JP3605728B2 - 3軸テーブルの制御方法による鋏の刃体の加工方法、及び鋏 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、3軸テーブルの制御方法と、これによる鋏の刃体の加工方法と、この加工方法による鋏に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
(工作機械として各種テーブル)
工作機械には、ワークに対して相対的に研削工具などを移動させることのできるものがあり、これにより所望の立体形状を形成している。
この様な工作機械の1つに、単にテーブルと呼ばれるものがあるが、これは工具がワークに対して相対的な動きをするものである。3軸テーブル、4軸テーブル、或いはそれ以上の多軸のテーブルがある。例えば3軸テーブルは、図14に示す様に、ワークWに対する工具30の相対的な動きを3軸で実現している。
【0003】
この3軸テーブルの機能として、2軸補間と3軸補間があるが、例えば2軸補間は、工具の移動が、何れか2軸(例えばX軸、Y軸)で規定される所定の基準平面上の2点を直線移動させる直線補間と、同じく基準平面上の2点を円弧移動させる円弧補間との2軸補間などになる。
また3軸補間の1つにはヘリカル補間がある。これは図15に示す様に何れか1軸方向(図15ではZ軸方向)が円柱軸方向となる円柱10の、その周側面11上に描かれる螺旋状の軌跡Pを移動するものである。この軌道Pは、仮にこの円柱周側面11を、図16に示す様に平面11’に展開した場合、一定な傾斜の斜め直線P’となる。このヘリカル補間は、簡単な構成の3軸テーブルには広く普及している。
【0004】
しかし円柱の周側面上を一定角度の螺旋ではなく、図17に示す様な曲線Lを描く事が上記の様な3軸テーブルではできない。即ち、この曲線Lは、展開平面11’上では斜めP’で示した直線とは異なり、図18に示す様な何らかの曲線L’となるが、この様な曲線Lを円柱周側面に描く3軸補間が、上記の様な3軸テーブルではできない。
【0005】
この点、上記3軸テーブルや4軸テーブルと異なり、ワーク自体にも軸を与えるテーブルであれば、曲線Lのような3次元補間が可能である。これらテーブルは、一例として懸架型テーブルやトラニオン・テーブルなどである。
4軸の懸架型テーブルは、4軸中の3軸を用いて3軸テーブルの時と同じ工具の動きを実現し、残りの1軸がワーク自身の回転に用いられる。
5軸のトラニオン・テーブルは、懸架型テーブルと同様に、3軸テーブルの時と同じ工具の動きを実現し、残りの2軸がワークの回転に用いられる。即ち図14に示した3軸テーブルに、図19に示す様なトラニオン(大砲台)を載せた構造であり、ワークをB方向とC方向との2軸に回転させる事のできる。ただトラニオンには、ワークに与える回転の回転半径に限度がある。
【0006】
(鋏について)
この様な4軸の懸架型テーブルによる加工の利用例として、後述する実施例の図1、図2に示す様な、刃先の反った形状の理容用の鋏1Aの加工がある。
通常、鋏はその刃体が直線状であるが、図1、図2に示した鋏1Aは、その2本の刃体2,2が、これら2本の刃体2,2の摺接面Sが反る形状に形成され、つまり刃体は実施例の図5に示す様に、その刃表3または刃裏4の方向に反らせたものなのである。この様に反らせると、鋏1Aの反って凸曲R(図2)になった部分で、髪を部分的にカットする事ができ、また刃先が頭部にあたる事を避けるなどの効果があるので、この様な鋏が考案されているのである。
【0007】
この鋏の従来の製造方法では、通常の直線状の刃体をまず作成し、これに刃付けをして一旦完成した鋏を、改めて職人が叩いて曲げる事により反らせていた。その概要は以下の通りである。
