JPH067843Y2 - 短尺鋼管加工用センタ保持具の自動交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は鋼管加工工作機械における短尺鋼管加工用セン
タ保持具の自動交換装置に関する。

〔従来の技術〕

従来鋼管の加工をする工作機械においては、長尺の鋼管
の場合、通常ベッド上のハウジングに内設した中空主軸
内と前記ハウジングの前後に位置し前記中空主軸の前後
端にそれぞれ取付けた前後のチャック内を貫通して搬送
された長尺の鋼管を、前後のチャックで固定しベッド上
にタレット刃物台を移動して加工していた。又、短尺鋼
管の場合ハウジング前方側のチャック内のセンタ保持具
を手作業により挿着し、チャック前面側から鋼管をセン
タ保持具内にセンタに係止させると共に、チャックにて
固定してタレット刃物台を移動して加工していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら従来の技術においては、短尺鋼管加工時に
ハウジング前方側のチャック内に保持具を着脱する際
に、作業者が手作業にて行なっており時間がかかったり
また着脱が困難であるという問題点があった。

本考案は、上記事情に鑑み提案されたものでその目的
は、チャック内にセンタ保持具を簡単にしかも自動的に
着脱可能にした鋼管加工工作機械における短尺鋼管加工
用センタ保持具の自動交換装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段と作用〕

本考案において、上記問題点を解決するための手段とし
て、ベッド上に載置されたハウジングに回転自在に軸承
された中空主軸と、該中空主軸端に設けられた貫通穴を
有するチャックと、該チャックに対向し、前記ベッド上
に形成された主軸軸線方向に案内する案内面上に載置さ
れた心押台と、該心押台とチャックの間にあって前記ベ
ッドの案内面上に載置された振止め台と、前記主軸軸線
を含む平面上で移動可能にベッド上に設けられたタレッ
ト刃物台を有する鋼管加工工作機械において、前記中空
主軸を割り出す主軸割出し装置と、前記チャック貫通穴
内に形成されたテーパ部と、該チャックのテーパ穴部に
半径方向に出没自在に設けられた係合部材と、該係合部
材と対峙する位置に設けられた係合部を有し、前記チャ
ックのテーパ穴部に挿着可能なテーパ外径部を形成する
と共に穴部内径底部にセンターを設けたセンター保持具
と、該センター保持具穴部に挿入し径方向に押圧把持す
る把持部材を一端に設けた交換アームと、該交換アーム
の他端に設けられた交換アームを主軸と交叉する方向に
旋回し且つ主軸軸線方向に進退可能な作用軸を軸承すべ
く前記ハウジング側壁に取付けられた支持台と、前記チ
ャックにあって該チャックのテーパ穴部に挿着したセン
ター保持具後方を押圧すべく主軸軸線方向に進退可能に
挿嵌された押出し部材と、前記ハウジング側に設けられ
た前記主軸割出し装置によりチャックが所定位置に割出
され、前記押出し部材と一致したとき押圧作用で係合し
前記押出し部材を押出すべく押圧力を与える押圧装置と
から構成した。

〔作用〕

本考案の構成に基づいてセンタ保持具の作用を説明す
る。センタ付センタ保持具をチャック内に挿着する場
合、マガジンから所定のセンタ付センタ保持具を交換ア
ームが取出し、主軸軸心上まで旋回しその後チャック内
に後退してくる。チャック内の挿着面にセンタ保持具が
挿着されるとチャック内の係合部材とセンタ保持具の係
合穴が係合し位置決め固定される。図略の別の手段によ
りセンタ保持部材の保持装置を解除し交換アームを抜出
せば挿着は終了である。

センタ保持具を抜出す場合、待機する交換アームがチャ
ック前面の主軸軸心上まで旋回し、保持部材がチャック
内に挿着されているセンタ保持具内の所定位置にまで侵
入してくる。そこで保持部材の保持装置を作動させセン
タ保持具を保持し交換アームをチャックから離れる方向
に移動させ抜出すと同時に押出し装置を作動させセンタ
保持具の後方から押出し動作を行なう。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいてさらに詳細に
説明する。

