JPH0677095A - 電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法 - Google Patents

電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法

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JPH0677095A
JPH0677095A JP4152635A JP15263592A JPH0677095A JP H0677095 A JPH0677095 A JP H0677095A JP 4152635 A JP4152635 A JP 4152635A JP 15263592 A JP15263592 A JP 15263592A JP H0677095 A JPH0677095 A JP H0677095A
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JP
Japan
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etching
aluminum foil
stage
comparative example
electrolytic capacitor
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JP4152635A
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Inventor
Eiji Endo
栄治 遠藤
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Elna Co Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Elna Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電解コンデンサ用Al箔をエッチングするにあ
たり、表面の溶解を防ぎ、エッチング溝を深く蝕刻し
て、容量を大きくする。 【構成】複数段のエッチング工程のうち、少なくとも1
つの段のエッチング液中にアミノ基および第四アンモニ
ウム基から選ばれるアニオン交換基を有する可溶性高分
子電解質を存在させ、化学的または電気化学的にAl箔
をエッチングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサ用アルミ
ニウム箔のエッチング方法、特には、エッチングされた
アルミニウム箔の表面積の増大を通じて得られる電解コ
ンデンサの静電容量を格段に大きくできるエッチング方
法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサ用アルミニウム箔は、そ
の実効面積の拡大を通じてこれを使用した電解コンデン
サの静電容量を増大するため、電圧を印加する電気化学
的(電解)または化学的エッチング処理が施される。
【0003】この種のコンデンサには、低、中、高圧用
がある。低圧用コンデンサのためのアルミニウム箔のエ
ッチング(以下単に低圧用エッチングという)では交流
を用い、通常2段、3段のエッチングを行っている(特
開昭63−268237号公報参照)。また、中、高圧
用コンデンサのためのアルミニウム箔のエッチング(以
下単に中高圧用エッチングという)では直流を用い、通
常2段、3段のエッチングを行っている(特開平1−2
12427号、同1−212428号各公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のエッチ
ング技術においては、エッチングの進行にともない、エ
ッチング孔の成長よりもアルミニウム箔表面の溶解が優
先的に進行してしまう傾向がみられる。このため、エッ
チングの程度を増やしてもエッチング孔を深くすること
ができず、充分に期待されるような表面積の増大を得る
ことができないという欠点があった。例えば、中高圧コ
ンデンサの場合、静電容量をわずか0.1μF/cm2
更に上げることは至難とされていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる欠点を解
決して、アルミニウム箔の表面溶解を抑え、有効にエッ
チングを行い得る電解コンデンサ用アルミニウム箔の製
造方法を提供する。本発明は、複数段のエッチング工程
よりなるアルミニウム電解コンデンサ用アルミニウム箔
のエッチング方法において、いずれか1つ以上の段のエ
ッチング工程では、エッチング液中にアミノ基および第
四アンモニウム基から選ばれるアニオン交換基を有する
可溶性高分子電解質を存在させ、化学的に、または電圧
を印加して電気化学的にアルミニウム箔をエッチングす
ることを特徴とする。
【0006】本発明でアミノ基および第四アンモニウム
基から選ばれるアニオン交換基を有する可溶性高分子電
解質とは、−NH2 、−NHR1 または−NR1 R2 で
表されるアミノ基または−N+ R1 R2 R3 で表される
第四アンモニウム基を有する好ましくは架橋構造のない
線状高分子または架橋構造の非常に少ない高分子をい
う。上記の一般式で、R1 、R2 、R3 は、互いに同一
または異なる好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基
をいう。
【0007】一般に、高分子の重合度が増加するとエッ
チング液に溶解しにくくなるが、可溶性高分子電解質の
有するアニオン交換基の密度、即ちイオン交換容量が大
きい程、分子量が大きくなっても溶解しやすくなる。
【0008】本発明において、上記アニオン交換基の密
