JP5090331B2 - ワーク供給装置 - Google Patents
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Description
この構成によれば、作業位置で位置決めされたワークと主軸の貫通孔に挿入された筒状の部材に収容されたワークとを離間させることができる。
[第一の実施形態]
図1は、本発明のワーク供給装置の第一の実施形態にかかり、その構成を説明する断面図である。
なお、以下の説明において「前」と記載するときには、図1の右方を指すものとして、「後」と記載するときには同左方を指すものとする。また、図においては、本発明のワーク供給装置以外の部分を仮想線で示すものとする。
さらに、貫通孔500a内で、保持筒400が主軸500と非接触状態で支持されている。そのため、ワーク加工の際に主軸500が回転しても、保持筒400は回転しない。もちろん、保持筒400を主軸500に対して回転自在かつ進退移動自在に支持する軸受等を用いて、保持筒400を主軸500内で支持するようにしてもよい。
保持筒400の前端には、ワークwを把持するためのチャック爪221を備えたコレットチャック220が設けられている。
マガジン110は、円筒状に形成され、同一形状のワークwを、主軸軸線C上で多数配列して収容する。マガジン110の中心には、ワークwの外形形状及び寸法にほぼ一致する形状及び寸法のワーク収容孔110aが、マガジン110の前端面111から後端まで貫通形成されている。この実施形態では、マガジン110が、主軸軸線C上で多数個のワークを配列して収容するワーク収容部を構成する。
マガジン110の前端には、保管の際や搬送の際にマガジン110の前端からからワークwが脱落しないようにするためのストッパ130が設けられている。
図2は図1のワーク供給装置の要部の詳細にかかり、図2(a)はマガジン110の前端部分の拡大図、図2(b)は図2(a)のマガジン110の前端部分を図中I方向から見た拡大図である。
図示するように、マガジン110には、外周面の一部を前端面111側から主軸軸線Cと同方向に切り欠いて凹状の第一の溝112が形成されている。また、マガジン110の前端には、第一の溝112とワーク収容孔110aとを連通状に連結するする第二の溝114が形成されている。
マガジン110の後端には、ワーク収容孔110aに配列して収容されたワークwをストッパ130の係合部132に向けて付勢するワーク付勢部140が設けられている。
このワーク付勢部140は、ワーク収容孔110aの後端に形成された大径部110c内に設けられている。ワーク付勢部140は、大径部110cに挿入された筒状の押圧部材141と、大径部110cの開口部分に螺着された筒状のキャップ142と、このキャップ142と押圧部材141との間に介在し、押圧部材141を前方に向けて付勢するコイルばね143とからなっている。
押圧部材141の外周面の途中部位には、径方向外側に張り出すフランジ141aが形成されていて、このフランジ141aがワーク収容孔110aと大径部110cとの境界部分に形成された段付き部に当接することで、押圧部材141の前進限界が決定される。
ガイドスリーブ120は、ワークwの把持及び把持の解除を行うコレットチャック220の内部に挿入される。ガイドスリーブ120に貫通形成されたガイド孔は、ワークwの外形形状及び外径寸法とほぼ同一の形状及び内径寸法を有し、かつ、マガジン110の前端から送り出されたワークwをコレットチャック220のチャック爪221まで確実に案内して受け渡すことができるように、その前端がチャック爪221に隣接して位置している。
この実施形態では、図1に示すように、ガイドスリーブ120の後端側に張り出し形成されたフランジ121が、コレットチャック220の後端にばね201によって押し付けられることで、コレットチャック220に対してガイドスリーブ120が位置決めされる。
図3(a)は、保持筒400の貫通孔内でマガジン110が位置決め固定されたときの状態を示す主要部の断面図、図3(b)は、図3(a)のII方向矢視図である。
保持筒400の貫通孔内でマガジン110が位置決め固定される際には、図3に示すように、大径部110bに凸部122が挿入され、この凸部122がストッパ130の傾斜部133と係合する。これにより、基部131のばね力に抗して係合部132が径方向外側に移動させられ、ストッパ130によるワークwの規制が解除される。すなわち、この実施形態では、凸部122が規制解除手段を構成する。
