JPH0679823A - 複合型制振金属板 - Google Patents

複合型制振金属板

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JPH0679823A
JPH0679823A JP25886592A JP25886592A JPH0679823A JP H0679823 A JPH0679823 A JP H0679823A JP 25886592 A JP25886592 A JP 25886592A JP 25886592 A JP25886592 A JP 25886592A JP H0679823 A JPH0679823 A JP H0679823A
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幸男 福浦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この出願発明は、塗工性が良好で、且つ、制
振性と後加工性にすぐれた制振金属板を提供することを
目的とする。 【構成】 この出願発明は、変性ポリブタジエンゴム、
粘着性付与物質、架橋触媒及びアクリル酸又はメタアク
リル酸の金属塩の各成分からなる粘弾性組成物の硬化物
が2枚の金属板の間に積層されていることを特徴とする
複合型制振金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願発明は、塗工性が良好
で、且つ、制振性と後加工性にすぐれた制振金属板に関
するものである。更に詳しくは、この出願発明は、硬化
剤の性状が30〜60℃の温度で液状のため塗工しやす
い粘弾性組成物を、2枚の金属板の間に積層し、つい
で、熱硬化反応で一体化させる複合型制振金属板であっ
て、張出し、曲げ、深絞り等の成型加工性とスポット液
接性をきわめて良好に行うことを可能にした複合型制振
金属板に関するものである。これらの複合型制振金属板
は、自動車、鉄道、航空機等の乗物、事務用機器、音響
機器、家電製品等の0〜100℃の温度範囲、とくに、
常温付近での振動部材の騒音低減を行うという、すぐれ
た制振性を有する複合型制振金属板である。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車、鉄道、航空機等の乗物
や、事務機器、音響機器、家電製品、または、建築用材
料の普及にともない、それらの機器、材料に対する騒音
対策が緊急の課題としてクロ−ズアップされ、その対策
として現在迄に多くの制振金属板が提案され実用化され
てきた。特に、自動車の騒音規制から、エンジンノイズ
を低減させるために、制振鋼版のオイルパンで対策する
方法が提案され、現在も、制振鋼版の需要の約70%が
オイルパン用であるのが現状である。オイルパンの場
合、使用される温度は60〜120℃の範囲であり、こ
れまでの制振鋼板の中間材層と用いられてきた粘弾性物
質のそのほとんどは、熱可塑性の樹脂が採用されてき
た。
【0003】しかし、市場の要望に対し、従来の制振鋼
板を評価した場合、次のような不備な点があげられ改良
が求められている。第1の点は熱に対する耐久性であ
る。金属の耐食性を向上させるため、塗装焼付け温度が
高温焼付け条件になってきており、熱可塑性樹脂を中間
層とした制振鋼板では、塗装焼付け時に剥離、ズレ等が
発生してしまうことである。第2の点として制振鋼板の
高性能化である。最近の制振鋼板の需要として、常温域
で使用される機器、材料、例えば、自動車のボディ材、
あるいは屋根、床等の建材、または家電製品等に用いら
れてきている。この結果制振性能を常温域に適応させる
ため、中間層物質を軟らかく、ロスの大きな粘弾性組成
物にする必要がある。そのため制振性は良好になるが、
その一方で金属との接着力が低下し、その結果、曲げ加
工、絞り加工等の成型加工が困難である等、いくつかの
問題が指摘されている。
【0004】即ち、制振鋼板に求められている特性とし
