JPH0679333A - H形鋼の冷却方法およびその装置ならびにその圧延機列 - Google Patents
H形鋼の冷却方法およびその装置ならびにその圧延機列Info
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- JPH0679333A JPH0679333A JP23183592A JP23183592A JPH0679333A JP H0679333 A JPH0679333 A JP H0679333A JP 23183592 A JP23183592 A JP 23183592A JP 23183592 A JP23183592 A JP 23183592A JP H0679333 A JPH0679333 A JP H0679333A
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- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B45/00—Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
- B21B45/02—Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
- B21B45/0203—Cooling
- B21B45/0209—Cooling devices, e.g. using gaseous coolants
- B21B45/0215—Cooling devices, e.g. using gaseous coolants using liquid coolants, e.g. for sections, for tubes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 内部応力が小さく、断面形状の不良や反りの
少ないH形鋼を製造することができる冷却方法や装置を
提供する。 【構成】 少なくとも粗ユニバーサルミル4とエッジャ
ミル5からなる粗ユニバーサルミル群6および仕上ユニ
バーサルミル7からなるH形鋼の圧延機列において、粗
ユニバーサルミル群6と仕上ユニバーサルミル7の間に
少なくとも2基のフランジ内外面を冷却するノズルを多
段に配置した冷却装置10a, 10bを、また仕上ユニバー
サルミル7の後面に少なくとも1基のフランジ内外面を
冷却するノズルを多段に配置した冷却装置10cをそれぞ
れ設けて構成することにより、H形鋼の目標とする冷却
特性や表面温度を得ることを可能とする。
少ないH形鋼を製造することができる冷却方法や装置を
提供する。 【構成】 少なくとも粗ユニバーサルミル4とエッジャ
ミル5からなる粗ユニバーサルミル群6および仕上ユニ
バーサルミル7からなるH形鋼の圧延機列において、粗
ユニバーサルミル群6と仕上ユニバーサルミル7の間に
少なくとも2基のフランジ内外面を冷却するノズルを多
段に配置した冷却装置10a, 10bを、また仕上ユニバー
サルミル7の後面に少なくとも1基のフランジ内外面を
冷却するノズルを多段に配置した冷却装置10cをそれぞ
れ設けて構成することにより、H形鋼の目標とする冷却
特性や表面温度を得ることを可能とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延の過程におけ
るH形鋼の冷却方法およびその装置ならびにその圧延機
列に関する。
るH形鋼の冷却方法およびその装置ならびにその圧延機
列に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱間圧延で成形されるH形鋼
は、図8に示すような工程を経て製造される。すなわ
ち、加熱炉2で加熱された圧延素材1は、上下一対の水
平ロールからなるブレークダウンミル3、上下一対の水
平ロールと左右一対の垂直ロールを同一スタンドに組み
込んだ粗ユニバーサルミル4と上下一対の水平ロールか
らなるエッジャミル5からなる粗ユニバーサルミル群
6、および上下一対の水平ロールと左右一対の垂直ロー
ルを同一スタンドに組み込んだ仕上ユニバーサルミル7
で順次圧延成形されて、所定の寸法,形状を有するH形
