JPH068028A - 綾目立体加工機構造 - Google Patents

綾目立体加工機構造

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JPH068028A
JPH068028A JP28969492A JP28969492A JPH068028A JP H068028 A JPH068028 A JP H068028A JP 28969492 A JP28969492 A JP 28969492A JP 28969492 A JP28969492 A JP 28969492A JP H068028 A JPH068028 A JP H068028A
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JP28969492A
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Eisuke Yokoyama
英輔 横山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工領域の欠失を全くなくすこと及びボール
エンドミルによる加工の持つ基本的欠陥を、工具形状と
その使い方によって解決すること。 【構成】 本発明の綾目立体加工機構造は、立体曲面ワ
ークの加工において、回転中心部先端に平面に近い切刃
を有し、ワークの凹面に対応するやや外向きの切刃に加
え、ワークの凸面の加工に対応した工具回転中心に向け
ての凹状の切刃をも有する中凹エンドミルを、常にワー
クの立体曲面に対して工具回転軸が連続的に法線関係を
保って切削することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直接曲面の平滑仕上げ
をすることができる立体加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】モールド型等の曲面を有する立体の加工
に使用されて来た従来市販されている3軸NC制御フラ
イス盤又はマシニングセンタは、それ以前のシステムと
同様に一定した位置の(通常は垂直又は水平)スピンド
ルにボールエンドミルを付け、ピックフィードによる2
軸NC曲線加工を基本作動とし、図8(イ)(ロ)の如
く円弧溝の集積によって曲面立体を構成して来た。しか
るにこの回転工具先端で、この回転中心線と直角をなす
平面又はその近傍の傾斜曲面を加工する場合、ピックフ
ィード以内の加工面として残る部分は、ボールエンドミ
ルの中心部で半径がピックフィードの巾の1/2と言う
切刃の回転半径の極めて小さい部分で切削していること
になり、ピックフィード溝中央に到る仕上面は、切削速
度も切り込みも非常に小さい、即ちエンドミルの切削能
力の極めて乏しい部分でこするように加工された面のみ
が残り、ボール形状を写した波形の峯状の筋目に加え、
谷底部には切削面に喰い込んだ乱れた組織が残り、この
喰い込みまでも取り去って仕上げる手作業や磨き作業に
多大な時間を要していた。
【0003】この欠点を緩和する為に、図8(イ)
(ロ)のようにX、Y、Z運動に対して主軸の方向もワ
ークの方向も固定と言うことではなく、主軸とワークと
の相対的立体角度を変化させ得る機構を持った5軸加工
機と呼ばれるマシニングセンタなどの市販が近年は多く
なって来た。この軸の相対角度を傾けることで、エンド
ミルの外周又は之に近い切削能力のある部分を選択的に
使い、或は工具や駆動機構のワークとの干渉を避ける
為、主軸やワークの方向を一方又は立体角的に手動で変
え、ロックして使用する形式のものから、加工中にその
関係を変え得るよう、角度1軸又は2軸がNC装置にて
リモートセッテングが出来るものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、これらの最
新の5軸加工機が共通に持っている欠点を述べると、こ
れらの機械は立体角を出す為に、主軸又はワークベース
のいずれかに1乃至2の旋回機能を持たせ、この2ケ1
組の旋回機能の組合せによって目的の主軸とワークの相
対的立体角度設定を行っているが、いずれもが図9、図
10、図11、図12の如く、主軸又はワークが角運動
を行った場合に、両者の接点である加工部が大きく空間
を移動してしまう構造となっている。
【0005】立体角は複雑であるので、その一断面を図
13に例示すれば、曲面をイ、ロ、ハ、ニ、ホと加工し
て進む場合、イ、ロでは左傾斜のa角一定で進むとして
も、そのまま更に進めば、ハ点では面に対し主軸中心線
が法線となる。即ち、図8の例で水平面を加工する場合
と同様、切削能力の極めて乏しいカッター中心点による
加工となるのでロの位置で角aより角bに切り換えて、
以後の切削に備え、ハ、ニ、ホと加工を進めることが行
われている。尚、イのような場合には主軸ヘッドが斜面
に近付く関係となり、ワークとの干渉を興し易く、その
干渉を避ける為に、強度低下にも拘らずシャンクの長い
ツールをチャックから長く出して切削点を遠のけるよう
に設営されている。
【0006】その為に生ずる欠点を図14のごとき上面
に波形の凸部のあるものの加工例で示すと、工具軸角一
定であれば、加工点イ、ロ、ハと進む場合、例えばワー
クは図中1、2の運動をすれば足りるものを、主軸の角
度運動が加わるとツールの首振り(角度変位δ)による
刃先の移動に追随する為にロの加工に際してワークは
ロ’にあることを必要とするので図中3と言う極めて大
きな移動を追加せねばならない。次にイと同様な傾斜の
望ましいハに及べばハ’からハへ戻す図中4の移動が加
わる。之は主軸ヘッド旋回中心(首振り中心)から工具
先端の加工点迄の距離Rが、上記ツールシャンクの長さ
をも含めて長大であり、図14例の如く±35度の角度
を変位させた場合はその工具先端の角度変位による移動
距離Lは
【0007】
【数1】
【0008】となる。
【0009】市販の例で一般に多いR=700mm〜8
00mmと言うものでは、この為にテーブルのストロー