ては、二律背反の関係にある制振性と接着性を両立させ
ることであり、これらの条件を満たす方策としては、粘
弾性組成物に架橋構造を導入することで達成される。こ
の結果、従来用いられてきた熱可塑性樹脂の粘弾性組成
物から、架橋構造を導入した熱硬化性樹脂の粘弾性組成
物を中間層とした制振鋼板が提案されている。
【0005】この出願の発明者等も、これまで、種々の
熱硬化性樹脂を中間層物質とした制振金属板(特開昭6
0−245550、特開昭60−255426、特開昭
63−274044等)を提案してきた。これまで提案
されてきた熱硬化型制振鋼板は、中間層物質の材料が、
ポリエステル系材料、アクリル系材料、エポキシ系材料
等であり、これらの物質の硬化前の性状は固形もしくは
高粘度系材料であるため、液剤や反応性希釈剤等で希釈
し低粘度化させ、スプレ−、ロ−ルコ−タ−、ナイフコ
−タ−等で金属板に塗布し、次いで他の金属板を貼り合
わせ、加熱炉を通過させ、硬化一体化させる方法が採用
されているのが現状である。
【0006】しかし、中間物質に含まれる溶剤、反応性
希釈剤等を乾燥させることが必要であり、そのための加
熱乾燥工程における火災、爆発等の危険性、あるいは臭
氣、皮膚かぶれ等、安全衛生上の問題や、残存溶剤によ
って起因する中間層の発泡、膨張等品質上の問題があ
り、制振鋼板を実用化する上で、大きな技術課題となっ
ている。
【0007】
【発明の目的】この出願発明の目的は、熱硬化型制振金
属板が有する上記の如き製造工程上の欠点を改良すると
ともに、振動減衰能力、およびすぐれた後加工性、接着
性を兼ね備えた制振金属板を提供することにある。すな
わち、この出願の発明者らは鋭意研究を進めた結果、ポ
リブタジエン分子骨格の両末端にアクリロイロキシ基、
もしくは、メタクリロイロキシ基を有する数平均分子量
500〜10,000で常温で液状を呈する変性ポリブ
タジエン樹脂100重量部に対し、ガラス転位点が20
℃以下で、常温で液状を呈する石油系粘着附与剤を10
〜200重量部、アクリル酸金属塩もしくはメタクリル
酸金属塩を1〜50重量部、架橋触媒を0.1〜10重
量部、あるいは、更にスポット溶接性を附与させるた
め、粒径150ミクロン以下の金属粉を1〜100重量
部からなる粘弾性組成物を、2枚の金属板の間に積層
し、金属粉を含むときは、中間材層の厚みが組成物に含
有された金属粉の最大粒径に対し、0.9〜0.45倍
の中間材層を形成させ、次いで加熱硬化し、一体化した
複合型制振金属板に関する。すなわち、常温で液状を呈
する反応性ポリブタジエンゴムと、常温で液状を呈する
石油系粘着附与剤を主体に、更に、架橋触媒を含む液状
の粘弾性組成物とすることにより安全で且つ塗工性にす
ぐれた制振鋼板を製造することができる。
【0008】
【発明の構成】この出願発明の要旨とするところは、 (A)分子構造がポリブタジエンで、その両末端にアク
リロイロキシ基、もしくはメタクリロイロキシ基を有す
る数平均分子量が500〜10,000で、常温で液状
を呈する変性ポリブタジエン樹脂100重量部に対し (B)ガラス転位が20℃以下で、常温で液状を呈する
石油系粘着附与樹脂を10〜200重量部 (C)架橋触媒を0.1〜10重量部 (D)アクリル酸金属塩、もしくはメタクリル酸金属塩
を1〜50重量部場合により (E)粒径150ミクロン以下の金属粉を1〜100重
量部 を含む組成物を、2枚の金属板の間に積層し、金属粉を
含むときは、中間材層の厚みを金属粉粒径の0.95〜
0.4倍の厚みに形成させ、次いで中間層を硬化一体化
になる制振金属板の製造加工性を改良し、且つ、制振性
と後加工性、溶接性にすぐれた複合型制振金属板を得る
ものである。この出願発明の粘弾性組成物には、必要に
応じて、重合禁止剤、硬化促進剤、老化防止剤、充填剤
等を加えてもよい。
【0009】また、上記粘弾性組成物の硬化前の性状
は、材料粘度が温度50℃の時、700ポイズ以下の粘
ちょう物質で、且つ、粘着性を有する。熱硬化後の物性