鋼1Aに仕上げられる。
は、図8に示すような工程を経て製造される。すなわ
ち、加熱炉2で加熱された圧延素材1は、上下一対の水
平ロールからなるブレークダウンミル3、上下一対の水
平ロールと左右一対の垂直ロールを同一スタンドに組み
込んだ粗ユニバーサルミル4と上下一対の水平ロールか
らなるエッジャミル5からなる粗ユニバーサルミル群
6、および上下一対の水平ロールと左右一対の垂直ロー
ルを同一スタンドに組み込んだ仕上ユニバーサルミル7
で順次圧延成形されて、所定の寸法,形状を有するH形
鋼1Aに仕上げられる。
【0003】この熱間圧延過程において、H形鋼1Aは
図9に示すように、フランジ1fとウエブ1wの温度差
により、冷却過程においてフランジ1f部に引張応力
S、ウエブ1wにおいて圧縮応力Cの内部応力(熱応
力)が蓄積され、特にウエブ1wの圧縮応力Cが大き
く、この応力が座屈限界応力を超えることによりウエブ
波が発生することがよく知られている。
図9に示すように、フランジ1fとウエブ1wの温度差
により、冷却過程においてフランジ1f部に引張応力
S、ウエブ1wにおいて圧縮応力Cの内部応力(熱応
力)が蓄積され、特にウエブ1wの圧縮応力Cが大き
く、この応力が座屈限界応力を超えることによりウエブ
波が発生することがよく知られている。
【0004】近年、H形鋼の製品が、図10に示すような
建築構造物の柱部材7や梁部材8として多く用いられ、
特に、梁部材8は荷重Wに対するH形鋼の剛性を有効に
活用するため、I形状として用いられるので、フランジ
1f部の板厚がウエブ1wに比して大きくなる。たとえ
ばJIS製品のH600 ×300 シリーズでの板厚比、すな
わちフランジ厚/ウエブ厚が1.4 〜1.7 となっている。
建築構造物の柱部材7や梁部材8として多く用いられ、
特に、梁部材8は荷重Wに対するH形鋼の剛性を有効に
活用するため、I形状として用いられるので、フランジ
1f部の板厚がウエブ1wに比して大きくなる。たとえ
ばJIS製品のH600 ×300 シリーズでの板厚比、すな
わちフランジ厚/ウエブ厚が1.4 〜1.7 となっている。
【0005】特に近年高断面性能H形鋼として軽量でか
つ断面性能を高くするため、ウエブ板厚を薄くし、フラ
ンジ板厚を厚くした薄肉ウエブH形鋼では、フランジと
ウエブの板厚比が3.0 程度のものがある。したがって、
通常の熱間圧延と自然冷却の状態では、この板厚の違い
によりフランジとウエブの冷却速度が異なって温度差が
生じて上記した内部応力が発生し、ウエブバックリング
現象が発生する。
つ断面性能を高くするため、ウエブ板厚を薄くし、フラ
ンジ板厚を厚くした薄肉ウエブH形鋼では、フランジと
ウエブの板厚比が3.0 程度のものがある。したがって、
通常の熱間圧延と自然冷却の状態では、この板厚の違い
によりフランジとウエブの冷却速度が異なって温度差が
生じて上記した内部応力が発生し、ウエブバックリング
現象が発生する。
【0006】この内部応力の発生を防止するためには、
フランジとウエブの冷却時の温度差を小さくする必要が
ある。そこで、そのための手段として、フランジを水
冷する、ウエブを加熱する、前記とを併用す
る、の3つのケースが考えられるが、設備費やランニン
グコスト、あるいは温度制御技術の容易さや製造コスト
などの点より、一般にはH形状で圧延中にフランジ外面
のみを水冷する方式が採用されている。
フランジとウエブの冷却時の温度差を小さくする必要が
ある。そこで、そのための手段として、フランジを水
冷する、ウエブを加熱する、前記とを併用す
る、の3つのケースが考えられるが、設備費やランニン
グコスト、あるいは温度制御技術の容易さや製造コスト
などの点より、一般にはH形状で圧延中にフランジ外面
のみを水冷する方式が採用されている。
【0007】このようなH形鋼の冷却手段としては、た
とえば、特開昭49− 43810号公報に開示されているよう
な、H形鋼のフランジ外面に斜めに冷却水を噴射する装
置とか、あるいは特開昭60−221524号公報に開示されて
いるような、移動可能な複数の冷却水ノズルをH形鋼の
形状,寸法変化に応じてガイド移動調整を可能としたフ
ランジ外面の冷却装置、さらには特開平2− 92413号公
