JPH0678567A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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Publication number
JPH0678567A
JPH0678567A JP4228918A JP22891892A JPH0678567A JP H0678567 A JPH0678567 A JP H0678567A JP 4228918 A JP4228918 A JP 4228918A JP 22891892 A JP22891892 A JP 22891892A JP H0678567 A JPH0678567 A JP H0678567A
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JP
Japan
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ultrasonic motor
group
essential component
molecular weight
tetrafluoroethylene
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Withdrawn
Application number
JP4228918A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hirose
和夫 廣瀬
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い効率を示し、特に超音波振動材と動体と
の接触において耐久性の優れた超音波モータを提供す
る。 【構成】 圧電体1aを有する超音波振動体1上に動体
2が設けられる超音波モータにおいて、動体2の超音波
振動体1と接触する部分を構成するスライダ材3が、熱
可塑性フルオロ樹脂、フッ素ゴムおよび低分子量含フッ
素重合体を主成分とする潤滑性ゴム組成物で形成される
超音波モータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧電体を用いて進行
波を伴う超音波振動を発生させることにより振動体上に
設けられる動体に駆動力を発生させる超音波モータに関
し、特に、動体において振動体と接触する部分を構成す
るスライダ材の改良された超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、進行波方式による超音波モータ
は、圧電体を装着した超音波振動体と動体とが加圧接触
された構成を有し、振動体と動体との摩擦力によって動
体が駆動される。このような機構を有する超音波モータ
において、動体の駆動力を向上させるためには、動体と
振動体との摩擦力が大きいこと、および加圧接触力が大
きいことが必要である。したがって、動体において振動
体との接触部に設けられるスライダ材には、摩擦係数が
大きくかつ安定していること、耐摩耗性に優れているこ
と、および摩擦音が発生しないことなどが要求される。
【0003】このような要求が存在する中で、従来のス
ライダ材として特開昭62−58887に開示される炭
素繊維を添加した樹脂組成物、特開昭63−12148
0に開示される芳香族ポリアミド繊維または炭素繊維を
添加したポリイミド系樹脂を挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の材料は、いずれも摩擦係数の安定性、耐摩耗
性、および摩擦音の抑制についてすべてをバランスよく
満足させるものではなかった。特に、接触相手となる振
動体が、ステンレス、リン青銅、アルミニウム、銅合金
などの軟質金属で形成される場合、繊維状充填剤を添加
したスライダ材は振動体を損傷するため好ましくない。
さらに、従来のスライダ材は、長期使用における疲労摩
耗性の点で問題があった。
【0005】この発明の目的は、以下に示す特性のすべ
てをバランスよく兼備えるスライダ材を見出し、そのよ
うなスライダ材を用いて、効率よく長期にわたって安定
した高トルクを発生させることができる超音波モータを
提供することにある。
【0006】(1) 加圧接触力が小さくても摩擦係数
が比較的大きくかつ安定していること。
【0007】(2) 耐摩耗性に優れ、特に長期使用に
おける耐疲労摩耗性に優れていること。
【0008】(3) 摩擦音の発生が少なく、接触相手
の損傷を小さく抑えられること。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に従う超音波モ
ータは、少なくとも表面に進行波を発生する超音波振動
体と動体とが接触し、その両者間の、摩擦力を介して進
行波により動体を駆動する超音波モータにおいて、動体