としては、0〜60℃の温度範囲において貯蔵弾性率
(E′)が107 〜1010 dyne/cm2、損失角正
接(Tanδ)が0.1以上の粘弾性物性であって且
つ、2枚の金属板との接着性能が、剥離接着力が3kg
f/25mm以上、せん断接着力が30kgf/cm2
以上の接着性にすぐれた粘弾性組成物を中間材物質とし
た制振性と接着性を併せもつ複合型制振金属板に関する
ものである。
【0010】つぎに、この出願発明に用いる粘断性組成
物の各材料について詳細に述べる。この出願発明におい
て用いられる両末端アクリロイルキシ基、もしくはメタ
クリロイロキシ基を有するポリブタジエン樹脂とは、分
子構造のビニルが85%以上のポリブタジエンの両末端
にアクリロイロキシ基もしくはメタクリロイロキシ基を
有し、ラジカル重合触媒で硬化反応するポリマ−であっ
て、且つ、数平均分子量が500〜10,000であ
り、常温で液状を呈するものが使用条件や物理特性の面
から好ましい。
【0011】この出願発明に使用されるガラス転位点が
20℃以下の常温で液状を呈する粘着附与材としては、
ロジン、ロジン誘導体、テレペン樹脂、テレペンフェノ
−ル樹脂やそれらを水添された天然樹脂、C5、C9系
の脂肪族、石油樹脂、芳香族石油樹脂、脂環族石油樹
脂、共重合石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アルキル
フェノ−ル樹脂、変性フェノ−ル樹脂、キシレン樹脂、
スチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル、不飽和ポリエ
ステル等の合成樹脂、または、フタル酸エステル、芳香
族多塩基エステル、脂肪族二塩基酸エステル、ポリブテ
ン、ポリイソブチレンパラフィン油、ナフテン油、芳香
族油等の軟化剤等があげられ、使用条件や物理特性その
他の面から、これらを単独もしくは2種以上組合わせて
使用することができる。
【0012】更にこの出願発明で使用される架橋触媒と
しては、メチルエチルケトンパ−オキサイド、シクロヘ
キサンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイ
ド等のケトンパーオキサイド:1,1−ビス(第3級−
ブチルパーオキサイド)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−ビス(第3級−ブチルパーオキサ
イド)−シクロヘキサン等のパーオキシケタール:第3
級−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサンー2,5−ジ
ヒドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド:ジ
−第3級−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド等のジアルキルパーオキサイド:アセチルパーオキ
サイド、イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド等のアシルパーオキサイド:ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカ
ーボネート等のパーオキシジカーボネート:第3級−ブ
チルパーオキシアセテート、第3級−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、第3級−ブチルパーオキシマレイン酸、
第3級−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等
のパーオキシエステルがあげられ、これらの硬化剤の少
なくとも一種以上のパーオキサイドが用いられる。
【0013】この出願発明で用いられるアクリル酸金属
塩あるいはメタクリル酸金属塩とは、亜鉛、アルミニウ
ム、スズ、カルシウム、ニッケル、コバルト、鉄、マグ
