JPH0677400U - 立体音響再生装置 - Google Patents
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- JPH0677400U JPH0677400U JP1589593U JP1589593U JPH0677400U JP H0677400 U JPH0677400 U JP H0677400U JP 1589593 U JP1589593 U JP 1589593U JP 1589593 U JP1589593 U JP 1589593U JP H0677400 U JPH0677400 U JP H0677400U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 音声出力モードの切換えによりレベル調整手
段に供給される左右の正面側スピーカ出力用音声信号に
レベル差が発生するのを防止する。 【構成】 ゲイン切換え部41は、3チャンネルサラウ
ンドモード及びサラウンドオフモードを選択した場合
に、音声信号a11L,a11Rの音量制御のゲインが
1となり、2チャンネルサラウンドモードを選択した場
合に、音声信号a11L,a11Rの音量制御のゲイン
が1/2となる。これにより、音声出力モードの切換え
によりレベル調整手段のオーディオプロセッサ21に供
給される左右の正面側スピーカ出力用の音声信号f1
L,f1Rにレベル差が発生するのを防止できる。
段に供給される左右の正面側スピーカ出力用音声信号に
レベル差が発生するのを防止する。 【構成】 ゲイン切換え部41は、3チャンネルサラウ
ンドモード及びサラウンドオフモードを選択した場合
に、音声信号a11L,a11Rの音量制御のゲインが
1となり、2チャンネルサラウンドモードを選択した場
合に、音声信号a11L,a11Rの音量制御のゲイン
が1/2となる。これにより、音声出力モードの切換え
によりレベル調整手段のオーディオプロセッサ21に供
給される左右の正面側スピーカ出力用の音声信号f1
L,f1Rにレベル差が発生するのを防止できる。
Description
【0001】
本考案はオーディオディオテープレコーダ、ビデオテープレコーダ等における ステレオ音声を立体的に再生できるようにした立体音響再生装置に関する。
【0002】
従来、オーディオテープレコーダ、ビデオテープレコーダ、テレビジョン受像 機等、ステレオ音声の出力を行う音響再生装置では、それぞれ異なる左右の音声 信号を左右2つのスピーカから出力させて聴取者に臨場感を持たせている。
【0003】 しかしながら、このような従来の2チャンネルステレオ音声の出力を行う音響 再生装置では、音楽ホールにおける演奏のような残響音は得られない。このこと に対応して、音場拡大効果(サラウンド効果)を得るためにデジタルサウンドプ ロセッサ(以下、DSPと呼ぶ)により構成される回路を用いて音声を加工する 音響再生装置が実用化されている。
【0004】 このような音響再生装置の音場拡大方式には、大きく分けて2チャンネルサラ ウンド音声の出力を行う2チャンネル型と、3チャンネルサラウンド音声の出力 を行う3チャンネル型とがある。
【0005】 2チャンネル型は、左右の音声信号L,Rより、差信号(L−R)を作成し、 この差信号(L−R)を遅延した遅延信号φ(L−R)を左の音声Lと合成して 左の正面側スピーカから出力させるとともに、遅延信号φ(L−R)を右の音声 Rと合成して右の正面側スピーカから出力させる。
【0006】 3チャンネル型は、左右の音声信号L,Rをそのまま左右の正面側スピーカか らそれぞれ出力させるとともに、左右の音声信号L,Rより差信号(L−R)を 作成し、この差信号(L−R)を遅延した遅延信号φ(L−R)を背面側のサラ ウンドスピーカから出力させる。
【0007】 上述の2チャンネル型の場合は、スピーカが2つでよく場所を取らずに音場拡 大効果が得られるが、音楽ホールにおける演奏のような後方からの残響音は得ら れない。一方、3チャンネル型の場合は、サラウンドスピーカから後方からの残 響音が得られるが、左右の正面側スピーカに加えて、背面側にサラウンドスピー カを配置しなければならず、狭い部屋には不適切である。
【0008】 このことに対応して、通常のステレオ音声と2チャンネルサラウンド音声と3 チャンネルサラウンド音声とを切換えて出力できる立体音響再生装置が実用化さ れている。
【0009】 図4はこのような音声を切換えて出力できるようにした従来の立体音響再生装 置を示すブロック図である。
【0010】 図4において、入力端子51,52は、音声復調回路からの左の音声信号a2 L、右の音声信号a2Rがそれぞれ供給されるようになっいる。入力端子51, 52に供給された左右の音声信号a2L,a2Rは、それぞれ入力バランス制御 用の電子ボリウム53の第1及び第2の入力端子に供給される。
【0011】 一方、マイクロコンピュータ71は、ユーザーからの左右音量バランス調整の キー入力に対応して、電子ボリウム53にバランス制御データm2を供給するよ うになっている。電子ボリウム53は、マイクロコンピュータ71からのバラン ス制御データm2に基づいて、可変抵抗R51,R52の抵抗値を設定すること により、入力端子51,52に供給された左右の音声信号a2L,a2Rに対し て、音量バランスの調整を行い左右の音声信号b2L,b2Rとしてそれぞれ第 1及び第2の出力端子から出力する。電子ボリウム53から出力された左右の音 声信号b2L,b2Rは、それぞれアンプ54,55により左右の音声信号c2 L,c2Rに増幅され、それぞれ加算器56及び減算器57の第1の入力端子に 供給される。
