JPH0678834A - 片側ロック式リクライニングシート及びその緊急ロック式ヒンジ装置 - Google Patents

片側ロック式リクライニングシート及びその緊急ロック式ヒンジ装置

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JPH0678834A
JPH0678834A JP23178692A JP23178692A JPH0678834A JP H0678834 A JPH0678834 A JP H0678834A JP 23178692 A JP23178692 A JP 23178692A JP 23178692 A JP23178692 A JP 23178692A JP H0678834 A JPH0678834 A JP H0678834A
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JP
Japan
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seat
hinge member
lock type
recliner
emergency
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JP23178692A
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English (en)
Inventor
Hideaki Kidokoro
英明 城所
Shigeki Ishikawa
重樹 石川
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NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 片側のリクライナによるシートバックの角度
調整が自由にでき、緊急時の大荷重入力時には片側のリ
クライナと共にフリーヒンジ側も自動的にロック状態と
なり、両側ロック式と同等の支持強度が得られる片側ロ
ック式リクライニングシートを提供することにある。 【構成】 固定ヒンジ部材10に軸受孔11及びこの軸
受孔11と同心円状に配する外向き歯車部12,13を
設け、その軸受孔11に回転軸20を回転自在に設け、
この回転軸20の偏心部22に可動ヒンジ部材30を回
転自在に結合し、この可動ヒンジ部材30に回転軸20
の偏心部22と同心円状に配し且つ固定ヒンジ部材10
の外向き歯車部12,13より多い歯数を有し該外向き
歯車部12,13の一部分に噛合しながら回転軸20の
回転を伴って偏心回転運動する内向き歯車部32,33
を設け、更に前後方向の急激な加速度を受けると動作し
て回転軸20の回転を阻止するロック機構40を設けて
なる緊急ロック式ヒンジ装置を、フリーヒンジ側に備え
て構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に自動車等の乗り物
に設置される角度調整可能なシートバック(背凭れ)を
有したリクライニングシートに関し、特に片側ロック式
リクライニングシート及びそのフリーヒンジ側に装着さ
れる緊急ロック式ヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等のリクライニングシー
トにおいては、シートバックの後傾角度の調整のため
に、左右両側にリクライナを設けた両側ロック式と、片
側のみにリクライナを設けて反対側には単なる枢軸構造
のフリーヒンジを設けた片側ロック式とがある。
【0003】そのリクライナとしては、様々な方式のも
のが提案されているが、主なものとしてギアラッチタイ
プ(有段方式)と遊星歯車タイプ(無段タウメル方式
等)とがある。
【0004】なお、その遊星歯車タイプのリクライナ
は、特公昭49−48691号公報や特公平2−245
24号公報に開示されている。つまり、シートクッショ
ン側の部材に固定される固定ヒンジ部材に軸受孔及びこ
の軸受孔と同心円状に配する外向き歯車部を設け、その
軸受孔に偏心部を有した回転軸を回転自在に設け、この
回転軸の偏心部にシートバック側の部材と連結する可動
ヒンジ部材を回転自在に結合し、この可動ヒンジ部材に
前記回転軸の偏心部と同心円状に配し且つ前記固定ヒン
ジ部材の外向き歯車部より多い歯数を有し該外向き歯車
部の一部分に噛合する内向き歯車部を設け、更に前記回
転軸を回転せしめるハンドル等の回転操作子を設けた構
成である。
【0005】その回転操作子を着座者が操作して回転軸