ネシウム、鉛等の金属酸化物とアクリル酸もしくはメタ
クリル酸との反応物であって、アクリル酸アルミニウ
ム、アクリル酸コバルト、アクリル酸鉛、アクリル酸マ
グネシウム、アクリル酸スズ、アクリル酸カルシウム、
メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸アルミニウム、メタク
リル酸コバルト、メタクリル酸鉛、メタクリル酸マグネ
シウム、メタクリル酸スズ、メタクリル酸鉄等の金属塩
化合物であり、これらの化合物は金属面に対してすぐれ
た接着性を付与することができる。
【0014】また、この出願発明で用いられる金属粉と
は、鉄、アルミニウム、銅、黄銅、スズ、ニッケル、ス
テンレススチール、銀、亜鉛等の金属材質で、リン片
状、球状、棒状、星状、しずく状等の状態で、且つ粒径
は、150μ以下の金属粉である。特に、金属材質が
鉄、ニッケル、ステンレススチールで、且つ、形状が球
状もしくは棒状の金属粉が好適である。また、金属粉を
粘弾性組成物に対し、1〜50重量パーセント添加する
ことによって、スポット溶接を良好に行わしめることが
できる。以上述べてきた各原材料を均一に混合すること
により、常温において粘ちゅうな粘弾性組成物が得られ
る。
【0015】これらの組成物は、40〜60℃に加温す
ると、材料粘度が大幅に低下し、塗工しやすい性状に変
化する。この結果、一般に用いられているスプレー塗
工、ロールコーター塗工等の方法が可能となり、容易
に、且つ、膜厚精度の高い塗工ができる。
【0016】さらに、他の金属基材をはり合わせて、一
体化して使用することもできる。一体化は、プレスによ
る方法もしくは金属またはゴム等の圧着ロールではり合
わせ加圧力により、金属粉の粒径に対して0.95〜
0.4倍の中間材層を形成させ、上板と下板の間に金属
粉を介在させ、接触させる。即ち、金属粒子により、導
通回路を形成させた後、加熱硬化させて、一体化するこ
とにより溶接が可能な複合型制振鋼板を得ることができ
る。
【0017】また、この出願発明で使用される粘弾性組
成物には、必要に応じて、重合禁止剤、硬化促進助剤、
老化防止剤を添加でき、その他、充填材等を加えてもよ
い。この出願発明に用いられる2枚の金属板とは、鉄、
銅、アルミニウム、ジュラルミン、ステンレススチール
等の合金あるいは亜鉛、クロメート、リン酸亜鉛等でメ
ッキされた鋼板や塗装鋼板等であり、板厚としては0.
1〜5.0mm好ましくは、0.2〜3.2mmが好適
に用いられる。
【0018】また、この出願発明の複合型制振金属板を
得るために重要なことは、中間材層の厚みを制御させた
製造方法にあり、導電性を附与させる為に添加した金属
粉の粒径に対し0.95〜0.4倍の中間層厚みを得る
為には、材料粘度に合わせた塗工方法および圧着方法を
最適化させることで達成される。
【0019】この出願発明で用いられる中間層物質の硬
化前の性状は、常温から60℃の温度条件下で、粘ちょ
うないし液状的性状であって、これらを金属板に均一に
塗工するにはスプレー方法、ロールコーター方法、コン
マコーター方法、カーテンフローコーター方法、ダイコ
ーター方法等によって行うことができる。また、組成物
を塗布した金属板にさらに他の金属板をはり合わせ、積
層するには、圧着ロール等による方法が好ましい。圧着
ロールとしては、金属製ロール、樹脂製ロール、ゴム製
ロール等が使用され、中間材物質の材料の性状によっ
て、同一材質のロールによる組合わせ、または異種材質
によるロールの組合わせで行うことができる。
【0020】この出願発明は、液状のポリブタジエンと
液状粘着附与材を主成分とした粘弾性組成物にすること
により、安全衛生上の問題も少なく、且つ塗工作業性が
大幅に改善することができる。この結果、制振性および
後加工性、溶接性の性能を両立させた複合型制振金属板
が得ることがてきたものである。
【0021】以下、この出願発明を実施例によって説明
する。なお、各性能評価は次の通りに行った。 未硬化の材料粘度については、B型粘度計にて50