クが800〜900mm失われ、ワークの加工に利用出
来ないことになっている。5〜6mのストロークを有す
る巨大な機械は別とし、長手1,000〜2,000m
m、前後700〜1,000mm程度の機械では、この
加工領域の損失は極めて大きい。
【0010】この重大欠点に対し、本発明は、その主要
な要素である図1(イ)、図2(イ)等の例示の如く工
具先端を中心に主軸ヘッドが旋回を行う方式として、そ
の加工領域の欠失を全くなくすことを目的のひとつとし
ている。
【0011】次に使用する工具がボールエンドミルであ
ると、先端加工面が球の下半分となる為に、切刃の当る
部分を切削能力のある部分に変える為に工具先端円弧の
回転中心を加工軸傾斜の中心として傾けても、加工跡の
形は全く同じ円弧であって、仕上り面の幾何学的形状に
は差は出来ない。従って切削能力の欠ける中心部を外す
為に主軸頭を傾ける時、この傾き角を微妙に変化させて
も何等意味のある加工にはならないので、図13の例の
如く、角度aから角度bへステップするように、段階的
に角度を使い分ければ充分と言うことになる。
【0012】以上が最近数多く市販されている5軸加工
機での共通点である。この角度コントロール機構がNC
装置で連続的に変化させ得る構造となっているものもあ
るが、連続的に位置補正移動を算出追加しつつ、主軸ヘ
ッドの連続的な角度変化をさせて使用しているものはな
い。工具にボールエンドミルを使用する限り、連続変化
は無意味であるので、数ポジションの設定角度の選択的
利用は当然のことである。従ってこの選択的角度設定の
主軸ヘッド傾斜や旋回の一方又は双方を手動で行い、加
工中は固定としたものも多い。
【0013】ボールエンドミルにて加工された曲面に
は、図8(ロ)に示す如く円弧断面がピックフィードの
巾と同じピッチで並ぶ多溝面が出来て、仕上面粗さは大
変粗くなる。その為に、次の溝へ移るピックフィードの
巾を小とすることで、仕上面粗さを向上せしめることが
行われる。当然切削の為の往復の回数は、ピックフィー
ド巾の逆数で増加し、膨大な切削ストローク回数、即ち
加工時間を必要とすることになり、その解決策として主
軸の回転数を上げ、送り速度も極めて早くすることで、
時間の短縮を計ることが行われている。主軸回転は、時
に10万r.p.m.ともなり、更に仕上面粗度の良さ
が強調される場合には、ピックフィード巾は0.02m
mと言ったことまで試みられている。しかるに0.02
mmの送りでは主軸回転数が毎分10万回転でも 0.02×π×10万÷1,000=6.3m/min と言う切削速度に過ぎず、アルミニュームのフライス加
工に於ける推奨切削速度500〜1,000m/min
には遠く及ばないと言うのが現実である。勿論、巾1m
mを仕上げるには50ストローク、100mmには5,
000ストロークと言う送り回数を必要とする。
【0014】本発明は、このようなボールエンドミルに
よる加工の持つ基本的欠陥を、工具形状とその使い方に
よって解決することも目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の綾目立体加工機
構造は、立体曲面ワークの加工において、回転中心部先
端に平面に近い切刃を有し、ワークの凹面に対応するや
や外向きの切刃に加え、ワークの凸面の加工に対応した
工具回転中心に向けての凹状の切刃をも有する中凹エン
ドミルを、常にワークの立体曲面に対して工具回転軸が
連続的に法線関係を保って切削することを特徴とする。
【0016】
【実施例】本発明は、立体曲面ワークの加工点におい
て、その面の立体的法線に工具回転軸が常に一致する、
即ち工具の端面切刃が常にワーク曲面に正対する立体法
線加工を行うことで、直接曲面の平滑仕上げを行うもの
である。この立体法線加工と紛らわしい法線加工と称す
る研削加工法があるが、全く別なものである。因みにこ
の研削法を簡単に説明すれば、平坦なワークの直立する
2次曲線外形を、同方向に直立回転する円筒砥石の外周
側面の曲線運動により研削加工する方式に関するもので
ある。砥石径はドレッシング等で変化し、一定ではな
い。この砥石径が変化してもツールパスを変化させない
為に、径の差をプラネタリーモーションの偏心量の調節
で吸収することが行われていたものに対し、この平面内
での曲線の法線上を砥石半径の変化量だけ砥石軸心を動
かすことで加工点を一定化する2次曲線加工法であり、
本発明の3次曲面加工とは全く異るジャンルのものであ
る。以下に本発明の諸点を詳述する。
【0017】使用する回転工具の回転中心部先端に平面
に近い切刃を持ち、ワークの凹面に対応するやゝ外向き
の切刃に加え、ワークの凸面の加工に対応した工具回転
中心に向けての凹状の切刃をも有する中凹エンドミル
を、常にワークの立体曲面に対して、工具回転軸が常に
連続的に法線関係を保って切削することにより解決して
いる。その原理は図6の如く、大径のフライス工具で平
面切削を行うと、その主軸中心線が面に垂直であれば、
切削跡が円弧をなす連続的な綾目又はクロス目と呼ばれ
る特徴ある面に仕上る。本発明では前述のカッター形状
とその立体法線使用によって、立体曲面すべてに綾目加
工を行うもので、その一断面を図1(ロ)に示す。加工
点イ、ロ、ハ、ニ、ホと進む場合工具先端加工点(普通
は工具回転中心線とワーク面との交点である)を中心に
主軸ヘッドの旋回運動が行われるので、送りは加工物上
の加工点間送り図中のみを行えば良く、さきの図14
の例の如き往きつ戻りつの補正移動は全く不必要であ
る。
【0018】また滑かに連続した曲面に常に法線関係を
保ちつつ移動する為には、主軸角度は送り方向の微小移
動ごとに必要な微小立体角度変位を連続的に同期して行
う機構を持つ。これには勿論NCによる微小角度変位追
加機能が本質的な重要性を持ち、本発明の主要要件の1
つとなる。
【0019】若しも在来機の立体角変化による位置変化
修正能力を有するもので、補正運動と共に立体法線加工
の為の連続角度変位運動を行わんとすれば、理論的に不
可能ではない。高速の切削送りの瞬間々々に膨大な補正
