JPH0678450A - 直流給電保護回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単且つ小型の構成で、スイッチングトラン
ジスタの短絡障害から直流電源回路を保護する。 【構成】 直流電源回路１から並列的に直流給電される
複数のスイッチング電源回路２−１〜２−ｎに於いて、
トランス３の一次巻線とスイッチングトランジスタ４と
に直列に接続された入力遮断用のトランジスタ５と、こ
のトランジスタ５のソース・ドレイン間のような入出力
端子間の電圧を検出する演算増幅器６と、スイッチング
トランジスタ４の短絡状態に於ける入力遮断用のトラン
ジスタ５の入出力端子間の電圧の上昇を、演算増幅器６
により検出して入力遮断用のトランジスタ５をオフとす
る制御回路７とを備えている。又スイッチングトランジ
スタ４はスイッチング制御回路８によりオン，オフが制
御され、トランス３の二次側は整流平滑回路９が接続さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、直流電源回路から給電
されるスイッチング電源回路の直流給電保護回路に関す
る。多種類の電子回路を備えた各種のシステムに於い
て、電子回路に安定化直流電圧を印加する為の複数のス
イッチング電源回路を設けた構成が知られている。この
ような複数のスイッチング電源回路に対して、商用交流
電源の交流を整流して直流を供給する直流電源回路が共
通的に設けられている。その場合に、１個のスイッチン
グ電源回路のスイッチングトランジスタに短絡障害が発
生すると、直流電源回路の給電電圧が低下するから、他
のスイッチング電源回路は正常な動作ができなくなる。
又直流電源回路のアラームを出すことになる。従って、
スイッチングトランジスタの短絡障害が、他の正常なス
イッチング電源回路に影響を及ぼさないように保護する
必要がある。

【０００２】

【従来の技術】複数のスイッチング電源回路を備えた電
源回路は、例えば、図３に示すように、交流電源３１か
らの交流電圧を直流電源回路３２に入力し、直流電源回
路３２の整流回路により整流して、各スイッチング電源
回路３３−１〜３３−ｎに直流電圧を供給するもので、
直流電源回路３２には電流制限回路も含まれている。又
各スイッチング電源回路３３−１〜３３−ｎは、安定化
した直流電圧Ｖ１〜Ｖｎを、図示を省略した各種の電子
回路等の負荷に供給し、出力電圧の低下等を検出する
と、アラーム信号ＡＬＭ１〜ＡＬＭｎを出力する。

【０００３】図４は従来例の説明図であり、前述のスイ
ッチング電源回路３３−１〜３３−ｎの一つの要部を示
すものである。同図に於いて、４２はコンデンサ、４３
はトランス、４４はスイッチングトランジスタ、４５は
スイッチング制御回路、４６は電流検出器、４７は電流
制限回路、４８，４９はダイオード、５０は平滑コイ
ル、５１は平滑コンデンサである。

【０００４】図３に示す直流電源回路３２から直流電圧
がコンデンサ４２に加えられ、スイッチングトランジス
タ４４がスイッチング制御回路４５から制御されてオン
となると、このスイッチングトランジスタ４４を介し
て、主としてコンデンサ４２から、一部は直流電源回路
からトランス４３の一次巻線に電流が供給され、その電
流はカレントトランス等による電流検出器４６により検
出されて、電流制限回路４７に入力され、所定電流値以
上の場合に、電流制限回路４７からスイッチング制御回
路４５に過電流検出信号が加えられ、スイッチング制御
回路４５は、スイッチングトランジスタ４４のオン時間
幅を短くするように制御して、過電流保護が行われる。

【０００５】スイッチング制御回路４５によりスイッチ
ングトランジスタ４４は、所定の周期でオン，オフが制
御され、トランス４３の二次巻線に電圧が誘起され、こ
の誘起された電圧は、ダイオード４８，４９による整流
回路により整流され、平滑コイル５０と平滑コンデンサ
５１とにより平滑化された直流電圧が出力される。この
出力直流電圧がスイッチング制御回路４５により検出さ
れ、設定された電圧となるように、スイッチングトラン
ジスタ４４のオン時間幅が制御される。

