JPH0639142B2 - 複合型制振金属板 - Google Patents

複合型制振金属板

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JPH0639142B2
JPH0639142B2 JP33648089A JP33648089A JPH0639142B2 JP H0639142 B2 JPH0639142 B2 JP H0639142B2 JP 33648089 A JP33648089 A JP 33648089A JP 33648089 A JP33648089 A JP 33648089A JP H0639142 B2 JPH0639142 B2 JP H0639142B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は制振性および後加工性にすぐれ、且つ、溶接加
工性の良好な制振金属板に関するものであり、詳しくは
2枚の金属板の間にはさみ込む中間層の成分として、ス
チレン系熱可塑性エラストマーと、アクリル酸金属塩、
さらに重合性単量体を主成分とし、さらに導電性を附与
させるための、金属粉を添加した組成物とし、中間材層
の厚みを金属粉の最大粒径の0.95〜0.4倍の厚みになる
ように形成させ、次いで加熱硬化して、一体化する事に
より、制振性、後加工性に加え、スポット溶接当の電気
溶接をきわめて良好に行う事を可能とした、複合型制振
金属板である。
特に、溶接加工性において、溶接部(以下ナゲットとす
る)周辺が溶接時の発熱で中間材物質が燃焼しガス化に
より、変形させる膨れ現象をきわめて少なくすることを
可能とした複合型制振金属板に関するものである。
自動車、事務機器、家電等を製品化する場合、溶接加工
が不可欠であり、且つ、溶接時に発生する外観変形をき
わめて、重視する製品において、0〜100℃の温度範
囲、とくに常温付近での振動部材の騒音低減を行なうす
ぐれた制振性を有する複合型制振金属板である。
従来の技術 近年、自動車、鉄道、航空機等の乗物および事務機器、
電気製品等の普及にともない、それらの機器に対する騒
音対策が緊急の課題としてクローズアップされ、その対
応策として現在までに多くの制振金属板が提案され、あ
るいは実用化されてきた。
しかし市場の要望に対して、従来の制振金属板を評価し
た場合、次のような種々の不備な点があげられ、その結
果、適用範囲が限定されているのが現状である。
第1の問題点として、市販の制振金属板に使用されてい
る中間層物質は、そのほとんど大部分が熱可塑性の樹脂
であるが、その場合、非常に単純なプレス成形からなる
部材も塗装の焼付工程あるいは乾燥工程で、金属板との
剥離、ズレ等が発生してしまう。
第2の問題点として、制振性能を高める場合、一般的手
段として、中間材物質を軟らかく、且つロスの大きな粘
弾性組成物にする事である。しかし軟らかくする事によ
り、金属基板との剪断接着力が低く、制振金属板のプレ
ス、曲げ、絞り等の後加工性が劣る。特に衝撃的応力に
より、中間材物質がワレを生じたり、縮み変形時に座屈
が生じて、フランジしわを発生するなど、もっとも需要
が多く、且つ複雑なプレス成形性が要求される自動車、
家電、事務機器、金属加工機械等には適用が困難となっ
ている。
第3の問題点として、溶接性が挙げられる。
溶接性を附与させる方法として、これまで多くの提案が
なされてきた。例えば、制振金属板の中間材物質が熱可
塑性樹脂の場合は上板、下板間にバイパス回路を設け、
電圧を印加し、ジュール熱を発生させ、中間材物質を溶
融させ樹脂を排除させた後溶接させる方法、あるいは中
間材物質の粘弾性組成物に、金属材、カーボンブラック
等の粉体、センイ状の導電材を混合し、導電材料とした
後、溶接させる方法。
あるいは金属板の内側表面を凹凸形状とし、部分的に接
触させ、短絡回路を設け、溶接させる方法等である。
しかし、溶接の信頼性、安定性又は溶接部のハガレ、膨
れ変形等の問題があり、実用化までには至っていない。
これらの問題に対し、我々は中間材物質を熱硬化型の粘
弾性組成物とし、さらに導電性材料を添加する事によ
り、制振性能、後加工性、および溶接性の問題を解決出
来ると提案してきた。(特開昭60-245550、特開昭60-25
5426、特開昭63-234044) しかし、導電性を附与した、熱硬化型の粘弾性組成物を
中間材物質とした複合型制振金属板を溶接した場合、ナ
ゲット形成時に、中間材物質が燃焼し、ガスを発生し、
圧力により金属板を大きく変形してしまう現象が起こ
る。
このふくれ現象は、外観を重要視する、自動車、家電等
の部材として実用化をする場合、大きな問題となってい
る。
発明の目的 本発明の目的は、従来の制振金属板が有する上記の如き
欠点を改良した振動減衰能力およびすぐれた後加工性更
