JPH067804B2 - シ−トに使用されるサイ・サポ−ト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、乗り物のシート、殊に、乗り物のドライバ
・シートに使用するのに適するように改良されたサイ・
サポートに関する。

背景技術 従来、例えば、ミッション仕様の自動車では、クラッチ
操作の際、シート・クッションのメイン・クッションが
前方部分において、ドライバの大腿によって過度に押し
潰され、また、オートマチック仕様の自動車では、その
ドライバの大腿がそのメイン・クッションの前方部分か
ら持ち上げられ、浮き上がっているので、そのドライバ
は疲労され易い状態に置かれてきている。

発明の目的・課題 この発明の目的・課題は、ドライバ、乗員、乗客などの
体形や着座姿勢に応じて、シート・クッションの前方の
高さを調節可能にし、不自然な着座姿勢による疲労から
それらの人々を解放可能にし、かけ心地を向上させると
ころのシートに使用されるサイ・サポートの提供にあ
る。

目的・課題に係る構成上の発明の概要： 請求する発明の内容 上述の目的・課題に関連して、この発明のシートに使用
されるサイ・サポートは、軸線をクッション・フレーム
の左右方向に位置させて、そのクッション・フレームの
前方に配置されるシャフトと、切欠きイクステンション
・エンドを一端に有し、かつ、爪を他端に有して、その
シャフトに回転可能に嵌め合わせられる可動スリーブ
と、ニュートラル位置およびリフト位置を決定し、それ
らの位置において、その切欠きイクステンション・エン
ドの回転に干渉する切欠きストッパを一端に有し、か
つ、爪を他端に有して、そのシャフトに固定的に嵌め合
わせられる固定スリーブと、その可動スリーブの爪に対
応され、その可動スリーブに関する回転を規制する切欠
きを一端に有してその可動スリーブのに嵌め合わせられ
るフリクション・カラーと、その固定スリーブの爪に対
応され、その固定スリーブに関する回転を規制する切欠
きを一端に有してその固定スリーブに嵌め合わせられる
遊びカラーと、先端がそのクッション・フレームの前縁
側に位置され、かつ、後端側がそれらカラーに固定的に
取り付けられるリフト・プレートと、そのリフト・プレ
ートの後端およびそのクッション・フレーム側間に配置
されるテンション・スプリングとを含んで構成し、その
フリクション・カラーによって、そのシャフトに関連し
て、そのスリーブおよびカラー間に生じる摩擦力に抗し
て、上下方向において、そのリフト・プレートをそのシ
ャフトのまわりに揺動し、シート・クッションにおける
メイン・クッションの前方部分の高さを簡単な操作で調
節可能にするものである。

具体例の説明 以下、この発明のシートに使用されるサイ・サポートの
望ましい具体例について、図面を参照して説明する。

第１ないし７図は、乗用車のドライバ・シート４０に適
用されたこの発明のシートに使用されるサイ・サポート
の具体例１０、１０を示している。

そのサイ・サポート１０、１０は、互いに共用するシャ
フト１１と、可動スリーブ１２と、固定スリーブ１３
と、フリクション・カラー１４と、遊びカラー１５と、
リフト・プレート１６と、テンション・スプリング１７
とを含んで構成している。

そのシャフト１１は、そのドライバ４０のクッション・
フレーム４３の左右方向に軸線を位置させ、そのクッシ
ョン・フレーム４３の前方における両側に両端を溶接し
て、そのクッション・フレーム４３の前方に配置されて
いる。

その可動スリーブ１２は、パイプから所定の長さに切断
され、セクタ・イクステンション・エンド２０を一端
に、爪２１を他端にそれぞれ有し、そのシャフト１１の
所定の位置に回転可能に嵌め合わせられている。勿論、
そのセクタ・イクステンション・エンド２０は、そのス
リーブ１２の一端部分を切り欠いて形成され、また、そ
の爪２１は、そのセクタ・イクステンション・エンド２
０に関連して、そのスリーブ１２の他端の外周面に溶接
されている。

その固定スリーブ１３は、そのリフト・プレート１６の
ニュートラル位置および前倒れ位置を決定し、それらの
位置において、そのセクタ・イクステンション・エンド
２０の回転に干渉するセクタ・ストッパ２２を一端に、
爪２３を他端にそれぞれ有し、そのシャフト１１に固定
的に嵌め合わせられている。

