JP2819827B2 - シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非線形光学材料として有用で、かつ新規な
シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 光通信や光情報処理の分野では、非線形光学素子が重
要な役割りを果たす。非線形光学素子に使用する非線形
光学材料は、周波数の異なる2種類の入射光の和及び差
の周波数を発生する光混合、周波数の異なる2種類の光
となる光パラメトリック、また、光媒体の屈折率を変化
させるポッケルス効果やカー効果、或いは入射光の二次
高調波(SHG)又は三次高調波(THG)への変換、更に光
双安定など、光信号処理の上で極めて重要な作用を行う
物質である。従来、この様な非線形光学材料としては、
主として無機系の物が使用されていた。
無機系の非線形光学材料については、KDP(KH2PO4
およびニオブ酸リチウム(LiNbO3)などの無機化合物の
結晶が知られているが、要求を十分に満足するに足るも
のではなかった。
一方、有効系の非線形光学材料については、近年、オ
プトエレクトロニクス分野における新しい光学素子用材
料として注目され、年々その研究が盛んになってきてい
る。特に、π電子共役系を有する有機化合物は、その分
子単体の性能の大きさと高速の応答性から、材料探索の
ための研究が数多くなされている。
一般に、有機非線形光学材料の結晶は、無機非線形光
学材料の結晶に比べて、SHGの係数が10〜100倍大きく、
光応答速度も1000倍程度速く、また光損傷に対する閾値
も大きいことが知られている。
最近、明らかにされた有機非線形光学材料としは、2
−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、
N−(4−ニトロフェニル)−L−プロリノール、2−
アセチルアミノ−4−ニトロ−N、N−ジメチルアニリ
ン、4−ジメチルアミノ−4′−ニトロスチルベン、
4′−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリ
ウムメチルスルフェート及び4′−メチルベンジリデン
−4−ニトロアニリンなどの有機化合物があげられる。
これらπ電子共役系を有する有機化合物の光非線形性
は、電磁波としてのレーザー光と有機化合物のπ電子と
の相互作用に起因するものであって、この相互作用は、
π電子共役系に電子吸引性、電子供給性の置換基を導入
することにより、更に大きくすることができる。
ところが、この様な有機化合物においては、一般に双
極子モーメントが大きくなり、結晶時の双極子−双極子
相互作用が強くなって、2分子の双極子が互いに打ち消
し合う構造である中心対称性の結晶を形成し易くなる。
応用面で重要な2次の非線形光学効果については、この
様な中心対称性結晶では発現しないという問題がある。
そこで、結晶状態で光非線形性を発現させる上で問題と
なる中心対称性を崩すために、水素結合能を有する置換
基や不斉炭素原子を有する光学活性な置換基を、π電子
共役形を有する有機化合物に分子設計時に導入するとい
う工夫がなされている。本発明者は、このような不斉炭
素原子を有する光学活性置換基をπ電子共役系に導入
し、従来よりも大きな非線形効果を示す材料の具体例を
特願平1−248108号に開示したが、さらに大きな非線形
効果の向上が望まれている。
(発明が解決しようとする課題) 一般に、非線形光学素子用材料として必要とされる特
性は、光非線形性の大きさ、光の透過性、耐レーザ損傷
強度、結晶性、位相整合性、加工性、機械的強度、吸湿
性及び硬度等があげられる。
従来から知られている有機非線形光学素子用材料の中
から、以上のような実用上必要とされる諸特性を満足す
るものを選択することは極めて困難であった。
本発明は、従来の技術における上記のような実状に鑑
みてなされたものである。
従って、本発明の目的は、従来より知られている非線
形光学素子用材料における問題点を改善し、より大きな
非線形光学効果を有し、保存安定性、加工性及び透明性
が改良された実用的な有機非線形光学素子用材料を提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、分子の双極子モーメントが大きく、結晶
時に中心対称性を形成しやすい化合物系であっても、分
子に適切な置換基を導入することにより、特に、2次の
非線形光学効果の大きい有機非線形光学素子用材料が得
られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の上記目的は、下記一般式(I)で示される新
規なシクロブテンジオン誘導体によって達成される。
(式中、R1、R2はアルキル基を表わし、R3は次式のいず
れかを表わし、Cは不斉炭素原子を表わす) 本発明の上記一般式(I)で示されるシクロブテンジ
オン誘導体中に含まれるシンクロブテンジオン環は、下
記実施例中で示す極大吸収波長(分子内電荷移動吸収
帯)からも分かるように、ニトロ基並の強い電子吸引性
を有すると共に、長いπ電子共役系を持つ。そのため、
分子全体が電気的に大きく分極した構造を取り易くな
り、高い非線形性発現の原因になっている。
また、上記一般式(I)で示されるシクロブテンジオ
ン誘導体においては、不斉炭素原子を有するアミノ酸誘
導体が置換基として導入されている場合には、分子自体
の双極子モーメントが大きい場合であっても、バルク構
造における分子の配向を制御し、中心対称姓を崩すこと
により、更に大きな光非線形性を発現させることにな