【０００６】

【発明が解決しようとする問題点】各スイッチング電源
回路３３−１〜３３−ｎはスイッチングトランジスタ４
４を備えており、このスイッチングトランジスタ４４に
短絡障害が発生すると、スイッチング制御回路４５によ
るオン，オフ制御ができなくなるから、トランス４３の
一次巻線は抵抗分のみが作用し、この抵抗分は小さい値
であるからトランス４３の一次巻線には大きな直流電流
が流れる。この場合に、電流制限回路４７からスイッチ
ング制御回路４５に過電流検出信号を加えても、スイッ
チング制御回路４５によりスイッチングトランジスタ４
４を制御できないことになる。

【０００７】例えば、スイッチング電源回路３３−１の
スイッチングトランジスタ４４に短絡障害が発生する
と、このスイッチング電源回路３３−１に直流電源回路
３２から大きな直流電流が供給され、直流電源回路３２
に於いて電流制限を行うことにより出力電圧が低下す
る。それによって、他の正常なスイッチング電源回路３
３−２〜３３−ｎに対する入力電圧が低下するから、所
定の安定化直流電圧Ｖ２〜Ｖｎを維持できなくなり、ア
ラーム信号ＡＬＭ２〜ＡＬＭｎを出力して、スイッチン
グ動作を停止することになる。

【０００８】前述のように、直流電源回路３２から複数
のスイッチング電源回路３３−１〜３３−ｎに直流を供
給する構成に於いては、一つのスイッチング電源回路の
スイッチングトランジスタの短絡障害により、正常な他
のスイッチング電源回路の動作が停止される問題があっ
た。なお、短絡障害発生のスイッチングトランジスタ
は、過電流が流れることにより熱破壊を生じて開放状態
となる。しかし、この開放状態となるまでの間に、前述
のように、他の正常なスイッチング電源回路からアラー
ム信号が出力されることになる。

【０００９】そこで、通常の過電流保護用のヒューズを
設けることが考えられる。しかし、ヒューズの動作速度
は、スイッチング電源回路３３−１〜３３−ｎに於ける
スイッチング周期に比較して遅いものであるから、スイ
ッチング電源回路３３−１〜３３−ｎのスイッチングト
ランジスタの短絡障害の保護用としては適用できないも
のである。又比較的高速動作の過電流保護リレーを設け
ることも考えられる。しかし、直流の過電流を検出する
為の抵抗等を必要とし、且つ大型化する欠点がある。本
発明は、簡単且つ比較的小型の構成で、スイッチングト
ランジスタの短絡障害を保護することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の直流給電保護回
路は、図１を参照して説明すると、直流電源回路１から
並列的に直流給電が行われて、それぞれ安定化直流電圧
を出力する複数のスイッチング電源回路２−１〜２−ｎ
に於いて、トランス３の一次巻線とスイッチングトラン
ジスタ４とを含めて直列に接続された入力遮断用のトラ
ンジスタ５と、この入力遮断用のトランジスタ５の入出
力端子間の電圧を検出する演算増幅器６と、スイッチン
グトランジスタ４の短絡状態に於ける入力遮断用のトラ
ンジスタ５の入出力端子間の電圧上昇を演算増幅器６に
より検出し、その検出信号によって入力遮断用のトラン
ジスタ５をオフ状態に制御する制御回路７とを備えてい
るもので、８はスイッチング制御回路、９はトランスの
二次側の整流平滑回路である。

【００１１】

【作用】正常時は、入力遮断用のトランジスタ５は、制
御回路７によってオン状態を維持されている。スイッチ
ングトランジスタ４に短絡障害が発生すると、トランス
３の一次巻線と入力遮断用のトランジスタ５とに大きな
直流電流が流れる。それにより、入力遮断用のトランジ
スタ５のオン抵抗が小さいとしても、その入出力端子間
の電圧が上昇する。この電圧上昇を演算増幅器６により
検出し、制御回路７により入力遮断用のトランジスタ５
を制御してオフとする。それによって、短絡障害発生の
スイッチングトランジスタ４に流れる電流を遮断し、直
流電源回路１の出力電圧の垂下を防止し、正常な他のス
イッチング電源回路の動作を継続させることができる。