計算をして、主軸の切削送りに追随して主軸の角度変位
とそれに伴う位置ずれの補正とを行うことは、極めて高
速大型のNC装置を有すれば出来るので、現状ではその
追随速度も大幅に制限されるとは言うものの、追加的な
経済的効用は高く、この方式による位置補正付立体角方
式で加工点に於けるエンドミル先端切刃による立体法線
加工を、上記工具によって在来型機に行わせることも本
発明の一部を構成するものである。
【0020】以上の主要基本原理による中凹工具にて連
続加工を行う為の機械を、綾目立体加工機、英名 cr
iss−cross profile generat
or、略称 C. C. プロファィラと称することとする
が、本発明の具体的目的が生産に於ける実用にあり、当
然のことながら、その為の簡明性、性能仕様の広さ、剛
性等々のコストパフォーマンスの高い機構構成は、前述
の基本原理と共にその最も重要な要件となる。三次元加
工機(CCプロファイラー又は綾目加工機)の基本機能
実現の為の角度設定機構は以下の如くである。
【0021】さて、その実現の具体的内容に入る前に、
法線加工に於けるワーク曲面の加工部位と、加工工具回
転軸即ち主軸ヘッドとの関係の理解を行う為の基本思考
を先ず述べる。
【0022】この加工主軸ヘッドの法線位置に関して
は、ワークの曲面が全立体角に及ぶ空間角を持つが故
に、之に対する工具即ち主軸軸心の角度変位も全空間に
対応して法線関係を保つ。立体角を理解する為に一般的
に最も身近な例は地球儀である(図7)。しかるに、地
球儀を見る目は、あたかも人工衛星より地球を見ること
に相当する。従って、C.C.プロファィラでは加工主
軸ヘッドより、加工面を見ることに相当する。逆に加工
される面より、加工工具、即ち加工主軸ヘッドを見るこ
とに相当するものは天球儀であり、現実感はプラネタリ
ウム舘にて星空を見上げることに相当する。工具先端の
加工点は、この天球儀又はプラネタリウムの中心にあ
り、中心がその時点での被加工面であり、その面の向く
球の部位即ち、視線と球面の交点が主軸ヘッドの回転軸
中心の位置で、両者を結ぶ直線が工具の回転中心線であ
る。
【0023】さて、この立体角は何によって測られるか
は、地球儀に見られるように、地球上の位置を示す経
度、緯度である。北極点、南極点を貫く地軸を含む平面
が東西に振られて地球儀の球面を切る線が経線であり、
その経線上に地球儀の中心を通り地軸に直角な大円であ
る赤道を0度として北又は南に緯度を決めている。加工
機の構成もこの経緯度に相当するメカニズムを前述の諸
機構の組合せの基本としている。加工点は地軸側に第1
旋回機構があるものとすれば、緯度表示の角度原点は北
極に相当する旋回軸機構に近い軸心部とし、地球とは逆
に、この点を0度とするのが通常便利である。
【0024】本発明では経度を決める軸がベースとなる
機械本体により近い部位にあり、その機構の上に、経線
上を移動して緯度を決める機構が重塁される。前者を第
1旋回軸又は機構、後者を第2揺動機構と呼ぶこととす
る。
【0025】さて、自由曲面を有するワークでは、天球
儀の中心にある工具先端加工点で、送りに従って加工点
が移動するごとに、その加工される面の法線は向きを変
える。即ちその面が指し示す経度、緯度は変化する。之
に対する主軸ヘッドは球面上を新しい経度、緯度に移動
させられる。即ち、加工面の指示する点へ主軸ヘッドが
移動する方式と言うことである。
【0026】ここで、この地球儀、天球儀を念頭に置い
て在来方式を考えると、主軸ヘッドが中心にあり、その
指示する球面上の点を求めてワークが駆け廻ると言う、
本方式とは全く逆転した図式となる。
【0027】以上に示した加工点を中心に主軸ヘッドが
球面を移動する機構は、本発明具現化の主要な要件であ
り、次に述べる諸点が、基本方式の要素となる。
【0028】1.本発明では、工具先端加工部を中心に
立体角合成の2要素角度変位と、基本のX、Y、Z直線
運動が夫々全く独立して行われ、互に全く干渉しないシ
ステムにより、従来方式の欠点であった相互干渉及びこ
れが原因となる位置修正の膨大な諸計算業務を不要なも
のとし、空間立体角の合成も、必要とする部分のみの合
成で極めて簡明容易ならしめているもので、在来機にな
かった次の諸点を発明の主要構成要件の一つとするもの
である。
【0029】2.立体角創成の2つの経緯角度変位機構
のうち、X、Y、Z直線運動を行う機械本体上に直接位
置するものを第1旋回機構(地軸に相当)とし、その機
構上に位置する角度変位(緯度に相当)機構を第2揺動
機構とするものであるが、その旋回又は揺動の中心軸が
工具先端の加工点を夫々が通っていること、即ち両旋回
又は揺動軸心の交点が加工点であること。
【0030】3.空間立体角を平面旋回または揺動の2
つの単軸運動によって合成するに当り、角度の簡素にし
て最も効率的、無駄のない合成の為に、二つの旋回平面
及び揺動の平面は2.の工具先端の両軸交点に於て一点
に交わると共にお互が直角をなすこと。この直角はなく
とも角度の合成は行い得るが、2つの角が複雑な計算を
伴う非独立関係となるが故に、本システムでは直交を重
要な要件とする。これにより緯度揺動運動は経緯互に独
立な運動となり、緯度運動は同一経度上となる。
【0031】4.本機を構成する夫々のX、Y、Zの位
置及びワークと主軸の相対立体角度の変位合成2機構及
び更に追加されるU、V、W等の変位機能は個々に独立
した即ち互に干渉のない夫々に固有の変位機能に対応し
て、各々独立した駆動能力を有する位置又は角度規定機
構を持つこと。
【0032】5.加工点に於けるワーク面の立体的な傾
き、又はその法線の角度2要素即ち、経度、緯度に当る
角度を、加工物形状を指示するX、Y、ZのCADデー
ターのみで直接算出する機能を持つこと。即ち角度指示
の為に別な追加データーを別途投入の必要がないNCの
角度算出機能を制御装置に内蔵せしめる。その機能によ
り主軸とワーク間の立体角に関する2要素とX、Y、Z
直線運動等とを同期して創成連動を行うこと。
【0033】6.2つの旋回又は揺動運動は本来は完全