の超音波振動体と接触する部分が、第1必須成分として
の熱可塑性フルオロ樹脂、第2必須成分としてのフッ素
ゴム、および第3必須成分としての低分子量含フッ素重
合体を配合した潤滑性ゴム組成物から形成されることを
特徴とする。
【0010】この発明に従う超音波モータにおいて、超
音波振動体と動体とが接触する部分の一例を図1に示
す。図に示すように、この発明に従う超音波モータは、
圧電体1aを有する超音波振動体1上に動体2が設けら
れる構造を有しており、動体2の超音波振動体1と接触
する部分にはスライダ材3が設けられている。このスラ
イダ材3は、上述したように熱可塑性フルオロ樹脂、フ
ッ素ゴムおよび低分子量含フッ素重合体を主成分とする
潤滑性ゴム組成物から形成される。
【0011】図1に示す構造において、超音波振動体1
とスライダ材3とは対面して加圧接触されており、圧電
体1aによって発生した表面進行波が超音波振動体1に
伝えられ、超音波振動体1とスライダ材3との摩擦力に
よって動体2が駆動する。
【0012】この発明において、潤滑性ゴム組成物の第
1必須成分である熱可塑性フルオロ樹脂は、主鎖に炭素
鎖を有し、側鎖にフッ素の結合を有するポリマーであ
る。この第1必須成分としては、たとえば、テトラフル
オロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体(以下PFAと略記する)、テトラフルオロエチ
レン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下FEP
と略記する)、およびテトラフルオロエチレン・エチレ
ン共重合体(以下ETFEと略記する)からなる群から
選択される1種以上の重合体が望ましい。上述したいず
れの樹脂も、触媒乳化重合、懸濁重合、触媒溶液重合、
気相重合および電離性放射線照射重合などの各種重合方
式により製造することができる。熱可塑性フルオロ樹脂
の分子量は、50,000以下が好ましく、5,000
〜20,000のものがとくに望ましい。
【0013】以上の条件に該当する熱可塑性フルオロ樹
脂の代表例としては、PFAである三井・デュポンフロ
ロケミカル社製PFA MP10、FEPである三井・
デュポンフルオロケミカル社製テフロンFEP100、
ETFEである旭硝子社製アフロンCOPなどが挙げら
れる。
【0014】この発明において、潤滑性ゴム組成物の第
2必須成分であるフッ素ゴムは、平均して1個以上のフ
ッ素原子を含む単位モノマーの重合体または共重合体で
あって、ガラス転位点が室温以下であり、室温でゴム状
弾性を有するものであれば、特に限定されるものではな
く、広範囲のものを例示することができる。
【0015】フッ素ゴムの重合方式としては、塊状重
合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、触媒重合、電離性
放射線重合およびレドックス重合などを挙げることがで
きる。この発明において、フッ素ゴムの分子量は、通
常、50,000以上が好ましく、可及的に高分子量の
ものについて良好な結果が得られることから、70,0
00以上がより好ましく、100,000〜250,0
00程度が特に好ましい。
【0016】以上の条件に該当する代表例としては、テ
トラフルオロエチレン・プロピレン共重合体である旭硝
子社製アフラス、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体であるデュポン・昭和電工社製バイト
ン、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン・テ
トラフルオロエチレン共重合体であるモンテフルオス社
製テクノフロン、フルオロシリコーン系エストラマーで
あるダウコーニング社製シラスティックLS、パーフル
オロ系エストラマーであるダイキン工業社製ダイエルパ
ーフロなどを挙げることができる。
【0017】上述した熱可塑性フルオロ樹脂およびフッ
素ゴムを混合した組成物は、弾性体としての特性を有す
る。この発明において、第3必須成分である低分子量含
フッ素重合体は、このような弾性体にさらに優れた摺動
特性を付与するため配合される。
【0018】この発明において、潤滑性ゴム組成物の第
3必須成分である低分子量含フッ素重合体は、テトラフ
ルオロエチレン(TFE)等のフルオロオレフィン重合
体、主要構造単位−Cn 2n−O−(nは1〜4の整
数)を有するフルオロポリエーテル、主要構造単位
【0019】
【化1】
【0020】などを有するポリフルオロアルキル基含有
化合物(炭素数2〜20)のうち分子量50,000以
下のものをいう。優れた摺動特性を付与するためには、
分子量5,000以下の低分子量含フッ素重合体がとく
に望ましい。このような低分子量含フッ素重合体のう
ち、次式で示されるテトラフルオロエチレン重合体の平
均粒径5μm以下のものがとくに好ましい。