℃の温度雰囲気下で測定し粘度とした。 接着力測定 厚さ0.8mmの2枚の冷延鋼板の間に粘弾性組成物を
中間層厚み0.10mmに調整し熱プレスにて150℃
で10分間加熱硬化させた制振金属板から、幅25m
m、長さ200mmに切り出し試験片とし、せん断接着
力はJIS−K−6850、剥離接着力はJIS−K−
6854に準じて測定した。 粘弾性測定 粘弾性測定は150℃で10分間加熱硬化させたシート
状試験片をバイプロン試験機により、−100℃から1
50℃の温度範囲において貯蔵弾性率(E´)、損失角
正接(tanδ)を測定した。周波数100Hzのta
nδの最大値とその温度でのE´を測定した。 振動減衰性測定 厚さ0.8mmの2枚の冷延鋼板の間に粘弾性組成物を
中間層厚み0.10mmに調整して得られた制振金属板
から、幅25mm、長さ300mmに切り出した試験片
をメカニカルインピーダンス法により周波数500Hz
の損失係数(η)温度依存性を測定した。 スポット溶接性測定 厚さ0.8mmの2枚の冷延鋼板の間に粘弾性組成物を
中間層厚み0.10mmに調整して得られた制振金属板
の試験片のスポット溶接を行った。スポット溶接はダイ
レクトスポット溶接機で、クラスAの溶接条件、具体的
には直径6φの銅電極を用いて加圧力250kg、溶接
電流9800Aで12サイクルの条件で制振金属板と厚
さ1.6mmの冷延鋼板単板との1点溶接を行い、適性
スポット溶接率を測定した。
【0022】
【実施例】
実施例1 常温で液状の両末端メタクリロイロキシ基を有する数平
均分子量約2900の1.2ポリブタジエン(日本曹達
(株)社製NISSO−PB、TE−2000(登録商
標名))をベースポリマーとし、ベースポリマー100
重量部に対し、常温で液状の芳香族系石油樹脂(三菱石
油社製オリゴテックス1020(登録商標名))を30
重量部、アクリル酸亜鉛10重量部および1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン(日本油脂社製 パーヘキサ−3M(登録商
標名))1.0重量部を加え、温度50℃に設定した混
合機で均一化した。更に、粒径100μm以下の金属ニ
ッケル粉を15重量部添加し、均一に分散させ、表1に
示した液状の粘弾性組成物を得た。これらについて、硬
化前の性状評価として粘度を測定した。また、熱硬化後
の性能として、動的粘弾性特性、制振金属板とした後の
接着性、振動減衰性、スポット溶接性を測定し評価した
結果を表3と図1に示す。 実施例2および3 実施例1の常温で液状の芳香族系石油樹脂30重量部の
代わりに、それぞれ同じ樹脂を、50、100重量部を
使用して表3および図1に示す粘弾性組成物を得た。
【0023】比較例1 末端カルボキシル基を有する数平均分子量2500の、
1.2ポリブタジエン(日本曹達社製NISSO−P
B、G−2000(登録商標名))をベースポリマーと
し、他の成分は、実施例1と同一組成の常温で液状の粘
弾性組成物とした。結果は、表3および図1に示すとお
りである。 比較例2 固体のポリブタジエンゴム(日本合成ゴム社製BR−0
1(登録商標名))100重量部と常温で固体の脂環族
系石油樹脂(荒川化学社製アルコンM−100(登録商
標名))50重量部、さらにアクリル酸亜鉛10重量
部、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン1重量部を混練りし、次い
でトルエンで溶解させ、濃度20重量%の溶剤系粘弾性
組成物とした。結果は表3および図1に示すとおりであ
る。
【0024】実施例4 常温で液状の両末端アクリロイロキシ基を有する数平均
分子量約1900の、1.2ポリブタジエン(日本曹達
(株)社製NISSO−PB、TEA−1000(登録
商標名))をベースポリマーとし、これを100重量部
に対し、常温で液状の芳香族系石油樹脂(三菱石油社製
オリゴテックス1020(登録商標名))を50重量
