を改善させるために、フェース部102の材料として用いる高強度アルミニウム合金の中に、0.01%〜0.1%(重量%)のScと、0.1%〜0.2%(重量%)のZrと、が添加されている。ScおよびZrを添加すると、半田接続特性を改善させて、引張強度(tensile strength)を52MPa〜107MPa増大させることができると共に、高強度アルミニウム合金の延伸率を3%〜5%向上させることができる。しかし、Scは高価なため、添加量を増やした場合(即ち、0.1%を超える場合)、コストが大幅に増大して商品開発および実用化にとって不利となる。Scの含有量が少なすぎる場合(即ち、0.01%未満の場合)、半田接続の特性を有効に向上させることができない。Zrの含有量は、高強度アルミニウム合金の全体重量の0.1%〜0.2%であることが好ましい。Zrを添加すると、機械的性質を向上させることができるが、Zrの含有量が少なすぎる場合(即ち、0.1%未満の場合)、伸長率を有効に向上させることができず、一方、Zrの含有量が多すぎる場合(即ち、0.2%を超える場合)、大きな柱状結晶が形成されて機械的性質が低下してしまう虞がある。
(実施例)
以下、本考案の一実施例に基づき、高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドの製造方法を説明する。まず、ゴルフクラブヘッドのフェース部に必要な高強度アルミニウム合金を準備する。下記表2は、高強度アルミニウム合金の成分含有量を示す成分表である(連番1〜6)。続いて、高強度アルミニウム合金材料を用いてフェース部を押出成形するとともに、フェース部を配置するために用いる開口部を含むアルミニウム合金の本体を鋳造し、タングステン合金によりバランスウェイトを鋳造する。その後、半田接続方式により製造された本体およびバランスウェイトをフェース部に接合させ、連番1〜6のゴルフクラブヘッドを完成させる(ゴルフクラブヘッドの形状構造は図2を参照)。
Figure 0003152899
図3を参照する。図3は、連番1〜4のゴルフクラブヘッドに使用される高強度アルミニウム合金のキャノン試験に通過するフェース部の厚さと引張強度との関係を示すグラフである。キャノン試験の条件は、3000発であり、速度が50m/sであり、フェース部の永久変形量が0.15mm以下であった。図3および上記表2に示すように、連番1のゴルフクラブヘッドに使用される高強度アルミニウム合金の引張強度は約109ksiであり、キャノン試験に通過するフェース部の最小厚さは約2.7mmである。連番2のゴルフクラブヘッドに使用される高強度アルミニウム合金の引張強度は約94ksiであり、キャノン試験に通過するフェース部の最小厚さは約3.5mmである。さらに、連番3のゴルフクラブヘッドに使用される高強度アルミニウム合金の引張強度は約116ksiであり、キャノン試験に通過するフェース部の最小厚さは約2.3mmである。連番4のゴルフクラブヘッドに使用される高強度アルミニウム合金の引張強度は約97ksiであり、キャノン試験に通過するフェース部の最小厚さは約3.2mmである。
図3を参照する。図3の7075は、従来の高強度アルミニウム合金のフェース部を表し、従来の高強度アルミニウム合金の引張強度は約87ksiであり、従来の高強度アルミニウム合金のフェース部は、キャノン試験に通過する最小厚さが約3.8mmである。
下記表3を参照する。下記表3は、上述した連番1および連番2のゴルフクラブヘッドおよびそのフェース部の幾何学的寸法を示す。さらに詳細には、下記表3は、従来のゴルフクラブヘッド(第1比較例および第2比較例)およびそのフェース部(従来のステンレス鋼およびチタン合金(例えば、Ti−6Al−4V)のフェース部)の幾何学的寸法を示す。下記表3の各ゴルフクラブヘッドは、それぞれ総重量がほぼ同一であり(244.87〜244.89g)、外観寸法(但し、フェース部の厚さを除く)もほぼ同一である。
Figure 0003152899
上記表3を参照する。上記表3に示すゴルフクラブヘッドは、それぞれの全体総重量がほぼ同一であり、全体の輪郭外形およびフェース部の面積(但し、フェース部の厚さを除く)もほぼ同一である。上記表3に示すように、高強度アルミニウム合金のフェース部は、従来の高強度ステンレス鋼のフェース部と比較して重量を約42.3%〜55.5%低減させることができ、従来のチタン合金のフェース部と比較して重量を約25.0%〜42.2%低減させることができる。また、高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドは、従来の高強度ステンレス鋼のフェース部を有するゴルフクラブヘッドと比較して全体の重心高さを約12.0%〜12.4%低減させることができ、従来のチタン合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドと比較して全体の重心高さを約7.0%〜7.4%低減させることができる。また、高強度アルミニウム合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドは、従来の高強度ステンレス鋼のフェース部を有するゴルフクラブヘッドと比較して全体の重心深度を約6.5%〜6.7%増大させることができ、従来のチタン合金のフェース部を有するゴルフクラブヘッドと比較して全体の重心深度を約2.9%〜3.1%増大させることができる。