【0021】
【化2】
【0022】このようなものとして、たとえば、デュポ
ン社製バイダックスAR、および旭硝子社製フルオンル
ブリカントL169などを挙げることができる。
【0023】次に、−Cn 2n−O(nは1〜4の整
数)の主要構造単位を有する平均分子量50,000以
下のフルオロポリエーテルとしては、
【0024】
【化3】
【0025】などを例示することができる。このような
重合体は、他の配合材料および添加剤に対する親和性
(密着性)の向上のために、イソシアネート基、水酸
基、カルボキシル基、およびエステル基などの官能基を
含む構造単位を有するものが望ましい。
【0026】このようなフルオロポリエーテルの具体例
としては、以下のようなものが挙げられる。
【0027】
【化4】
【0028】これらのフルオロポリエーテルは、単独で
使用してもよいし、併用してもよい。また、官能基に活
性化水素が含まれているフルオロポリエーテルとポリフ
ルオロポリエーテル基を含有しないイソシアネート化合
物とを併用してもよい。また、イソシアネート基を有す
るフルオロポリエーテルと、各種のフルオロポリエーテ
ル基を含有しないジアミン類、トリアミン類、または各
種のフルオロポリエーテル基を含有しないジオール類、
トリオール類を併用するなどの方法を採用してもよい。
【0029】特に、官能基同士が反応して分子量の増大
が起こるようなフルオロポリエーテルを組合せて使用す
ることが望ましい。このようなものとして、たとえばイ
ソシアネート基を含む単位を有するものと、水酸基を含
む単位を有するものとを組合せることは同様に望ましい
ことである。
【0030】ポリフルオロアルキル基含有化合物として
は、たとえば以下に示すようなポリフルオロアルキル基
を有するものが挙げられる。
【0031】
【化5】
【0032】以上のようなポリフルオロアルキル基(炭
素数2〜20)を有し、平均分子量が50,000以下
のものとしては、
【0033】
【化6】
【0034】など、反応性基およびポリフルオロアルキ
ル基を有する化合物と、その反応性基と反応する基を有
するエチレン性不飽和化合物との反応物(たとえば、フ
ルオロアルキルアクリレートなど)の重合体、ならびに
反応性基およびポリフルオロアルキル基を有する化合物
とその反応性基と反応する基を有する各種重合体との反
応物、または前述の化合物の重縮合物などが挙げられ
る。
【0035】ポリフルオロアルキル基含有化合物は、上
述のフルオロポリエーテルと同様に、他の配合材料およ
び添加剤を親和性(密着性)の向上のために親和性の高
い官能基、たとえばイソシアネート基、水酸基、メルカ
プト基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基または
スルホン基などを含む単位を有する化合物が好ましい。
【0036】これらのポリフルオロアルキル基含有化合
物は、単独での使用または併用のいずれでもよい。ま
た、活性化水素を有する反応基を有するポリフルオロア
ルキル基含有化合物とポリフルオロアルキル基を有しな
いイソシアネート化合物とを併用してもよい。また、イ
ソシアネート基を有するポリフルオロアルキル基含有化
合物と、各種のポリフルオロアルキル基を含有しないジ
アミン類、トリアミン類または各種のポリフルオロアル
キル基を含有しないジオール基、トリオール類を併用す
るなどの方法を採用してもよい。
【0037】官能基同志の組合せは、強度増加の上から
好ましく、具体的には炭素数2〜20のポリフルオロア
ルキル基を有し、かつ、水酸基、メルカプト基、カルボ
キシル基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種類を含
むフッ素重合体との組合せ、または炭素数2〜20のポ
リフルオロアルキル基を有し、かつイソシアネート基を
含む単位を有する含フッ素重合体と、炭素数2〜20の
ポリフルオロアルキル基を有し、さらに活性化水素を有
する反応基を含む単位を有する含フッ素重合体との組合
せを挙げることができる。
【0038】これらの低分子量含フッ素重合体のうち、
フルオロオレフィン重合体またはフルオロポリエーテル
を用いると、潤滑性において優れた結果が得られ、特に
平均粒径5μm以下のテトラフルオロエチレン重合体を
用いると最も望ましい結果を得ることが判明している。
【0039】この発明において、フッ素ゴム,熱可塑性
フルオロ樹脂および低分子量含フッ素重合体の配合比
は、フッ素ゴムと熱可塑性フルオロ樹脂の重量比が5
0:50から95:5となることが望ましい。熱可塑性
フルオロ樹脂の配合重量比が50/100を越えると、
目的の組成物に十分な弾性特性が得られず、5/100
未満になると十分な耐摩耗性が得られないからである。
【0040】また、フッ素ゴムと熱可塑性フルオロ樹脂
の合計100重量部に対して、低分子量含フッ素重合体