【0012】 また、電子ボリウム53から出力された左右の音声信号b2L,b2Rは、L −Rマトリクス回路58に供給される。L−Rマトリクス回路58は、DSPで 構成されており、左の音声信号b2Lと右の音声信号b2Rとの引算を行うこと により、残響成分となる差信号(b2L−b2R)を検出して遅延回路59に供 給する。遅延回路59は、差信号(b2L−b2R)の遅延を行うことにより、 位相φの位相シフトを行い遅延差信号φ(b2L−b2R)を作成する。一方、 マイクロコンピュータ71は、ユーザーからの音声出力モード選択のキー入力に 対応して出力切換制御バスデータn2を作成しており、2チャンネルサラウンド モードを選択した場合には、遅延回路59に第1の出力端子を選択させる出力切 換制御バスデータn2を供給し、3チャンネルサラウンドモードを選択した場合 には、遅延回路59に第2の出力端子を選択させる出力切換制御バスデータn2 を供給し、サラウンドオフモードを選択した場合には、第1及び第2の出力端子 の双方を選択しない出力切換制御バスデータn2を遅延回路59に供給する。こ れにより、遅延回路59は、2チャンネルサラウンドモードを選択した場合に、 第1の出力端子から遅延差信号φ(b2L−b2R)を出力信号d2として出力 させ、第2の出力端子から無信号を出力信号e2として出力させる。また、遅延 回路59は、3チャンネルサラウンドモードを選択した場合に、第1の出力端子 から無信号を出力信号d2として出力させ、第2の出力端子から遅延差信号φ( b2L−b2R)を出力信号e2として出力させる。さらに、遅延回路59は、 サラウンドオフモードを選択した場合に、第1の出力端子から無信号を出力信号 d2として出力させ、第2の出力端子から無信号を出力信号e2として出力させ る。
【0013】 遅延回路59の第1の出力端子は、加算器56及び減算器57の第2の入力端 子に接続されている。加算器56は、アンプ54からの左の音声信号c2Lと遅 延回路55の第1の出力端子からの出力信号d2を加算し、左のスピーカ出力用 音声信号f2Lとしてオーディオプロセッサ61の第1の入力端子に供給する。 減算器57は、アンプ55からの右の音声信号c2Rから、遅延回路59の第1 の出力端子からの出力信号e2を減算し右のスピーカ出力用音声信号f2Rとし てオーディオプロセッサ61の第2の入力端子に供給する。
【0014】 一方、遅延回路59の第2の出力端子からのサラウンドスピーカ出力用出力信 号e2は、オーディオプロセッサ61の第3の入力端子に供給される。
【0015】 オーディオプロセッサ61は、マイクロコンピュータ71からの音量制御バス データp2に基づいて、可変抵抗R61,R62,R63の抵抗値を設定するこ とにより、加算器56の出力端子、減算器57の出力端子及び遅延回路59の第 2の出力端子からの音声信号f2L,f2R,e2に対して、ゲイン調整を行い それぞれ音声信号h2L,h2R,i2としてそれぞれ第1乃至第3の出力端子 から出力する。一方、マイクロコンピュータ71は、3チャンネルサラウンドモ ード及びサラウンドオフモードを選択した場合と2チャンネルサラウンドモード を選択した場合に分けて音量制御バスデータp2の設定を行うとともに、ユーザ ーからの音量調整のキー入力に対応して、音量制御バスデータp2の設定を行う 。ここで、2チャンネルサラウンドモードを選択した場合の音量制御バスデータ p2の設定は、3チャンネルサラウンドモード及びサラウンドオフモードを選択 した場合の設定に対して、オーディオプロセッサ61における音声信号f2L, f2Rの音量制御のゲインが1/2倍となるように設定している。
【0016】 オーディオプロセッサ61の第1乃至第3の出力端子から出力される音声信号 h2L,h2R,i2は、それぞれアンプ63,64,65を介して増幅され、 それぞれ左右の正面側スピーカ66,67及びサラウンドスピーカ68にそれぞ れ供給されて、音声出力される。左右の正面側スピーカ66,67は、それぞれ 聴取者の正面側の左右に配置される。サラウンドスピーカ68は、聴取者の背面 側に配置される。
【0017】 図5はこのような従来の立体音響再生装置における3チャンネルサラウンドモ ード及びサラウンドオフモードを選択した場合の音声信号処理を示す説明図であ り、図5(a)はアンプ54からの左の音声信号c2Lを示し、図5(b)は遅 延回路59の第1の出力端子からの出力信号d2を示し、図5(c)は加算器5 6からの音声信号f2Lを示している。
【0018】 まず、3チャンネルサラウンドモードについて説明する。
【0019】 マイクロコンピュータ71は、ユーザーのキー入力より、3チャンネルサラウ ンドモードを選択して遅延回路59に第2の出力端子を選択させる出力切換制御 バスデータn2を供給する。これにより、遅延回路59は、第1の出力端子から 無信号を出力信号d2として出力し、第2の出力端子から遅延差信号φ(b2L −b2R)を出力信号e2として出力する。また、マイクロコンピュータ71は 、3チャンネルサラウンドモードに対応した音量制御バスデータp2をオーディ オプロセッサ61に供給する。さらに、マイクロコンピュータ71は、音声出力 モードに関係なく、電子ボリウム53にバランス制御データm2を供給する。
【0020】 これにより、入力端子51,52に供給された左右の音声信号a2L,a2R は、電子ボリウム53によりバランス制御データm2に基づいた音量バランスの 調整が行われ左右の音声信号b2L,b2Rとして出力される。電子ボリウム5 3から出力された左右の音声信号b2L,b2Rは、それぞれアンプ54,55 により左右の音声信号c2L,c2Rに増幅され、それぞれ加算器56及び減算 器57に供給される。この場合の左の音声信号c2Lは、図5(a)に示す振幅 A51の信号となる。
【0021】 一方、L−Rマトリクス回路58は、左の音声信号b2Lと右の音声信号b2 Rとから差信号(b2L−b2R)を検出し、遅延回路59は、差信号(b2L −b2R)より遅延差信号φ(b2L−b2R)を作成し、この遅延差信号φ( b2L−b2R)を第2の出力端子から出力信号e2として出力するが、第1の 出力端子からの出力信号d2は、図5(b)に示すように、無信号となる。とす ると、加算器56から出力される音声信号f2Lは、図5(c)に示すように、 左の音声信号c2Lと同じ振幅A51の信号となる。これと同様に、減算器57 から出力される音声信号f2Rは、右の音声信号c2Rと同じ信号となる。