に溶接加工性を兼ね備えた制振金属板を提供することに
ある。
すなわち、本発明者らは鋭意研究を進めた結果、分子中
にポリスチレン−ゴム−ポリスチレンブロック構造を有
するポリスチレン系熱可塑性エラストマー100重量部
に対し、アクリル酸金属塩もしくはメタクリル酸金属塩
を1〜50重量部、さらにアクリル酸金属塩、メタクリ
ル酸金属塩以外の重合性単量体を25〜200重量部、
更に粘着附与剤を25〜200重量部、架橋触媒を0.1
〜10重量部、粒径150ミクロン以下の金属粉1〜5
00重量部からなる粘弾性組成物を見出し、2枚の金属
板の間にはさみ込み、中間材層の厚みが組成物に含有さ
れた金属粉の最大粒径に対し、0.9〜0.45倍の中間材層
を形成させ次いで加熱硬化し、一体化してなる複合型制
振鋼板に関する。即ちポリスチレン系熱可塑性エラスト
マーを、主体とした粘弾性組成物とする事により、溶接
時に中間材物質が受ける抵抗発熱で、スチレン相がガラ
ス転移点以上の温度で溶融、軟化する事により、中間材
物質が排除され、燃焼する物質が少なくなり、溶接部周
辺のふくれ現象を極力、おさえる事が出来る。
これにより、本発明に至ったものである。
発明の構成 本発明の要旨とするところは、(A)分子内にポリスチ
レン−ゴム−ポリスチレンのブロック構造を有し、且
つ、スチレン成分がゴム成分に対し10〜50重量パー
セントの構造のスチレン系熱可塑性エラストマーを単独
ないし、2種以上の混合物を100重量部に対し、 (B)アクリル酸金属塩もしくはメタクリル酸金属塩を
1〜50重量部と、 (C)重合性単量体で(B)成分以外の化合物を25〜
200重量部と、 (D)粘着附与剤を25〜200重量部と、 (E)硬化触媒を0.1〜10重量部と、 (F)粒径150ミクロン以下の金属粉を1〜500重
量部を含む組成物を2枚の金属板の間にはさみ込み、中
間材層の厚みを金属粉粒径の0.95〜0.4倍の厚みになる
様に形成させ、次いで中間層を硬化一体化してなる後加
工性にすぐれ且つ、溶接性を改良した、複合型制振金属
板に関するものである。
また上記粘弾性組成物として硬化前状態で粘度が温度3
0℃で剪断速度1,000sec-1の時に10,000ポイズ以下の粘
稠な性状で且つ粘着性を有し、硬化後の中間層の物性と
して10〜100℃の温度範囲において、貯蔵弾性率
(E′)が10〜5×10dyne/cm2、損失角正接
(tanδ)が0.1以上の粘弾性物性であって、且つ2枚の
金属板と中間層との接着性能が、剥離力が2kg/25mm
以上、剪断力が30kg/cm2以上の接着力のすぐれた粘
弾性組成物を中間材物質とした複合型制振金属板に関す
るものである。
次に本発明に用いる粘弾性組成物の各材料について詳細
に述べる。
本発明におけるスチレン系熱可塑性エラストマーとは、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ス
チレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エ
チレン・ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチ
レン・プロピレン−スチレン共重合体など、分子内にポ
リスチレン−ゴム−ポリスチレンのブロック構造を有
し、且つスチレン成分が10〜50重量パーセントの構
造を有するスチレン系熱可塑性エラストマーである。
特にスチレン成分の量が重要であり、スチレン成分が1
0重量パーセント以下の場合、溶接時に中間材層が軟化
溶融現象が起こりにくいため、ふくれ現象が発生し、外
観不良等の問題を生じる。また、スチレン成分が50重
量パーセント以上の場合、中間材層が硬くなり、制振性
能が低下するという問題が起こる。
また、これらのスチレン系熱可塑性エラストマーの分子
量は何ら限定されるものではなく、その使用目的あるい
は使用条件により、適宜選択して使用されるが、物理特
性を保持する目的から分子量約1000以上のものを用いる
のが好ましい。また2種以上のポリマーを混合して用い
てもよい。さらに、他のゴム状ポリマーを混合しても何
ら問題はない。
本発明に用いられるアクリル酸金属塩あるいはメタクリ
ル酸金属塩とは、亜鉛、アルミニウム、スズ、カルシウ
ム、ニッケル、コバルト、鉄、マグネシウム、鉛等の金
属酸化物とアクリル酸もしくはメタクリル酸との反応物
であって、アクリル酸亜鉛、アクリル酸アルミニウム、
アクリル酸コバルト、アクリル酸鉛、アクリル酸マグネ
シウム、アクリル酸スズ、アクリル酸カルシウム、メタ
クリル酸亜鉛、メタクリル酸アルミニウム、メタクリル
酸コバルト、メタクリル酸鉛、メタクリル酸マグネシウ
ム、メタクリル酸スズ、メタクリル酸鉄等の金属塩化合
物であり、これらの化合物は金属面に対してすぐれた接
着性を付与する。