再び上記表2を参照する。上記表2に示すように、本実施形態の高強度アルミニウム合金(上記表2の連番5のゴルフクラブヘッドで用いられる高強度アルミニウム合金)は、引張強度が122ksiに達する。図3に示すように、上記表2の連番5のゴルフクラブヘッドをキャノン試験に通過させるために、そのフェース部の最小厚さを図3の連番1のゴルフクラブヘッドのフェース部(約2.7mm)より小さくしてもよく、実際に行った試験結果もこのデータに合致する。しかし、実際の応用では、フェース部を構成する高強度アルミニウム合金は、一般に図3の連番1のゴルフクラブヘッドで使用される高強度アルミニウム合金と、連番2のゴルフクラブヘッドで使用される高強度アルミニウム合金との間の特性を有する(即ち、引張強度が実質109ksi〜94ksiであり、キャノン試験に通過する最小厚さは2.7mm〜3.5mmの間である)。
上述したように、Zn/Mg比の増加に従い、応力腐食割れ性が低くなってから高くなる。そのため、高すぎたり低すぎたりするZn/Mg比は、応力腐食割れ性の向上に都合が悪い。そのため、上記表1のZnとMgとの含有量は、重量比3.2〜4.4であることが好ましい。
上述したように、本実施形態では、ゴルフクラブヘッドのフェース部の製造に高強度アルミニウム合金を応用し、フェース部の引張強度を従来の高強度アルミニウム合金7075の引張強度である約87ksi(図3を参照)より高くすることにより、フェース部の延伸率を少なくとも5%にすることができる。さらに、本実施形態による高強度アルミニウム合金をゴルフクラブヘッドのフェース部の製造に応用する際、ゴルフクラブヘッドのキャノン試験に通過させるために、フェース部の厚さを2.7mm〜3.5mmにするが、これだけに限定されるわけではない。例えば、上記表2の連番5のゴルフクラブヘッドのフェース部の厚さにしてもよい。
また、本考案の他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドのフェース部の耐腐食性および耐磨耗性を向上させるために、厚さが5μm〜30μmの硬質陽極酸化処理薄膜を利用し、フェース部の表面に硬質陽極酸化処理を行ってもよい。さらに、他の実施形態ではゴルフクラブヘッドのフェース部をアルミインゴットの押出成形により形成してもよい。また、高強度アルミニウム合金で製造されたフェース部は、機械的性質を向上させるためにT6またはT6xの熱処理を行ってもよい。
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本考案の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本考案を限定するものではない。本考案の主旨と範囲を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本考案による実用新案登録請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
100 ゴルフクラブヘッド
100a ゴルフクラブヘッド
102 フェース部
102a 打撃面
102b スコアライン
102c 背面
102d 周囲領域
104 本体
104a 本体
104b 貫通孔
106 底部
106a 底部
108 バランスウェイト
200 ゴルフクラブヘッド
d1 重心高さ
d2 重心深度
d3 重心距離

Claims (10)

  1. ゴルフボールの打撃に用いる打撃面を有し、厚さが2.7mm〜3.5mmである高強度アルミニウム合金のフェース部と、
    前記フェース部以外の部分を構成する本体と、を備えることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記高強度アルミニウム合金は、0.06%以下のSiと、0.1%以下のFeと、2%〜2.5%のCuと、1.5%〜2.5%のMgと、5%〜9.5%のZnと、0.05%以下のMnと、0.1%〜0.2%のZrと、0.05%以下のCrと、0.05%以下のTiと、0.01%〜0.1%のScを含有し、かつ残部Alからなり、
    前記%は重量%であり、ZnとMgとの重量比は3.2〜4.4であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記高強度アルミニウム合金のフェース部の表面は、硬質陽極酸化処理された薄膜を有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記硬質陽極酸化処理された薄膜の厚さは5μm〜30μmであることを特徴とする請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記高強度アルミニウム合金のフェース部は、87ksi〜122ksiの引張強度を有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記高強度アルミニウム合金のフェース部は、少なくとも5%の延伸率を有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記ゴルフクラブヘッドは、重心高さが16mm未満であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記高強度アルミニウム合金のフェース部は、厚さが3.5mm以下であることを特徴とする請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記高強度アルミニウム合金のフェース部は、前記本体に固着された周囲領域と、前記本体の貫通孔から露出された残りの領域と、を含み、前記打撃面と表裏の関係にある背面を有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  10. 前記本体の底部に配置され、比重が8〜18であるバランスウェイトをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
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