を回転せしめることで、この回転軸の偏心部に嵌合して
いる可動ヒンジ部材の内向き歯車部が固定ヒンジ部材の
外向き歯車部の一部分に噛合しながら偏心回転運動を起
こす。即ち、回転軸が一回転するごとに、固定ヒンジ部
材の外向き歯車部と可動ヒンジ部材の内向き歯車部との
相互の歯数の差に応じた角度ずつ、該内向き歯車部が外
向き歯車部に沿って偏心回動する。これにて可動ヒンジ
部材が連続して傾動して、シートバックを無段階的に角
度調整できるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の自動
車高安全化(35マイル後方衝突強度対応、ショルダー
ベルトインシート等)の要望から、リクライニングシー
トは片側ロック式から両側ロック式に移行する傾向にあ
る。
【0007】つまり、両側ロック式リクライニングシー
トを採用する大きな理由は、シートバックに負荷される
最大荷重絶対値の増加と、緊急時の大荷重入力時におけ
るシートバックフレームのねじれ強度の向上にある。現
行の大多数の車種で採用されてる片側ロック式リクライ
ニングシートでも、法規的な耐久強度条件は満足してお
り、安全率を見込んだ余裕強度の大小は別として、シー
トバックに付加される最大荷重絶対値が不足している訳
ではないが、急発進・急ブレーキ等の緊急時の大荷重入
力時におけるシートバックフレームの左右のねじれ強度
の差により挙動を招く問題があるからである。
【0008】このために、両側ロック式リクライニング
シートを採用する傾向が強くなって来ているが、この両
側ロック式化により確実にコストアップするため、その
アップ額をいかに少なく抑えるかが大きな課題となって
いる。
【0009】即ち、両側ロック式リクライニングシート
では、フリーヒンジと比べ、ギアラッチタイプや遊星歯
車タイプの高価なリクライナを左右両側に設けなければ
ならないこと、その一方のリクライナを着座者が操作し
た際に他方のリクライナも同期して動くように、連動用
の連結パイプやワイヤーケーブルを付設する必要がある
こと、その連結パイプを設ける場合には、着座者の尻回
りのフレーム設計に制約を受けるのでシートフレーム設
計が面倒となること、ギアラッチタイプのリクライナを
左右両側に用いた場合には、その左右リクライナの動き
を確実に同調させるためにシートバックフレームのねじ
れがリクライナに作用しないような対策を講じる必要が
あることなどから、製作が面倒となってコスト高を招
く。
【0010】本発明は前記事情に鑑みなされ、その目的
とするところは、片側のみにリクライナを有した片側ロ
ック式で、通常時は該片側のリクライナによるシートバ
ックの角度調整が自由にでき、急発進・急ブレーキ等の
緊急時の大荷重入力時には該片側のリクライナと共にフ
リーヒンジ側も自動的にロック状態となって、両側ロッ
ク式と同様にシートバックフレームの左右のねじれ強度
の差をなくせるようになる片側ロック式リクライニング
シートを安価に提供することにある。
【0011】また、本発明の目的とするところは、通常
は回転フリーで、急発進・急ブレーキ等の緊急時の大荷
重入力時には自動的にロック状態となり、片側ロック式
リクライニングシートのフリーヒンジ側に適用するのに
最適な緊急ロック式ヒンジ装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の片側ロック式リ
クライニングシートは、前記目的を達成するために、シ
ートクッションの左右どちらか一方にシートバックを後
傾角度調整可能にロック支持するリクライナを設けた片
側ロック式リクライニングシートにおいて、前記リクラ
イナを設けた側と反対のフリーヒンジ側に、該リクライ
ナと分離独立し、通常は回転フリーで且つ前後方向の急
激な加速度を受けるとシートバックをロック支持する状
態となる緊急ロック式ヒンジ装置を設けて構成したこと
を特徴とする。
【0013】本発明の片側ロック式リクライニングシー
トの緊急ロック式ヒンジ装置は、前記目的を達成するた
めに、シートクッション側の部材に固定される固定ヒン
ジ部材に軸受孔及びこの軸受孔と同心円状に配する外向
き歯車部を設け、その軸受孔に偏心部を有した回転軸を
回転自在に設け、この回転軸の偏心部にシートバック側
の部材と連結する可動ヒンジ部材を回転自在に結合し、
この可動ヒンジ部材に前記回転軸の偏心部と同心円状に
配し且つ前記固定ヒンジ部材の外向き歯車部より多い歯
数を有し該外向き歯車部の一部分に噛合しながら前記回
転軸の回転を伴って偏心回転運動する内向き歯車部を設