【0008】
まず、一般的な直線状の刃体を、平板材料から刃体の概略の平板形状を打ち抜きし、この板状の刃体半製品の表裏をそれぞれ研削して、刃体の刃表と刃裏の形状に形成する。
その際、刃表3は図20に示す様に断面形状が円弧形状であるため、リング状をした円環砥石の円環内面を研削面として用いる事により形成される。また刃裏4はその断面形状が僅かに凹曲していている。この凹曲は一般には円弧形状になっており、円盤砥石Tの周面による研削で形成されている。なお凹曲は、カップ砥石の開口円周による研削される場合もある。以上の様にして、刃体の半製品に刃表と刃裏の形状を形成したら、刃を研ぎ、「刃付け」と云われる仕上げをする。通常の直線状のカット鋏は、この状態で完成品となる。
【0009】
しかし、図1、図2に示した様な鋏は、この様な一旦完成したカット鋏を、職人が叩いて刃先に反りのある図の様な形状に仕上げているのである。この様な反りを機械で行わないのは、現在の技術では機械で曲げると刃が潰れる問題があるからである。
【0010】
ただ、従来の様に職人の手で反りを入れると、手作りであるため反り形状が微妙に揃わず、よって動刃と静刃の反り形状を一致させる事が難しく、更には一致しないと動刃と静刃の摺り合わせ加減が狂うなどの問題があった。また職人による手作業では、生産性が悪いことも問題であり、この様な反った鋏は、ペット用鋏など、ごく一部にしか普及していない現状にある。
【0011】
なお、図20で言及した様な刃体の刃裏の凹曲は、鋏の業界用語では裏スキ4’と云われ、鋏を開閉操作する時に刃先同士が接触させるために必要なものである。つまり刃先同士が接触した状態で鋏が閉じられなければ、髪を切る事ができず、また刃先同士を接触させる為には、刃裏は、刃先以外の部分が接触し合わない様にしなければならない。その為、図20に示す様に刃裏を凹曲させておく必要があり、これが裏スキと呼ばれているのである。
【0012】
裏スキ4’の断面形状は、一般には円盤砥石の円周や、コップ砥石開口の円周による研削で円弧形状に凹曲している。つまりこの円盤砥石を刃裏に宛って、刃体の刃元から刃先にかけて移動させながら研削するのである。裏スキの一番奥まった点が連なった線H(図4参照)は「ひぞこ」と呼ばれており、円盤砥石の頂点は、このひぞこHを軌跡とした動きとなる。ひぞこHは図4に示した様に刃先線Kと平行になるのが正しいとされているが、こは刃先線Kは半径800mm〜1600mm程度の小さな曲率で円弧を描いており、ひぞこHも同じ半径の円弧に描かれる。
【0013】
なおカップ砥石とは、片開口してコップ形状に形成された砥石であり、コップの飲み口に相当する開口円周部分で研削するものである。つまり、コップ砥石の回転軸を刃体長手と平行な状態より5度程度傾けて開口円周で刃裏を研削するものである。
【0014】
(テーブルによる鋏の加工)
以上に述べた様に、裏スキの「ひぞこ」は円弧を描いている。この様な裏スキを3軸テーブルで形成しようとすると以下の様になる。例えば刃体の半製品がワークで、円盤砥石が工具となるのであり、図21に示す様に、刃体半製品2’の刃裏4の面をテーブルの基準平面(図21ではXY面)となるように半製品2’をセットする。そして、この基準平面上で、円盤砥石がひぞこHの曲線状に移動する様に、円弧補間により制御する事で、裏スキが形成されている。
【0015】
しかし、図1〜2に示す様な、刃先の反った刃体の裏スキを仮に研削しようとすると、ひぞこの円弧と、反りの曲線とを合わせた曲線に工具を移動させないとならない。つまり、図21のXZ面に対しても、図17に示した曲線M(曲線LのXZ面への投影線)をなぞった様な3次元移動が工具には必要となる。