本発明で用いられる、重合性単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン等のスチレン誘導体 アクリル酸、n−アルキルアクリレート、イソ−プロピ
ルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、t−ブチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、β−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、グリシジル アクリレー
ト、エチレングリコール ジアクリレート、アリールア
クリレート、ベンジルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル酸エ
ステル類 メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ラウリルメタクリレート、アルキルメ
タクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、プロ
ピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、
2−ビトロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アリルメタク
リレート、エチレングルコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレー
ト、メトキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エ
ステル類 また、トリアリルイソシアヌレート、酢酸ビニル、アク
リロニトリル、ビニルピリジン等があげられるが、これ
らの少なくとも1種以上が使用され、これにより振動減
衰能力や機械的物性等の幅広い範囲での設計が可能とな
る。
本発明で使用される、粘着附与剤としては、ロジン、ロ
ジン誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等
の天然樹脂系や、C,C系の脂肪族石油樹脂、芳香
族石油樹脂、脂環族石油樹脂、共重合系石油樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、アルキルフェノール樹脂、変性フェ
ノール樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂系で固体状準高
分子樹脂、あるいは、低分子スチレン樹脂、ポリアクリ
ル酸エステル、不飽和ポリエステル樹脂等の流動性準高
分子樹脂、またはフタル酸エステル、芳香族多塩基エス
テル、脂肪族二塩基酸エステル等の可塑剤およびポリブ
テン、ポリイソブチレン、パラフィン油、ナフテン油、
芳香族油等の軟化剤等があげられ、これらの少なくとも
一種以上が使用され、これによって振動減衰能力を発揮
する温度範囲を自由に設計することが可能となる。
更に本発明で使用される硬化触媒としては、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイ
ド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオ
キサイド:1,1−ビス(第3級−ブチルパーオキサイ
ド)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(第3級−ブチルパーオキサイド)−シクロヘキサン等
のパーオキシケタール:第3級−ブチルハイドロパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド:ジ−第3級−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサ
イド:アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキ
サイド:ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
ミリスチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジ
カーボネート:第3級−ブチルパーオキシアセテート、
第3級−ブチルパーオキシベンゾエート、第3級−ブチ
ルパーオキシマレイン酸、第3級−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート等のパーオキシエステルがあげ
られ、これらの硬化剤の少なくとも一種以上のパーオキ
サイドが用いられる。
また、本発明で用いられる金属粉は、鉄、アルミニウ
ム、銅、黄銅、スズ、ニッケル、ステンレススチール、
銀、亜鉛等の金属材質で、リン片状、球状、棒状、星