け、更に前後方向の急激な加速度を受けると動作して前
記回転軸の回転を阻止するロック機構を設けて構成した
ことを特徴とする。
【0014】
【作用】前記構成の片側ロック式リクライニングシート
であれば、片側のリクライナと反対のフリーヒンジ側
に、該リクライナと分離独立し、通常は回転フリーで且
つ前後方向の急激な加速度を受けるとシートバックをロ
ック支持する状態となる緊急ロック式ヒンジ装置を設け
たので、高価なリクライナは片側のみで済みコストダウ
ンが可能となる。また、通常時は緊急ロック式ヒンジ装
置が片側のリクラインと分離独立して回転フリーである
ので、該片側のリクライナによるシートバックの角度調
整が自由にでき、急発進・急ブレーキ等の緊急時の大荷
重入力時には該片側のリクライナと共にフリーヒンジ側
も自動的にロック状態となって、両側ロック式と同様に
シートバックフレームの左右のねじれ強度の差をなくせ
るようになる。
【0015】前記構成の片側ロック式リクライニングシ
ートの緊急ロック式ヒンジ装置によれば、通常はロック
機構がアンロック状態を維持して回転軸の回転をフリー
状態となし、シートバックの傾動により可動ヒンジ部材
が内向き歯車部を固定ヒンジ部材の外向き歯車部の一部
分に噛合しながら回転軸の回転を伴って偏心回転運動を
起こす。つまり、可動ヒンジ部材が従来のフリーヒンジ
と同様に回転フリーの状態にある。これにて片側のリク
ライナによるシートバックの角度調整が自由にできるよ
うになる。
【0016】また、急発進・急ブレーキ等の緊急時に大
荷重をうけると、その時の前後方向の急激な加速度をロ
ック機構が受けて回転軸の回転を自動的に阻止する。こ
の回転軸の回転ロックにより、この回転軸の偏心部に嵌
合している可動ヒンジ部材の内向き歯車部が固定ヒンジ
部材の外向き歯車部に対し一カ所で噛合したまま不動の
状態となり、可動ヒンジ部材の回動を強力に阻止するよ
うになる。
【0017】したがって、このような緊急ロック式ヒン
ジ装置を片側ロック式リクライニングシートのフリーヒ
ンジ側に設けることで、通常時は片側のリクライナによ
るシートバックの角度調整が自由にでき、急発進・急ブ
レーキ等の緊急時の大荷重入力時には該片側のリクライ
ナと共にフリーヒンジ側も自動的にロック状態となっ
て、両側ロック式と同等の効果が得られ、安価で安全性
の高い片側ロック式リクライニングシートの実現が可能
となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の片側ロック式リクライニング
シート及びその緊急ロック式ヒンジ装置の一実施例を図
面により説明する。まず、図6は自動車用の片側ロック
式リクライニングシートのフレーム構造を示すもので、
シートクッションフレーム1の後部上にシートバックフ
レーム2がリクライニング装置により後傾角度調整可能
に立設支持されている。
【0019】そのリクライニング装置として、シートバ
ックの角度調整を行う駆動ヒンジ側には公知のギアラッ
チタイプのリクライナ3(これは前述の遊星歯車タイプ
のリクライナでも可)が設けられ、これと反対のフリー
ヒンジ側には緊急ロック式ヒンジ装置4が設けられてい
る。
【0020】前記緊急ロック式ヒンジ装置4は、まず、
図6に示した如く、シートクッションフレーム1の一側
後部に固設したベースブラケット5の上部に継ぎ足すよ
うにして起立状態に取り付け固定された固定ヒンジ部材
10と、この固定ヒンジ部材10に回転可能に支承され
た回転軸20と、この回転軸20を介し回転可能に支持
されてシートバックフレーム2の一側下端部と締結され
た可動ヒンジ部材30とを備えている。
【0021】その固定ヒンジ部材10は図1及び図2に
示す如く一枚の鋼板を打ち抜き成形した上端が丸い縦長
板状をなしている。この固定ヒンジ部材10の上半部中
央に真円状の軸受孔11が形成されていると共に、この
軸受孔11の外周寄り部に段部が内外二重に形成され、
この各段部にそれぞれ外向き歯車部12,13が形成さ
れている。これら外向き歯車部12,13は、それぞれ
前記軸受孔11と同心円状に配すると共に、それぞれの
歯列のピッチ角が互いに等しくされている。なお、これ
ら外向き歯車部12,13の各々の歯数は29個に設定
されている。
【0022】前記回転軸20は、矩形円筒状の大径部2
1とこれより一回り小径な偏心部22とを軸方向に一体
に連設した段付き中空偏心カム軸であって、この大径部
21の回転中心軸心Oに対し偏心部22の中心軸線O′
が1mm程度偏心せしめられていると共に、この大径部2