【0022】 オーディオプロセッサ61は、マイクロコンピュータ71からの3チャンネル サラウンドモードの音量制御バスデータp2に基づいて、音声信号f2L,f2 R,e2に対して、ゲイン調整を行いそれぞれ音声信号h2L,h2R,i2と して出力する。これら音声信号h2L,h2R,i2は、それぞれアンプ63, 64,65を介して増幅され、それぞれ左右の正面側スピーカ66,67及びサ ラウンドスピーカ68にそれぞれ供給されて、音声出力される。これにより、左 の正面側スピーカ66からは、左の音声信号a2Lが増幅処理された信号が左の 音声として出力され、右の正面側スピーカ67からは、右の音声信号a2Rが増 幅処理された信号が右の音声として出力され、サラウンドスピーカ68からは、 遅延差信号φ(b2L−b2R)が増幅処理された信号がサラウンド音声として 出力される。これにより、左右の正面側スピーカ66,67からは、通常の左右 のステレオ音声が得られ、サラウンドスピーカ68からは、残響成分となるサラ ウンド音声が得られる。
【0023】 次に、サラウンドオフモードについて説明する。
【0024】 マイクロコンピュータ71は、ユーザーのキー入力より、サラウンドオフモー ドを選択して遅延回路59に出力端子を選択しない出力切換制御バスデータn2 を供給する。また、マイクロコンピュータ71は、サラウンドオフモードの対応 した音量制御バスデータp2をオーディオプロセッサ61に供給する。さらに、 マイクロコンピュータ71は、音声出力モードに関係なく、電子ボリウム53に バランス制御データm2を供給する。
【0025】 これにより、アンプ54からの左の音声信号c2L、遅延回路52からの出力 信号d2、加算器56から出力される音声信号f2L、減算器57から出力され る音声信号f2Rは、3チャンネルサラウンドモードと同じ状態となる。一方、 遅延回路59からの出力信号e2は無信号となる。
【0026】 オーディオプロセッサ61は、3チャンネルサラウンドモードの場合と同等の 音量制御バスデータp2に基づいて、音声信号f2L,f2R,e2に対して、 ゲイン調整を行い、それぞれ音声信号h2L,h2R,i2をそれぞれアンプ6 3,64,65を介して、それぞれ左右の正面側スピーカ66,67及びサラウ ンドスピーカ68から音声出力させる。これにより、左の正面側スピーカ66か らは、左の音声信号a2Lが増幅処理された信号が左の音声として出力され、右 の正面側スピーカ67からは、右の音声信号a2Rが増幅処理された信号が右の 音声として出力されるが、サラウンドスピーカ68に導かれる信号は無信号なの で、サラウンドスピーカ68からは、音声が出力されない。これにより、左右の 正面側スピーカ66,67からは、通常の左右のステレオ音声が得られ、サラウ ンドスピーカ68は、音声を出力しない状態となる。
【0027】 次ぎに、2チャンネルサラウンドモードについて説明する。
【0028】 図6はこのような従来の立体音響再生装置における2チャンネルサラウンドモ ードを選択した場合の音声信号処理を示す説明図であり、図6(a)はアンプ5 4からの左の音声信号c2Lを示し、図6(b)は遅延回路59の第1の出力端 子からの出力信号d2を示し、図6(c)は加算器56からの音声信号f2Lを 示している。
【0029】 マイクロコンピュータ71は、ユーザーのキー入力より、2チャンネルサラウ ンドモードを選択して遅延回路59に第1の出力端子を選択させる出力切換制御 バスデータn2を供給する。これにより、遅延回路59は、第1の出力端子から 遅延差信号φ(b2L−b2R)を出力信号d2として出力し、第2の出力端子 から無信号を出力信号e2として出力する。また、マイクロコンピュータ71は 、2チャンネルサラウンドモードに対応した音量制御バスデータp2をオーディ オプロセッサ61に供給する。さらに、マイクロコンピュータ71は、音声出力 モードに関係なく、電子ボリウム53にバランス制御データm2を供給する。
【0030】 これにより、入力端子51,52に供給された左右の音声信号a2L,a2R は、電子ボリウム53を介して音量バランスの調整が行われ左右の音声信号b2 L,b2Rに変換され、それぞれアンプ54,55により左右の音声信号c2L ,c2Rに増幅され、それぞれ加算器56及び減算器57に供給される。この場 合の左の音声信号c2Lは、図6(a)に示す振幅A51の信号となる。
【0031】 一方、L−Rマトリクス回路58は、差信号(b2L−b2R)を検出し、遅 延回路59は、遅延差信号φ(b2L−b2R)を第1の出力端子から出力信号 e2として出力する。この第1の出力端子から出力信号e1は、図6(b)に示 すように、振幅A52の信号となる。この場合の振幅A52は、図6(a)に示 す振幅A51と正確には一致していないが、平均して略同じレベルとなるように 各種回路のゲインを設定している。とすると加算器56から出力される音声信号 f2Lは、図6(c)に示すように、振幅A51+A52の信号となり、上述の 図5(c)に示した3チャンネルサラウンドモードの音声信号f2Lに比べてが 約2倍のレベルとなる。これと同様に、減算器57から出力される音声信号f2 Rは、3チャンネルサラウンドモードの音声信号f2Lに比べて約2倍のレベル となる。
【0032】 オーディオプロセッサ61は、2チャンネルサラウンドモードの音量制御バス データp2に基づいて、音声信号f2L,f2R,e2に対して、ゲイン調整を 行い、それぞれ音声信号h2L,h2R,i2をそれぞれアンプ63,64,6 5を介して、それぞれ左右の正面側スピーカ66,67及びサラウンドスピーカ 68から音声出力される。これにより、左の正面側スピーカ66からは、左の音 声信号c2Lに遅延差信号φ(b2L−b2R)が加算された信号が増幅処理さ れて左の音声として出力され、右の正面側スピーカ67からは、右の音声信号a 2Rより遅延差信号φ(b2L−b2R)が減算された信号が増幅処理されて右 の音声として出力されるが、サラウンドスピーカ68に導かれる信号は無信号な ので、サラウンドスピーカ68からは、音声が出力されない。これにより、左右 の正面側スピーカ66,67からは、左右のステレオ信号に残響成分が加減算さ れた信号が得られ、サラウンドスピーカ68は、音声を出力しない状態となる。 ここで、オーディオプロセッサ61は、音声信号f2L,f2Rの音量制御のゲ インが3チャンネルサラウンドモードやサラウンドオフモードに比べて1/2倍 となるように設定されているので、音声出力モードを2チャンネルサラウンドモ ードから3チャンネルサラウンドモードやサラウンドオフモードに切換えた場合 にも、左右の正面側スピーカ66,67からの音声のレベルは略同じになる。