この固定スリーブ１３は、その可動スリーブ１２と同様
に、パイプから所定の長さに切断され、一端には、その
セクタ・ストッパ２２がそのスリーブ１３の端部を切り
欠いて形成され、また、その爪２３がそのセクタ・スト
ッパ２２に関連して、そのスリーブ１３の他端の外周面
に溶接されている。

さらに、この固定スリーブ１３は、第５図から理解され
るように、その可動スリーブ１２に隣り合わせにして、
そのシャフト１１に嵌め合わせられ、そして、そのセク
タ・イクステンション・エンド２０の回転に干渉可能に
位置決めされて、そのシャフト１１に溶接されている。

そのフリクッション・カラー１４は、合成樹脂から厚肉
に成形された筒部分２４および一対のトング２５、２５
からなるパイプ・クランプ構造に製作されている。勿
論、そのトング２５、２５には、ボルト孔２７、２７が
形成されている。

そのように合成樹脂の成形品であるところのそのフリク
ション・カラー１４には、その可動スリーブ１２の爪２
１に対応され、その可動スリーブ１２に関する回転を規
制する、所謂、そのシャフト１１に関するそのリフト・
プレート１６の前倒れ位置を規制する切欠き２６が一端
に形成されている。

そして、このフリクション・カラー１４は、その筒部分
２４をその可動スリーブ１２に嵌め合わせ、ワッシャ３
４を使用して、ボルト３２およびナット３３で、そのト
ング２５、２５を締め付け、その可動スリーブ１２のま
わりに回転される際、適宜の摩擦力が生じるように、そ
の可動スリーブ１２に取り付けられている。

その遊びカラー１５は、そのフリクション・カラー１４
と同様に、合成樹脂から厚肉に成形された筒部分２８お
よび一対のトング２９、２９からなるパイプ・クランプ
構造に製作されている。特に、この遊びカラー１５で
は、その筒部分２８の内径がその固定スリーブ１３の外
径よりも大きくされてあり、そのトング２９、２９が締
め付けられても、その筒部分２８はその固定スリーブ１
３にすきまばめされる。また、そのトング２９、２９に
は、ボルト孔３１、３１が形成されている。

そのように合成樹脂の成形品であるところのその遊びカ
ラー１５には、その固定スリーブ１３の爪２３に対応さ
れ、その固定スリーブ１３に関する回転を規制する、所
謂、そのシャフトに関するそのリフト・プレート１６の
リフト位置を規制する切欠き３０が一端に形成されてい
る。

そして、この遊びカラー１５は、その筒部分２８をその
固定スリーブ１３に嵌め合わせ、ワッシャ３４を使用し
て、ボルト３２およびナット３３でそのトング２９、２
９を締め付け、その筒部分２８がその固定スリーブ１３
にすきまばめされて、その固定スリーブ１３に取り付け
られている。

したがって、この遊びカラー１５は、非常に軽い力でそ
の固定スリーブ１３のまわりに回転される。

そのリフト・プレート１６は、ばね鋼板片からなり、先
端をそのクッション・フレーム４３の前縁側に位置さ
せ、プレス機で後端に打ち抜かれたボルト孔３５、３５
をそのトング２５、２５および２９、２９のボルト孔２
７および３１に合わせながら、後端側をそのトング２
５、２５および２９、２９上に載せて、ボルト３２およ
びナット３３で共締めされ、そのようにして、そのフリ
クッション・カラーおよび遊びカラー１４、１５に固定
的に取り付けられる。勿論、そのボルト３２およびナッ
ト３３によるそのリフト・プレート１６とそのカラー１
４、１５のトング２５、２５および２９、２９との共締
めには、そのワッシャ３４が使用される。

さらに、そのリフト・プレート１６は、自身の後端に突
出されたアーム３６を備え、そのアーム３６に孔３７を
プレス機で打ち抜き、そのテンション・スプリング１７
の一端を引っ掛けている。

そのように、後端側がそのカラー１４、１５のトング２
５、２５および２９、２９に共締めされるリフト・プレ
ート１６は、メイン・クッション４４の前縁部分４６に
おけるクッション・パッドを載せ、そのメイン・クッシ
ョン４４の前縁部分４６を上下動可能に支える、所謂、
高さ調節可能に支える。

そのテンション・スプリング１７は、コイル・スプリン
グからなり、そのリフト・プレート１６に形成されたア
ーム３６の孔３７に一端を引っ掛け、また、そのクッシ
ョン・フレーム４１に他端を引っ掛けて、そのリフト・
プレート１６の後端とそのクッション・フレーム４１と
の間に配置されている。勿論、そのように配置されて張
られたテンション・スプリング１７は、そのリフト・プ
レート１６の先端を上方に持ち上げる方向の力をそのリ
フト・プレート１６に付与している。

