JPH0678282B2 - シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法

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JPH0678282B2 JP33317390A JP33317390A JPH0678282B2 JP H0678282 B2 JPH0678282 B2 JP H0678282B2 JP 33317390 A JP33317390 A JP 33317390A JP 33317390 A JP33317390 A JP 33317390A JP H0678282 B2 JPH0678282 B2 JP H0678282B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非線形光学材料として有用で、かつ新規なシ
クロブテンジオン誘導体及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 光通信や光情報処理の分野では、非線形光学素子が重要
な役割を果たす。非線形光学素子に使用する非線形光学
材料は、周波数の異なる2種類の入射光の和及び差の周
波数を発生する光混合、周波数の異なる2種類の光とな
る光パラメトリック、また、光媒体の屈折率を変化させ
るポッケルス効果やカー効果、或いは入射光の二次高調
波(SHG)又は三次高調波(THG)への変換、更に光双安
定など、光信号処理の上で極めて重要な作用を行う物質
である。従来、この様な非線形光学材料としては、主と
して無機系の物が使用されていた。
無機系の非線形光学材料については、KDP(KH2PO4)お
よびニオブ酸リチウム(LiNbO3)などの無機化合物の結
晶が知られているが、要求を十分に満足するに足るもの
ではなかった。
一方、有機系の非線形光学材料については、近年、オプ
トエレクトロニクス分野における新しい光学素子用材料
として注目され、年々その研究が盛んになってきてい
る。特に、π電子共役系を有する有機化合物は、その分
子単位の性能の大きさと高速の応答性から、材料探索の
ための研究が数多くなされている。
一般に、有機非線形光学材料の結晶は、無機非線形光学
材料の結晶に比べて、SHGの係数が10〜100倍大きく、光
応答速度も1000倍程度速く、また光損傷に対する閾値も
大きいことが知られている。
最近、明らかにされた有機非線形光学材料としては、2
−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、
N−(4−ニトロフェニル)−L−プロリノール、2−
アセチルアミノ−4−ニトロ−N、N−ジメチルアニリ
ン、4−ジメチルアミノ−4′−ニトロスチルベン、
4′−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリ
ウムメチルスルフェート及び4′−メチルベンジリデン
−4−ニトロアニリンなどの有機化合物があげられる。
これらπ電子共役系を有する有機化合物の光非線形性
は、電磁波としてのレーザー光と有機化合物のπ電子と
の相互作用に起因するものであって、この相互作用は、
π電子共役系に電子吸引性、電子供与性の置換基を導入
することにより、更に大きくすることができる。
ところが、この様な有機化合物において、一般に双極子
モーメントが大きくなり、結晶時の双極子−双極子相互
作用が強くなって、2分子の双極子が互いに打ち消し合
う構造である中心対称性の結晶を形成し易くなる。応用
面で重要な2次の非線系光学効果については、この様な
中心対称性結晶では発現しないという問題がある。結晶
状態で光非線形性を発現させる上で問題となる中心対称
性を崩すために、水素結合能を有する置換基や不斉炭素
原子を有する光学活性な置換基を、π電子共役系を有す
る有機化合物に分子設計時に導入するという工夫がなさ
れている。本発明者は、このような不斉炭素原子を有す
る光学活性置換基をπ電子共役系に導入し、従来よりも
大きな非線形効果を示す材料の具体例を特願平1−2481
08号に開示したが、さらに大きな非線形効果の向上が望
まれている。
(発明が解決しようとする課題) 一般に、非線形光学素子用材料として必要とされる特性
は、光非線形性の大きさ、光の透過性、耐レーザー損傷
強度、結晶性、位相整合性、加工性、機械的強度、吸湿
性及び硬度等があげられる。
従来から知られている有機非線形光学素子用材料の中か
ら、以上のような実用上必要とされる諸特性を満足する
ものを選択することは極めて困難であった。
本発明は、従来の技術における上記のような実状に鑑み
てなされたものである。
従って、本発明の目的は、従来より知られている非線形
光学素子用材料における問題点を改善し、より大きな非
線形光学効果を有し、保存安定性及び加工性、透明性が
改良された実用的な有機非線形光学素子用材料を提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、分子の双極子モーメントが大きく、結晶時
に中心対称性を形成しやすい化合物系であっても、分子
に適切な置換基を導入することにより、特に、2次の非
線形光学効果の大きい有機非線形光学素子用材料が得ら
れることを見出し、本発明を完成した。本発明の上記目
的は、下記一般式(I)で示される新規なシクロブテン
ジオン誘導体によって達成される。
(式中、R1は、CH3基、C2H5基を表わし、R2はC2H5基、C
3H7基、HOC2H4基、CH3OC2H4基を表わし、R3は、次式の
いずれかを表わし、Cは不斉炭素原子を表わす) 本発明の上記一般式(I)で示されるシクロブテンジオ
ン誘導体中に含まれるシンクロブテンジオン環は、下記
実施例中で示す極大吸収波長(分子内電荷移動吸収帯)
からも分かるように、ニトロ基並の強い電子吸引性を有
すると共に、長いπ電子共役系を持つ。そのため、分子
全体が電気的に大きく分極した構造を取り易くなり、高
い非線形性発現の原因になっている。
また、上記一般式(I)で示されるシクロブテンジオン