【0033】 このような従来の音場拡大回路において、ユーザーがサラウンドオフモードを 選択すれば通常ステレオ音声が得られ、2チャンネルサラウンドモードを選択す れば2チャンネルサラウンド音声が得られ、3チャンネルサラウンドモードを選 択すれば3チャンネルサラウンド音声が得られる。しかしながら、サラウンドオ フモードや3チャンネルサラウンドモードにおいて、加算器56及び減算器57 からそれぞれ出力される音声信号f2L,f2Rは、遅延差信号φ(b2L−b 2R)の加減算が行われないので、2チャンネルサラウンドモードに比べてレベ ルが1/2となり、オーディオプロセッサ61を介してレベル調整が行われて出 力される際には、2チャンネルサラウンドモードに比べてノイズ増幅されること になる。これにより、ユーザーに、サラウンドオフモードや3チャンネルサラウ ンドモードの場合に性能が低下するという印象を与えるので不都合であった。
【0034】
上記した従来の音場拡大回路では、サラウンドオフモード及び3チャンネルサ ラウンドモードの場合には、レベル調整手段のオーディオプロセッサに供給され る左右の正面側スピーカ出力用音声信号のレベルが2チャンネルサラウンドモー ドに比べて1/2となるので、オーディオプロセッサを介して音声出力される際 に、ノイズが増幅されることになる。これにより、ユーザーに、サラウンドオフ モードや3チャンネルサラウンドモードの場合に音質が低下するという印象を与 えるので不都合であった。
【0035】 本考案は前記の問題点を除去し、音声出力モードの切換えによりレベル調整手 段に供給される左右の正面側スピーカ出力用音声信号にレベル差が発生するのを 防止できる音場拡大回路の提供を目的とする。
【0036】 [考案の構成]
【0037】
この考案に係る立体音響再生装置は、ゲイン切換えを行うことにより、入力さ れる左の音声信号、右の音声信号のレベルの切換えを行うゲイン切換え回路と、 このゲイン切換え回路からの左の音声信号、右の音声信号に基づいて音場拡大効 果を出すための遅延された左右の差信号を作成する音場拡大信号作成手段と、前 記ゲイン切換え回路からの左の音声信号に対して、前記音場拡大信号作成手段か らの遅延された左右の差信号を加算または減算することにより左のスピーカ出力 用音声信号を作成する第1の演算手段と、前記ゲイン切換え回路からの右の音声 信号に対して、前記音場拡大信号作成手段からの遅延された左右の差信号を加算 または減算することにより右のスピーカ出力用音声信号を作成する第2の演算手 段と、前記第1及び第2の演算手段からの左右のスピーカ出力用音声信号のレベ ル調整を行うレベル調整手段と、このレベル調整手段からの左右のスピーカ出力 用音声信号をそれぞれ音声出力する左右のスピーカと、選択された音声出力モー ドに基づいて前記音場拡大信号作成手段の遅延された左右の差信号の出力のオン ,オフ切換えを行うとともに、前記音場拡大信号作成手段をオン切換えする場合 には、前記音場拡大信号作成手段をオフ切換えする場合に対して、前記ゲイン切 換え回路のゲインが1/2となるようにゲイン切換え回路を制御する制御回路と を具備したことを特徴とする。
【0038】
このような構成によれば、制御回路が音場拡大信号作成手段をオン切換えする 場合には、前記音場拡大信号作成手段をオフ切換えする場合に対して、前記ゲイ ン切換え回路のゲインが1/2となるようにゲイン切換え回路を制御するので、 音声出力モードの切換えによりレベル調整手段に供給される左右の正面側スピー カ出力用音声信号にレベル差が発生するのを防止できる。
【0039】
以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。
【0040】 図1は本考案に係る立体音響再生装置の一実施例を示すブロック図であり、極 力従来の回路を転用できるようにしたものである。
【0041】 図1において、入力端子11,12は、音声復調回路からの左の音声信号a1 L、右の音声信号a1Rがそれぞれ供給されるようになっいる。入力端子11, 12に供給された左右の音声信号a1L,a1Rは、それぞれ入力バランス制御 用の電子ボリウム13の第1及び第2の入力端子に供給される。電子ボリウム1 3は、ゲイン切換え部41とバランス制御部42とから構成される。
【0042】 一方、マイクロコンピュータ31は、ユーザーからの音声出力モード選択のキ ー入力に対応して、電子ボリウム13のゲイン切換え部41にゲイン切換えデー タk1を供給するとともに、ユーザーからの左右音量バランス調整のキー入力に 対応して、電子ボリウム13のバランス制御部42にバランス制御データm1を 供給するようになっている。
【0043】 さらに詳しく説明すると、マイクロコンピュータ31は、3チャンネルサラウ ンドモード及びサラウンドオフモードを選択した場合に、ゲイン切換え部41に おける音声信号a11L,a11Rの音量制御のゲインが1となるようにゲイン 切換えデータk1を設定する。また、マイクロコンピュータ31は、2チャンネ ルサラウンドモードを選択した場合に、ゲイン切換え部41における音声信号a 11L,a11Rの音量制御のゲインが1/2となるようにゲイン切換えデータ k1を設定している。
【0044】 ゲイン切換え部41は、マイクロコンピュータ31からのゲイン切換えデータ k1に基づいて、可変抵抗R11,R12の抵抗値を設定することにより、入力 端子11,12に供給された左右の音声信号a1L,a1Rに対して、ゲイン切 換えを行いそれぞれ左右の音声信号a11L,a11Rとしてそれぞれ第1及び 第2の出力端子から出力する。