第１図は本考案の短尺鋼管加工用センタ保持具の自動交
換装置の側面断面図を示し、第２図は本考案の短尺鋼管
加工用センタ保持具の自動交換装置が使用される鋼管加
工用の工作機械の全体側面図を示し、第３図は第２図に
おけるＡ矢視図を示す。

まず第２図および第３図において、本考案の短尺鋼管加
工用センタ保持具の自動交換装置が使用される工作機械
について述べる。

工作機械のベッド５０上左側にハウジング５１が載設さ
れる。該ハウジング５１内部には図略の主軸等の駆動機
構が内設され前後にはチャック５２，５３が配設されて
いる。又、前記ハウジング５１上部側面には箱体８０が
載置され、該箱体８０には作動軸５４が旋回且つ摺動可
能に支持され、この作動軸５４は前端部が交換アーム５
５と連結し箱体８０内部に組込まれた駆動機構によって
前記作動軸を進退および旋回自在に駆動する。更に前記
ハウジング５１上部には周知のマガジン５６が載設され
ている。該マガジン５６内には後述する交換用のセンタ
を組込んだ複数のセンタ保持具７が収納されていて、各
加工工程に応じてその都度前記交換アーム５５によりマ
ガジン５６とチャック５２との間でセンタ保持具の交換
を行なう。

前記ハウジング５１の近傍にはハウジング５１に内設し
た主軸等の駆動用モータ５７がベッド５０上に載設され
ている。

一方、ベッド５０の右側には芯押し台５８と振止め台５
９と移動台６０が設けられている。前記芯押し台５８は
ベッド５０上に載設されたベース６１上を主軸軸線方向
（Ｚ軸方向）に移動可能であり、振止め台５９は前記ハ
ウジング５１と芯押し台５８との間に位置し、前記振止
め台５９はベッド５０上に載設されたベース６１上をＺ
軸方向に移動可能である。

前記ベース６１の近傍には、別のベース６２が前記ベー
ス６１と並行に併設される。該ベース６２上にはスラン
ト型サドル６３が設けられ図略のボールねじを介してサ
ーボモータ６４によりＺ軸方向に移動可能である。

前記スラント型サドル６３にはガイド部材６６が設けら
れ、このガイド部材６６上をサーボモータ６５により移
動台６０が主軸軸線方向に直交して（Ｘ軸方向）移動可
能に設けられる。移動台６０には数種類の工具を組込ん
だタレット刃物台６７が割出し可能に取付けられる。

次に短尺鋼管加工用センタ保持具の自動交換装置１と該
短尺鋼管加工用センタ保持具の自動交換装置１が使用さ
れる鋼管加工用工作機械のハウジング前端部について詳
細に説明する。

第１図において、チャック５２はチャックボディ５２a
と爪５２bとからなり前記チャックボディ５２aはハウジ
ング５１前端に取付けられたカバー６８，６９によって
保護されている。前記チャックボディ５２aは、中空主
軸７０にボルト７１により螺着され一体化したフランジ
７０aに取付けられ、中空主軸７０と同期して回転自在
である。

前記チャックボディ５２aの内部は、段付き貫通穴３に
形成される。段付き貫通穴３のうち後部（ハウジング
側）はテーパ穴に形成されて後述するセンタ保持具７が
挿着されることになる。

前記チャックボディ５２aには複数個所に中空主軸の軸
芯方向に向って放射状に出没自在の係合部材としての鋼
球４が併設される。この鋼球４は、ばね５、止めねじ６
によって常態として主軸軸芯方向に付勢されている。