報のようなフランジ外面を強制的に冷却する方法などが
多く提案されている。
とえば、特開昭49− 43810号公報に開示されているよう
な、H形鋼のフランジ外面に斜めに冷却水を噴射する装
置とか、あるいは特開昭60−221524号公報に開示されて
いるような、移動可能な複数の冷却水ノズルをH形鋼の
形状,寸法変化に応じてガイド移動調整を可能としたフ
ランジ外面の冷却装置、さらには特開平2− 92413号公
報のようなフランジ外面を強制的に冷却する方法などが
多く提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来例では、いずれもフランジ外面からのみの
冷却であり、不均一冷却によるフランジの反りや強冷に
よる材質劣化の観点より冷却能に限界があり、フランジ
とウエブの板厚比の大きいものではフランジ部全体が十
分冷却し切れなかったり、フランジとウエブの付け根部
の冷却が不十分であったりして、内部応力が残ったり、
あるいは断面形状不良特に直角度や反りが発生する。
たような従来例では、いずれもフランジ外面からのみの
冷却であり、不均一冷却によるフランジの反りや強冷に
よる材質劣化の観点より冷却能に限界があり、フランジ
とウエブの板厚比の大きいものではフランジ部全体が十
分冷却し切れなかったり、フランジとウエブの付け根部
の冷却が不十分であったりして、内部応力が残ったり、
あるいは断面形状不良特に直角度や反りが発生する。
【0009】すなわち、粗ユニバーサルミル4とエッジ
ャミル5の粗ユニバーサルミル群で圧延成形されたH形
鋼1Aの温度分布は、たとえば図11に示すように、フラ
ンジ1fの幅方向1/4 付近とウエブ1wの中央部では12
0 〜200 ℃程度の温度差があり、かつフランジ幅方向で
100 ℃以上の温度差を有している。これを従来例のフラ
ンジ外面からの水冷装置で、フランジの反りや断面形状
不良や材質劣化が発生しない程度の熱伝達係数α(たと
えばα≦600 〜1000kcal/m2h℃)で冷却しても、フラン
ジ厚/ウエブ厚の板厚比βの大きいもの(たとえばβ≧
2.0 )では、限られた水冷装置の長さの範囲においては
十分温度差が解消されず、内部応力が残って冷却後に変
形したりウエブ部を切断したとき、曲がりや反りが発生
することになる。
ャミル5の粗ユニバーサルミル群で圧延成形されたH形
鋼1Aの温度分布は、たとえば図11に示すように、フラ
ンジ1fの幅方向1/4 付近とウエブ1wの中央部では12
0 〜200 ℃程度の温度差があり、かつフランジ幅方向で
100 ℃以上の温度差を有している。これを従来例のフラ
ンジ外面からの水冷装置で、フランジの反りや断面形状
不良や材質劣化が発生しない程度の熱伝達係数α(たと
えばα≦600 〜1000kcal/m2h℃)で冷却しても、フラン
ジ厚/ウエブ厚の板厚比βの大きいもの(たとえばβ≧
2.0 )では、限られた水冷装置の長さの範囲においては
十分温度差が解消されず、内部応力が残って冷却後に変
形したりウエブ部を切断したとき、曲がりや反りが発生
することになる。
【0010】本発明は、上記のような課題を解消するべ
くなされたものであって、フランジ外面,内面およびウ
エブとフランジの付け根部のR部を多段ノズルで水冷お
よびミスト冷却し、かつ各ノズルの流量を段毎に分割さ
れ、各々独立して流量制御可能としたヘッダ単位でH形
鋼の温度に応じて冷却能をコントロールするため、流量
制御することにより、H形鋼の圧延材全長のフランジと
ウエブの温度差を無くするとともに、フランジ幅方向を
一定温度とする冷却方法およびその装置ならびにその圧
延機列を提供することを目的とする。
くなされたものであって、フランジ外面,内面およびウ
エブとフランジの付け根部のR部を多段ノズルで水冷お
よびミスト冷却し、かつ各ノズルの流量を段毎に分割さ
れ、各々独立して流量制御可能としたヘッダ単位でH形
鋼の温度に応じて冷却能をコントロールするため、流量
制御することにより、H形鋼の圧延材全長のフランジと
ウエブの温度差を無くするとともに、フランジ幅方向を
一定温度とする冷却方法およびその装置ならびにその圧
延機列を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