球体の地球儀に見る如き、2つの軸上の本来正逆夫々3
60度1回転の回転運動の一部を、加工目的又は機構上
の必要性或は制約により部分的選択的に使用を行うもの
であり、その部位の位置及び範囲と2機構の相対関係で
は恰も全く別な構造に見がちであるが、本発明ではこの
合成機能を次の如く、全機構に対し、基本は経度及び緯
度に基く同一のものとしてとらえ、これを、本発明の重
要な要件とするものである。地球儀になぞらえれば、北
極圏用の機械と、赤道部用の機械が全く別種の機械と誤
認される場合が間々あるが、本発明では上記の如く同一
思想の機械とするものである。
【0034】即ち、第1旋回機構は同軸を通る経線面を
同軸を中心として回転し、加工点の接平面が経線に沿っ
て最大の傾斜角度となる即ち経線移動方向へは平行接面
関係となり、経線面が加工点の法線に重なる経度位置を
指定する機能を有するものとする。第2揺動機構は、そ
の平面内にて主軸が加工物表面の接平面に対する法線に
一致する緯度位置を実現せしめる機能を有する機構であ
る。本発明の基本的機構の構成として最も重要な要件で
ある。
【0035】7.2つの旋回又は揺動の機能は、立体角
が部分的に制限されていれば±25度等の小角で間に合
わせ得る場合があるが、最終的には完全球体対応の能力
に到る迄、夫々独立に360度即ち±180度以上をカ
バーし得る構造迄を含むものである。しかし、部分的機
能では、角度に関し全回転又は広い角度機能を有する構
造より低位のものとも言えるが、反面、構造の簡素化又
は剛性の高さ、ワークアプローチの懐の深さ、広さ等の
点で実用上無視出来ぬ優位点を持ち得る可能性は高くな
る。この場合少い旋回又は揺動の角度を、広い空間立体
角に利用し、或は実用上便利この上ないゆとりを持たせ
ること、更に作動面でも、実用上価値の少い範囲を捨て
て盲角とし、この角度を有用な部分に振り向け、全体を
有用性の高いシステムとして纏めることは極めて重要で
あり、この点での代表的な工夫も本発明の重要な要件で
ある。勿論基本が、従来全く無かった空間加工点周りの
立体角創成による法線加工システムに関するものである
ことから、整理された目的を明快に持った既存の機構は
全く見当たらず、発明の要件としては意義が高い。本発
明の加工点中心とは異なり、主軸ヘッドの中間部に角度
首振りの中心を有しNCによって自動旋回角度調整機能
を行なう現在市販されている機械は、すべて±αの割り
振り角型で、この全角2αの次項に詳述する如き不要な
ダブリを避けて、立体角への充分な活用を具現化したも
のはない。
【0036】8.目的とする空間立体角範囲が半球体に
近く、第1旋回軸がその加工目的球面の中心又は中心近
傍に位置する場合、この近傍に第2揺動機構を設けれ
ば、機構がコンパクトとなり、剛性も高くワークスペー
スも広く取り易い。従来の機械でも、この第1旋回軸上
又はその近傍に、主軸ヘッドの角度回転首振り中心を持
っものがあるが、本発明の工具先端を中心に角度変化を
行う構造のものは無い。これ等在来機の首振り中心から
遠く加工工具先端の加工点を突出させて大きく空間を振
り廻すものとは逆に、本発明では工具先端加工点を中心
に主軸ヘッドの角度移動を行しめる為の機構であるの
で、如何なる構成のものであっても必然的に機構自身
が、ある広がりを有している。この第2揺動機構の広が
りの中心が、第1旋回軸心に一致した場合、メカニズム
全体のコンパクト性は最も好ましい構成であるとは言う
ものの、その第2揺動が中央位置、即ちゼロ点にある時
に、主軸もまた、この第2揺動機構の中央即ち第1旋回
軸心に位置が重なったとすると、第1旋回軸が360度
に及ぶ旋回機能を持っていた場合は、直交する揺動の半
角が現市販機同様互に入れ換るのみでダブリとなり、加
工有効空間の増大には全く寄与しないことになる。この
ダブリを避け有効空間角を拡げる為に、第2揺動機構の
中心から主軸ヘッドを或る角度オフセット取り付けと
し、このオフセット角の2倍を立体角能力として取り込
む方式とすることも本発明の極めて重要な要件である。
【0037】揺動角がダブリとなって、無駄を生んでい
る様子を、図2(イ)、(ロ)に例示する。
【0038】図2(ロ)において、は第1旋回軸、
は第2揺動機構ベース。の軸心にの揺動の中央が一
致する場合。はの上を移動する揺動体で、主軸ヘッ
ド(加工工具保持部)と中心線を共有して一体化して
いる。このは±θだけと共に左右に揺動する。この
場合、軸が180度旋回しても加工立体角はの軸上
の中心Pの周囲±θの範囲と言うことでは不変である。
【0039】しかるに、図3の如く揺動体上の主軸
を+φだけオフセツトした構造とすると、揺動体が+θ
位置に来た場合は、主軸は(θ+φ)に迄振り出す。逆
に揺動体が−θ位置に来た場合、θ>φでは−θ+φ=
−ψの位置に主軸が来る。即ち、主軸の加工範囲は−ψ
〜+(θ+φ)=−ψ〜+(2θ−ψ)となる。第1軸
上を360度旋回すれば、頂上P点の周囲に(θ+φ)
×2の球面角をカバーすることになる。頂上Pの周囲は
片側でψ、広がりで2ψの空間角のオーバーラップ部が
あるので、その間の加工は第1旋回軸を度々逆転させず
に行うことができる利便がある。
【0040】角度事例として±θ=±45度、φ=45
度の場合を取れば、頂上のオーバーラップ部ψ=0で±
90度の全半球をカバーし得ることとなり、中央位置に
主軸があった場合の±45度の空間角に比し角度で2
倍、球のカバー面積(立体角の比)では3.4倍強とな
り、その有用性では大差となる。
【0041】しかるに、この第2揺動角±45度を0〜
90度として第1旋回転と組合せることで半球全体をカ
バーするこのケースでは、頂上オーバーラップが全くな
い。この場合頂上点Pの近傍の形状が前後又は左右に波
打つが如き形状、即ち、小さな角度Δθの変位を頂上点
Pを越えて度々行うような形状の加工では、その都度第
1軸はこの微小なΔθの為に180度の急速な正転逆転
を頻々と行わねばならなくなり、極めて不利である。こ
の点は、本発明と似て非なる在来事例に見られる45度