そして、この様な工具の移動制御は3軸テーブルではできない。この点、4軸の懸架型テーブルや5軸のトラニオン・テーブル等であれば、反り形状の円弧と、ひぞこの円弧の双方をワークの回転により得る事は理論的に可能である。しかし、例えば理容鋏のひぞこは一般に半径800mm〜1600mmの円弧である。これに対し、ワークに回転を与える事のできるトラニオン・テーブル等は、ワーク自身を回転の中心に据えた状態でのワークの回転(自転)はできても、半径800mm〜1600mm程度の円周上を公転する様な回転を実現するものは既製品のテーブルとしては提供されていない。ワークをこの様な大きな半径で公転させようとすると、図18のトラニオン31のターンテーブル32が半径1600mm以上である様な大きなものでなければならないが、この様なトラニオンのテーブルは提供されていない。
【0016】
以上の問題を鑑み、本願発明の目的とするところは、以上の様な3次元の工具移動を3軸テーブルでも可能とする事であり、円柱の周側面に描いた所望の曲線を軌跡とした工具の移動を可能にする3軸テーブルでの制御方法と、これによる鋏の刃体の加工方法と、この加工方法による鋏を提案することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
以上の課題を解決するため、本願発明においては、裏スキを有する2本の刃体を枢着した鋏であって、前記2本の刃体はこれら前記2本の刃体の摺接面が反る形状に形成され、更に前記裏スキのひぞこが平面視円弧形状を描いて設けられている鋏を製造する場合に、この鋏に用いられる前記刃体の加工方法として以下の手段を提案した。
即ち、請求項1記載の発明は、以下に述べるの3軸テーブルの制御方法を用いて加工されるものである。その制御方法を先に述べるが、この制御方法は、ワークに対して相対的に工具を移動させるこのできる3軸テーブルであって、前記3軸の内のいずれか1軸方向が円柱軸方向となる円柱の周側面上にて指定された傾斜角度で描かれる螺旋状の軌跡、の上に前記工具を移動させるヘリカル補間が可能である3軸テーブルにおけ制御方法である。
即ち、一の円柱の前記周側面上での前記ヘリカル補間を複数回行ってこれらヘリカル補間により描かれる螺旋状の線分を繋いだ軌跡であって、各々の前記線分の各傾斜を任意に指定することによる前記周側面上での所望の疑似曲線による軌跡、に従って前記工具を移動させることを特徴とする3軸テーブルの制御方法である。
【0018】
これにより、従来、3軸テーブルでは実現しなかった円柱周側面での曲線が、展開平面上での曲線となる様な軌道に工具を移動させることができる様になる。よって、高価な懸架型テーブルなどを用いることが要らなくなり、コスト的にも効果が得られる。
【0019】
請求項1記載の発明は、以上の様な制御方法による3軸テーブルにより刃体を加工するのであるが、その際にはワークとしての前記刃体の半製品を、前記刃体の枢着軸と円柱軸とが同方向となる向きに固定して、前記円柱周側面の横断面形状を構成する円弧形状が、前記ひぞこの平面視円弧形状と同一半径の円弧となる様に、前記円柱の直径を指定し、且つ、前記ひぞこが前記円柱周側面と重なる様に前記円柱の前記刃体に対する相対位置を定め、この状態で、ヘリカル補間を複数回行って前記ひぞこに沿った疑似曲線を形成し、この疑似曲線を軌跡として工具を移動させることを特徴とする鋏の刃体の加工方法である。
【0020】
これにより、刃先の反った鋏の機械生産が可能となり、従来の手による反りを得ていた方法に比べて、格段に生産性が上がる。また反り形状を一律に揃えることが可能となる。
【0021】
請求項2記載の発明は、工具が円盤砥石又はカップ砥石であって、前記円盤砥石の円周又は前記カップ砥石開口の円周が刃体長手方向に略直交する姿勢で、円周の頂点が疑似曲線による軌跡を移動することを特徴とした請求項1記載の鋏の刃体の加工方法である。
