JPH067937U - スクリーン印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 スキージ１０の刃先角度を印刷物の印刷面の
傾きに追随して変えると共に、スキージ１０の両端側の
撓みを防止し、高い印刷精度を得る。 【構成】 印刷台１３の平坦な面上に印刷物を載せ、こ
の上にスクリーン１１が張られている。このスクリーン
１１の上方に、印刷台１３の前記平坦な面と平行に案内
されるスライダー１が設けられ、このスライダー１の下
に昇降駆動部５により昇降される昇降体６が設けられて
いる。両端が各々回動自在に枢着されたリンク７を介し
てスキージ１０と昇降体６との両端側が互いに連結され
ている。スキージ１０は、これらリンク７が枢着された
支点を中心として揺動することにより、その角度を或る
程度自由に変えることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば配線パターンを回路基板上に印刷する為に、スクリーンを用 いて所定のパターンで印刷ペーストを基板上に印刷するスクリーン印刷装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

このようなスクリーン印刷装置は、平坦な面を有する印刷台の上に印刷物であ る回路基板を載せ、スクリーン枠に張られたスクリーンを前記回路基板の上に配 置する。そして、このスクリーン上に印刷ペーストを付与し、スキージの刃先で スクリーンを回路基板の印刷面に押し当てながら、このスキージを印刷台の上面 と平行に移動する。これによって、スクリーンが回路基板の印刷面に当たる位置 を変えながら、スクリーン上の印刷ペーストを展開する。この動作により、予め スクリーンに形成された所定の印刷パターンに従い、前記回路基板の表面に印刷 ペーストが印刷される。

【０００３】 従来、このようなスクリーン印刷装置に用いられているスキージは、印刷台の 上面と平行に案内されるスライダーに昇降機構を介して連結されており、回路基 板を印刷する毎に下降し、刃先でスクリーンを回路基板の印刷面に押し当てなが ら水平方向に移動し、終点で上昇してスクリーンから離れ、水平方向に移動して 初期位置に戻るという動作を繰り返す。

【０００４】 このスキージは、その刃先で薄いスクリーンを下方に押して、同スクリーンを 印刷物である回路基板の表面に完全に密着させることが必要とされる。そのため 従来では、回路基板を最初に何枚か試験的に印刷することによって、スキージの 刃先で押されたスクリーンの一部が回路基板の印刷面に完全に密着するための刃 先の角度を決定し、以後はスキージの角度を固定したまま前記のようにして動作 させて印刷を行っている。また一方では、スキージに有る程度の自由度を持たせ 、回路基板の印刷面の傾き等にスキージの刃先角度が追随して変化できるように して印刷を行なう手段も取られている。後者の場合、スキージはその中央部分が 直接または他の部材を介してスライダー側の昇降機構に揺動自在に取り付けれて いるが、前者の場合は、角度の調整が終わった後に、スキージを完全に固定でき るように固定部材が設けられている。

【０００５】

【考案が解決しようとしている課題】

しかしながら、前記従来のスクリーン印刷装置において、前者のものでは、ス キージの角度が予め固定されてしまうため、角度を調整した後に印刷される回路 基板に、例えば反りや凹凸等があって、その印刷面が最初に試験的に印刷した回 路基板と異なる傾斜を有しているような場合、印刷のカスレや印刷膜厚むら等が 生じることがある。一方、後者のものでは、印刷する回路基板の印刷面の傾斜に 応じてスキージがその角度を変えるため、前者のようなスキージの角度の問題は 起こらないが、スキージが昇降機構に１点でのみ支持される構造のため、スキー ジの剛性が不足し、両端側に撓み等が生じて、やはり印刷精度に課題を残してい る。