前記チャックボディ５２a内に挿着される前方が開放さ
れた円形凹部９を内部に形成したセンタ保持具７は、チ
ャックボディ５２a内部のテーパ穴部に係合すべく外形
がテーパ形状の略円錐形に形成され、前端部（芯押し台
側）はフランジを有しフランジの一面が前記チャックボ
ディ内部の段付き貫通穴３の段落面に当接される。

前記センタ保持具７の閉塞された後部（ハウジング側）
は、主軸７０内に若干突設しており更にセンタ８を装着
すべく閉塞壁中心部にセンタ挿通用の孔を穿設した挿着
部７aが突出している。

前記センタ保持具７のテーパ面部には、主軸軸芯方向に
向って放射状に複数個所係合穴１０が穿設されその係合
穴１０は主軸軸線方向の取付位置が前記チャックボディ
５２aと後述する把持部材２０の押圧子２５の取付位置
に対峙する位置に穿設される。

前記センタ保持具７の中心のセンタ挿着部７aには、セ
ンタ８が挿着固定されている。センタ８は鋼管の大きさ
に合せて多種類のものが予め多数のセンタ保持具７にそ
れぞれ装着固定されており、加工工程に応じて交換アー
ム５５に取付けられた把持部材２０によって交換され
る。

前述したように、ハウジング５１前端にカバー６８が取
つけられるがこのカバー６８の前端部には段付き穴６８
aを形成して、前記チャックボディ５２a後部面との間に
空間部７２を形成するようにしている。

中空主軸７０はハウジング５１内に軸受７３を介して回
転自在に設けられる。

前記ハウジング５１前面には、主軸軸線と平行に複数個
所（３ケ所）にシリンダ室１１が設けられる。該シリン
ダ室１１にはピストン１２が挿入され、ピストン１２の
前方側（チャック５２側）にはばね１３が内装され常態
としてピストン１２を後方に押圧している。前記ピスト
ン１２には先端を楔形に形成したロッド１４が、前記カ
バー６８を貫通して主軸軸線方向と平行に設けられる。
このロッド１４は前記ピストン１２によりＺ軸方向に移
動可能である。そのためロッド１４の外径の一部にＺ軸
方向に長溝を刻設し、この長溝とカバー６８に設けた止
めねじ１５とによってスライドガイドと回り止めを兼ね
させている。

前記ロッド１４の先端には該ロッド１４の楔部分に係合
すべく楔形に形成された伝達部材１６が、前記空間部７
２内で一端を前記ロッド１４が前進したときのみ斜面ど
うしが係合し、他端を中空主軸７０のフランジ７０aに
主軸軸線に直交して穿設された穴内に摺動可能に挿嵌さ
れる。この伝達部材１６も主軸軸芯方向に向って移動可
能なため、一部に長溝を形成しこの長溝と中空主軸７０
のフランジ７０aに設けた止めねじ１７とによってスラ
イドガイドと回り止めを兼ねさせている。

更に、中空主軸７０のフランジ７０a内に嵌入した伝達
部材１６の楔部に係合する楔部を形成した押出し部材１
８が主軸軸線と平行に中空主軸７０のフランジ７０a内
に嵌入される。そしてこの押出し部材１８も又、主軸軸
線方向に移動可能なため、一部に長溝を形成しこの長溝
と中空主軸７０のフランジ７０aに設けた止めねじ１９
とによってスライドガイドと回り止めを兼ねさせてい
る。

前記ロッド１４、伝達部材１６、押出し部材１８は、セ
ンタ保持具７を抜出する際の補助となるためのものであ
るから、押出し部材１８は前記センタ保持具７の後方段
部７bを押圧する位置に設けられる。而して、センタ保
持具７の交換時に油圧によるピストン１２の前進力が楔
部分で係合するロッド１４により径方向の力に変換さ
れ、その力は更に楔部分で係合する伝達部材１６によっ
て主軸軸芯方向へ変換伝達され押出し部材１８が前方へ
押出されてセンタ保持具７を押出すことになる。