【0022】
請求項3記載の発明は、裏スキを有する2本の刃体を枢着した鋏であって、前記2本の刃体はこれら前記2本の刃体の摺接面が反る形状に形成され、更に前記裏スキのひぞこが平面視円弧形状を描いて設けられている鋏であって、前記刃体が請求項1又は2記載の刃体の加工方法による刃体を枢着したことを特徴とする鋏である。
これにより、鋏は、反り部分の精度の高い鋏が得られ、閉じ操作の時にも、それ部分の摺接が良好に成される。具体的には、それ部分の刃先においても、適切な触圧が得られる鋏が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本願発明の実施例として、理容用の鋏の実施例を図をもって説明する。
またこの実施例の説明の過程で、鋏の発明以外の本願発明である鋏の刃体の加工方法とこれに用いる3軸テーブルの制御方法の実施例を併せて説明する。
【0024】
図1は、実施例の鋏1Aの平面図であり、図中、手前の刃体2が静刃2aであり、静刃2aに隠れたもう1つの刃体2が動刃2bである。この鋏は、裏スキを有する2本の刃体2,2を枢着した鋏であって、2本の刃体は図2の正面図に示す様に、これら2本の刃体の摺接面Sが静刃2a側に反る形状に形成されている。
【0025】
図3はこの鋏1Aに用いられている刃体2の平面図であり、刃表3側を表している。この刃体2の刃先線Kは、曲率の小さい円弧形状に形成されている。また図4は刃体2の底面図であり、刃裏4を表している。刃裏4は断面形状が、円弧形状に凹曲していて、凹曲の一番ひくい点が、図中の一点鎖線で示した「ひぞこH」を成している。又ひぞこHは円弧形状の刃先線Kと平行に設けられているので、裏スキのひぞこHも平面視円弧形状を描いて設けられている。
なお、刃体2には動刃2bと静刃2aがあるが、図3と図4は動刃2bと静刃2aの双方を共通して表している。
【0026】
図5は、図2に示された様に重ねられている動刃2bと静刃2aを分離した様子の図であり、図2と同様のアングルからの図であって、双方の刃体2,2の裏スキが対向している。
【0027】
刃体2の製造方法は以下の様になる。
まず平板材料から刃体の平板形状を打ち抜きし、打ち抜かれた平板の半製品をプレス型でプレスして、刃先側に反りをつける。次に刃表3側を、図20に示した円弧形状の断面にするため、図示しないリング状の円環砥石の円環内面を研削面として用いる事により形成する。
【0028】
次に刃裏4を研削して、裏スキを形成する。
裏スキの形成には、図示しない3軸テーブルを用いる。この3軸テーブルは、ワークに対して相対的に工具を移動させるこのできる3軸テーブルであって、この3軸の内のいずれか1軸方向が円柱軸方向となる円柱の周側面上に、螺旋状の軌跡を描く様に工具を移動させる事ことのできるテーブルである。その際、この軌跡の螺旋は、指定された傾斜角度で描かれ、この様な軌跡の上に工具を移動させることをヘリカル補間と呼ばれている。
【0029】
この3軸テーブルに、図6の概要図に示す様に、まずワークとしての動刃2bの半製品2b’を、刃体の枢着軸Z’と円柱軸(ここではZ軸方向の軸)とが同方向となる向きに固定する。図6中の半製品2b’は、上面が刃裏4になっている。
【0030】
次に、工具としての円盤砥石をプログラム制御して移動させ、裏スキを形成する。
制御するときには、円柱10の周側面11の横断面形状を構成する円弧形状12が、裏スキのひぞこHの平面視円弧形状H’と同一半径の円弧となる様に、円柱10の直径をプログラムで指定する。
且つ、ひぞこHが円柱周側面11と重なる様に円柱10の半製品2b’に対する相対位置を定めて指定する。