【０００６】 本考案は、従来のスクリーン印刷装置における前記課題に鑑み、スキージの刃 先が印刷物の印刷面の傾きに追随して角度を変えることができると共に、スキー ジの両端側の撓みが防止でき、従って、高い印刷精度が実現できるスクリーン印 刷装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案では、前記の目的を達成するため、印刷物を載せる平坦な面 を有する印刷台１３と、該印刷台１３の上に張られたスクリーン１１と、該スク リーン１１の上方に設けられ、印刷台１３の前記平坦な面と平行に案内されるス ライダー１と、該スライダー１に昇降駆動部５を介して取り付けられ、前記スク リーン１１の上面に当接される長尺板状のスキージ１０とを備えるスクリーン印 刷装置において、前記スライダー１の下に前記昇降駆動部５により昇降される昇 降体６を設け、該昇降体６と前記スキージ１０とを、少なくともそれらの両端側 で各々回動自在に枢着したリンク７を介して互いに連結したことを特徴とするス クリーン印刷装置を提供する。

【０００８】

【作用】

前記本考案によるスクリーン印刷装置では、スキージ１０の両端側がリンク７ を介して昇降体６の両端に連結されているため、スキージ１０は、これらリンク ７が枢着された支点を中心として揺動することにより、その角度を或る程度自由 に変えることができる。従って、印刷する回路基板の印刷面の傾斜に応じてスキ ージ１０の角度を変えることができる。また、スキージ１０は、少なくともその 両端側がリンク７で昇降体６に連結されているため、スキージ１０の両端部分の 撓みが起こらず、スクリーン１１をスキージ１０の刃先で印刷物の印刷面に確実 に密着させることができる。

【０００９】

【実施例】

次に、図面を参照しながら、本考案の実施例について説明する。 図１と図２に本考案の第一の実施例を示す。これらの図に示すように、印刷台 １３の平坦な上面の上に印刷物である回路基板ａが載せられる。さらに、この印 刷台１３の上には、回路基板ａの印刷面から僅かに離れて水平にスクリーン１１ が張られており、このスクリーン１１は或る程度の張力を与えられて平面が矩形 状となったのスクリーン枠１２の内側に張られている。このスクリーン１１の上 には、印刷台１３の上面から一定の高さに互いに平行な一対のガイドレール３、 ３が架設され、このガイドレール３、３にスライド自在に嵌合されたガイドブッ シュ２、２の間にスライダー１が架設されている。従って、このスライダー１は 、ガイドレール３、３と直交する状態で架設されると共に、その長手方向にスラ イドする。このスライダー１の中央には、昇降機構として、エアシリンダー等の 昇降駆動部５が設置され、この昇降駆動部５の上下方向に伸縮するプランジャー の先端が、スライダー１の下に平行に配置された長尺棒状の昇降体６の中間位置 に連結されている。さらに、この昇降体６の両端側に同昇降体６がスライダー１ と平行な状態を保持したまま昇降するようにガイドする上下ガイドバー４、４が 連結されている。

【００１０】 昇降体６の下には、下側に長尺なスキージを取り付けたスキージ支持体９が配 置され、このスキージ支持体９の両端側から上方に向けてブラケット８、８が突 設されている。このブラケット８、８にリンク７、７の一端が枢着され、このリ ンク７、７は前記枢着支点を中心として図１において左右方向に揺動自在となっ ている。さらに、このリンク７、７の他端は、前記昇降体６の両端寄りの位置に 枢着され、このリンク７、７は前記枢着支点を中心として図１において左右方向 に揺動自在となっている。この第一の実施例では、前記リンク７、７は、それら の支点の間隔が上の昇降体６側で広くなるように、逆ハ字形に連結されている。

【００１１】 このような構成から明かなように、この実施例によるスクリーン印刷装置では 、昇降駆動部５によって、その下に設けたスキージ１０が上下され、さらに、ス ライダー１のガイドレール３、３に沿う移動によって、スキージ１０が図２にお いて左右に移動する。これにより、スクリーン１１の上に印刷ペースト（図示せ ず）を付与した後、スキージ１０の下端刃先をスクリーン１１に押し当て、スク リーン１１を回路基板ａの印刷面に密着させて、この状態でスキージ１０を図２ において左方向に移動させ、回路基板ａの印刷面への印刷を行なう。その後、ス キージ１０を上昇させて、その下端刃先をスクリーン１１から離した後、スキー ジ１０を原位置に戻すという動作が行なわれる。この際、スキージ１０の両端側 がリンク７、７を介して昇降体６の両端に連結されているため、スキージ１０は 、これらリンク７、７が枢着された支点を中心として揺動することにより、スキ ージ１０はその角度を或る程度自由に変えることができる。従って、印刷する回 路基板ａの印刷面の傾斜に応じてスキージ１０の角度を変えることができるため 、スクリーン１１を回路基板ａの印刷面に完全に密着させることができる。また 、リンク７、７がスキージ１０の両端を支持することにより、スキージ１０の両 端の撓みが防止される。