傾斜軸機構2ケの組合せで片側90度の角度変化域を持
ち、第1軸旋回の全回転で半球面角をカバーする図5の
如きメカニズムにある基本的欠点であり、この方式をN
C自動連動化したものは出ていない。
【0042】この2重45度旋回方式で図5の如く第1
の首振り角をλとし、第2の首振り角をμとした時、λ
とμが完全に同角でなければ、頂上Pに両者の差だけ加
工不能部分を生じてしまう。ボールエンドミルの直立加
工は本質的には点加工であり、最も使用頻度の高い部位
が回転中心での点加工となる為に、ゆとりのオーバーラ
ップ角のないことは極めて不利となる。
【0043】しかるに本発明の中凹工具下端の正面加工
では一定の広がりを有しており、この広がりがゆとり角
となる為に、ボールエンドミルによる円弧先端点加工の
致命的弱点を補うことが出来る。中凹工具切刃下端の刃
の回転径をdとし、ピックフィード巾をpとすると、大
略下記の関係になる。dはほぼpに等しくなる。 |λ−μ|≦d/2 更に(λ+μ)>90度にとれば、ワークの裾にはd/
2より大きいγ=λ+μ−90度の裾オーバーラップ角
を持つことが出来る。以上の頂上及び裾のオーバーラッ
プ角は図4の4及びγに当たるが、2重45度旋回方式
ではψは極めて小角に限られる。
【0044】以上の如く、従来不充分な活用範囲であっ
た2重45度旋回方式は、本発明の工具及び立体法線加
工法により、複雑な角度計算を厭わなければ2重45度
改良型旋回方式として自動化し得るシステムとなり、本
案の要項の一とするものである。
【0045】さて、図3に見る±θ即ち2θを90度以
上とすれば、本方式では半球をカバーして、更に頂上部
のオーバーラップ部を必要な任意の角度持つことが出
来、上記欠点に煩わされることなくP点近傍を加工出来
る。[前記2重45度改良型方式では頂上ゆとり角ψは
工具端回転円半径のd/2による小角のみ]
【0046】また(θ+ψ)によるカバー範囲が±90
度以上即ち、水平部にもオーバーラップ角γがあれば、
ワークを反転して裏面と加工面を連続させる時にも接合
部で極めて効果的に活用出来る。[2重45度改良型で
は(λ+μ)>90度の場合図4のγ’部相当]
【0047】そこで、本発明の最も重要な角度条件とし
て図4に要約する如く下記各角度間の関係の規定をあげ
る。 θ:揺動半角 φ:揺動中心よりの主軸オフセット角 ψ:頂上オーバラップ角 γ:裾オーバーラップ角(マイナスの場合は裾盲角) 以上の角度間に、 θ>φ ψ=θ−φ γ=θ+φ−90度 の関係を有することである。(前記改良図5方式に関し
ては既述)
【0048】9.前項8.の角度項目を達成する為に主
軸をφだけオフセットしたが、これは揺動機構の中心を
第1軸よりφ1だけオフセットし、或は更に、この中心
よりφ2だけ主軸をオフセットして、φ1+φ2=φと
して上記角度関係を実現することも要件の構成要素とす
る。φ2はゼロ又はマイナスの場合も含むものである。
φ1が大となり、90度に及べば、例えばワーク上面を
主として加工する機械にあっては第1軸が水平で、この
軸を中心に旋回するL型アーム上にφ1=90度即ち直
交した中心を有する揺動機構を持ったタイプの機械とな
る。この場合、スピンドルの傾斜取付角φ2は通常ゼロ
とする。この代表的組合せに到る迄には様々な程度の中
間組合せが勿論含まれるものである。
【0049】10.ここで先に記したワーク形状を示す
データーより直接角度情報を受ける方策について述べ
る。本発明システムの駆動部には以下の計算機能を持た
せることが本発明の主要項目の一つである。
【0050】通常、立体はX、Y、Z直交座標系でX、
Yの碁盤目番地のZの値として表示される。図15に示
す如く、その立体のXY平面に於ける番地m、n、での
傾斜の立体角は、ZY平面内でのX軸回りの旋回角αは
Y方向に対するZ値の逆正接値(アークタンジェント)
として算出され、Y軸回りのβ偏位角も同様にX軸方向
に対するZ値の逆正接値として与えられる。しかるに、
これらα、βは図16に見る如く、Z軸回りの最大傾斜
角面、即ち先に述べた原点よりσだけ振られた経線上で
傾く主軸の傾き角θのYZ面、及びXZ面への投影角で
ある。従って之等のα、βより逆に最大傾斜面への旋回
角σ(経度)と、この面内での主軸の傾斜角θ(緯度)
の算出は tanα=A tanβ=B とすれば tanσ=B/A
【0051】
【数2】
【0052】即ち、
【0053】
【数3】
【0054】によって与えられる。(図15、図16参
照) このα、β、A、B、σ、θを原X、Y、Zデーターよ
り自動的に算出し、本機構を加工送りに同期して位置、
傾斜角の連携制御を行わせると言うものである。
【0055】この方式により、通常の3軸加工機にX、
Y、Zの立体形状データとして投入する以上の追加デー
ターを要せずに、最小の角度変位により所期のX、Y、
Zと角度2要素の同期連携した高速加工の実現を行うも
のである。ワークの曲面形状に関しては、CADよりC
AM化への複雑な、即ちNCの能力を多量に消費する追
加計算を不要なものとするものである。
【0056】11.次に第1旋回軸の設置角度に関する
本発明構成の要素について述べる。従来の市販立体加工
機は、主軸ヘッドの設置方式により、図17中に示す
バーチカル型、又はのホリゾンタル型に基本的には2
分される。主軸ブロックに主軸ヘッドが揺動可能な取付
けとなっている場合も、基本機能及び分類は、この2方
式に従っている。
【0057】これを加工物の側から見れば、図18に見
る如きIの横型ワーク上面を加工する場合は、当然の
バーチカル型の機械が使われ、コラム方向へは仕様一杯
の加工巾があるが、コラム逆方向へはワークの大きさに
は必ずしも制限がない。又、この巾と水平直角の長手方
向へは加工長さ以上のワークを取り扱うことが出来る。
巾を必要とするものでは、コラム2本の巾の広い門型が
ある。しかるに、ワーク高さに関しては上部に主軸ヘッ
ド及びこの保持機構がある為に図18中IIの如き縦型
ワークの大きなものは設置出来ず、II’の如く巾の狭
い肩の加工等も不利と言う欠点がある。