は5〜50重量部であることが好ましい。低分子量含フ
ッ素重合体の配合比が5重量部未満では、十分な摺動特
性が得られず、50重量部を越えるとゴム状弾性特性が
損なわれるからである。
【0041】また、上記の潤滑性ゴム組成物に対し、3
00℃において不溶融な熱硬化性樹脂の硬化粉末、また
はガラス転移点が300℃以上の耐熱性樹脂粉末を添加
して耐摩耗性を向上させることができる。
【0042】熱硬化性樹脂の粉末としては、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化後の微粉末、ガラス転
移点が300℃以上である耐熱性樹脂としてはポリイミ
ド樹脂、芳香族アラミド樹脂などの微粉末が挙げられ
る。
【0043】市販の樹脂粉末のうち、フェノール樹脂の
硬化粉砕品としては、カネボウ社製:ベルパールH30
0,ポリイミド樹脂の硬化粉砕品としては、三笠産業社
製:PWA20、芳香族アラミド樹脂の粉砕品としては
旭化成社製:MP−P、ガラス転移点Tgが300℃以
上の熱硬化性樹脂粉末としては宇部興産社製:ユーピレ
ックスS(Tg>500)などがある。
【0044】このような熱硬化性樹脂粉末の粒径は、1
〜15μmのものがゴム状弾性の維持と混練工程の容易
性の点で好ましい。熱硬化性樹脂粉末は、第1〜第3の
必須成分に対して、5〜20重量%添加することが好ま
しい。5重量%未満では耐摩耗性向上の効果がなく、2
0重量%を越える多量ではゴム弾性が低下するので好ま
しくない。
【0045】なお、この発明の目的を損なわない範囲
で、上記成分の他に各種添加剤を配合してもよい。たと
えばフッ素ゴムの加硫材としてイソシアヌレート、有機
過酸化物など、ステアリン酸ナトリウム、酸化マグネシ
ウム、および水酸化カルシウムなどの酸化防止剤、また
は受酸剤、カーボンなどの帯電防止剤、シリカおよびア
ルミナなどの充填剤、その他金属酸化物、着色剤、およ
び難燃剤など適宜加えてもよいことはいうまでもない。
【0046】以上の各種原材料を混合する方法は特に限
定されるものではなく、通常広く用いられている方法に
より混合することができる。たとえば、主原料になるエ
ラストマー、その他の原料をそれぞれ個別に順次、また
は同時に、ロール混合機その他の混合機により混合すれ
ばよい。なお、このとき摩擦による発熱を防止する意味
で温調器を設けることが望ましい。
【0047】また、ロール混合器を使用する場合には、
仕上げの混合として、ロール間隔を3mm以下程度に締
めて薄通しを行なうとさらによい。
【0048】
【発明の作用効果】以上に述べてきた潤滑性ゴム組成物
は、十分な弾性体特性を有し、長時間継続して使用して
も耐摩耗性および低摩擦特性を維持することができる。
したがって、この発明の超音波モータにおいて、動体の
超音波振動体と接触する部分を上記潤滑性ゴム組成物で
形成することによって、動体の加圧接触力が小さくても
摩擦係数を比較的大きくすることができ、しかも摩擦係
数は安定して保持される。また、上記潤滑性ゴム組成物
から形成される接触部分は、耐摩耗性、特に耐疲労摩耗
性に優れ、摩擦音の発生を抑制することができ、しかも
接触相手の損傷を従来よりも低く抑えることができる。
【0049】このため、この発明に係る超音波モータ
は、効率よく安定して高いトルクを発生することがで
き、しかも、長時間にわたって超音波モータの駆動特性
を変動させることがない。このような超音波モータは、
あらゆる工業分野で有用となる。
【0050】
【実施例】まず、表1に示すような配合の組成物を調製
した。表1において、各成分の配合割合はすべて重量部
で示されている。また、表1に省略して示される原材料
の詳細は、次のとおりである。
【0051】(1) [テクノフロン]:フッ化ビニリ
デン・フルオロプロピレン共重合体(旭モンテ社製:テ
クノフロンFOR420) (2) [AFLAS]:テトラフルオロエチレン・プ
ロピレン共重合体(旭硝子・日本合成ゴム社製:AFL
AS 150P) (3) [フロオロシリコーン系エストラマー]:(ダ
ウコーニング社製:シラスティックLS) (4) [ETFE]:テトラフルオロエチレン・エチ
レン共重合体(旭硝子社製:アフロンCOP) (5) [TFE]:低分子量含フッ素重合体(旭硝子
社製:ループリカントL169) (6) [カーボン](ファンデルビルト社製:MTカ
ーボン) (7) [ステアリン酸ナトリウム](一般工業材) (8) [有機過酸化物](αα′−ビス(t−ブチル
ペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン) (9) [TAIC]:多官能製モノマー(トリアリル
イソシアヌレイト) (10) 酸化マグネシウム(一般試薬) (11) 水酸化カルシウム(一般試薬) (12) イミド樹脂(宇部興産社製:ユーピレックス
S) (13) [PTFE]:四フッ化エチレン樹脂(三井