保持筒400の貫通孔に挿入されたマガジン110を後方から押すことで、マガジン110を保持筒400の貫通孔内で位置決め固定するためのマガジンプッシャ170は、主軸軸線C上に配置された押圧部材171と、この押圧部材171を回転自在に支持するアーム172と、押圧部材171及びアーム172を主軸軸線C上で前後方向に進退移動させる図示しない駆動機構とから構成される。
駆動機構としては、エアシリンダや油圧シリンダ等の流体圧シリンダ、ボールねじ・ナットとモータの組み合わせ、ソレノイド等の公知のものを用いることができる。
マガジン110が保持筒400の貫通孔内で位置決めして固定される際には、ストッパ130によるワークwの規制が解除されるので、マガジン110の前端からのワークwの送り出しが可能になる。ワークwの送り出しは、マガジン110内のワークwを後方から押すワークプッシャ160によって行われる。
ワークプッシャ160は、マガジン110の後方から、マガジンプッシャ170の押圧部材171及びワーク付勢部140を挿通してワーク収容孔110aに挿入された押し棒161と、この押し棒161を所定速度で前進させる図示しない駆動機構とを有する。
ワーク押さえ150は、ストッパ130によるワークwの規制を解除する際に、先頭のワークw1を前方から押さえることで、マガジン110内のワークwが不用意に移動したり、倒れたりしないようにする。また、ワークプッシャ160と協働して、先頭のワークwをチャック爪221まで移動させ、チャック爪221に正確に把持させる。
ワーク押さえ150及びワークプッシャ160とともにワークwをチャック爪221まで送るワーク送り手段は、主軸軸線Cと同方向に移動自在で、かつ、精密な位置決めが可能であれば種々のものを用いることができる。例えば、主軸軸線C方向に移動自在な刃物台,対向主軸台又はテールストッカ等を挙げることができる。
次に、本発明の第二の実施形態を、図4を参照しながら説明する。
この実施形態のワーク供給装置は、ストッパの構成が異なるだけで、他の部分については第一の実施形態と同様である。そのため、以下の説明ではストッパ部分についてのみ説明し、その他の部分についての詳しい説明は省略する。
図4は本発明の第二の実施形態にかかり、(a)はストッパによってワークが規制された状態を、(b)はストッパによるワークの規制が解除された状態を示している。
この実施形態では、マガジン110の前端に、マガジン110の外周面からワーク収容孔110aまで貫通する溝115が形成されている。この溝115の壁面に、主軸軸線Cと直交する方向に軸135aが取り付けられ、この軸135aを支点とする爪135が回動自在に設けられている。
本発明の第三の実施形態を、図5を参照しながら説明する。
この実施形態においてマガジン110に収容されるワークw′は、図5(a)に示すように、外周縁の一部を切り欠いた略D字状のものである。
この場合は、図5(b)及び図5(c)に示すように、マガジン110内で主軸軸線Cの周りにワークw′が回転しないようにするために、ワーク収容孔110aの内周面に回り止めを設ける。この回り止めは、ワーク収容孔110aの内周面に形成され、ワーク収容孔110aの全長にわたって主軸軸線Cと同方向に延びる溝110dと、この溝110dに嵌入されたキー状の回り止め部材118とを有している。
なお、ワーク収容孔110aの内部にキー状の回り止め部材118を設けることで、マガジン110の重量バランスが変化し、マガジン110の重心が主軸軸線Cと一致しなくなる。そこで、回り止め部材118の材質としてマガジン110の材質よりも軽量のものを採用したり、回り止め部材118に孔や溝を設けたり、回り止め部材118と対称位置に重量バランスをとるための部材を設けたりする等して、マガジン110の重心を可能な限り主軸軸線C上又はその近傍に位置させるのが好ましい。
また、この実施形態では、回り止め部材118を設けた部位を避けてストッパ130を設けるが、マガジン110の重量バランスを考慮した位置にストッパ130を一つ又は複数設けるのが好ましい。
この第四の実施形態では、マガジン310の前端がチャック爪221の直近に位置していて、マガジン330から送り出されたワークwがすぐにチャック爪211に受け渡されるようになっている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同一部位,同一部材には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
マガジン310の前端部分は、他の部分よりも径の小さい小径部310bとして形成されている。また、マガジン310の外周面には、前端面311から主軸軸線Cと同方向に延びる第一の溝312aと、この第一の溝312aの後端に位置し、第一の溝312aよりも浅い第二の溝312bと、第一の溝312aの前端で第一の溝312aとワーク収容孔110aとを連通状に連結する第三の溝314とが形成されている。