1の外径寸法が40mm以下で、小径な偏心部22の外径
寸法が30mm以上に設定されている。この回転軸20の
大径部21を前記固定ヒンジ部材10の軸受孔11に低
摩擦係数のブッシュ(ベアリングでも可)23を介して
嵌合することで、該回転軸20が固定ヒンジ部材10に
対し回転自在に水平支持されている。
【0023】前記可動ヒンジ部材30は、前記固定ヒン
ジ部材10と略同様に、一枚の鋼板を打ち抜き成形した
下端が丸い縦長板状をなしている。この可動ヒンジ部材
30の下半部中央に真円状の軸嵌合孔31が形成されて
いると共に、この軸嵌合孔31の外周寄り部に段部が内
外二重に形成され、この各段部にそれぞれ内向き歯車部
32,33が形成されている。これら内向き歯車部3
2,33は、それぞれ前記軸嵌合孔31と同心円状に配
すると共に、それぞれの歯列のピッチ角が互いに等しく
されている。なお、これら内外2段の内向き歯車部3
2,33の各々の歯数は前記固定ヒンジ部材10の内外
2段の外向き歯車部12,13より1個多い30個に設
定されていると共に、これら内向き歯車部32,33の
歯先円の直径が前記外向き歯車部12,13の歯先円の
直径に対し歯高さ寸法よりも僅かにそれぞれ大きく設定
されている。
【0024】この可動ヒンジ部材30の軸嵌合孔31を
前記回転軸20の偏心部22に低摩擦係数のブッシュ
(ベアリングでも可)34を介して嵌合することで、該
可動ヒンジ部材30が回転軸20に対し回転自在に支持
されていると共に、この内外2段の内向き歯車部32,
33が前記固定ヒンジ部材10の内外2段の外向き歯車
部12,13の周囲に配してそれぞれ一部分で噛合する
状態とされている。つまり、可動ヒンジ部材30の内外
2段の内向き歯車部32,33が固定ヒンジ部材10の
内外2段の外向き歯車部12,13の一部分に噛合しな
がら回転軸20の回転により偏心回転運動可能とされ、
この動きにより可動ヒンジ部材30が固定ヒンジ部材1
0に対し傾動するようになっている。
【0025】ここまでの構成は前述の特公平2−245
24号公報にしめされている遊星歯車タイプのリクライ
ナの基本構造と略同様である。但し、回転軸20を強制
回転せしめるハンドル等の回転駆動操作子は設けられて
いないと共に、前述の如く固定ヒンジ部材10の軸受孔
11と回転軸20の大径部21との間、並びに可動ヒン
ジ部材30の軸嵌合孔31と回転軸20の偏心部22と
の間に、それぞれ低摩擦係数のブッシュ23,34或い
はベアリングを介在して、該回転軸20の回転摩擦抵抗
を最低限に抑えていることで、シートバックフレーム2
側から可動ヒンジ部材30に前後方向の荷重が入力され
ると、その可動ヒンジ部材30が回転軸20の偏心部2
2を押して該回転軸20を回転しつつ、内外2段の内向
き歯車部32,33が固定ヒンジ部材10の内外2段の
外向き歯車部12,13の一部分に噛合しながら偏心回
転運動可能するようになっている。つまり、平時は可動
ヒンジ部材30が固定ヒンジ部材10に対し従来のフリ
ーヒンジと同様に回転フリーの状態とされている。
【0026】こうした構成に加えて、車両の急発進・急
ブレーキ等の緊急時に前後方向の急激な加速度を受ける
と自動的に動作して前記回転軸20の回転を阻止するロ
ック機構40が設けられている。このロック機構40
は、図3及び図4に示す如くギア41と、ラッチ42
と、規制ばね43とを備えてなる構成である。
【0027】そのギア41は、一種のラチェット車のよ
うなもので、図2に示す如くこの基端部41aと前記回
転軸20とに面取り軸ピン44を圧入嵌合することで、
その回転軸20と一体的に回転するように連設されてい
る。なお、このギア41は回転軸20の回転中心軸線O
を中心とする大径部21と同心円的に配する。
【0028】前記ラッチ42は図4に示す如くガンギ車
のアンクルのように前後一対の大きな爪部42aを上部
に突設したもので、この前後の爪部43aの付け根部中
央に支軸45を貫通し、この支軸45を図2に示す如く
前記固定ヒンジ部材10の外面側に取付固定したカバー
状のブラケット46に支持させることで、ギア41の真
下に前後方向に揺動可能に設けられている。しかも、こ
のラッチ42は支軸45より下方に重心を持つように図
4に示す如く凸形部42bを下側に一体に有している。
つまり、このラッチ42は前後方向の急激な加速度を受
けると、図2に示す如く支軸45を中心に揺動して前後
の爪部42aのどちらかが前記ギア41に係合して回転
軸20の回転を阻止する構成となってる。
【0029】前記規制ばね43は、図3に示す如く上部