H形鋼を熱間圧延にて成形する製造プロセスにおける冷
却方法であって、前記H形鋼のフランジ面およびウエブ
面の温度を測定する工程と、この測定された温度分布に
応じて水量密度と熱伝達係数の関係を用いて冷却水量を
決定する工程と、この決定された冷却水量を用いてフラ
ンジ外面を水スプレイで冷却するとともにフランジ内面
を水と空気を混合したミストスプレイで冷却する工程と
からなることを特徴とするH形鋼の冷却方法である。
H形鋼を熱間圧延にて成形する製造プロセスにおける冷
却方法であって、前記H形鋼のフランジ面およびウエブ
面の温度を測定する工程と、この測定された温度分布に
応じて水量密度と熱伝達係数の関係を用いて冷却水量を
決定する工程と、この決定された冷却水量を用いてフラ
ンジ外面を水スプレイで冷却するとともにフランジ内面
を水と空気を混合したミストスプレイで冷却する工程と
からなることを特徴とするH形鋼の冷却方法である。
【0012】また、本発明の第2の態様は、H形鋼を熱
間圧延にて成形する製造プロセスに用いられる冷却装置
であって、前記H形鋼のフランジの外面を水スプレイで
冷却する冷却ヘッダがフランジ幅方向に多段に分割さ
れ、任意の冷却能に制御できる複数のフランジ外面冷却
ノズルと、前記フランジの内面を空気と水を混合したミ
ストスプレイで冷却する冷却ヘッダがフランジ幅方向に
多段に分割され、任意の冷却能に制御できる複数のフラ
ンジ内面冷却ノズルと、前記H形鋼のウエブ面を水切り
する水切ノズルと、から構成されたことを特徴とするH
形鋼の冷却装置である。
間圧延にて成形する製造プロセスに用いられる冷却装置
であって、前記H形鋼のフランジの外面を水スプレイで
冷却する冷却ヘッダがフランジ幅方向に多段に分割さ
れ、任意の冷却能に制御できる複数のフランジ外面冷却
ノズルと、前記フランジの内面を空気と水を混合したミ
ストスプレイで冷却する冷却ヘッダがフランジ幅方向に
多段に分割され、任意の冷却能に制御できる複数のフラ
ンジ内面冷却ノズルと、前記H形鋼のウエブ面を水切り
する水切ノズルと、から構成されたことを特徴とするH
形鋼の冷却装置である。
【0013】さらに本発明の第3の態様は、少なくとも
上下一対の水平ロールと左右一対の垂直ロールを同一ス
タンドに組み込んだ粗ユニバーサルミルと上下一対の水
平ロールを備えたエッジャミルからなる粗ユニバーサル
ミル群および上下一対の水平ロールと左右一対の垂直ロ
ールを同一スタンドに組み込んだ仕上ユニバーサルミル
からなるH形鋼の圧延機列であって、前記請求項2記載
の冷却装置を前記粗ユニバーサルミル群と仕上ユニバー
サルミルの間に少なくとも2基が、また仕上ユニバーサ
ルミルの後面に少なくとも1基が設けられ、かつそれら
の前後面に温度検出器がそれぞれ取付けられてなること
を特徴とするH形鋼の圧延機列である。
上下一対の水平ロールと左右一対の垂直ロールを同一ス
タンドに組み込んだ粗ユニバーサルミルと上下一対の水
平ロールを備えたエッジャミルからなる粗ユニバーサル
ミル群および上下一対の水平ロールと左右一対の垂直ロ
ールを同一スタンドに組み込んだ仕上ユニバーサルミル
からなるH形鋼の圧延機列であって、前記請求項2記載
の冷却装置を前記粗ユニバーサルミル群と仕上ユニバー
サルミルの間に少なくとも2基が、また仕上ユニバーサ
ルミルの後面に少なくとも1基が設けられ、かつそれら
の前後面に温度検出器がそれぞれ取付けられてなること
を特徴とするH形鋼の圧延機列である。
【0014】
【作 用】本発明の構成について説明すると、図1に示
すように、粗ユニバーサルミル群6と仕上ユニバーサル
ミル7の間および仕上ユニバーサルミル7の後面にフラ
ンジ内外面を水冷する冷却装置10a, 10b, 10cが設け
られ、これら冷却装置10a〜10c間には板厚断面内温度
を均一化するための空冷ゾーン11a,11bが適宜設けら
れる。また、各冷却装置の前後面にはそれぞれウエブ
面, フランジ面の温度を少なくとも1点検出する温度検
出器12a,12b,12c,12d,12e,12fが取付けられ
る。
すように、粗ユニバーサルミル群6と仕上ユニバーサル
ミル7の間および仕上ユニバーサルミル7の後面にフラ