図8は、上記のワーク供給装置によるワーク供給の手順を説明する図である。
図8(a)に示すように、初期状態では、保持筒400は後退した位置にあって、保持筒400に収容されたコレットチャック220の前端(チャック爪221)と主軸500のチャック爪511とは離間している。この状態で、保持筒400にマガジン110を保持筒400の後端から挿入する。このとき、主軸500の前端に対面する位置に、ワーク押さえ150が待機している。
なお、マガジン110内のワークwは、ストッパ130とワーク付勢部140とによって保持されているので、マガジン110の保管の際、搬送の際及び保持筒400の貫通孔にマガジン110を挿入する際に、ワークwがマガジン110から脱落したり、マガジン110内で不用意に移動したり、倒れたりすることはない。
このとき、先に図3を参照しながら説明したように、ワーク収容孔110aの前端に形成された大径部110bにガイドスリーブ120の突部122が挿入されることで、ストッパ130によるワークwの規制が解除される。なお、先頭のワークw1がワーク押さえ150に当接しているので、ストッパ130による規制が解除されても、ワークwが不用意に移動したり倒れたりすることはない。
そして、この状態で、ワーク押さえ150で先頭のワークw1を押さえながら、ワークwをチャック爪511による把持位置まで移動させる。
加工終了後は、図11(a)に示すように、チャック爪511によるワークw1の把持解除に先立って、保持筒400を前進させ、次のワークwを加工の終了したワークw1に当接させる。次いで、ワーク押さえ150が前進して、加工が終了したワークw1に当接し、ワークw1を押さえる。
以後、図10(b)〜図11(c)の動作を繰り返して、マガジン110内のワークwが次々と加工される。
また、ドリルでワークw1に貫通孔を形成する場合でも、保持筒400とともに次に加工するワークwを十分に後退させておくことで、ワークw1を突き抜けたドリルの先端が次のワークwに接触してワークwを傷つけたり、変形させたりするという不都合を防止できる。
例えば、第一〜第四の実施形態では、ワークwの加工中は常にマガジンプッシャ170でマガジン110,310を前方に押して位置決め・固定を行っているが、保持筒400の貫通孔内でマガジン110,310の位置決め・固定を行うことができるのであれば、例えば保持筒400の後方にマガジン110,310を把持するチャックを設け、このチャックでマガジン110,310の位置決めと固定を行うようにしてもよい。
また、上記の説明では主軸の後方からマガジンを挿入するものとしているが、マガジンは主軸の先端から挿入するものであってもよい。また、上記の説明では主軸が水平方向の横型の工作機械(自動旋盤)を例に挙げて説明したが、主軸が立て方向の立て型の工作機械にも適用が可能である。
110:マガジン
110a:貫通孔
111:前端面
120:ガイドスリーブ(ガイド)
121:フランジ
122:凸部(規制解除手段)
130:ストッパ
131:基部
140:ワーク付勢部
150:ワーク押さえ
160:ワークプッシャ
170:マガジンプッシャ
202:カバー
203:テーパ面
210:軸受
220:コレットチャック
221:チャック爪
230:ドローバ
500:主軸
500a:主軸貫通孔
A:加工位置(作業位置)
T:工具
Claims (4)
- 複数のワークを同一の軸線上に整列して収容する筒状の部材を有し、前記筒状の部材に収容されたワークを、作業機械の作業位置に供給するワーク供給装置であって、
前記筒状の部材を、前記作業位置で前記ワークを把持する筒状の主軸の貫通孔に挿入して配置し、前記作業位置に位置決めされたワークとこのワークに隣接する前記筒状の部材内のワークとを離間させるように前記貫通孔内で進退移動自在に設けたこと、
を特徴とするワーク供給装置。 - 前記筒状の部材に収容されたワークのうちの先頭のワークを前記筒状の部材の先端で把持する把持手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のワーク供給装置。
- 前記主軸を回転駆動自在に設け、前記筒状の部材を回転しないように固定して設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク供給装置。
- 前記作業機械が、前記主軸に把持されたワークの加工を行う工作機械であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワーク供給装置。
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