次に、上述のように構成されたサイ・サポート１０、１
０の動作をそのドライバ・シート４０に関連して説明す
る。

そのドライバ・シート４０は、クッション・シート４１
とシート・バック４２とよりなり、そのクッション・シ
ート４１が、また、クッション・フレーム４３およびメ
イン・クッション４４からなり、一方、そのシート・バ
ック４２が、バック・フレーム（図示せず）およびバッ
ク・クッション４５からなり、そのサイ・サポート１
０、１０は第２図に示されるように、そのクッション・
フレーム４３に配置されて、そのクッション・シート４
１に組み込まれている。

今、そのサイ・サポート１０、１０が第１および２図に
示されるように、ニュートラル位置にあって、下向きの
力がそのリフト・プレート１６に働いていなければ、そ
のリフト・プレート１６のアーム３６がそのテンション
・スプリング１７によって、下方に引かれているので、
それに伴って、そのフリクション・カラー１４および可
動スリーブ１２が回転され、第６図に示されるように、
そのセクタ・イクステンション・エンド２０が、そのセ
クタ・ストッパ２２のニュートラル位置に当てられる。
その結果、そのリフト・プレート１６は、水平位置、換
言するならば、ニュートラル位置に保たれる。

そのような状態で、そのクッション・シート４１の前縁
部分４６に下向きの力が働くならば、すなわち、クラッ
チ・ペダル（図示せず）、若しくはアクセル・ペダル
（図示せず）の踏込みに応じて、ドライバの大腿が、そ
のクッション・シート４１の前縁部分４６を押し潰すな
らば、そのリフト・プレート１６が撓み、また、同時
に、そのテンション・スプリング１７が伸び、それに伴
って、そのフリクション・カラー１４および可動スリー
ブ１２が回転され、第７図に示されるように、そのセク
タ・イクステンション・エンド２０がそのセクタ・スト
ッパ２２の前倒れ位置に当てられる。そして、この場合
には、切欠き２６が爪２１に当たり、そのリフト・プレ
ート１６をさらに下方に押し下げようとする下向きの力
による摩擦力がその可動スリーブ１２とそのフリクショ
ン・カラー１４との間に働くことが阻止されている。

そのようにして、そのリフト・プレート１６は、前倒れ
位置をとり、また、ドライバには、その違和感が感じら
れない。

また、ドライバにとって、そのクッション・シート４１
の前縁部分４６が低い場合には、そのメイン・クッショ
ン４４の前縁部分４６と一緒にそのリフト・プレート１
６の先端をつかみながら上方に持ち上げる。

そのように持上げ操作によって、そのリフト・プレート
１６は、そのシャフト１１に関して上方に揺動され、そ
の可動スリーブ１２、フリクション・カラー１４および
遊びカラー１５もまた、そのリフト・プレート１６に伴
われて回転される。

その際には、その可動スリーブ１２とそのフリクション
・カラー１４との間に摩擦力が働くので、そのリフト・
プレート１６は、その摩擦力に抗して上方に持ち上げら
れ、その遊びカラー１５の切欠き３０がその爪２３に当
り、そのシャフト１１および固定スリーブ１３に関する
その遊びカラー１５の回転が止められ、そのリフト・プ
レート１６は、自身を下方に押し下げるように働く下向
きの力に抵抗して、その可動スリーブ１２とそのフリク
ション・カラー１４との間に生じる摩擦力と、そのテン
ション・スプリング１７とによって、リフト位置に保た
れ、その結果、そのクッション・シート４１の前縁部分
４６は高くなり、ドライバの要求に対応される。

上述では、そのサイ・サポート１０、１０のリフト・プ
レート１６がニュートラル位置およびリフト位置に同じ
く操作されるものとして説明されたが、そのサイ・サポ
ート１０、１０の一方では、そのリフト・プレート１６
が、ニュートラル位置にそのサイ・サポート１０、１０
の他方では、そのリフト・プレート１６が、リフト位置
にそれぞれ独立して操作することも可能である。