【0045】 バランス制御部42は、マイクロコンピュータ31からのバランス制御データ m1に基づいて、可変抵抗R13,R14の抵抗値を設定することにより、ゲイ ン切換え部41からの左右の音声信号a11L,a11Rに対して、音量バラン スの調整を行い、それぞれ左右の音声信号b1L,b1Rとして、それぞれ第1 及び第2の出力端子から出力する。バランス制御部42から出力された左右の音 声信号L,Rは、それぞれアンプ14,15により左右の音声信号c1L,c1 Rに増幅され、それぞれ加算器16及び減算器17の第1の入力端子に供給され る。また、電子ボリウム13から出力された左右の音声信号b1L,b1Rは、 L−Rマトリクス回路18に供給される。L−Rマトリクス回路18は、DSP で構成されており、左の音声信号b1Lと右の音声信号b1Rとの引算を行うこ とにより、残響成分となる差信号(b1L−b1R)を検出して遅延回路19に 供給する。遅延回路19は、差信号(b1L−b1R)の遅延を行うことにより 、位相φの位相シフトを行い遅延差信号φ(b1L−b1R)を作成する。一方 、マイクロコンピュータ31は、ユーザーからの音声出力モード選択のキー入力 に対応して、図4の従来例の出力切換制御バスデータn2と同様の出力切換制御 バスデータn1を作成して遅延回路19に供給する。これにより、遅延回路19 は、3チャンネルサラウンドモードを選択した場合に、第1の出力端子から無信 号を出力信号d1として出力させ、第2の出力端子から遅延差信号φ(b1L− b1R)を出力信号e1として出力させる。また、遅延回路19は、2チャンネ ルサラウンドモードを選択した場合に、第1の出力端子から遅延差信号φ(b1 L−b1R)を出力信号d1として出力させ、第2の出力端子から無信号を出力 信号e1として出力させる。さらに、遅延回路19は、サラウンドオフモードを 選択した場合に、第1の出力端子から無信号を出力信号d1として出力させ、第 2の出力端子から無信号を出力信号e1として出力させる。
【0046】 遅延回路19の第1の出力端子は、加算器16及び減算器17の第2の入力端 子に接続されている。加算器16は、アンプ14からの左の音声信号c1Lと遅 延回路15の第1の出力端子からの出力信号d1を加算し、左のスピーカ出力用 音声信号f1Lとしてオーディオプロセッサ21の第1の入力端子に供給する。 減算器17は、アンプ15からの右の音声信号c1Rから、遅延回路19の第1 の出力端子からの出力信号e1を減算し右のスピーカ出力用音声信号f1Rとし てオーディオプロセッサ21の第2の入力端子に供給する。
【0047】 一方、遅延回路19の第2の出力端子からの出力信号e1は、オーディオプロ セッサ21の第3の入力端子に供給される。
【0048】 オーディオプロセッサ21は、モード切換え信号g1が取り出される以外は、 図4のオーディオプロセッサ61と同様の構成となっており、マイクロコンピュ ータ31からの音量制御バスデータp1に基づいて、可変抵抗R21,R22, R23の抵抗値を設定することにより、加算器16の出力端子、減算器57の出 力端子及び遅延回路19の第1の出力端子からの音声信号f1L,f1R,e1 に対して、ゲイン調整を行いそれぞれ音声信号h1L,h1R,i1としてそれ ぞれ第1乃至第3の出力端子から出力する。
【0049】 一方、マイクロコンピュータ31は、図4のマイクロコンピュータ61におけ る音量制御バスデータp2と同様の音量制御バスデータp1を出力するようにな っている。即ち、マイクロコンピュータ31における2チャンネルサラウンドモ ードを選択した場合の音量制御バスデータp1の設定は、3チャンネルサラウン ドモード及びサラウンドオフモードを選択した場合の設定に対して、オーディオ プロセッサ21における音声信号f1L,f1Rの音量制御のゲインが1/2倍 となるように設定している。
【0050】 また、オーディオプロセッサ21は、音量制御バスデータp1が2チャンネル サラウンドモードを示す場合にローレベルのモード切換え信号g1を出力し、音 量制御バスデータp1が3チャンネルサラウンドモードまたはサラウンドオフモ ードを示す場合にハイレベルのモード切換え信号g1を出力する。
【0051】 オーディオプロセッサ21の第1の出力端子は、抵抗R31を介してアンプ2 3に接続されるとともに、抵抗R32を介してNPNトランジスタTr1のコレ クタに接続される。NPNトランジスタTr1のエミッタは基準電位点に接続さ れる。NPNトランジスタTr1のベースにはモード切換え信号g1が供給され るようになっている。このような接続により、抵抗R31,R32及びNPNト ランジスタTr1は、オーディオプロセッサ21からの音声信号h1Lのゲイン 補正を行うゲイン補正回路43を構成する。
【0052】 オーディオプロセッサ21の第1の出力端子からの音声信号h1Lは、ゲイン 補正回路44によりゲイン補正され、音声信号j1Lとしてアンプ23を介して 増幅され、左の正面側スピーカ26から音声出力される。
【0053】 オーディオプロセッサ21の第2の出力端子は、抵抗R41を介してアンプ2 4に接続されるとともに、抵抗R42を介してNPNトランジスタTr2のコレ クタに接続されれる。NPNトランジスタTr2のエミッタは基準電位点に接続 される。NPNトランジスタTr2のベースにはモード切換え信号g1が供給さ れるようになっている。このような接続により、抵抗R41,R42及びNPN トランジスタTr2は、オーディオプロセッサ21からの音声信号h1Rのゲイ ン補正を行うゲイン補正回路44を構成する。
【0054】 オーディオプロセッサ21の第2の出力端子からの音声信号h1Rは、ゲイン 補正回路42によりゲイン補正され、音声信号j1Rとしてアンプ24を介して 増幅され、右の正面側スピーカ27から音声出力される。
【0055】 ここで、ゲイン補正回路43,44は、NPNトランジスタTr1,Tr2が オフの場合のゲインをB1とすると、NPNトランジスタTr1,Tr2がオン の場合のゲインが(1/2)B1となるように設定されている。
【0056】 オーディオプロセッサ21の第3の出力端子からの音声信号i1はアンプ24 を介して増幅され、それぞれサラウンドスピーカ28から音声出力される。