部、更にアクリル酸亜鉛10重量部、1,1−ビス(t
−ブチルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン(日本油脂社製パーヘキサ3M(登録商標名))
1.0重量部を、温度50℃に設定した混合機で均一化
した。さらに、粒径100μm以下の金属ニッケル粉を
15重量部添加し、均一に分散させた液状の粘弾性組成
物を得た。これらについて、硬化前の性状として、粘度
を測定した。また、熱硬化後の性能として、動的粘弾性
特性制振金属板とした後の、接着性、振動減衰性、スポ
ット溶接性を測定し、結果を表4と図2に示す。
【0025】実施例5 常温で、液状の両末端メタクリロイロキシ基を有する数
平均分子量約2900の1.2 ポリブタジエン(日本
曹達(株)社製NISSO−PB、TE−2000(登
録商標名))をベースポリマーとし、これを100重量
部に対し、常温で液状の炭化水素系石油樹脂(理化ハー
キュレス社製リガレッツ−1018(登録商標名))を
50重量部、更にアクリル酸亜鉛、10重量部、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン(日本油脂社製パーヘキサ3M(登録
商標名))1.0重量部を温度50℃に設定した混合機
で均一化した。更に、粒径100μm以下の金属ニッケ
ル粉を15重量部添加し、均一に分散させた、液状の粘
弾性組成物を得た。これらについて、硬化前の性状とし
て、粘度を測定した。また、熱硬化後の性能として、動
的粘弾性特性、制振金属板とした後の、接着性、振動減
衰性、スポット溶接性を測定し、結果を表5と図3に示
す。
【0026】表3に示した結果から、実施例1〜3で
は、50℃粘度が500ポイズ以下となり、塗工性にす
ぐれた組成物が得られる。熱硬化後の特性としては常温
においてすぐれた 特性を示し、且つ、接着性、振動減
衰性およびスポット溶接性にすぐれた制振金属板が得ら
れる。一方、比較例1の場合、実施例同様に液状組成物
であるが、熱硬化反応せず、制振金属板を得ることはで
きない。また、比較例2の場合、溶剤系の組成物とな
り、乾燥工程が必要で、安全衛生上問題がある。また、
制振金属板としても性能レベルは低い。実施例4では、
両末端アクリロイロキシ基を有した1.2ポリブタジエ
ンをベースポリマーとした場合であり、表4に示した結
果の通り、すぐれた制振金属板が得られる。また、実施
例5では、液状の粘着附与樹脂として炭化水素系樹脂を
用いた場合であり、表5に示す結果から性能にすぐれた
制振金属板を得ることができた。
【0027】以上のべたように、この出願発明は、常温
で液状の粘弾性組成物とすることにより、熱硬化性樹脂
を中間層とした制振金属板の製造で、課題であった塗工
性能を改善することができ、且つ、溶剤等を使用したい
ため、安全衛生上問題がなく、しかも、すぐれた制振性
と接着性を併せもつ制振金属板を得ることが可能となっ
た。
【0028】
【表1】 実 施 例(重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 *1 メタクリロキシ基末端 100 100 100 1.2ポリブタジエン *2 芳香族系石油樹脂 30 50 100 *3 アクリル酸亜鉛 10 10 10 *4 1,1-ヒ゛ス(t-フ゛チルハ゜ーオキシ) 1 1 1 3,3,5-トリメチルシクロヘキサン ハイドロキノン 0.01 0.01 0.01 金属ニッケル粉 15 15 15 同型分濃度 100% 100% 100%
【0029】
【表2】 比較例 *1 日本曹達社製 NISSO−PB TE−200
0(登録商標名) *2 三菱石油社製 オリゴテックス1020(登録商
標名) *3 川口化学社製 アクターZA(登録商標名) *4 日本油脂社製 パーヘキサー3M(登録商標名) *5 日本曹達社製 NISSO−PB C−2000
(登録商標名) *6 日本合成ゴム社製 BR−01(登録商標名) *7 荒川化学社製 アルコンM−100(登録商標