【0058】図17中の例のホリゾンタル型では図1
8中のIIの如き縦型ワークの主軸に面する壁面状の加
工に適し、ワークの高さも奥行きもさして制限はない
が、加工奥行きはコラムの制限に加えて、主軸ブロック
の干渉による制限が加わり、I’型のワークなども、こ
の制限の為に不利である欠点がある。
【0059】以上の2タイプに対し、図17中の如き
ユーロン型と称する45度の回転取付け部をイロと2組
有し、その回転によって、主軸を水平から垂直まで可変
とするタイプがある。このタイプは両回転取付部の組合
せで中間の任意の角度が手動にて設定固定して専用機と
して使用出来る原理は持っているが、必要な空間角を2
要素角に分解して夫々の回転取付部を動かし、合成して
精度高く目的の角度を実現することは、微妙な且つ高精
度な利用に関して殆ど実用的には不能である。強いて行
なわんとすれば、角度設定及びこれと共に生ずる5軸加
工機より更に複雑なX、Y、Z軸にわたる位置補正計算
と修正変位を伴う為に、自動化即ち加工中に角度を変え
得るものはない。また主軸ヘッドがチャック近くに大き
な構造を持っているので、加工深さを必要とする時に
は、工具を長大に突出させる必要がある。この場合図1
7中のハの寸法だけ加工工具の先端刃先の移動は極度
に大きくなってしまい、加工範囲が大幅にずれ、又は縮
小されるという在来機に共通した欠点が大きい。フラッ
トな大径のフライスカッターによる面削りや、小型のワ
ークの加工等に応用が絞られざるを得ない弱点がある。
以上の3者とも深い部分の加工には長く突出した曲げ強
度の弱いツールを曲げに耐えながら使用せざるを得ない
のも、共通の弱点である。
【0060】本発明では上記通常のバーチカル型、ホリ
ゾタル型、ユーロンタイプ主軸ヘッド保持型の持つ諸欠
点を、主軸ヘッドが工具加工先端を中心に旋回又は揺動
を行い、工具回転軸が加工面に対して法線関係を常に保
って、先端切削面が加工面に正対する方式によって、主
軸ヘッド部のワークに対する干渉関係も含め、大幅に解
決をしている。更に図19中のバーチカルタイプ、
のホリゾンタルタイプに加え、図19に示す如く、両
者の間に第1旋回軸を設ける第3の斜め保持タイプによ
り、ワークの高さ及び奥行きに対する障害を取り去り、
在来機のワーク形状制限の欠点迄も解決することも本発
明要件の一つである。この斜めに第1旋回軸機構を設置
することで、第1旋回軸機構、第2揺動機構、主軸ヘッ
ドの3メカニズムは、揺動の中央位置にあっては、工具
先端加工点0を通る垂直線に対してはコラム側に、水平
軸に対しては軸線の上部に、余裕ある距離で設置され、
垂直型、水平型の夫々に固有のワークに対する制限は殆
ど解決されると言うことである。また在来機3タイプが
共通に持つ主軸角度変位による工具先端の大きな振りに
よってベース機械本体の持つ作動距離の無視し得ない量
が失われると言う重要な欠点が全くなく、如何なる場合
も機械のもつX、Y、Zの加工基本作動のフルストロー
クがワーク加工に常に全量利用出来ることは、ワーク大
きさに関する制限が少ないことに加え、一大特色であ
る。又工具がワークの加工面に正対する為に、短いシャ
ンク長の工具にても充分に深みに達することが出来、剛
性に富んだ加工を行い得ると言う点の特色もある。
【0061】次に本発明に基く具体例を平行リンク方式
により例示を行う。基本として本リンク方式により主軸
頭を揺動せしめる機構を図17ののバーチカル型に組
み込みんだ場合で説明を行う。但し、説明の簡素化の為
に図4に示す頂上オーバーラップ角及び裾オーバーラッ
プ角がない場合とする。
【0062】図20には図17の1の直立第1軸より主
軸頭に到る平行リンク部の中央位置を示す。リンクは垂
直、水平に直交しており、主軸頭は主軸軸中心線が旋回
中心即ち加工点であるOを通る位置に、リンクに対し4
5°の傾を持って取り付けられている。第1軸の中心線
及び主軸頭支持部の直立リンク下端を連ねるリンク中心
線は、いずれもこの中心Oを通っている。
【0063】垂直な第1軸が左右に旋回すれば主軸頭は
リンクによって45°に保持されたまま、中心Oの周囲
に水平に旋回を行い、先端工具加工部の移動は全くな
い。
【0064】次に図21、図22に、このリンク部がリ
ンク機構左端に取り付けられた揺動アクチュエーター機
構部(本例では制御モーターとウォーム・ウォームホィ
ール)により主軸頭が上方向及び下方向に角度変位を行
った場合のリンク各部と主軸頭との関係を例示する。図
21は上方向へ45°振り上げ、主軸頭が直立した場合
であり、図22は下方へ45°振り下げ、主軸頭が水平
となった場合を示す。
【0065】以上を図4の角度との関連で示せばφ=4
5°、ψ=0°、γ=0°、θ=45°の場合となる。
【0066】任意の立体角は、図16に示す如く、最大
傾斜の経線面迄直立第1軸をσだけ旋回し、この経線面
内でリンク機構により主軸頭を振り上げ又は振り下げを
行う。
【0067】この第1軸の旋回と、リンク機構による主
軸頭の傾斜角変位は加工点Oにある工具先端の加工点に
於ける加工物に対して接する立体角を制御するのみで、
いずれの第1軸旋回、リンクによる上下揺動によっても
工具先端は加工点に常に定置されており、在来の5軸加
工機での角度変位時の位置移動は本方式では全くない。
【0068】本例ではリンク機構により、45°以上の
揺動角を取れば、必要に応じ頂上及び裾のオーバーラッ
プ角を得ることが出来る。
【0069】図23には本例説明のリンク機構による±
45°計90°の主軸頭揺動角と、第1軸の360°旋
回との合成により立体角全半球がカバーされる様子を図
17ののバーチカル型との組合せで示し、通常水平面
加工に有利な様子を例示する。
【0070】図24では図17のの水平型に組合わさ
れ第1旋回軸が水平となった場合であり、主軸頭部に向
けられた加工物の直立面加工に有利な様子を例示する。
【0071】図25は図24同様第1軸が水平ではある
が、主軸頭がリンクの主軸頭支持部より角度変位なしに
取り付けられ、前後の揺動角と、左右の第1軸旋回角が