【0057】 図2はこのような実施例における3チャンネルサラウンドモードまたはサラウ ンドオフモードを選択した場合の音声信号処理を示す説明図であり、図2(a) はアンプ54が出力する左の音声信号c1Lを示し、図2(b)は遅延回路の第 1の出力端子から出力される出力信号d1を示し、図2(c)は加算器16の出 力端子から出力される音声信号f1Lを示している。
【0058】 まず、3チャンネルサラウンドモードについて説明する。
【0059】 マイクロコンピュータ31は、3チャンネルサラウンドモード選択がされた状 態にあるので、ゲイン切換え部41における音声信号a11L,a11Rの音量 制御のゲインが1となるようにゲイン切換えデータk1を設定して、電子ボリウ ム13のゲイン切換え部41に供給する。
【0060】 また、マイクロコンピュータ31は、遅延回路19に第2の出力端子を選択さ せる出力切換制御バスデータn1を供給する。これにより、遅延回路19は、第 1の出力端子から無信号を出力信号d1として出力させ、第2の出力端子から遅 延差信号φ(b1L−b1R)を出力信号e1として出力させる。また、マイク ロコンピュータ31は、3チャンネルサラウンドモードに対応した音量制御バス データp1をオーディオプロセッサ21に供給する。さらに、マイクロコンピュ ータ31は、音声出力モードに関係なく、バランス制御部42にバランス制御デ ータm1を供給する。
【0061】 これにより、入力端子11,12に供給された左右の音声信号a1L,a1R は、ゲイン切換え部41をそのまま通過し、バランス制御部42によりバランス 制御データm1に基づいた音量バランスの調整が行われ、左右の音声信号b1L ,b1Rとしてそれぞれ第1及び第2の出力端子から出力される。バランス制御 部42から出力された左右の音声信号b1L,b1Rは、それぞれアンプ14, 15により左右の音声信号c1L,c1Rに増幅され、それぞれ加算器16及び 減算器17に供給される。この場合の左の音声信号c1Lは、図2(a)に示す 振幅A11の信号となる。
【0062】 一方、L−Rマトリクス回路18は、左の音声信号b1Lと右の音声信号b1 Rとから信号(b1L−b1R)を検出し、遅延回路19は、差信号(b1L− b1R)より遅延差信号φ(b1L−b1R)を作成し、この遅延差信号φ(b 1L−b1R)を第2の出力端子から出力信号e1として出力するが、第1の出 力端子から出力信号d1は、図2(b)に示すように、無信号となる。とすると 加算器56から出力される音声信号f1Lは、図2(c)に示すように、左の音 声信号c1Lと同じ振幅A11の信号となる。これと同様に、減算器17から出 力される音声信号f1Rは、右の音声信号c1Rと同じ信号となる。
【0063】 オーディオプロセッサ21は、マイクロコンピュータ41からの3チャンネル サラウンドモードの音量制御バスデータp1に基づいて、音声信号f1L,f1 R,e1に対して、ゲイン調整を行いそれぞれ音声信号h1L,h1R,i1と してそれぞれ第1乃至第3の出力端子から出力する。
【0064】 オーディオプロセッサ21は、音量制御バスデータp1が3チャンネルサラウ ンドモードを示すのでハイレベルのモード切換え信号g1をNPNトランジスタ Tr1,Tr2のベースに供給する。これにより、NPNトランジスタTr1, Tr2は、オンされ、ゲイン補正回路43,44のゲインは、(1/2)B1に 設定される。
【0065】 オーディオプロセッサ21からの音声信号h1L,h1Rは、それぞれ、ゲイ ン補正回路43,44でゲイン(1/2)B1でゲイン補正され、音声信号j1 L,j1Rとしてアンプ23,24を介して増幅され、それぞれ左右の正面側ス ピーカ26,27から音声出力される。また、音声信号i1は、アンプ65を介 して増幅され、サラウンドスピーカ28に供給されて、音声出力される。
【0066】 次に、サラウンドオフモードについて説明する。
【0067】 マイクロコンピュータ31は、ゲイン切換え部41における音声信号a11L ,a11Rの音量制御のゲインが1となるようにゲイン切換えデータk1を設定 して、電子ボリウム13のゲイン切換え部41に供給する。
【0068】 また、マイクロコンピュータ31は、遅延回路19に出力端子を選択しない出 力切換制御バスデータn1を供給する。これにより、遅延回路19は、第1及び 第2の出力端子から無信号をそれぞれ出力信号d1,e1として出力させる。ま た、マイクロコンピュータ31は、サラウンドオフモードの対応した音量制御バ スデータp1をオーディオプロセッサ21に供給する。さらに、マイクロコンピ ュータ31は、音声出力モードに関係なく、電子ボリウム13にバランス制御デ ータm1を供給する。
【0069】 これにより、入力端子11,12に供給された左右の音声信号a1L,a1R は、3チャンネルサラウンドモードと同様に、ゲイン切換え部41とバランス制 御部42を介して左右の音声信号b1L,b1Rとしてそれぞれ第1及び第2の 出力端子から出力され、アンプ14,15に供給される。
【0070】 これにより、アンプ14からの左の音声信号c1L、遅延回路19からの出力 信号d1、加算器16から出力される音声信号f1Lは、3チャンネルサラウン ドモードと同じ状態となる。これと同様に、減算器17から出力される音声信号 f1Rは、右の音声信号c1Lと同じ信号となる。一方、遅延回路19の第2の 出力端子からの出力信号e1は無信号となる。
【0071】 オーディオプロセッサ21は、3チャンネルサラウンドモードの場合と同等の 音量制御バスデータp1に基づいて、音声信号f1L,f1R,e1に対して、 ゲイン調整を行い、それぞれ音声信号h1L,h1R,i1としてそれぞれ第1 乃至第3の出力端子から出力する。
【0072】 また、オーディオプロセッサ21は、音量制御バスデータp1がサラウンドオ フモードを示すのでハイレベルのモード切換え信号g1をNPNトランジスタT r1,Tr2のベースに供給する。これにより、ゲイン補正回路43,44のゲ インは、(1/2)B1に設定される。