ここでハウジング（固定側）に主軸軸線方向に移動可能
に設けられたロッド１４の先端部は中空主軸が回転中の
ときは、ばね１３の作用で後退し、伝達部材１６端部ど
うしは接触せず僅かな隙間を有している。中空主軸の回
転が停止するとき、主軸割出し装置（図示せず）によ
り、中空主軸フランジ７０a側の伝達部材１６はロッド
１４の楔部に対し、正確に位置決め割出しされる。この
状態で、ロッド１４をチャック５２側に前進させると、
ロッド１４の作用力は伝達部材１６を介して、押圧部材
１８に伝達される。

次にセンタ保持具７を交換するための交換アーム５５と
把持部材２０の説明をする。把持部材２０はハウジング
５１前端に取付けられたチャック５２の前方に位置する
交換アーム５５に取付けられ、キー２１とナット２２で
固定される。把持部材２０は段付き円筒に形成され内部
には段付き貫通穴が形成されている。交換アーム５５よ
り突出した状態の先端面には蓋板２３が取付けられてい
る。

前記把持部材２０後部寄り内部に径方向に向って放射状
に形成された複数のシリンダ室２４には把持機能を有す
る押圧子２５と一体形成されたピストン２６が挿嵌され
ている。押圧子２５ははばね２７が巻装され押圧子押え
蓋２８内に収納されて、常態として前記ピストン２６を
主軸軸芯方向に押圧している。これらのピストン２６、
押圧子２５は径方向に向って放射状に複数個設けられ、
前述したセンタ保持具７に設けられた係合穴１０に係合
するようになっている。

前記把持部材２０内のシリンダ室２４は、把持部材２０
に穿設された主軸軸線方向に平行な油路２９に連通して
おり、更にこの油路２９は、前記蓋板２３に穿設された
油路３０に連通している。そして蓋板２３の油路３０に
ジョイント３１を通じて図略の油圧源から油圧が適宜供
給されることになる。

交換アーム５５のハウジング５１側の把持部材２０の近
傍位置には、センサ取付ブラケット３２が主軸軸線と平
行に取付けられる。該センサ取付ブラケット３２内には
センサ３３が収納されそのセンサ３３の軸部にはばね３
４が巻装され、常態としてセンサ３３をハウジング５１
側へ押圧している。センサ３３の他端は交換アーム５５
を貫通しており、センサ３３の一端がセンタ保持具７の
前端フランジ面に当接した時、ばね３４の付勢に抗して
交換アーム５５のハウジング５１と反対側の面のブラケ
ット３６に取付けた近接スイッチ３５に接近するように
なっている。

上述の如く構成された本考案実施例の短尺鋼管加工用セ
ンタ保持具の自動交換装置の動作を説明する。

まず加工する鋼管が長尺物である場合は、中空主軸７０
内を通過して搬送された鋼管を中空主軸７０の前後のチ
ャック５２，５３で保持し、振止め台５９、芯押し台５
８で固定しておいて移動台６０、タレット刃物台６７を
移動させ鋼管の回転によって所定の加工を行なう。この
時センタ保持具７は使用されないのでチャックボディ５
２a内から抜出されマガジン５６内に収納されている。
交換アーム５５もマガジン５６側に待機している状態に
なる。

加工する鋼管が短尺物でハウジング５１後部のチャック
５３を使用しない場合、前部のチャック５２のチャック
ボディ５２a内にセンタ保持具７を装着してその内部に
挿着固定したセンタ８を使用する必要がある。

今回加工する鋼管の大きさに合せたセンタを挿着固定し
たセンタ保持具７をマガジン５６から交換アーム５５の
先端に取付けた把持部材２０によって取出し作動軸５４
の駆動により中空主軸軸芯上所定位置にまで旋回した後
チャックに向け後退してセンタ保持具７をチャック５２
に受渡し、その後交換アーム５５がタレット刃物台側に
前進した後旋回して所定の待機位置で待機する。