状、しずく状等の形態で、且つ粒径は、150μ以下の
金属粉である。特に鉄、ニッケル、ステンレススチー
ル、金属材質で且つ形状は、球状、もしくは、棒状の金
属粉が好適に用いられる。
また、金属粉の添加量は、粘弾性組成物に対し、1〜5
0重量パーセント添加する事によって、スポット溶接を
良好に行わしめることが出来る。
以上述べたきた、各材料を均一に混合する事により、常
温において、粘稠な粘弾性組成物が得られる。次いで、
各種塗工方法により、金属板基材表面に塗工膜厚みが1
50μ以下になる様に均一に塗工する。さらに他の金属
基材をはり合せて、一体化させる。一体化にあたっては
プレスによる方法もしくは金属またはゴム等の圧着ロー
ルではり合わせ加圧力により、金属粉の粒径に対し0.95
〜0.4倍の中間材層を形成させ、上板と下板の間に金属
粉を介在させ、接触させる。即ち、金属粒子により、導
通回路を形成させた後、加熱硬化させて、一体化する事
により溶接が可能な複合型制振鋼板を得る事が出来る。
また本発明に使用される粘弾性組成物には必要に応じて
重合禁止剤、硬化促進助剤、老化防止剤の添加が可能で
あり、その他充填材等を加えても何ら差支えない。
一方、本発明に用いられる2枚の金属板とは、鉄、銅、
アルミニウム、ジュラルミン、ステンレススチール等の
合金あるいは亜鉛、クロメート、リン酸亜鉛等でメッキ
された鋼板や塗装鋼板等であり、板厚としては0.1〜5.0
mm好ましくは、0.2〜3.2mmが好適に用いられる。
また、本発明の複合型制振金属板を得るために重要な事
は中間材層の厚みを制御する事にあり、導電性を附与さ
せるために添加した金属粉の粒径に対し、0.95〜0.4倍
の中間層厚みを得るには、塗工方法および圧着方法を最
適化する事である。
本発明で用いられる中間材物質の組成物は、硬化前では
常温において粘稠な物質であるため、金属板に均一に塗
工するには、ロールコーター方法、コンマコーター方
法、カーテンフローコーター方法、ダイコーター方法等
によって行う事が出来る。また、組成物を塗布した金属
板にさらに他の金属板をはり合わせ、積層するには、圧
着ロール等による方法が好ましい。圧着ロールとして
は、金属製ロール、樹脂製ロール、ゴム製ロール等であ
り、中間材物質の材料の性状によって、同一材質のロー
ルによる組合せ、または異種材質によるロールの組合せ
で行う事が出来る。特にスチレン系熱可塑性エラストマ
ーを主成分とした粘弾性組成物にする事により、ナゲッ
ト周辺の溶接ふくれ変形現象を極力、少なくする事を可
能とし、制振性および後加工性、溶接性の性能を鼎立さ
せた複合型制振金属板が得られ、本発明に至った。以下
実施例および比較例をもって説明する。
実施例を説明するにあたり、各性能評価は次の通りに行
った。
未硬化の材料粘度測定 未硬化の材料粘度はフローテスター装置(島津製作所
製)により、温度30℃剪断速度10sec-1〜5×103
sec-1においての粘度を測定した。
接着力測定 接着力測定は0.8mmの冷延鋼板あるいは亜鉛メッキ鋼板
の間に組成物をはさみ込み、温度150℃で10分間加
熱、加圧して試験片を作製した。
剪断接着力はJIS-K-6850、剥離接着力はJIS-K-6854に準
じて測定した。
粘弾性測定 粘弾性特性は150℃で10分間加熱硬化させたシート
状試験片をバイプロン試験機により、−100℃から1
50℃の温度範囲において貯蔵弾性率(E′)、損失角
正接(tanδ)を測定した。周波数100Hzのtanδの最
大値とその温度でのE′を測定した。
振動減衰性測定 振動減衰性は厚さ0.8mm、巾25mm、長さ300mmの2
枚の金属板の間に粘弾性組成物の中間層の厚みを0.05mm
に調整し、150℃で10分間、加熱、加圧の条件下で
硬化一体化させた試験片を、それぞれについてメカニカ
ルインピーダンス法を用いて振動減衰性の尺度である損
失係数(η)の周波数500Hzでの温度依存性を測定し
た。
スポット溶接性の測定 スポット溶接性評価は、厚さ0.6mmの2枚の冷延鋼板あ
るいは亜鉛メッキ鋼板の間に、組成物をはさみ込み、中
間材層の厚みが50μになるように調整した後、加熱硬
化して一体化した試験片をスポット溶接を行った。
スポット溶接は、大阪電気(株)製のスポット溶接機を
用いて、クラスAの溶接条件(具体的には直径6φの銅
電極を用いて、加圧力270kg、溶接電流9800Aで12
サイクルの条件)で1.2mm厚の銅板同志の1点スポット
溶接で複合型制振金属板同志の溶接を行った。
溶接評価の方法 ナゲットの剪断強度、およびナゲットの直径を測定 ナゲット周辺の変形度合いは第1図のごとく幅方向の
膨れの直径および高さ方向の膨れの厚みを測定 幅方向膨れ=ナゲットを中心とした幅方向膨れの直径
(Lmm) 高さ方向膨れ=高さ方向の厚み(Hmm)−基材厚み(2.