【００１２】 次に、図３に示した第二の実施例について説明すると、この実施例では、前記 リンク７、７の支点の間隔が上の昇降体６側で狭くなるように、リンク７、７が ハ字形に連結されている。また、この外側に昇降体６とスキージ支持体９の両端 を直接連結するリンク１４、１４が設けられている。このリンク１４、１４は、 その両端側が昇降体６とスキージ支持体９とに各々回動自在に枢着されているが 、特にスキージ支持体９側では、蝶ナット１５、１５により固定することができ るようになっている。従って、この蝶ナット１５、１５を緩めておけばて、前述 のようなリンク７、７の働きにより、スキージ１０の角度が変化するが、蝶ナッ ト１５、１５を締め付けて、リンク１４、１４をスキージ支持体９に固定すれば 、リンク７、７の動作を停止させて、スキージ１０の角度が変わらないよう固定 することができる。印刷する回路基板の印刷面の状態に合わせて何れか適当な使 用形態を選択することができる。

【００１３】 さらに、図４に示した実施例では、リンク７とスキージ支持体９のブラケット ８との間に弦巻バネ１７を係装し、リンクが支点１８を中心として図４において 半時計方向に回動する方向に前記弦巻バネ１７の弾力を付勢している。このよう な弦巻バネ１７は、図示してないが、他方のリンク７側にも対称に取り付けられ ている。従って、スキージ１０は、双方の弦巻バネ１７の弾力が釣り合う角度で 安定し、その角度が変わるときは、この双方の弦巻バネ１７の弾力の均衡に抗し て角度が変わる。そして、角度を変えようとする力が取り除かれれば、再び双方 の弦巻バネ１７の弾力が釣り合う状態に復帰する。このため、スキージ１０の動 きに節度が得られる。 なお、前記の実施例では、スキージ支持体９の両端を一対のリンク７、７で昇 降体６に連結したが、スキージ１０が長い場合は、リンクをスキージ支持体９の 中間部に１つ以上挿入してもよいことはもちろんである。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案によれば、スキージの刃先が印刷物の印刷面の傾き に追随して角度を変えることができると共に、スキージの両端側の撓みが防止で きるため、高い印刷精度が実現できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一の実施例を示すスクリーン印刷装
置の要部正面図である。

【図２】同実施例を示すスクリーン印刷装置の要部側面
図である。

【図３】本考案の第二の実施例を示すスクリーン印刷装
置の要部正面図である。

【図４】本考案の第三の実施例を示すスクリーン印刷装
置のリンク部分の拡大要部正面図である。

【符号の説明】

１ スライダー ５ 昇降機構 ６ 昇降体 ７ リンク １０ スキージ １１ スクリーン １３ 印刷台

Claims (1)

【整理番号】 ００４０１９２−０１ 【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷物を載せる平坦な面を有する印刷台
   （１３）と、該印刷台（１３）の上に張られたスクリー
   ン（１１）と、該スクリーン（１１）の上方に設けら
   れ、印刷台（１３）の前記平坦な面と平行に案内される
   スライダー（１）と、該スライダー（１）に昇降駆動部
   （５）を介して取り付けられ、前記スクリーン（１１）
   の上面に当接される長尺板状のスキージ（１０）とを備
   えるスクリーン印刷装置において、前記スライダー
   （１）の下に前記昇降駆動部（５）により昇降される昇
   降体（６）を設け、該昇降体（６）と前記スキージ（１
   ０）とを、少なくともそれらの両端側で各々回動自在に
   枢着したリンク（７）を介して互いに連結したことを特
   徴とするスクリーン印刷装置。