【0031】
この状態で、円柱10の周側面11上でのヘリカル補間を複数回行い、その時には、これらヘリカル補間により描かれる螺旋状の線分を、ヘリカル補間を行った複数回部分だけ繋いだ軌跡Qを形成させる。この軌跡Qは、各々の線分の各傾斜を任意に指定することにより、周側面11上での疑似曲線による軌跡Qを、反った「ひぞこH」に沿う様に形成し、この軌道Qに工具を移動させるのである。この実施例では、軌道Qは、XZ面に投影すると円弧となる曲線である。つまり、軌道QはXY面から見ても、XZ面から見ても円弧を描くのである。
そして刃裏4に円盤砥石が宛われ、円盤砥石の円周が刃体長手方向(この実施例ではX軸方向)に略直交する姿勢で、砥石の円周の頂点が図の上方に反った疑似曲線による軌跡Qを移動するように制御するのである。
以上が、図1に示された鋏の動刃2bの裏スキを加工する加工方法である。
【0032】
また静刃2aの裏スキを形成する例としては、図7に示す様に加工方法がある。概ね図6の動刃2bに関する説明がそのまま当てはまるが、反りが図中の下方方向と逆になっている。図7に示す静刃の半製品2a’は、図中の上面側が刃裏4であり、この刃裏4に円盤砥石が宛われ、円盤砥石の円周が刃体長手方向に略直交する姿勢で、円周の頂点が図の下方に反った疑似曲線による軌跡を移動するように制御するのである。
なお円盤砥石の替わりにカップ砥石を用いて裏スキを形成してもよい。
【0033】
以上の様にして、刃体の半製品に刃表と刃裏の形状を形成したら、動刃と静刃をネジで枢着する。その後、刃を研ぎ、「刃付け」と云われる仕上げをして、反った鋏が完成する。
【0034】
なお、上記実施例の鋏は、理容鋏の一種であるのカット鋏の先端を静刃側に反らせた鋏であるが、本願発明の鋏はこれに限らない。反りを逆方向にして、動刃側に反らせた鋏であってもよい。
また、図8〜図10に示す様に梳き鋏1B〜1Dの先端を反らせたものでもよい。
図8は、直線状の櫛5が連設された櫛刃6と、棒刃7とを枢着した梳き鋏1Bであり、刃先が櫛刃側に反っている。
図9に示した梳き鋏1Cは、図7の梳き鋏1Cにおいて、櫛5が枢着軸を中心とした円弧形状となったものである。刃先の反りは櫛刃6側に反っている。また図7〜8においては、反りの方向を棒刃側にしてもよい。
図10に示したすき鋏1Dは、2本の櫛刃を枢着させたものである。櫛刃は枢着軸を中心とした円弧形状に成っている。
【0035】
図11に示す鋏は、2丁のカット鋏1a,1bが1つの軸8で連結された状態の連結鋏1Eであり、刃先は2丁とも同じ方向に反らせてある。2丁のカット鋏鋏1a,1bはこれらの柄9に、図12に示す連結具20が、図10中の矢印方向から嵌められる事により、2丁のカット鋏1a,1bの開閉操作が同時に成される。
【0036】
図13に示す鋏は、カット鋏1aと梳き鋏1cが1つの軸8で連結された状態の連結鋏1Fであり、刃先は2丁とも同じ方向に反らせてある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、実施例に係る鋏の平面図である。
【図2】この図は、図1の鋏の部分正面図である。
【図3】この図は、図1の鋏に用いられる刃体の部分正面図である。
【図4】この図は、刃体の部分底面図である。
【図5】この図は、図2の鋏の刃体の2本を分離した図である。
【図6】この図は、図5で示した静刃を加工する時の工具の軌跡を説明する図である。
【図7】この図は、図5で示した動刃を加工する時の工具の軌跡を説明する図である。
【図8】この図は、実施例に示した梳き鋏の図であり、櫛刃が直線状になっている。
【図9】この図は、実施例に示した梳き鋏の図であり、櫛刃が円弧状になっている。