センタ保持具７がチャックボディ５２a内部のテーパ穴
内の所定位置に挿着されると、チャックボディ５２a内
の鋼球４がセンタ保持具７の係合穴１０に係合し位置決
め固定される。このとき、チャック５２は主軸７０後方
割出し装置（図略）により割出され、交換アームの把持
部材２０の押圧子２５と係合穴１０との位置関係およ
び、ハウジング５１側のロッド１４の楔面と伝達部材１
６の楔面同しの位置関係は正確に一致した状態になって
いる。同時に図略の通常行なわれる別の手段によって、
把持部材２０内のシリンダ室２４への油圧供給を弁の切
換えで停止する。シリンダ室２４内の押圧子２５はばね
２７付勢によりセンタ保持具７内の係合穴１０との係合
を解かれセンタ保持具７対しフリーの状態となる。

次に作動軸５４の前進により交換アーム５５を該交換ア
ーム５５に取付けられた把持部材２０全体がハウジング
５１前端のチャックボディ５２aから完全に離反する所
定位置まで前進させ、その後マガジン５６側へ旋回させ
る。

センタ保持具７が完全にセットされた状態で鋼管をチャ
ックボディ５２a前方からセットしセンタ８と爪５２bと
で固定して所定の加工を行なう。尚、この場合使用され
るチャックはコンペイセントチャックが望ましい。

今回の加工が終了し次工程の加工を行なう場合に、現在
セットしてあるセンタを使用出来るものであればそのま
ま使用し上述の如き順序で加工を行ない、鋼管の大きさ
が異なり現在セットしてあるセンタが使用出来ない時は
次工程の鋼管に対応するセンタを有するセンタ保持具と
交換しなければならない。そのためにまず、現在マガジ
ン前面に待機している交換アーム５５を作動軸５４の作
動によって主軸軸芯上にまで旋回させる。その後交換ア
ーム５５をチャックに向け後退させる。センタ保持具７
内の係合穴１０位置まで把持部材２０が挿入されるとセ
ンサ３３先端がセンタ保持具７のフランジ面に当接し、
センサ取付ブラケット３２内のばね３４に抗してセンサ
３３が前方に押され近接スイッチ３５に接触する。この
接触によりセンサ３３は把持部材２０の把持位置にセン
ター保持具７が有るという信号を得る。この信号が切換
弁に伝わり弁を開くことによりジョイント３１、油路３
０，２９を通じ把持部材２０内のシリンダ室２４に油圧
が供給される。シリンダ室２４からの圧力によってピス
トン２６がばね２７に抗して外方へ移動し、つまりピス
トン２６と一体形成された押圧子２５が外方へ突出して
センタ保持具７の係合穴１０に係合し、交換アーム５５
の把持部材２０がセンタ保持具７を強固に保持すること
になる。

この状態で作動軸５４の作動により、交換アーム５５を
タレット刃物台６７側へ前進させる。これと同時にハウ
ジング５１内のシリンダ室１１に図略の油圧源から油圧
を供給する。シリンダ室１１の圧力はピストン１２とロ
ッド１４を前進させる。この前進力は先端部が楔部で係
合する伝達部材１６に伝達され、径方向への力に変換さ
れ伝達部材１６は径方向へ移動する。この伝達部材１６
の径方向への移動力は同様に楔部で係合する押出し部材
１８に伝わり、主軸軸線方向への力と変換され押出し部
材１８は前方に押出されることになる。押出し部材１８
の先端部はセンタ保持具７の後方段部平面７bに位置し
ているから押出し部材１８の押出し力はセンタ保持具７
の交換アーム５５、把持部材２０による抜出に補助力を
与えることになる。

センタ保持具７を抜出した交換アーム５５は旋回、後退
しマガジン５６の割出された空ポットに使用済のセンタ
保持具７を収納する。収納後、交換アーム５５がマガジ
ン５６前面で待機し、マガジン内にある次工程用のセン
タを有するセンタ保持具が割出されたら、旋回後退して
前述した如くの動作により押圧子２５で係合保持し再び
前進し所定位置まで旋回する。そして、交換アーム５５
を後退させて前述した如くの動作によりチャックボディ
５２a内のテーパ穴に挿着する。