・デュポンフロロケミカル社製:TG−70J) (14) [PI−1]:ポリイミド樹脂粉末(三笠産
業社製:PWA−10(平均粒径10μm)) (15) [PI−2]:ポリイミド樹脂粉末(宇部興
産社製:ユピモールSタイプ(平均粒径15μm)) (16) [CF]:炭素繊維(呉羽化学工業社製:M
207S) (18) [ARF]:芳香族ポリアミド繊維(テイジ
ン社製:コーネックス3mm) 組成物の調製方法は以下のとおりである。
【0052】実施例1〜5 まず、ロール間隔5〜10mm程度に調整したロール混
合機にフッ素ゴム(1、2または3)を巻付け、表1に
示した割合で順次、ステアリン酸ナトリウム(7)、M
Tカーボン(6)、ETFE(4)、必要に応じてTA
IC(9)を加えて混練した。その後、ロール間隔を1
mmに調整し、素練りを約10回行なった。なお、この
ときの摩擦熱を防止する目的で、常時ロール内に冷却水
を通し、ロール温度を60℃以下に保った。
【0053】次に、冷却水を止め、ロール内にスチーム
を通し、ゴム温度が70℃〜90℃になるように調整し
た。その後、ロール間隔を5〜10mm程度に戻し、低
分子量含フッ素重合体(5)を少量ずつ添加しながら表
1に示す各実施例の配合割合で混練を行なった。その
後、再びロール間隔を1mmに狭めて素練りを約10回
行なった。
【0054】以上の工程で得られたコンパウンドにおい
て、150×150×2tシートを1次加硫(170
℃、10分間、プレス圧7kgf/cm2 )により得
た。また、2次加硫(230℃、16時間、フリー)を
行なって加硫を完了させた。このようにして得られたシ
ートを加工して、以下に示す摩擦試験、摩耗試験および
超音波モータ実装試験に用いた。
【0055】比較例1および2 充填剤入りのPTFEについて通常の成形条件で成形を
行なった。PTFE(13)と有機質粉末状充填剤(1
4)または(15)との混合および成形は、たとえば、
タンブラーミキサーまたはヘンシエルミキサー等の混合
機によってこれらの材料を乾式混合し、これを金型に入
れて380〜600kg/cm2 の圧力を加えて予備成
形した後、金型から取出された圧縮成形体を370℃で
焼結する方法、その他加熱加圧しながら回分式に圧縮成
形する方法またはラム押出機による連続成形方法などい
ずれの方法を用いても行なうことができた。得られた成
形材料は、加工され、摩擦試験、摩耗試験および超音波
モータ実装試験に供された。
【0056】
【表1】
【0057】得られた実施例1〜5ならびに比較例1お
よび2の各試験片について、次に示す方法により摩擦・
摩耗試験および超音波モータ実装試験を行なった。各試
験により得られた結果を表2に示す。
【0058】試験方法 (1) 摩擦・摩耗試験 得られた試験片を内径φ17、外径φ21に加工し、φ
17×φ21×10のSPCCリング片へ接着してリン
グ試験片とした。相手材はリン青銅C5191からなる
φ6×φ33×6の円板状試験片とし、スラスト型摩擦
摩耗試験機を用いて評価を行なった。試験条件は、滑り
速度50m/min、荷重3kgf/cm2 とした。こ
の条件において、100時間後の摩擦係数および摩耗係
数を測定した。また、試験の後、相手材摺動面の損傷度
合を調べ、評価を行なった。
【0059】(2) 超音波モータ実装試験 図1に示す構造を有する超音波モータにおいて、実施例
1〜5ならびに比較例1および2の試験片をそれぞれス
ライダ材として実装し、荷重3kgf/cm2、滑り速
度20m/minの条件で、超音波モータを100時間
運転させた。このような試験において、運転初期におけ
るスライダ材の摩擦係数、運転100時間後におけるス
ライダ材の摩擦係数をそれぞれ測定するとともに、運転
100時間後のスライダ材の摩耗量(μm)についても
測定を行なった。またさらに、それぞれの試験片を実装
した超音波モータについて、運転効率を測定した。運転
効率(%)は下記の式より算出され、 運転効率(%)=(出力(W)÷入力(W))×100 上式において出力(W)はモータの回転数およびトルク
から求めた。
【0060】以上に示す試験の結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】表2から明らかなように、実施例1〜5の
スライダ材は、比較例1および2のスライダ材に比べて
高い摩擦係数を有する一方、摩耗係数が著しく低いもの
である。また、実施例1〜5のスライダ材は、相手材を
損傷させない点についても、比較例より顕著に優れてい
る。
【0063】さらに、超音波モータ実装試験から明らか
なように、実施例1〜5のスライダ材は、運転による摩
耗量が少なく、比較的高い摩擦係数を運転中安定して維
持している。また、実施例1〜5のスライダ材は、モー
タの運転中、超音波振動材をほとんど損傷させなかっ
た。これに対し、比較例1および2のスライダ材は、超