【図10】この図は、実施例に示した梳き鋏の図であり、刃体は2本とも櫛刃になっている。
【図11】この図は、2丁のカット鋏を連結させた連結鋏の図である。
【図12】この図は、図11の鋏に用いられる連結具の図であり、2丁の鋏の柄同士を連結している。
【図13】この図は、カット鋏と梳き鋏を連結させた連結鋏の図である。
【図14】この図は、3軸テーブルの概念図である。
【図15】この図は、円柱の周側面を螺旋状に移動させるヘリカル補間の説明図である。
【図16】この図は、ヘリカル補間による軌跡が、円柱を展開した平面上では直線となることの説明図である。
【図17】この図は、ヘリカル補間では描けない軌跡の図である。
【図18】この図は、図17で示した軌跡が展開平面ではどの様な曲線になるかを説明する図である。
【図19】この図は、トラニオン・テーブルに用いられるワークを保持して2軸の回転を与えるトラニオンの図である。
刃体の断面形状と、円盤砥石で刃裏を研削する様子とを説明する図である。
【図20】この図は、刃体の断面形状と、円盤砥石で刃裏を研削する様子とを説明する図である。
【図21】この図は、反りのない直線状の刃体に裏スキ加工をする場合の説明図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D 鋏
1E,1F 連結鋏
2 刃体
2a 刃体としての静刃
2b 刃体としての動刃
3 刃表
4 刃裏
5 櫛
6 櫛刃
7 棒刃
8 軸
9 柄
10 円柱
11 周側面
11’ 周側面を展開した平面
20 連結具
K 刃先線
H ひぞこ
P 軌跡
Q 軌跡
Claims (3)
- 裏スキを有する2本の刃体を枢着した鋏であって、前記2本の刃体はこれら前記2本の刃体の摺接面が反る形状に形成され、更に前記裏スキのひぞこが平面視円弧形状を描いて設けられている鋏を製造する場合に、この鋏に用いられる前記刃体の加工方法であって、
ワークに対して相対的に工具を移動させるこのできる3軸テーブルであって、前記3軸の内のいずれか1軸方向が円柱軸方向となる円柱の周側面上にて指定された傾斜角度で描かれる螺旋状の軌跡、の上に前記工具を移動させるヘリカル補間が可能である3軸テーブルにおいて、一の円柱の前記周側面上での前記ヘリカル補間を複数回行ってこれらヘリカル補間により描かれる螺旋状の線分を繋いだ軌跡であって、各々の前記線分の各傾斜を任意に指定することによる前記周側面上での所望の疑似曲線による軌跡、に従って前記工具を移動させる3軸テーブルの制御方法、
を用いて加工され、その際にはワークとしての前記刃体の半製品を、前記刃体の枢着軸と円柱軸とが同方向となる向きに固定して、
前記円柱周側面の横断面形状を構成する円弧形状が、前記ひぞこの平面視円弧形状と同一半径の円弧となる様に、前記円柱の直径を指定し、
且つ、前記ひぞこが前記円柱周側面と重なる様に前記円柱の前記刃体に対する相対位置を定め、
この状態で、ヘリカル補間を複数回行って前記ひぞこに沿った疑似曲線を形成し、この疑似曲線を軌跡として工具を移動させることを特徴とする鋏の刃体の加工方法。 - 工具が円盤砥石又はカップ砥石であって、前記円盤砥石の円周又は前記カップ砥石開口の円周が刃体長手方向に略直交する姿勢で、円周の頂点が疑似曲線による軌跡を移動することを特徴とした請求項1記載の鋏の刃体の加工方法。
- 裏スキを有する2本の刃体を枢着した鋏であって、前記2本の刃体はこれら前記2本の刃体の摺接面が反る形状に形成され、更に前記裏スキのひぞこが平面視円弧形状を描いて設けられている鋏であって、前記刃体が請求項1又は2記載の刃体の加工方法によることを特徴とする鋏。
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