夫々45°等の小角の場合を例示する。本例では第1軸
が水平であるが、利用は寧ろ上面加工用に適する例であ
る。本方式では現在市販されている主軸頭揺動型5軸加
工機の±25°又は±30°より大きな±45°等の角
度を取ることが容易であり、更に最も使用台数の多い米
国ブリッジポート社型のバーチカルフライスにも容易に
採用出来ることを図26に例示する。
【0072】更に本発明に基く他の具体例を四接触スラ
スト型ころがり軸受により例示を行う。この四接触スラ
スト型ころがり軸受は、互いに対向する面にV溝又はV
溝と山形の凸部との組合せを有する第1及び第2レース
と、この第1及び第2レースの各V溝等の斜面にそれぞ
れ四箇所で接触する転動体又はニードルと、からなり、
第1レースに加わるスラスト荷重をそのV溝の両斜面か
ら転動体等を介して第2レースのV溝等の両斜面に伝
え、荷重を各レースの幅内でバランスさせたものであ
る。この四接触スラスト型ころがり軸受においては、外
部からの荷重がレース内でバランスするので、レースの
径方向に作用する拡張又は縮小力が発生せず、変形量が
極めて少なくなり、高い剛性を確保することができる。
【0073】図27は四接触スラスト型ころがり軸受の
構造を示す断面図である。通常のクロスローラーベアリ
ングがラジアルベアリング形式であるのに対し、本発明
ではスラストベアリング形である。第1及び第2レース
16及び18にはローラー20の当るV溝22、24、
ボール26の当るV溝28、30、又はニードル32の
当るV溝34及び山形の凸部36がレース平面に円形に
形成されており、向い合った第1及び第2レース16及
び18のV溝等の間に、クロスローラー20、ボール2
6又はニードル32が配置される。
【0074】図28は通常の複式スラスト軸受の如く、
2組を相対して組合せた形とするもの、更に図29に示
すように2ケを対峙して使用する例を示している。
【0075】この構造では、リング状のV溝等と転動体
の組合せ自体に求心性が備わっているので、通常のラジ
アル形のクロスローラーベアリングの如く求心の為に全
円周を必要としない。即ち、円の一部分であるセグメン
ト使用にても充分に回転中心を特定し得ることが大きな
特色である。従ってセグメント使用即ち全円周の半分1
80度分や図7の如く1/3、120度分を使用して旋
回運動のガイドとして使用しても高剛性で旋回中心を確
保出来る。
【0076】セグメント角が小になると、セグメント高
さCが減少して図30のセグメント中心を通るY軸と回
転軸Z軸とにより形成される面内のモーメント又はモー
メント成分に対する抗力が低下する。この場合は図31
の如く回転軸方向に1対の本ガイドを配置し、その距離
Eを充分にとることにより優れた剛性を確保出来る。
【0077】又、更に図32に示すように、同一平面に
大小2組のバックアップガイド38、40を有するセグ
メントガイドを配置し適正な間隔Fを保持することで、
このモーメントに抗することも出来る。
【0078】上記スラスト型ころがり軸受を使用した主
軸頭を揺動せしめる機構を図33及び図34に示す。図
33における回転工具52は、その中心軸を回転軸とし
て回転すると共にその先端を通り工具中心軸に直交する
回転軸54、56に関しても回動するように支持されて
いる。即ち、この回転工具52が取り付けられている主
軸58を支持する支持体60は、上記スラスト型ころが
り軸受からなる円弧ガイド62により回転軸56に関し
て回動するように支持されており、またこの円弧ガイド
62は回転軸54に関して回動するL形メンバー64に
取り付けられている。また、このL形メンバー64は、
XY方向に加工物を移動させるXY方向移動台66を有
する三軸移動台70のZ方向移動部68に取り付けられ
ている。
【0079】図34においては、回転軸54に関して回
転工具52を回動させる部分にも上記スラスト型ころが
り軸受からなる円弧ガイドを用いた例を示している。上
記のように円弧状ガイドを使用することにより、加工物
に対する工具軸又はその駆動部及び保持部の干渉をさけ
て加工範囲を広くとりながら、かつ極めて高い機械構成
の剛性を得るものである。
【0080】
【発明の効果】本発明は、工具先端を中心に主軸ヘッド
が旋回を行う方式として、その加工領域の欠失を全くな
くすことができ、さらにボールエンドミルによる加工の
持つ基本的欠陥を、工具形状とその使い方によって改善
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る工具先端を中心に主軸ヘッドが旋
回を行う第一軸水平方式を示す図である。
【図2】工具先端を中心に主軸ヘッドが旋回を行う第一
軸直立方式を示す図である。
【図3】主軸をオフセットした状態を示す図である。
【図4】角度条件の説明図である。
【図5】第1軸旋回の全回転で半球面角をカバーする2
重45°メカニズムを示す図である。
【図6】本発明の原理を示す図である。
【図7】原理説明用の地球儀を示す図である。
【図8】従来例を示す図である。
【図9】従来例を示す図である。
【図10】従来例を示す図である。
【図11】従来例を示す図である。
【図12】従来例を示す図である。
【図13】従来の加工例を示す図である。
【図14】上面に波形の凸部があるものの加工例を示す
図である。
【図15】立体をXYZ座標で表す例を示す図である。
【図16】主軸傾斜角度算出用の説明図である。
【図17】主軸ヘッドの設置方式を示す図である。
【図18】ワークの加工面を示す図である。
【図19】主軸ヘッドの旋回例を示す図である。
【図20】平行リンク方式による主軸頭を揺動せしめる
機構の具体例を示す図である。
【図21】リンク各部と主軸頭との関係を示す図であ
る。
【図22】リンク各部と主軸頭との関係を示す図であ
る。
【図23】主軸頭揺動角と第1軸の旋回による動作の様
子を示す図である。
【図24】第1旋回軸を水平にした場合の動作の様子を
示す図である。
【図25】図24の一部変更例を示す図である。
【図26】バーチカルフライスへの応用例を示す図であ