音波振動材を著しく損傷し、それに伴ってスライダ材の
摩耗量も大きくなった。
【0064】また、実施例1〜5のスライダ材が実装さ
れた超音波モータは高い効率を示す一方、比較例1およ
び2のスライダ材が実装された超音波モータの効率は実
施例1〜5に比べて顕著に劣っていた。
【0065】以上の結果からも明らかなように、本発明
に従ってスライダ材が実装された超音波モータは、次に
示す性能を同時に有するものである。
【0066】(1) スライダ材が摩耗されにくい。 (2) スライダ材が接触する超音波振動材が損傷され
にくい。
【0067】(3) 効率よく安定して高いトルクを発
生することができる。 (4) 寿命が長い。
【0068】なお、上記実施例は、この発明を限定する
ものではなく、実施例1〜5のスライダ材以外に上述し
た材料を用いて種々のスライダ材を形成し、超音波モー
タに実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一具体例について、超音波振動体と
動体とが接触する部分を示す断面図である。
【符号の説明】
1 超音波振動体 1a 圧電体 2 動体 3 スライダ材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面に進行波を発生する超音
    波振動体と動体とが接触し、その両者間の、摩擦力を介
    して前記進行波により前記動体を駆動する超音波モータ
    において、 前記動体の前記超音波振動体と接触する部分が、第1必
    須成分としての熱可塑性フルオロ樹脂、第2必須成分と
    してのフッ素ゴム、および第3必須成分としての低分子
    量含フッ素重合体を配合した潤滑性ゴム組成物から形成
    されることを特徴とする、超音波モータ。
  2. 【請求項2】 前記潤滑性ゴム組成物に、熱硬化性樹脂
    の硬化粉末およびガラス転位点が300℃以上の耐熱性
    樹脂粉末の少なくともいずれかが添加されている、請求
    項1の超音波モータ。
  3. 【請求項3】 前記第1必須成分である熱可塑性フルオ
    ロ樹脂が、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合
    体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビ
    ニルエーテル共重合体およびテトラフルオロエチレン・
    ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群から選択
    される1種以上の重合体である、請求項1の超音波モー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記第2必須成分が、分子量100,0
    00から250,000のフッ素ゴムである、請求項1
    の超音波モータ。
  5. 【請求項5】 前記第2必須成分であるフッ素ゴムが、
    テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体、フッ化
    ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ
    化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン・テトラフル
    オロエチレン共重合体、フルオロシリコーン共重合体お
    よびパーフルオロ系共重合体からなる群から選択される
    1種以上の重合体である、請求項1の超音波モータ。
  6. 【請求項6】 前記第3必須成分である低分子量含フッ
    素重合体が、50,000以下の平均分子量を有し、か
    つフルオロオレフィン重合体、フルオロポリエーテルお
    よびポリフルオロアルキル基含有化合物からなる群から
    選択される1種以上の重合体である、請求項1の超音波
    モータ。
  7. 【請求項7】 前記第3必須成分である低分子量含フッ
    素重合体が、テトラフルオロエチレン重合体である、請
    求項1の超音波モータ 。
JP4228918A 1992-08-27 1992-08-27 超音波モータ Withdrawn JPH0678567A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8099904B2 (en) 2005-09-23 2012-01-24 Rigo Sandra Mechanism for the installment of a door or other similar closure having a rotational-sliding movement

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