【００１２】

【実施例】図２は本発明の実施例の説明図であり、一つ
のスイッチング電源回路の要部を示し、直流電源回路は
図示を省略している。同図に於いて、１１は入力インダ
クタンス、１２はコンデンサ、１３はトランス、１４は
スイッチングトランジスタ、１５は入力遮断用のトラン
ジスタ、１６は演算増幅器、１７は制御回路７を構成す
るトランジスタ、１８はスイッチング制御回路、１９は
電流検出器、２０は電流制限回路、２１，２２はダイオ
ード、２３は平滑コイル、２４は平滑コンデンサ、２５
は抵抗である。

【００１３】トランス１３の二次巻線に誘起した電圧
は、ダイオード２１，２２と平滑コイル２３と平滑コン
デンサ２４とからなる整流平滑回路により平滑化されて
直流電圧となり、この直流電圧が設定値となるように、
スイッチング制御回路１８によりスイッチングトランジ
スタ１４のオン時間幅が制御される。このスイッチング
トランジスタ１４とトランス１３の一次巻線とに対して
直列に入力遮断用のトランジスタ１５が接続される。又
電流制限回路２０によりスイッチングトランジスタ１４
が正常にオン，オフ制御されている場合の過電流の保護
が行われる。

【００１４】又入力遮断用のトランジスタ１５の入出力
端子間の電圧を検出するように演算増幅器１６が接続さ
れ、この演算増幅器１６の出力端子が、制御回路７を構
成するトランジスタ１７のベースに接続され、このトラ
ンジスタ１７のコレクタがトランジスタ１５のゲートに
接続されている。演算増幅器１６は、二つの入力端子間
の電圧が所定値以下の時に電流を供給し、所定値を超え
ると電流の供給を停止する構成を有するものである。

【００１５】電源投入時点、即ち、図示を省略した直流
電源回路を動作させて、入力インダクタンス１１を介し
てコンデンサ１２に直流電圧を供給する場合、例えば、
その直流電圧を低い値から徐々に上昇させる。そして、
スイッチング制御回路１８によりスイッチングトランジ
スタ１４のオン，オフ制御を開始させる。コンデンサ１
２の端子電圧が低い時にスイッチングトランジスタ１４
がオンとなり、トランス１３の一次巻線と抵抗２５とを
介して流れる電流は僅かであるから、演算増幅器１６の
二つの入力端子間の電圧は小さい値となる。従って、演
算増幅器１６からトランジスタ１７にベース電流が供給
され、トランジスタ１７はオンとなるから、トランジス
タ１５もオン状態となる。即ち、電源投入によりスイッ
チング電源回路が動作可能状態となる。なお、他の起動
手段、例えば、電源投入時に強制的にトランジスタ１５
をオンとし、それ以後は、トランジスタ１７によりオン
状態を継続させるような構成とすることもできる。

【００１６】スイッチング電源回路として動作中に、ス
イッチングトランジスタ１４に短絡障害が発生すると、
入力遮断用のトランジスタ１５と、トランス１３の一次
巻線とに、スイッチングトランジスタ１４を介してコン
デンサ１２により大きな直流電流が流れる。この大きな
直流電流がトランジスタ１５に流れることにより、入出
力端子間、即ち、ソース・ドレイン間の電圧が上昇す
る。演算増幅器１６は、入出力端子間の電圧が上昇する
ことにより、トランジスタ１７のベース電流の供給を停
止することになり、トランジスタ１７はオフとなる。そ
れにより、トランジスタ１５もオフとなる。又インダク
タンス１１が有る為、直流電源回路からの直流電流を供
給することがないので、短絡障害が発生したスイッチン
グトランジスタ１４を有するスイッチング電源回路は、
直流電源回路から切離されることになり、他の正常なス
イッチング電源回路は動作を継続することが可能とな
る。