前回使用のセンタ保持具抜出時に、中空主軸７０のフラ
ンジ７０a面より突出した押出し部材１８は、今回挿着
したセンタ保持具の後部一平面に押されてフランジ面よ
り後退する。前述した動きと逆の作用により伝達部材１
６は径方向から離反する方向に動き、更にロッド１４は
前回のセンタ保持具抜出後にハウジング５１内のシリン
ダ室１１への油圧供給をストップすることで、ばね１３
付勢によりハウジング５１側へ後退しているのでそれぞ
れの部材ロッド１４、伝達部材１６、押出し部材１８は
干渉することなく元の位置に納まる。

以後、加工工程に応じて上述の動作を繰返すことにな
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、特に長尺鋼管加工から短尺鋼管加工
へ、あるいは短尺鋼管加工でも鋼管径の異なる鋼管への
加工工程の流れに対応して、マガジン内に収納された径
の異なるセンタを挿着固定した複数個のセンタ保持具の
うち適応する径のセンタを挿着固定したセンタ保持具を
自動的に簡単に交換することが可能となり、センタ保持
具の交換に時間がかからず生産性の向上を図ることが可
能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の短尺鋼管加工用センタ保持具の自動交
換装置の側面断面図を示し、第２図は本考案の短尺鋼管
加工用センタ保持具の自動交換装置が使用される鋼管加
工用の工作機械の全体側面図を示し、第３図は第２図に
おけるＡ矢視図を示す。 １…短尺鋼管加工用センタ保持具の自動交換装置 ４…係合部材（鋼球）、７…センタ保持具 ８…センタ、１４…ロッド １６…伝達部材、１８…押出し部材 ２０…把持部材、２５…押圧子 ３３…センサ、５０…ベッド ５２，５３…チャック、５５…交換アーム ５６…マガジン、５８…芯押し台 ５９…振止め台、６０…移動台 ６７…タレット刃物台、７０…中空主軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベッド上に載置されたハウジングに回転自
   在に軸承された中空主軸と、該中空主軸端に設けられた
   貫通穴を有するチャックと、該チャックに対向し、前記
   ベッドに形成された主軸軸線方向に案内する案内面上に
   載置された心押台と、該心押台とチャックの間にあって
   前記ベッドの案内面上に載置された振止め台と、前記主
   軸軸線を含む平面上で移動可能にベッド上に設けられた
   タレット刃物台を有する鋼管加工工作機械において、前
   記中空主軸を割り出す主軸割出し装置と、前記チャック
   の貫通穴内に形成されたテーパ部と、該チャックのテー
   パ穴部に半径方向に出没自在に設けられた係合部材と、
   該係合部材と対峙する位置に設けられた係合部を有し前
   記チャックのテーパ穴部に挿着可能なテーパ外径部を形
   成すると共に穴部内径底部にセンターを設けたセンター
   保持具と、該センター保持具穴部に挿入し径方向に押圧
   把持する把持部材を一端に設けた交換アームと、該交換
   アームの他端に設けられ交換アームを主軸と交叉する方
   向に旋回し且つ主軸軸線方向に進退可能な作用軸を軸承
   すべく前記ハウジング側壁に取付けられた支持台と、前
   記チャックにあって該チャックのテーパ穴部に挿着した
   センター保持具後方を押圧すべく主軸軸線方向に進退可
   能に挿嵌された押出し部材と、前記ハウジング側に設け
   られ前記主軸割出し装置によりチャックが所定位置に割
   出され、前記押出し部材と一致したとき押圧作用で係合
   し前記押出し部材を押出すべく押圧力を与える押圧装置
   とから成る短尺鋼管加工用センタ保持具の自動交換装
   置。