【0073】 オーディオプロセッサ21からの音声信号h1L,h1Rは、それぞれ、ゲイ ン補正回路43,44でゲイン(1/2)B1でゲイン補正され、音声信号j1 L,j1Rとしてアンプ23,24を介して増幅され、それぞれ左右の正面側ス ピーカ26,27から音声出力される。サラウンドスピーカ28に導かれる信号 は無信号なので、サラウンドスピーカ28からは、音声が出力されない。
【0074】 次に、2チャンネルサラウンドモードについて説明する。
【0075】 図3は実施例における2チャンネルサラウンドモードを選択した場合の音声信 号処理を示す説明図であり、図3(a)はアンプ54が出力する左の音声信号c 1Lを示し、図3(b)は遅延回路の第1の出力端子が出力する出力信号d1を 示し、図3(c)は加算器の出力端子が出力する音声信号f1Lを示している。
【0076】 マイクロコンピュータ31は、2チャンネルサラウンドモード選択がされたの で、ゲイン切換え部41における音声信号a11L,a11Rの音量制御のゲイ ンが1/2となるようにゲイン切換えデータk1を設定して、電子ボリウム13 のゲイン切換え部41に供給する。
【0077】 また、マイクロコンピュータ31は、遅延回路19に第1の出力端子を選択さ せる出力切換制御バスデータn1を供給する。これにより、遅延回路19は、第 1の出力端子から無信号を遅延差信号φ(b1L−b1R)として出力させ、第 2の出力端子から出力信号d1を出力信号e1として出力させる。また、マイク ロコンピュータ31は、2チャンネルサラウンドモードに対応した音量制御バス データp1をオーディオプロセッサ21に供給する。さらに、マイクロコンピュ ータ31は、音声出力モードに関係なく、バランス制御部42にバランス制御デ ータm1を供給する。
【0078】 これにより、入力端子11,12に供給された左右の音声信号a1L,a1R は、ゲイン切換え部41により振幅が1/2に減衰され、バランス制御部42に よりバランス制御データm1に基づいた音量バランスの調整が行われ左右の音声 信号b1L,b1Rとして出力される。電子ボリウム13のバランス制御部42 から出力された左右の音声信号b1L,b1Rは、それぞれアンプ14,15に より左右の音声信号c1L,c1Rに増幅され、それぞれ加算器16及び減算器 17に供給される。この場合の左の音声信号c1Lは、図3(a)に示す振幅A 21の信号となる。この場合の振幅A21は、図2(a)に示す振幅A11の半 分となる。また、右の音声信号c1Rも、左の音声信号c1Lと略同様の振幅と なる。
【0079】 一方、L−Rマトリクス回路18は、左の音声信号b1Lと右の音声信号b1 Rとから信号(b1L−b1R)を検出し、遅延回路19は、差信号(b1L− b1R)より遅延差信号φ(b1L−b1R)し、この遅延差信号φ(b1L− b1R)を第1の出力端子から出力信号d1として出力する。第1の出力端子か ら出力信号d1は、図3(b)に示すように、振幅A22の信号となる。この場 合の振幅A22は、図3(a)に示す振幅A21と正確には一致していないが、 平均して略同じレベルとなるように各種回路のゲインを設定している。とすると 加算器16から出力される音声信号f1Lは、図3(c)に示すように、振幅A 21+A22の信号となり、上述の図2(c)に示した3チャンネルサラウンド モードの音声信号f1Lとレベルが略同じとなる。これと同様に、減算器57か ら出力される音声信号f1Rは、3チャンネルサラウンドモードの音声信号f1 Lと同じレベルとなる。
【0080】 オーディオプロセッサ21は、マイクロコンピュータ41からの3チャンネル サラウンドモードの音量制御バスデータp1に基づいて、音声信号f1L,f1 R,e1に対して、ゲイン調整を行いそれぞれ音声信号h1L,h1R,i1と してそれぞれ第1乃至第3の出力端子から出力される。この場合、オーディオプ ロセッサ21における音声信号f1L,f1Rの音量制御のゲインは、2チャン ネルサラウンドモードやサラウンドオフモードに比べて1/2倍となるように設 定されている。
【0081】 一方、オーディオプロセッサ21は、音量制御バスデータp1が3チャンネル サラウンドモードを示すのでローレベルのモード切換え信号g1をNPNトラン ジスタTr1,Tr2のベースに供給する。これにより、NPNトランジスタT r1,Tr2は、オンされ、補正回路43,44のゲインは、B1に設定される 。これにより、音声信号f1L,f1Rに対するオーディオプロセッサ21とゲ イン補正回路43,44を合わせたゲインは、ユーザーによる音量調整が一定な らば音声出力モードに関係なく一定となる。
【0082】 オーディオプロセッサ21からの音声信号h1L,h1Rは、それぞれ、ゲイ ン補正回路43,44でゲイン補正され、音声信号j1L,j1Rとしてアンプ 23,24を介して増幅され、それぞれ左右の正面側スピーカ26,27から音 声出力される。また、音声信号i1は、無信号なので、サラウンドスピーカ68 からは音声が出力されない。
【0083】 このような実施例によれば、3チャンネルサラウンドモード及びサラウンドオ フモードを選択した場合に、ゲイン切換え部41における音声信号a11L,a 11Rの音量制御のゲインが1となり、2チャンネルサラウンドモードを選択し た場合に、ゲイン切換え部41における音声信号a11L,a11Rの音量制御 のゲインが1/2となるので、テンサラウンドオフモードや3チャンネルサラウ ンドモードの場合にオーディオプロセッサ21に供給される左右の正面側スピー カ出力用の音声信号f1L,f1Rのレベルと、2チャンネルサラウンドモード の場合の音声信号f1L,f1Rのレベルを揃えることができ、音声信号f1L ,f1Rがオーディオプロセッサ21及びゲイン補正回路43,44、アンプ2 3,24を介して左右の正面側スピーカ26,27から音声出力される際のノイ ズレベルを揃えることができる。これにより、音声出力モードの切換えを行った 場合にも、ノイズレベルが一定となりユーザーに高印象を与えることができる。
【0084】 尚、図1の実施例では、極力従来の回路を転用できるようにするため、2チャ ンネルサラウンドモードを選択した場合は、3チャンネルサラウンドモード及び サラウンドオフモードを選択した場合に対して、オーディオプロセッサ21にお ける音声信号f1L,f1Rの音量制御のゲインが1/2倍となり、ゲイン補正 回路43,44のゲインが2倍となるように構成したが、ゲイン補正回路43, 44を設けず、オーディオプロセッサ21に音量制御のゲインが音声出力モード の切換わりにより変化しないものを用いるようにしてもよい。