ンジ内外面を水冷する冷却装置10a, 10b, 10cが設け
られ、これら冷却装置10a〜10c間には板厚断面内温度
を均一化するための空冷ゾーン11a,11bが適宜設けら
れる。また、各冷却装置の前後面にはそれぞれウエブ
面, フランジ面の温度を少なくとも1点検出する温度検
出器12a,12b,12c,12d,12e,12fが取付けられ
る。
【0015】ここで、上記した冷却装置10a〜10cはそ
れぞれ、図2に示すように、フランジ1fを外面から水
スプレイで冷却する冷却ヘッダがフランジ幅方向に多段
に分割され、任意の冷却能に制御できる複数のフランジ
外面冷却ノズル13a,13b,13c,13d,13eと、フラ
ンジ1fの内面を空気と水を混合したミストスプレイで
冷却する冷却ヘッダがフランジ幅方向に多段に分割さ
れ、任意の冷却能に制御できる複数のフランジ内面冷却
ノズル14a,14b,14c,14dと、水切ノズル15とから
構成される。
れぞれ、図2に示すように、フランジ1fを外面から水
スプレイで冷却する冷却ヘッダがフランジ幅方向に多段
に分割され、任意の冷却能に制御できる複数のフランジ
外面冷却ノズル13a,13b,13c,13d,13eと、フラ
ンジ1fの内面を空気と水を混合したミストスプレイで
冷却する冷却ヘッダがフランジ幅方向に多段に分割さ
れ、任意の冷却能に制御できる複数のフランジ内面冷却
ノズル14a,14b,14c,14dと、水切ノズル15とから
構成される。
【0016】このように構成することにより、水切ノズ
ル15を用いてウエブ1w部へ流れ込む冷却水を抑制する
ことができるからウエブ1w部を冷却することがなく、
またフランジ内面冷却ノズル14a〜14dによってフラン
ジ1fとウエブ1wの付け根1rのR部の冷却を強化す
ることができる。以下に冷却制御の手順について説明す
る。 各冷却装置10a〜10cの前後面におけるH形鋼1A
のフランジ部およびウエブ部の温度を温度検出器12a〜
12fで測定する。 前段の冷却装置10a,10bにおいて、測定された温
度分布に応じて、水量密度(l/m2min)と熱伝達係数α
(kcal/m2h℃)の関係を用いて水量を決定する。ここ
で、水スプレイを用いるフランジ外面冷却ノズル13a〜
13eの場合は、たとえば図3(出典は、日本鉄鋼協会発
行の「鋼材の強制冷却(P.15)」参照)に示す特性図を
用いて水量を決定することができ、またミストスプレイ
を用いるフランジ内面冷却ノズル14a〜14dの場合は図
4(出典は、同上「鋼材の強制冷却(P.56)」参照)に
示す特性図を用いて決定することができる。 ついで、図5に示すように、フランジ外面冷却ノズ
ル13a〜13eの熱伝達係数αをたとえばαo1,αo2,α
o3に、またフランジ内面冷却ノズル14a〜14dのを
αi1,αi2とそれぞれ個別に変更して、少なくとも仕上
ユニバーサルミル6前面でフランジ1f内およびフラン
ジ1fとウエブ1wの温度を均一にするか温度差を50℃
以内にするように、冷却装置10a, 10bを調整する。な
お、ウエブまたはフランジの温度の低い方を仕上ユニバ
ーサルミルの入側で700 〜720 ℃程度に収めるようにし
てもよい。 さらに、仕上ユニバーサルミルの後面の冷却装置10
cにおいて、その出側で550 〜600 ℃になるように緩冷
却を行い、以後空冷をする。これによって、内部応力が
小さく、変形の少ないH形鋼製品ができる。
ル15を用いてウエブ1w部へ流れ込む冷却水を抑制する
ことができるからウエブ1w部を冷却することがなく、
またフランジ内面冷却ノズル14a〜14dによってフラン
ジ1fとウエブ1wの付け根1rのR部の冷却を強化す
ることができる。以下に冷却制御の手順について説明す
る。 各冷却装置10a〜10cの前後面におけるH形鋼1A
のフランジ部およびウエブ部の温度を温度検出器12a〜
12fで測定する。 前段の冷却装置10a,10bにおいて、測定された温
度分布に応じて、水量密度(l/m2min)と熱伝達係数α
(kcal/m2h℃)の関係を用いて水量を決定する。ここ
で、水スプレイを用いるフランジ外面冷却ノズル13a〜
13eの場合は、たとえば図3(出典は、日本鉄鋼協会発
行の「鋼材の強制冷却(P.15)」参照)に示す特性図を