4mm) 実施例−1 ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとして、ポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合エ
ラストマー(シュル化学社製 カリフレックスTR1101)
を100重量部と重合性単量体としてメチルメタクリレ
ート(三菱レーヨン社製 アクリルエステルM)100
重量部を同一容器に入れ、一昼夜放置して膨潤させた。
その混合物に更に、アクリル酸亜鉛25重量部、粘着性
附与剤として脂環族系炭化水素樹脂(荒川化学工業社製
アルコンM-100)を100重量部、また硬化触媒とし
て、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン(日本油脂社製 パーヘキサン3
M)2.5重量部、さらに導電性材料として、粒径75μ
以下で、且つ、棒状形態の鉄粉を12.5重量部、添加し、
混練り機で混合して粘稠物の粘弾性組成物を得た。(表
1)この組成物の硬化前の性状として、材料粘度を測定
した。また組成物を加熱硬化した後の性能として、粘弾
性特性および、制振金属板とした後の振動減衰性および
接着性さらにスポット溶接を行い、溶接可否およびナゲ
ット周辺のふくれ状態を観察した。結果を表2および制
振性を第2図に示す。
比較例−1及び比較例−2 比較のため、従来多く用いられている熱可塑性樹脂を中
間材層とした制振金属板として中間材物質をエチレン−
酢酸ビニル共重合体を主成分とし、さらに粒径75μ以
下の棒状形態の鉄粉を3.7重量パーセント添加した組成
物(表1)とした制振金属板を比較例1、また熱硬化性
樹脂を中間材層とした制振金属板としてポリブタジエン
ゴムを主成分とし、他の成分は実施例1のスチレン熱可
塑性エラストマーをのぞいて、同一組成とした粘弾性組
成物(表1)を中間材物質とした制振金属板を比較例2
とした。
それらを実施例1と同一方法で測定し、結果を表2、第
2図に示す。
以上の結果から、比較例−1の熱可塑性組成物を中間材
物質とした制振金属板では、溶接特性、とくに外観性は
良好であるが、制振性能および接着強度は小さく、制振
金属板としての性能レベルは低い。
また、比較例−2で用いた熱硬化性組成物を中間材物質
とした制振金属板では制振性能および接着強度は良好で
あるが、スポット溶接性では特に高さ方向でふくれ変形
が大きく外観不良である。
一方、実施例−1で用いた熱硬化性組成物を中間材物質
とした制振金属板では、制振性能、接着強度および溶接
性の良好な複合型制振金属板が得られる。
実施例−2 ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとして、ポリスチ
レン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合エ
ラストマー(シュル化学社製 カリフレックスTR 111
1)、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレン−ポリス
チレンブロック共重合エラストマー(シュル化学社製
クレイトンG1657X)また、マレイン酸変性したポリスチ
レン−ポリエチレン/ブチレン−ポリスチレンブロック
共重合エラストマー(シュル化学社製 クレイトンFG19
01X)の3種類をそれぞれ100重量部と重合性単量体
としてメチルメタクリレート(三菱レーヨン社製 アク
リルエステルM)を60重量部とシクロヘキシルメタク
リレート(三菱レーヨン社製 アクリルエステルCH)
を60重量部を同一容器に入れ一昼夜放置して膨潤させ
た。
それぞれの混合物にさらにアクリル酸亜鉛、粘着附与
剤、硬化触媒を添加、混合して、粘稠状の組成物を得
た。さらに粒径75μ以下の棒状形態の鉄粉を組成物に
対し5重量パーセント添加して粘弾性組成物を得た。
配合内容は表−3に示す。
以上のようにして調整した組成物を実施例−1で示した
同一方法により、硬化前の組成物の性状として粘度を測
定し、硬化後の組成物の特性として粘弾性特性および制
振金属板としての制振性能、接着性能および溶接性能を
評価し、結果を表−4、第3図に示す。
実施例−3 ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとして、ポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合エ