【００１７】スイッチングトランジスタ１４に短絡障害
が発生して、オン，オフ制御ができなくなった場合、こ
のスイッチングトランジスタ１４を介して流れる電流の
増加が比較的急速であるから、短絡障害発生により高速
で入力遮断用のトランジスタ１５をオフとして、直流電
源回路から切離すことができる。即ち、正常なスイッチ
ング電源回路からアラーム信号が出力される状態となる
前に、切離すことができる。

【００１８】又トランジスタ１５がオフとなると、トラ
ンジスタ１５のドレインは、トランス１３の一次巻線
と、短絡状態のスイッチングトランジスタ１４とを介し
て、コンデンサ１２の−側に接続され、トランジスタ１
５のソースは、コンデンサ１２の＋側に接続された構成
となり、演算増幅器１６の二つの入力端子間の電圧が大
きい値を継続するから、トランジスタ１７は継続してオ
フ状態となり、それによって、トランジスタ１５はオフ
状態を継続することができる。

【００１９】又スイッチングトランジスタ１４が熱破壊
等により短絡状態からオフ状態に移行すると、トランジ
スタ１５のドレイン側はコンデンサ１２の−側と切離さ
れて、演算増幅器１６の二つの入力端子間の電圧は零と
なる。それにより、演算増幅器１６からトランジスタ１
７にベース電流を供給することになるが、トランジスタ
１５と並列に接続した抵抗２５と、スイッチングトラン
ジスタ１４の寄生抵抗等とを介して小さい電流が流れ、
演算増幅器１６の二つの入力端子間の電圧を小さい値に
維持することができる。従って、トランジスタ１７をオ
フ状態に維持することができる。

【００２０】本発明は、前述の実施例にのみ限定される
ものではなく、入力遮断用のトランジスタ１５をバイポ
ーラトランジスタとすることが可能であり、又制御回路
７を構成するトランジスタ１７を電界効果トランジスタ
とすることも可能である。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、インダ
クタンスＬとトランス３の一次巻線とスイッチングトラ
ンジスタ４とを含めて直列に入力遮断用のトランジスタ
５を接続し、スイッチングトランジスタ４の短絡障害に
よる大きな直流電流によるトランジスタ５の入出力端子
間の電圧上昇を演算増幅器６により検出して、トランジ
スタ５をオフとなるように制御回路７により制御するも
のであり、比較的簡単且つ小型の回路構成により、スイ
ッチングトランジスタ４の短絡障害発生を検出して、直
流電源回路１から切離すことができる。従って、複数の
スイッチング電源回路２−１〜２−ｎの中の一つのスイ
ッチング電源回路のスイッチングトランジスタ４が短絡
障害を発生しても、正常な他のスイッチング電源回路の
動作を継続させることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理説明図である。

【図２】本発明の実施例の説明図である。

【図３】電源回路の説明図である。

【図４】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 直流電源回路 ２−１〜２−ｎ スイッチング電源回路 ３ トランス ４ スイッチングトランジスタ ５ 入力遮断用のトランジスタ ６ 演算増幅器 ７ 制御回路 ８ スイッチング制御回路 ９ 整流平滑回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直流電源回路（１）から並列的に直流給
   電が行われてそれぞれ安定化直流電圧を出力する複数の
   スイッチング電源回路（２−１〜２−ｎ）に於いて、 トランス（３）の一次巻線とスイッチングトランジスタ
   （４）とを含めて直列に接続された入力遮断用のトラン
   ジスタ（５）と、 該入力遮断用のトランジスタ（５）の入出力端子間の電
   圧を検出する演算増幅器（６）と、 前記スイッチングトランジスタ（４）の短絡状態に於け
   る前記入力遮断用のトランジスタ（５）の前記入出力端
   子間の電圧上昇を前記演算増幅器（６）により検出し、
   該演算増幅器（６）の検出信号に従って前記入力遮断用
   のトランジスタ（５）をオフ状態に制御する制御回路
   （７）とを備えたことを特徴とする直流給電保護回路。