用いて水量を決定することができ、またミストスプレイ
を用いるフランジ内面冷却ノズル14a〜14dの場合は図
4(出典は、同上「鋼材の強制冷却(P.56)」参照)に
示す特性図を用いて決定することができる。 ついで、図5に示すように、フランジ外面冷却ノズ
ル13a〜13eの熱伝達係数αをたとえばαo1,αo2,α
o3に、またフランジ内面冷却ノズル14a〜14dのを
αi1,αi2とそれぞれ個別に変更して、少なくとも仕上
ユニバーサルミル6前面でフランジ1f内およびフラン
ジ1fとウエブ1wの温度を均一にするか温度差を50℃
以内にするように、冷却装置10a, 10bを調整する。な
お、ウエブまたはフランジの温度の低い方を仕上ユニバ
ーサルミルの入側で700 〜720 ℃程度に収めるようにし
てもよい。 さらに、仕上ユニバーサルミルの後面の冷却装置10
cにおいて、その出側で550 〜600 ℃になるように緩冷
却を行い、以後空冷をする。これによって、内部応力が
小さく、変形の少ないH形鋼製品ができる。
【0017】なお、冷却式は下記数1の(1) , (2) 式に
よる。
よる。
【0018】
【数1】
【0019】
【実施例】本発明の冷却装置を用いて、サイズがH700
×300 ×9×19のH形鋼の冷却制御を行った際の実施例
について、以下に具体的に説明する。H形鋼を冷却する
ために、前出図1に示したように粗ユニバーサルミル群
6と仕上ユニバーサルミル7との間に冷却装置10a,10
bの2基を、また仕上ユニバーサルミル7の後面に冷却
装置10cの1基の計3基を設置し、それぞれの前後面に
温度検出器12a〜12fを取付けてフランジおよびウエブ
の表面温度を1点ずつ測定した。
×300 ×9×19のH形鋼の冷却制御を行った際の実施例
について、以下に具体的に説明する。H形鋼を冷却する
ために、前出図1に示したように粗ユニバーサルミル群
6と仕上ユニバーサルミル7との間に冷却装置10a,10
bの2基を、また仕上ユニバーサルミル7の後面に冷却
装置10cの1基の計3基を設置し、それぞれの前後面に
温度検出器12a〜12fを取付けてフランジおよびウエブ
の表面温度を1点ずつ測定した。
【0020】ここで、冷却装置10a,10bの2基につい
ては、図6に示す冷却曲線を用いてH形鋼を冷却し、仕
上ユニバーサルミルの入側で700 〜720 ℃になるように
制御した。なお、図における位置Aは粗ユニバーサルミ
ル群6の出側に相当し、位置Eは仕上ユニバーサルミル
7の入側に相当する。これら冷却装置10a,10bにおい
ては、フランジ外面冷却ノズル13a〜13eから水スプレ
イを噴射して熱伝達係数αを600 〜1200kcal/m2h℃に制
御し、またフランジ内面冷却ノズル14a〜14dからは水
と空気を混合したミストスプレイを噴射して熱伝達係数
αを400 〜700kcal/m2h ℃の範囲でサイズ, 板厚比毎に
与えられた冷却曲線に合うように制御し、さらにウエブ
1w部の冷却がフランジ1f内面を冷却したミストの流
下水やはね返り水で促進するのを防ぐために水切ノズル
15からエアスプレイすることにより水切りを行って、所
要の冷却速度に制御するようにした。このときの位置
A,C,EにおけるH形鋼の断面内の温度変化の推移の
結果を図7に示した。その後、さらに、ユニバーサルミ
ルの後面の冷却装置10cで緩冷却して、その出側でのフ
ランジ外面温度を550 〜600 ℃に制御した。その結果、
内部応力の小さいかつ変形の少ないH形鋼製品を製造す
ることができた。
ては、図6に示す冷却曲線を用いてH形鋼を冷却し、仕
上ユニバーサルミルの入側で700 〜720 ℃になるように
制御した。なお、図における位置Aは粗ユニバーサルミ
ル群6の出側に相当し、位置Eは仕上ユニバーサルミル
7の入側に相当する。これら冷却装置10a,10bにおい
ては、フランジ外面冷却ノズル13a〜13eから水スプレ
イを噴射して熱伝達係数αを600 〜1200kcal/m2h℃に制
御し、またフランジ内面冷却ノズル14a〜14dからは水
と空気を混合したミストスプレイを噴射して熱伝達係数
αを400 〜700kcal/m2h ℃の範囲でサイズ, 板厚比毎に
与えられた冷却曲線に合うように制御し、さらにウエブ