名)
【0030】
【表3】 実施例 比較例 1 2 3 1 2 1.粘度(ポイズ) 500 430 400 450 110 2.動的粘弾性(100Hz) 硬化しない Tanδピーク温度 5℃ 25℃ 40℃ 5 Tanδ 1.17 0.75 0.80 0.45 E1 (dyne/cm2) 9.0E0.9 3.3E+0.9 1.5E+0.9 1.5E+08 3.接着性 せん弾強度(Kgf/cm2)110 95 80 32 剥離強度(Kgf/2.5cm)7.5 6.0 5.0 3 4.制振性(500Hz) 損失係数 0.30 0.25 0.27 0.09 最適温度 10℃ 30℃ 45℃ 10℃ 5.スポット溶接性 良好 良好 良好 良好 (正常溶接率) (100%) (100%) (100%) (98%)
【0031】
【表4】 材料組成 実施例4 ※8アクリロイロキシ基末端 100重量部 1,2ポリブタジエン 芳香族系石油樹脂 50 アクリル酸亜鉛 10 1,1ービス(tーブチルパーオキシ) 1 3,3,5ートリメチルシクロヘキサン ハイドロキノン 0.01 金属ニッケル粉 15 特性値 1.粘度(ポイズ) 415 2.動的粘弾性(40Hz) Tanδピーク温度 27℃ Tanδ 0.71 E1(dyne/cm2) 4.0E+0.9 3.接着性 せん断強度(Kgf/cm2) 99 剥離強度(Kgf/2.5cm) 7.0 4.制振性(500Hz) 損失係数 0.24 最適温度 35℃ 5.スポット溶接性 良好 (正常溶接率) (99%) ※8 日本曹達社製(登録商標名 NISSOーPB
TEAー1000)
【0032】
【表5】 材料組成 実施例5 メタクリロイロキシ基末端 100重量部 1,2ポリブタジエン ※9炭化水素系石油樹脂 50 アクリル酸亜鉛 10 1,1ービス(tーブチルパーオキシ) 1 3,3,5ートリメチルシクロヘキサン ハイドロキノン 0.01 金属ニッケル粉 15 特性値 1.粘度(ポイズ) 470 2.動的粘弾性(40Hz) Tanδピーク温度 30℃ Tanδ 0.85 E1(dyne/cm2) 3.1E+0.9 3.接着性 せん断強度(Kgf/cm2) 95 剥離強度(Kgf/2.5cm) 5.0 4.制振性(500Hz) 損失係数 0.28 最適温度 35℃ 5.スポット溶接性 良好 (正常溶接率) (100%) ※9 理化ハーキュレス社製(登録商標名 リガテック
スー1018)
【図面の簡単な説明】
【図1】損失温度依存係数(メカニカルインピーダンス
法 500Hz)
【図2】損失温度依存係数(メカニカルインピーダンス
法 500Hz)
【図3】損失温度依存係数(メカニカルインピーダンス
法 500Hz)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリブタジエン分子骨格の両端末に
    アクリロイロキシ基、もしくはメタクリロイロキシ基を
    有する、数平均分子量500〜10,000で常温で液
    状を呈する変性ポリブタジエンゴム 100重量部に対
    し、 (B)ガラス転位点が20℃以下で、常温で液状を呈す
    る粘着性附与樹脂 10〜200部、 (C)架橋触媒 0.1〜10部 (D)アクリル酸金属塩、もしくは、メタクリル酸金属
    塩 1〜50部 の各成分からなる粘弾性組成物の硬化物が2枚の金属板
    の間に積層されていることを特徴とする複合型制振金属
    板。
  2. 【請求項2】請求項1の粘弾性組成物に、粒径150ミ
    クロン以下の金属粉を1〜100重量部添加した粘弾性
    組成物の硬化物が2枚の金属板の間に、中間層厚みとし
    て金属粉の最大粒径に対し、0.9〜0.45倍として
    積層されていることを特徴とする複合型制振金属板。
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