取付板部43aの前後端から下方に逆ハの字形状にばね
片43bを突設した構成で、その取付板部43aを前記
ブラケット46にリベット止めすることにより取付けら
れ、前後のばね片43bで前記ラッチ42の凸形部42
bを前後から挟み付け、平時は該ラッチ42の前後の揺
動を規制して中立位置(前後の爪部42aがギア41に
係合しない位置)に保持し、緊急時に前後方向の所定以
上の急激な加速度が掛かった時には該ラッチ42の前後
の揺動を許容するようになっている。
【0030】なお、図中50は板ばねを用いたロック解
除レバーで、これは前記ラッチ42がギア41に係合し
て自重力並びに規制ばね43の付勢力により外れなかっ
た場合に使用する解除機構であり、前記ブラケット46
の下端部にリベット止めすることで上方に立ち上がる状
態に取付られ、上端に断面円弧板状で且つテーパー状に
先細となる折曲片部51を有している。このロック解除
レバー50は指で押すことで、上端折曲片部51が前記
ブラケット46に形成したスリット46aを介しラッチ
42の上縁凸肩部42c間に進入して該ラッチ42を強
制的に中立位置に復帰せしめる構成である。
【0031】なおまた、図2において図中52は前記軸
ピン44により回転軸20端に止め付けられた座金で、
回転軸20の固定ヒンジ部材10からの抜け止めを行っ
ている。また、53は可動ヒンジ部材30の表面上部に
リベット止めしたガイド板で、固定ヒンジ部材10の上
縁部を挟み込む。54は前記固定ヒンジ部材10の裏面
下部にカシメ止めした左右一対のガイド片で、可動ヒン
ジ部材30の下縁部を挟み込む。これら座金52とガイ
ド板53とガイド片54で可動ヒンジ部材30を固定ヒ
ンジ部材10に対し離脱せずに回動可能に重合保持して
いる。
【0032】こうした片側ロック式リクライニングシー
ト及びその緊急ロック式ヒンジ装置4の作用を述べる。
まず、通常時は、緊急ロック式ヒンジ装置4のロック機
構40のラッチ42が自重と規制ばね43の付勢により
中立位置(ギア41と係合しない位置)に保持されてい
る。これで回転軸20の回転を規制するものがなく、し
かもその回転軸20の固定ヒンジ部材10の軸受孔11
並びに可動ヒンジ部材30の軸嵌合孔31に対する回転
摩擦抵抗が、低摩擦係数のブッシュ23,34或いはベ
アリングにより最低限に抑えられている。つまり、小さ
な外力により回転軸20がスムーズに回転できるように
なっている。
【0033】この状態で、片側のリクライナ3を着座者
が操作してシートバックの角度調整を行うと、そのシー
トバックフレーム2の前後方向の傾動により、可動ヒン
ジ部材30が、この内向き歯車部32,33を固定ヒン
ジ部材10の外向き歯車部12,13の一部分に噛合し
ながら、しかも回転軸20の偏心部22を押して該回転
軸20を早く回転させながら、全体的に偏心回転運動を
起こす。即ち、可動ヒンジ部材30が従来のフリーヒン
ジと同様に回転フリーの状態にあって、片側のリクライ
ナ3によるシートバックの角度調整が自由にできるよう
になる。
【0034】こうして、着座者がシートバックを自分の
好みの後傾角度に調整した状態で自動車を運転走行させ
るが、その走行過程において、急発進・急ブレーキ等の
緊急時にシートバックに大荷重が入力する場合、その時
の前後方向の急激な加速度をロック機構40のラッチ4
2の下部の凸形部42bが受け、このラッチ42が図5
に示す如く支軸45を中心に揺動して、その揺動した方
向の爪部42aがギア41に掛止する。これで、そのギ
ア41と共に回転軸20の回転が自動的に阻止される。
【0035】この回転軸20が回らないことにより、こ
の回転軸20の偏心部22に嵌合している可動ヒンジ部
材30の内向き歯車部32,33が固定ヒンジ部材10
の外向き歯車部12,13に対しそれぞれ一カ所で噛合
したまま不動の状態となり、可動ヒンジ部材30の回動
を強力に阻止し、片側のリクライナ3と共にシートバッ
クフレーム2をロック支持する。これで、従来の両側ロ
ック式と同様にシートバックフレーム2の左右のねじれ
強度の差がなくなり、急発進・急ブレーキ等の緊急時の
大荷重入力に対しシートバックを挙動させることなく安
定支持するようになる。
【0036】したがって、こうした緊急ロック式ヒンジ
装置4をフリーヒンジ側に用いた片側ロック式リクライ
ニングシートであれば、緊急時には従来の両側ロック式
リクライニングシートと同等のロック支持強度が得られ
るようになり、高価なリクライナは片側のみに設けるだ
けで済む。また、従来の両側ロック式リクライニングシ