1w部の冷却がフランジ1f内面を冷却したミストの流
下水やはね返り水で促進するのを防ぐために水切ノズル
15からエアスプレイすることにより水切りを行って、所
要の冷却速度に制御するようにした。このときの位置
A,C,EにおけるH形鋼の断面内の温度変化の推移の
結果を図7に示した。その後、さらに、ユニバーサルミ
ルの後面の冷却装置10cで緩冷却して、その出側でのフ
ランジ外面温度を550 〜600 ℃に制御した。その結果、
内部応力の小さいかつ変形の少ないH形鋼製品を製造す
ることができた。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フランジ外面の温度分布やH形鋼のサイズ,板厚比に応
じてフランジ幅方向の冷却能すなわち熱伝達係数αを任
意に選定して設定することにより、目標とする冷却特性
や温度を得ることができ、これによって内部応力が小さ
く、断面形状の不良や反りの少ないH形鋼を製造するこ
とができる。
フランジ外面の温度分布やH形鋼のサイズ,板厚比に応
じてフランジ幅方向の冷却能すなわち熱伝達係数αを任
意に選定して設定することにより、目標とする冷却特性
や温度を得ることができ、これによって内部応力が小さ
く、断面形状の不良や反りの少ないH形鋼を製造するこ
とができる。
【図1】本発明の冷却装置の配列を示す平面図である。
【図2】本発明の冷却装置の構成の説明図である。
【図3】水スプレイを用いる場合の表面温度と熱伝達係
数の関係の一例を示す特性図である。
数の関係の一例を示す特性図である。
【図4】ミストスプレイを用いる場合の表面温度と熱伝
達係数の関係の一例を示す特性図である。
達係数の関係の一例を示す特性図である。
【図5】フランジ内外面の冷却能分布例の説明図であ
る。
る。
【図6】冷却曲線の一例を示す特性図である。
【図7】本発明の冷却装置を用いて冷却したときの温度
分布の一例を示す特性図である。
分布の一例を示す特性図である。
【図8】H形鋼圧延における従来の配列を示す平面図で
ある。
ある。
【図9】H形鋼の冷却後の残留応力分布例の説明図であ
る。
る。
【図10】H形鋼の使用例を示す斜視図である。
【図11】粗ユニバーサルミル群出側でのH形鋼の断面内
温度分布例の説明図である。
温度分布例の説明図である。
1 圧延素材 1A H形鋼 1f フランジ 1w ウエブ 1r 付け根部 2 加熱炉 3 ブレークダウンミル 4 粗ユニバーサルミル 5 エッジャミル 6 粗ユニバーサルミル群 7 仕上ユニバーサルミル 10 冷却装置 11 空冷ゾーン 12 温度検出器 13 フランジ外面冷却ノズル 14 フランジ内面冷却ノズル 15 水切ノズル
Claims (3)
- 【請求項1】 H形鋼を熱間圧延にて成形する製造プ
ロセスにおける冷却方法であって、前記H形鋼のフラン
ジ面およびウエブ面の温度を測定する工程と、この測定
された温度分布に応じて水量密度と熱伝達係数の関係を
用いて冷却水量を決定する工程と、この決定された冷却
水量を用いてフランジ外面を水スプレイで冷却するとと
もにフランジ内面を水と空気を混合したミストスプレイ
で冷却する工程とからなることを特徴とするH形鋼の冷
却方法。 - 【請求項2】 H形鋼を熱間圧延にて成形する製造プ
ロセスに用いられる冷却装置であって、前記H形鋼のフ
ランジの外面を水スプレイで冷却する冷却ヘッダがフラ
ンジ幅方向に多段に分割され、任意の冷却能に制御でき
る複数のフランジ外面冷却ノズルと、前記フランジの内
面を空気と水を混合したミストスプレイで冷却する冷却
ヘッダがフランジ幅方向に多段に分割され、任意の冷却
能に制御できる複数のフランジ内面冷却ノズルと、前記
H形鋼のウエブ面を水切りする水切ノズルと、から構成
されたことを特徴とするH形鋼の冷却装置。 - 【請求項3】 少なくとも上下一対の水平ロールと左
右一対の垂直ロールを同一スタンドに組み込んだ粗ユニ
バーサルミルと上下一対の水平ロールを備えたエッジャ
ミルからなる粗ユニバーサルミル群および上下一対の水
平ロールと左右一対の垂直ロールを同一スタンドに組み
込んだ仕上ユニバーサルミルからなるH形鋼の圧延機列
であって、前記請求項2記載の冷却装置を前記粗ユニバ