ラストマーと、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリス
チレンブロック共重合エラストマーを各50重量部づつ
と、重合性単量体としてシクロヘキシルメタクリレート
100重量部を同一容器に入れ一昼夜放置して膨潤させ
た。
さらにアクリル酸金属塩、粘着附与剤、硬化触媒を添加
混合して、粘稠状の組成物を得た。
次いで導電性材料として、粒径70μ以下の球状の形態
のステンレススチールの粉体、およびニッケルの粉体、
さらにしずく状の形態のアルミニウムの粉体、すずの粉
体等をそれぞれ組成物に対し5重量パーセントになる様
に、添加した。(表5)。
以上のように調整した粘弾性組成物を実施例−1で示し
た条件と同一方法により、硬化前の組成物の性状として
粘度を測定し、硬化後の組成物の粘弾性特性、および制
振金属板としての制振性能、接着性能、さらに溶接性能
を評価し結果を表−6、第4図に示す。
表6の結果が示す通り、各種金属の導電材料の場合でも
良好な溶接特性を示す複合型制振鋼板を得る事が出来
る。
実施例−4 ポリスチレン系熱可塑性エラストマーとして、ポリスチ
レン−ポリイソプレン−ポリスチレン共重合エラストマ
ー50重量部、ポリスチレン・ポリブタジエン−ポリス
チレン共重合エラストマー25重量部、さらにポリブタ
ジエンゴム25重量部の3種類のポリマー成分100重
量部に対し、重合性単量体として、シクロヘキシルメタ
クリレート100重量部を同一容器に入れ一昼夜放置し
て膨潤させた。
さらに、アクリル酸金属塩、粘着附与剤、硬化触媒を添
加し、混合して、粘稠状の組成物を得た。
次いで、導電性材料として、粒径75μ以下の棒状の形
態の鉄粉を、組成物に対し、25および50重量パーセ
ントに添加混合して調整して、粘弾性組成物を得た。
(表−7) これらの組成物を実施例−1で示した方法で、硬化前の
組成物の材料粘度を測定、また硬化後の組成物の粘弾性
特性および金属板として亜鉛メッキ処理した2枚の金属
板の間に組成物をはさみ込んで作製した制振金属板で振
動減衰性および接着性さらに溶接性評価を行った。結果
を表8、第5図に示す。
表8の結果で示す通り、溶接条件が難かしいといわれて
いる亜鉛メッキ処理鋼板においても溶接特性の良好な複
合型制振金属板を得る事が出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における溶接評価方法を示す図であり、
第2〜5図は本発明の実施例2〜5それぞれにおいて得
られた制振性能の結果を示す図である。 A……上側金属板、B……下側金属板、C……中間材
層、D……ナゲット、L……ナゲットを中心とした幅方
向膨れの直径、H……高さ方向の厚み。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成分としてポリスチレン−ゴム−ポリス
    チレンブロック構造を有し、スチレン成分が10〜50
    重量パーセントから成るスチレン系熱可塑性エラストマ
    ーを100重量部に対し、 成分として、アクリル酸金属塩 もしくはメタクリル酸金属塩 1〜50部 成分として重合性単量体 25〜200部 成分として石油系粘着附与剤 25〜200部 成分として架橋反応触媒 0.1〜10部 成分として粒径150 ミクロン以下の金属粉 1〜500部 とからなる、粘弾性組成物を2枚の金属板の間にはさみ
    込み、中間材層の厚みを、組成物に含有された、金属粉
    の最大粒径に対し0.95〜0.4倍になるように形成させ、
    次いで加熱硬化して一体化する事を特徴とした複合型制
    振金属板。
  2. 【請求項2】硬化前の組成物の粘度が30℃の温度にお
    いて剪断速度1000sec-1の時、10,000ポイズ以下であ
    り、且つ粘着性を有する組成物を金属板に塗工し、次い
    で、他方の金属板を積層してなる事を特徴とした特許請
    求の範囲(1)記載の複合金属板。
  3. 【請求項3】硬化一体化の複合型制振金属板においての
    特性として、0〜100℃の温度範囲で、 (a)貯蔵弾性率(E′)が107〜5×109dyne/cm2 (b)損失角正接(tanδ)が0.1以上 (c)金属基板との剥離接着力が2kg/cm以上、 且つ、剪断接着力が30kg/cm2以上 且つ、制振鋼板の上側金属板と下側金属板が金属粒子に
    よって接触している事を特徴とした特許請求の範囲(1)
    記載の複合金属板。
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