る。
本発明の上記一般式(I)で示されるシクロブテンジ
オン誘導体は、次に示す反応式によって容易に、かつ収
率よく合成することができる。
すなわち、一般式(II)で示されるシクロブテンジオ
ン誘導体をアセトン、テトラヒドロフラン、メタノー
ル、エタノール等の溶媒に懸濁或るいは溶解させ、次い
で、得られた懸濁液又は溶液中 (式中、Xは塩素原子、臭素原子、メトキシ基又はエト
キシ基を表わし、R1、R2はアルキル基を表わし、R3は次
式のいずれかを表わす) に、上記シクロブテンジオン誘導体に対して当量以上の
一般式(III)で示されるアミノ酸誘導体を、撹拌しな
がら徐々に加えて反応させる。反応は、通常、速やかに
進行するが、必要に応じて加熱することも可能である。
反応の進行に伴い、生成物が析出してくる場合は、濾過
し、また、生成物が析出してこない場合は、濃縮する
か、或いは適当な貧溶媒を加えて析出させればよい。得
られた結晶は、必要によりアルコール、アセトン等の溶
媒により再結晶させ、或いは昇華により精製する。
上記一般式(III)で示されるアミノ酸誘導体の代わ
りに、その酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、p−
トルエンスルホン酸塩等を原料として使用し、トリエチ
ルアミン、N−メチルモルホリン等の塩基性化合物の共
存下に、一般式(II)で示されるシクロブテンジオン誘
導体と、上記した方法と同様にして反応させて合成する
こともできる。
なお、上記一般式(II)で示されるシクロブテンジオ
ン誘導体は、例えば1,2−ジメトキシベンゼンとジクロ
ロシクロブテンジオンを、塩化アルミニウムの存在下フ
リーデルクラフツ溶剤(例えば2硫化炭素、ニトロベン
ゼン、塩化メチレン等)中で混合、撹拌することによっ
て、クロロシクロブテンジオン誘導体を得る方法、或い
は、ジアルコキシシクロブテンジオンを、トリアルキル
オキソニウム塩及びハロゲン化溶剤と共に、1,2−ジメ
トキシベンゼンと反応させてアルコキシシクロブテンジ
オン誘導体を得る方法、等によって製造することができ
る。
(実施例1) 1−(3′,4′−ジメトキシフェニル)−2−(1′−
ヒドロキシメチル−2′−フエニルエチルアミノ)−シ
クロブテン−3,4−ジオンの合成 下記構造式(II−1)で示される化合物0.6g(2.4mmo
l)のアセトン溶液20mlに、D−フエニ ルアラニノール1gを添加し、約2時間撹拌を続けた。反
応終了後、貧溶媒として40mlの水を加え冷蔵庫中に静置
した。その後、析出した黄色結晶を補集することによ
り、下記構造式(I−1)で示される、1−(3′,4′
−ジメトキシフェニル)−2−(1′−ヒドロキシメチ
ル−2′−フエニルエチルアミノ)−シクロブテン−3,
4−ジオン0.5g(1.4mmol)を黄色の結晶として得た。収
率は58%であった。
融点:192℃ 極大吸収波長(λmax):358nm(CH2Cl2中) 元素分析 C H N 計算値 68.65 5.76 3.81 測定値 68.46 5.40 3.92 実施例(2〜4) 原料物質として、第1表の一般式(II)の欄に記載の
シクロブテンジオン誘導体と、一般式(III)の欄に記
載のアミノ酸誘導体とを使用する以外は、実施例1に記
載の場合と同様にして、第1表の一般式(I)の欄に記
載の目的生成物を合成した。
得られた生成物について、元素分析値、極大吸収波長
(λmax in CH2Cl2)及び融点を測定した。その結果を
第2表に示す。
(応用例) 実施例1に記載の上記構造式(I−1)で示される化
合物を、ガラスセル中に充填した粉末のサンプルに、N
d:YAGレーザ(波長1.064μm、出力180mJ/パルス)を照
射すると、SHGに起因する532nmの強い緑色散乱光が、効
率よく発生した。
(発明の効果) 本発明の上記一般式で示されるシクロブテンジオン誘
導体は、新規な化合物であって、高い非線形性を示し、
また、耐熱性、耐光性、保存安定性及び加工性に優れた
物質であるので、非線形光学素子、例えば、光波長変換
素子、光シャッター、高速光スイッチング素子、光論理
ゲート、光トランジスター等の作製に使用することがで
きる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるシクロブテン
    ジオン誘導体。 (式中、R1、R2はアルキル基を表わし、R3は、次式のい
    ずれかを表わし、Cは不斉炭素原子を表わす)
  2. 【請求項2】下記一般式(II)で示されるシクロブテン
    ジオン誘導体と、下記一般式(III)で示されるアミノ
    酸誘導体を反応させることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載のシクロブテンジオン誘導体の製造方法。 (式中、Xは塩素原子、臭素原子、メトキシ基又はエト
    キシ基を表わし、R1、R2はアルキル基を表わす) NH2R3 (III) (式中、R3は、次式のいずれかを表わし、Cは不斉炭
    素原子を表わす)
  3. 【請求項3】前記一般式(II)で示されるシクロブテン
    ジオン誘導体と、前記一般式(III)で示されるアミノ
    酸誘導体の酸付加塩を、塩基性化合物の存在下で反応さ
    せることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のシ
    クロブテンジオン誘導体の製造方法。
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