ートの如く、一方のリクライナに他方のリクライナを連
動させる連結パイプやワイヤーケーブルを付設する必要
が全くなく、シートバックフレーム設計が容易となる。
しかも従来のギアラッチタイプのリクライナを左右両側
に用いた場合のように、その左右リクライナの動きを確
実に同調させるべく、シートバックフレームのねじれが
リクライナに作用しないようにする面倒な対策を講じる
必要もない。こうしたことから、安全性の高い片側ロッ
ク式リクライニングシートの製作が楽に且つ低コストで
できるようになる。
【0037】
【発明の効果】本発明の片側ロック式リクライニングシ
ートは、前述の如く構成したので、通常時は片側のリク
ライナによるシートバックの角度調整が自由にでき、急
発進・急ブレーキ等の緊急時の大荷重入力時には片側の
リクライナと共にフリーヒンジ側の緊急ロック式ヒンジ
装置が自動的にロック状態となって、両側ロック式と同
等の支持強度が得られ、高い安全性とコストの低減が図
れる。
【0038】本発明の緊急ロック式ヒンジ装置は、前述
の如く構成したので、通常時は回転フリーで、急発進・
急ブレーキ等の緊急時の大荷重入力時には自動的にロッ
ク状態となることから、これを片側ロック式リクライニ
ングシートの片側のリクライナと反対のフリーヒンジ側
に用いれば、両側ロック式と同等の支持強度が得られる
と言った具合に、安全性の高いリクライニングシートを
安価に実現するのに最適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の片側ロック式リクライニングシートの
緊急ロック式ヒンジ装置の一実施例を示す外側面図。
【図2】図1のX−X線に沿う縦断面図。
【図3】同上実施例のロック機構部分の外側面図。
【図4】同上ロック機構部分の一部省略した外側面図。
【図5】同上実施例の緊急ロック動作状態を示す外側面
図。
【図6】本発明の片側ロック式リクライニングシートの
フレーム構造を示す斜視図。
【符号の説明】
1…シートクッションフレーム、2…シートバックフレ
ーム、3…リクライナ、4…緊急ロック式ヒンジ装置、
5…ベースブラケット、10…固定ヒンジ部材、11…
軸受孔、12.13…外向き歯車部、20…回転軸、2
2…偏心部、23,34…ブッシュ或いはベアリング、
30…可動ヒンジ部材、32.33…内向き歯車部、4
0…ロック機構。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッションの左右どちらか一方に
    シートバックを後傾角度調整可能にロック支持するリク
    ライナを設けた片側ロック式リクライニングシートにお
    いて、前記リクライナを設けた側と反対のフリーヒンジ
    側に、該リクライナと分離独立し、通常は回転フリーで
    且つ前後方向の急激な加速度を受けるとシートバックを
    ロック支持する状態となる緊急ロック式ヒンジ装置を設
    けて構成したことを特徴とする片側ロック式リクライニ
    ングシート。
  2. 【請求項2】 シートクッション側の部材に固定される
    固定ヒンジ部材に軸受孔及びこの軸受孔と同心円状に配
    する外向き歯車部を設け、その軸受孔に偏心部を有した
    回転軸を回転自在に設け、この回転軸の偏心部にシート
    バック側の部材と連結する可動ヒンジ部材を回転自在に
    結合し、この可動ヒンジ部材に前記回転軸の偏心部と同
    心円状に配し且つ前記固定ヒンジ部材の外向き歯車部よ
    り多い歯数を有し該外向き歯車部の一部分に噛合しなが
    ら回転軸の回転を伴って回動する内向き歯車部を設け、
    更に前後方向の急激な加速度を受けると動作して前記回
    転軸の回転を阻止するロック機構を設けて構成したこと
    を特徴とする片側ロック式リクライニングシートの緊急
    ロック式ヒンジ装置。
  3. 【請求項3】 固定ヒンジ部材と回転軸との間と、回転
    軸の偏心部と可動ヒンジ部材との間との少なくともいず
    れか一方に摩擦係数の小さいブッシュ或いはベアリング
    を装着したことを特徴とする請求項2記載の片側ロック
    式リクライニングシートの緊急ロック式ヒンジ装置。
JP23178692A 1992-08-31 1992-08-31 片側ロック式リクライニングシート及びその緊急ロック式ヒンジ装置 Pending JPH0678834A (ja)

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