発明の利便・利益 上述よりして、既に提案され、使用されてきているサイ
・サポートに比較していえば、この発明のシートに使用
されるサイ・サポートは、シャフトが、軸線をクッショ
ン・フレームの左右方向に位置させて、そのクッション
・フレームの前方に配置され、可動スリーブが、セクタ
・イクステンション・エンドを一端に有し、かつ、爪を
他端に有して、そのシャフトに回転可能に嵌め合わせら
れ、固定スリーブがニュートラル位置および前倒れ位置
を決定し、それらの位置において、そのセクタ・イクス
テンション・エンドの回転に干渉するセクタ・ストッパ
を一端に有し、かつ、爪を他端に有して、そのシャフト
に固定的に嵌め合わせられ、フリクション・カラーが、
その可動スリーブの爪に対応され、その可動スリーブに
関する回転を規制する切欠きを一端に有して、その可動
スリーブに嵌め合わせられ、遊びカラーがその固定スリ
ーブの爪に対応され、その固定スリーブに関する回転を
規制する切欠きを一端に有してその固定スリーブに嵌め
合わせられ、リフト・プレートが、先端をそのクッショ
ン・フレームの前縁側に位置させ、かつ、後端側をそれ
らカラーに固定的に取り付け、そして、テンション・ス
プリングがそのリフト・プレートの後端およびそのクッ
ション・フレーム側間に配置される構成になるので、こ
の発明のシートに使用されるサイ・サポートでは、ドラ
イバ、乗員、乗客などの体形や着座姿勢に応じて、シー
ト・クッションの前方の高さが調節可能になり、不自然
な着座姿勢による疲労からそれらの人々が解放され、か
け心地が向上され、さらには、そのシート・クッション
の前縁部分を左右に独立して高さ調節可能になり、ドラ
イバにとっては、楽な姿勢で運転可能になり、また、そ
のフリクション・カラーが使用されるので、着座におい
て、そのシート・クッションとの違和感がなく、加え
て、構造的に簡略化され、実用的になる。

発明と具体例との関係 先のように、図面を参照しながら説明されたこの発明の
具体例からして、この発明の属する技術の分野における
通常の知識を有する者にとって、種々の設計的修正や変
更は容易に行われることであり、さらには、この発明の
内容が、その発明の課題を遂行ならしめる発明の成立に
必須であり、その発明の性質であるその発明の技術的本
質に由来し、そして、それを内在させると客観的に認め
られる態様に容易に置き換えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明のシートに使用されるサイ・サポー
トを組み込んだドライバ・シートの斜視図、第２図は、
第１図に示すドライバ・シートのクッション・フレーム
の斜視図、第３図は、第１図に示すドライバ・シートに
組み込まれたこの発明のサイ・サポートの分解斜視図、
第４図は、第２図の４−４線に沿って示した断面図、第
５図は、そのサイ・サポートの部分斜視図、第６図は、
そのサイ・サポートが、ニュートラル位置にあるときの
セクタ・イクステンション・エンドおよびセクタ・スト
ッパのかみ合い状態図、および、第７図は、そのサイ・
サポートが、前倒れ位置にあるときのそのセクタ・イク
ステンション・エンドおよびセクタ・ストッパのかみ合
い状態図である。 １１…シャフト、１２…可動スリーブ、１３…固定スリ
ーブ、１４…フリクション・カラー、１５…遊びカラ
ー、１６…リフト・プレート、１７…テンション・スプ
リング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軸線をクッション・フレームの左右方向に
   位置させて、そのクッション・フレームの前方に配置さ
   れるシャフトと、 セクタ・イクステンション・エンドを一端に有し、か
   つ、爪を他端に有して、そのシャフトに回転可能に嵌め
   合わせられる可動スリーブと、 ニュートラル位置および前倒れ位置を決定し、それらの
   位置において、そのセクタ・イクステンション・エンド
   の回転に干渉するセクタ・ストッパを一端に有し、か
   つ、爪を他端に有して、そのシャフトに固定的に嵌め合
   わせられる固定スリーブと、 その可動スリーブの爪に対応され、その可動スリーブに
   関する回転を規制する切欠きを一端に有してその可動ス
   リーブに嵌め合わせられるフリクション・カラーと、 その固定スリーブの爪に対応され、その固定スリーブに
   関する回転を規制する切欠きを一端に有してその固定ス
   リーブに嵌め合わせられる遊びカラーと、 先端がそのクッション・フレームの前縁側に位置され、
   かつ、後端側がそれらカラーに固定的に取り付けられる
   リフト・プレートと、 そのリフト・プレートの後端およびそのクッション・フ
   レーム側間に配置されるテンション・スプリング とを含むシートに使用されるサイ・サポート。