ーサルミル群と仕上ユニバーサルミルの間に少なくとも
2基が、また仕上ユニバーサルミルの後面に少なくとも
1基が設けられ、かつそれらの前後面に温度検出器がそ
れぞれ取付けられてなることを特徴とするH形鋼の圧延
機列。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23183592A JPH0679333A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | H形鋼の冷却方法およびその装置ならびにその圧延機列 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23183592A JPH0679333A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | H形鋼の冷却方法およびその装置ならびにその圧延機列 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0679333A true JPH0679333A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=16929762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23183592A Pending JPH0679333A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | H形鋼の冷却方法およびその装置ならびにその圧延機列 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0679333A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0819812A (ja) * | 1994-07-05 | 1996-01-23 | Kawasaki Steel Corp | H形鋼のオンライン冷却方法および装置 |
WO2009094848A1 (fr) * | 2007-12-29 | 2009-08-06 | Laiwu Steel Group Co., Ltd | Acier profilé utilisé pour un rail de train à suspension magnétique et procédés de laminage |
KR101355769B1 (ko) * | 2012-01-31 | 2014-01-28 | 현대제철 주식회사 | 가속 냉각이 가능한 열간 압연설비 |
JP2015066554A (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-13 | Jfeスチール株式会社 | レールの製造装置 |
JP2016159353A (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-05 | 株式会社神戸製鋼所 | 厚鋼板冷却方法及び厚鋼板冷却装置 |
JP2021154365A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | Jfeスチール株式会社 | H形鋼の製造方法 |
-
1992
- 1992-08-31 JP JP23183592A patent/JPH0679333A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0819812A (ja) * | 1994-07-05 | 1996-01-23 | Kawasaki Steel Corp | H形鋼のオンライン冷却方法および装置 |
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JP2021154365A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | Jfeスチール株式会社 | H形鋼の製造方法 |
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