誘導体においては、不斉炭素原子を有する置換基が導入
されている場合には、分子自体の双極子モーメントが大
きい場合であっても、バルク構造における分子の配向を
制御し、中心対称性を崩すことにより、更に大きな光非
線形性を発現させることになる。
本発明の上記一般式(I)で示されるシクロブテンジオ
ン誘導体は、次に示す反応式によって容易に、かつ収率
よく合成することができる。
すなわち、一般式(II)で示されるシクロブテンジオン
誘導体をアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、
エタノール等の溶媒に懸濁或るいは溶解させ、次いで、
得られた懸濁液又は溶液中 (式中、Xは塩素原子、臭素原子、メトキシ基又はエト
キシ基を表わし、R1はCH3基、C2H5基を表わし、R2はC2H
5基、C3H7基、HOC2H4基、CH3OC2H4基を表わす) に、上記シクロブテンジオン誘導体に対して当量以上の
一般式(III)で示されるアミノ酸誘導体を、攪拌しな
がら徐々に加えて反応させる。反応は、通常、速やかに
進行するが、必要に応じて加熱することも可能である。
反応の進行に伴い、生成物が析出してくる場合、濾過
し、また、生成物が析出してこない場合は、濃縮する
か、或いは適当な貧溶媒を加えて析出させればよい。得
られた結晶は、必要によりアルコール、アセトン等の溶
媒により再結晶させ、或いは昇華により精製する。
上記一般式(III)で示されるアミノ酸誘導体の代わり
に、その酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、p−ト
ルエンスルホン酸塩等を原料として使用し、トリエチル
アミン、N−メチルモルホリン等の塩基性化合物の共存
下に、一般式(II)で示されるシクロブテンジオン誘導
体と、上記した方法と同様にして反応させて合成するこ
ともできる。
なお、上記一般式(II)で示されるシクロブテンジオン
誘導体は、例えばジエチルアニリン化合物とジクロロシ
クロブテンジオンを、塩化アルミニウムの存在下フリー
デルクラフツ溶剤(例えば2硫化炭素、ニトロベンゼ
ン、塩化メチレン等)中で混合、攪拌することによっ
て、クロロシクロブテンジオン誘導体を得る方法、或い
は、ジアルコキシシクロブテンジオンを、トリアルキル
オキソニウム塩及びハロゲン化溶剤と共に、ジエチルア
ニリン化合物と反応させてアルコキシシクロブテンジオ
ン誘導体を得る方法、等によって製造することができ
る。
(実施例1) 1−(4′−N,N−ジエチルアミノフェニル)−2−
(1′−ヒドロキシメチルエチルアミノ)−シクロブテ
ン−3,4−ジオンの合成 下記構造式(II−1)で示される化合物2g(7.6mmol)
のアセトン溶液100mlに、S−(+)−2−アミノ−1
−プロパノール2gを添加し、約2時間加熱攪拌を続け
た。
反応終了後、蒸発乾固し、得られた残さをメタノールか
ら再結晶することにより、下記構造式(I−1)で示さ
れる1−(4′−N,N−ジエチルアミノフェニル)−2
−(1′−ヒドロキシメチルエチルアミノ)−シクロブ
テン−3,4−ジオン0.8g(2.7mmol)を黄色の結晶として
得た。収率は36%であった。
融点:166℃ 極大吸収波長(λmax):407nm(CH2Cl2中) 元素分析 C H N 計算値 67.52 7.34 9.27 測定値 67.71 7.31 9.15 (実施例2〜12) 原料物質として、第1表〜第4表の一般式(II)の欄に
記載のシクロブテンジオン誘導体と一般式(III)の欄
に記載のアミノ酸誘導体とを使用する以外は、実施例1
に記載の場合と同様にして、第1表〜第4表の一般式
(I)の欄に記載の目的生成物を合成した。得られた生
成物について、元素分析値、極大吸収波長(λmaxinCH2
Cl2)及び融点を測定した。その結果を第5表に示す。
(応用例) 実施例1に記載の上記構造式(I−1)で示される化合
物を、ガラスセル中に充填した粉末のサンプルに、Nd:Y
AGレーザ(波長1.064μm、出力180mJ/パルス)を照射
すると、SHGに起因する532nmの強い緑色散乱光が、効率
よく発生した。
(発明の効果) 本発明の上記一般式で示されるシクロブテンジオン誘導
体は、新規な化合物であって、高い非線形性を示し、ま
た、耐熱性、耐光性、保存安定性及び加工性に優れた物
質であるので、非線形光学素子、例えば、光波長変換素
子、光シャッター、高速光スイッチング素子、光論理ゲ
ート、光トランジスター等の作製に使用することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるシクロブテン
    ジオン誘導体。 (式中、R1は、CH3基、C2H5基を表わし、R2はC2H5基、C
    3H7基、HOC2H4基、CH3OC2H4基を表わし、R3は、次式の
    いずれかを表わし、Cは不斉炭素原子を表わす)
  2. 【請求項2】一般式(II)で示されるシクロブテンジオ
    ン誘導体と、一般式(III)で示されるアミノ酸誘導体
    を反応させることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のシクロブテンジオン誘導体の製造方法。 (式中、Xは塩素原子、臭素原子、メトキシ基又はエト
    キシ基を表わし、R1は、CH3基、C2H5基を表わし、R2はC
    2H5基、C3H7基、HOC2H4基、CH3OC2H4基を表わす) NH2R3 (III) 式中、R3は、次式のいずれかを表わし、Cは不斉炭素
    原子を表わす)
  3. 【請求項3】前記一般式(II)で示されるシクロブテン
    ジオン誘導体と、前記一般式(III)で示されるアミノ
    酸誘導体の酸付加塩を、塩基性化合物の存在下で反応さ
    せることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のシ
    クロブテンジオン誘導体の製造方法。
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