る。
【図27】四接触スラスト型ころがり軸受の構造を示す
断面図である。
【図28】図27に示すころがり軸受の一部変更例を示
す断面図である。
【図29】図27に示すころがり軸受の一部変更例を示
す断面図である。
【図30】図27に示すころがり軸受の一部を用いたセ
グメントガイドを示す平面図である。
【図31】図30に示すセグメントガイドの一部変更例
を示す断面図である。
【図32】図30に示すセグメントガイドの一部変更例
を示す断面図である。
【図33】スラスト型ころがり軸受を使用した主軸頭を
揺動せしめる機構を示す斜視図である。
【図34】スラスト型ころがり軸受を使用した主軸頭を
揺動せしめる機構を示す斜視図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る工具先端を中心に主軸ヘッド
が旋回を行う第一軸水平方式を示す図である。
【図2】 工具先端を中心に主軸ヘッドが旋回を行う
第一軸直立方式を示す図である。
【図3】 主軸をオフセットした状態を示す図であ
る。
【図4】 角度条件の説明図である。
【図5】 第1軸旋回の全回転で半球面角をカバーす
る2重45°メカニズムを示す図である。
【図6】 本発明の原理を示す図である。
【図7】 原理説明用の地球儀を示す図である。
【図8】 従来例を示す図である。
【図9】 従来例を示す図である。
【図10】 従来例を示す図である。
【図11】 従来例を示す図である。
【図12】 従来例を示す図である。
【図13】 従来の加工例を示す図である。
【図14】 上面に波形の凸部があるものの加工例を示
す図である。
【図15】 立体をXYZ座標で表す例を示す図であ
る。
【図16】 主軸傾斜角度算出用の説明図である。
【図17】 主軸ヘッドの設置方式を示す図である。
【図18】 主軸ヘッドの設置方式を示す図である。
【図19】 ワークの加工面を示す図である。
【図20】 主軸ヘッドの旋回例を示す図である。
【図21】 平行リンク方式による主軸頭を揺動せしめ
る機構の具体例を示す図である。
【図22】 リンク各部と主軸頭との関係を示す図であ
る。
【図23】 リンク各部と主軸頭との関係を示す図であ
る。
【図24】 主軸頭揺動角と第1軸の旋回による動作の
様子を示す図である。
【図25】 第1旋回軸を水平にした場合の動作の様子
を示す図である。
【図26】 図25の一部変更例を示す図である。
【図27】 バーチカルフライスへの応用例を示す図で
ある。
【図28】 四接触スラスト型ころがり軸受の構造を示
す断面図である。
【図29】 図28に示すころがり軸受の一部変更例を
示す断面図である。
【図30】 図28に示すころがり軸受の一部変更例を
示す断面図である。
【図31】 図28に示すころがり軸受の一部を用いた
セグメントガイドを示す平面図である。
【図32】 図31に示すセグメントガイドの一部変更
例を示す断面図である。
【図33】 図31に示すセグメントガイドの一部変更
例を示す断面図である。
【図34】 スラスト型ころがり軸受を使用した主軸頭
を揺動せしめる機構を示す斜視図である。
【図35】 スラスト型ころがり軸受を使用した主軸頭
を揺動せしめる機構を示す斜視図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図6】
【図10】
【図11】
【図12】
【図29】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図9】
【図13】
【図14】
【図30】
【図8】
【図15】
【図16】
【図18】
【図32】
【図17】
【図19】
【図20】
【図21】
【図31】
【図22】
【図23】
【図24】
【図26】
【図25】
【図27】
【図28】
【図33】
【図34】
【図35】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体曲面ワークの加工において、回転中
    心部先端に平面に近い切刃を有し、ワークの凹面に対応
    するやや外向きの切刃に加え、ワークの凸面の加工に対
    応した工具回転中心に向けての凹状の切刃をも有する中
    凹エンドミルを、常にワークの立体曲面に対して工具回
    転軸が連続的に法線関係を保って切削することを特徴と
    する綾目立体加工機構造。
JP28969492A 1991-10-04 1992-10-02 綾目立体加工機構造 Pending JPH068028A (ja)

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JP28969492A JPH068028A (ja) 1991-10-04 1992-10-02 綾目立体加工機構造

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JP28380391 1991-10-04
JP28969492A JPH068028A (ja) 1991-10-04 1992-10-02 綾目立体加工機構造

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003030231A1 (fr) * 2001-10-04 2003-04-10 Centre National D'etudes Spatiales Procede et dispositif d'amincissement d'une plaquette de circuit integre
WO2011055627A1 (ja) * 2009-11-05 2011-05-12 コニカミノルタオプト株式会社 切削工具、金型の製造方法及びアレイレンズ用金型
JP2023511347A (ja) * 2020-01-22 2023-03-17 科徳数控股▲ふん▼有限公司 ブリスク用マシニングセンタ

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