【0085】 また、図1の実施例は、2チャンネルサラウンドモード、3チャンネルサラウ ンドモード及びサラウンドオフモードに切換えを行う立体音響再生装置に適用し たが、音声出力モードの切換えの組合わせが異なる立体音響再生装置、2チャン ネルサラウンドモードとサラウンドオフモードの2種類の音声出力モードのみの 切換えを行う立体音響再生装置に適用してもよい。
【0086】
本考案によれば、音声出力モードの切換えによりレベル調整手段に供給される 左右の正面側スピーカ出力用音声信号にレベル差が発生するのを防止できるので 、音声出力モードの切換えを行った場合にも、ノイズレベルが一定となりユーザ ーに高印象を与えることができる。
【0087】
【0088】
【図1】本考案に係る立体音響再生装置の一実施例を示
すブロック図。
すブロック図。
【0089】
【図2】図1の立体音響再生装置が3チャンネルサラウ
ンドモードまたはサラウンドオフモードを選択した場合
の音声信号処理を示す説明図。
ンドモードまたはサラウンドオフモードを選択した場合
の音声信号処理を示す説明図。
【0090】
【図3】図1の立体音響再生装置が2チャンネルサラウ
ンドモードを選択した場合の音声信号処理を示す説明
図。
ンドモードを選択した場合の音声信号処理を示す説明
図。
【0091】
【図4】従来の立体音響再生装置を示すブロック図。
【0092】
【図5】図4の立体音響再生装置が3チャンネルサラウ
ンドモードまたはサラウンドオフモードを選択した場合
の音声信号処理を示す説明図。
ンドモードまたはサラウンドオフモードを選択した場合
の音声信号処理を示す説明図。
【0093】
【図6】図4の立体音響再生装置が2チャンネルサラウ
ンドモードを選択した場合の音声信号処理を示す説明
図。
ンドモードを選択した場合の音声信号処理を示す説明
図。
【0094】
13 電子ボリウム 16 加算器 17 減算器 18 L−Rマトリクス回路 19 遅延回路 21 オーディオプロセッサ 26,27 左右の正面側スピーカ 28 サラウンドスピーカ 31 マイクロコンピュータ 41 ゲイン切換え部 42 バランス制御部 43,44 ゲイン補正回路
Claims (1)
- 【請求項1】 ゲイン切換えを行うことにより、入力さ
れる左の音声信号、右の音声信号のレベルの切換えを行
うゲイン切換え回路と、 このゲイン切換え回路からの左の音声信号、右の音声信
号に基づいて音場拡大効果を出すための遅延された左右
の差信号を作成する音場拡大信号作成手段と、 前記ゲイン切換え回路からの左の音声信号に対して、前
記音場拡大信号作成手段からの遅延された左右の差信号
を加算または減算することにより左のスピーカ出力用音
声信号を作成する第1の演算手段と、 前記ゲイン切換え回路からの右の音声信号に対して、前
記音場拡大信号作成手段からの遅延された左右の差信号
を加算または減算することにより右のスピーカ出力用音
声信号を作成する第2の演算手段と、 前記第1及び第2の演算手段からの左右のスピーカ出力
用音声信号のレベル調整を行うレベル調整手段と、 このレベル調整手段からの左右のスピーカ出力用音声信
号をそれぞれ音声出力する左右のスピーカと、 選択された音声出力モードに基づいて前記音場拡大信号
作成手段の遅延された左右の差信号の出力のオン,オフ
切換えを行うとともに、前記音場拡大信号作成手段をオ
ン切換えする場合には、前記音場拡大信号作成手段をオ
フ切換えする場合に対して、前記ゲイン切換え回路のゲ
インが1/2となるようにゲイン切換え回路を制御する
制御回路とを具備したことを特徴とする立体音響再生装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1589593U JPH0677400U (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 立体音響再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1589593U JPH0677400U (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 立体音響再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0677400U true JPH0677400U (ja) | 1994-10-28 |
Family
ID=11901525
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1589593U Pending JPH0677400U (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 立体音響再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0677400U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4719111B2 (ja) * | 2006-09-11 | 2011-07-06 | シャープ株式会社 | 音声再生装置、映像音声再生装置、及びその音場モード切り替え方法 |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP1589593U patent/JPH0677400U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4719111B2 (ja) * | 2006-09-11 | 2011-07-06 | シャープ株式会社 | 音声再生装置、映像音声再生装置、及びその音場モード切り替え方法 |
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