度、即ちイオン交換容量の好ましい範囲は0.001〜
20ミリ当量/g乾燥可溶性高分子電解質であり、更に
好ましい範囲は0.1〜18ミリ当量/g乾燥可溶性高
分子電解質である。
【0009】本発明における上記アニオン交換基を有す
る可溶性高分子電解質の作用は必ずしも明確ではない
が、該電解質はエッチング液中でアニオン交換基がほと
んどまたは一部解離して泳動または拡散によりエッチン
グされるアルミニウム上に吸着し、アルミニウム表面の
溶解を抑制するものと思われる。これはかかる高分子電
解質に特有なものである。
【0010】本発明における可溶性高分子電解質として
は、上記アニオン交換基を有する可溶性高分子電解質が
使用されるが、なかでも第四アンモニウム基を有するも
のが好ましい。また、これらは当然のことながらエッチ
ング液中でアニオン交換基に転化するその前駆体基を有
する可溶性高分子電解質も使用される。それらの好まし
い例としては、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミ
ン、ポリビニルピリジン、ポリアリルアミン、ポリビニ
ルアニリン、またはそれらの塩等が挙げられる。
【0011】以上述べた可溶性高分子電解質は、上記し
たもののほかにも上記アニオン交換基を有するモノマー
と、これらの基を有しないモノマーを共重合したもの
や、上記アニオン交換基を有しない高分子化合物に上記
アニオン交換基を導入したものでも充分に目的を達成す
ることができる。
【0012】また、上記アニオン交換基を有する可溶性
高分子電解質のエッチング液中への添加量としては、可
溶性高分子電解質にもよるが、好ましくは、0.003
〜10g/リットル程度、特には0.005〜5g/リ
ットルが適当である。また、可溶性高分子電解質の分子
量が大きいほど、物質移動速度が遅くなるため好まし
く、分子量としては500以上、特に5000以上、更
には10000以上が好ましい。
【0013】エッチングに用いられるエッチング液とし
ては、塩酸、硝酸などの種々公知のものが用いられる
が、濃度が好ましくは1〜30重量%の塩酸水溶液を使
用するのが好ましい。エッチング液の各段は、既知のよ
うに同じエッチング液も使用でき、また異なったエッチ
ング液も使用できる。例えば中高圧コンデンサ用箔の電
解エッチングの場合、第1段では塩酸水溶液、第2段で
は塩酸または硝酸水溶液が使用される。そして各段のエ
ッチング液には、箔の過度の溶解を防ぐために、酸化ア
ルミニウム皮膜形成性の硫酸、リン酸、シュウ酸等をエ
ッチング液の全量に対し好ましくは0.5〜40重量%
程度添加したものが好適である。
【0014】本発明の場合、エッチング処理は複数段を
採用するのが必要である。そして電解エッチングの場
合、そのいずれか1つまたは2つ以上の段のエッチング
液に可溶性高分子電解質を添加する。中高圧用エッチン
グには2段目に添加するのが好ましく、また低圧用エッ
チングには各段にそれぞれ添加するのが好ましい。
【0015】また、電圧を印加しない化学エッチングの
場合においては、1段目で電解エッチングを行ってエッ
チングピットを形成した後、2段目以降で上記した可溶
性高分子電解質を添加して化学エッチングを行い、エッ
チングピットを拡大するのが好ましい。
【0016】エッチング手段としては、中高圧用の電解
エッチングについては、液温50〜110℃のエッチン
グ液に直流電圧を用い、電流密度1〜50A/dm2 で
1〜50分間程度で行われる。低圧用の電解エッチング
については、液温5〜50℃のエッチング液に、交流電
圧を用いて周波数5〜50Hz、単位面積あたり電気量
1000〜7000クーロン/dm2 を採用して行うの
が好ましい。
【0017】また、化学エッチングの場合には、中高圧
用の電解エッチングについては、液温50〜110℃の
エッチング液に直流電圧を用い、電流密度1〜50A/
dm2 で1〜50分間程度で行った後に、可溶性高分子
電解質を0.003g〜10g/リットル添加したエッ
チング液中で、10〜110℃において、化学的に1〜
120分アルミニウム箔をエッチングするのが好まし
い。
【0018】また、低圧用エッチングについては、液温
5〜50℃のエッチング液に、交流電圧を用いて周波数
5〜50Hz、単位面積あたり電気量1000〜700
0クーロン/dm2 通電した後に、上記方法で化学エッ
チングするのが好ましい。
【0019】エッチングにおいて、上記液温が前記範囲
を逸脱すると箔に貫通孔が生じやすく、電流密度および
時間、または周波数および単位面積あたり電気量または
化学エッチング時間が前記範囲を逸脱すると箔が著しく
溶けたり、貫通孔が生じやすいので不適当である。な
お、ここでいう交流とは、電圧波形または電流波形が正
弦波以外にも、波形が周期的に変化する三角波、矩形波
等であってもよく、またはこれらの組み合わせも含まれ
る。
【0020】また1段目の電解エッチングに際しては、
エッチングピットを均一に数多く形成するために、アル
ミニウム原箔をフッ酸、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液
中で必要に応じて電圧を印加した前処理を行ってもよ
い。
【0021】本発明で上記可溶性高分子電解質をエッチ
ング液に添加してアルミニウム箔をエッチングすると、
前記可溶性高分子電解質がアルミニウム箔表面に吸着し
てアルミニウム箔表面の溶解を効果的に抑制し、また、
前記可溶性高分子電解質の分子量が大きいために、エッ
チング孔に入れないか、またはエッチング孔内への拡散
が塩素イオン等のアルミニウムを溶解するイオンに比べ
て格段に遅いため、エッチング孔内の溶解は抑制され
ず、その結果エッチング孔内が選択的にエッチングさ
れ、エッチング孔を深くまた大きくでき、充分に表面積
の増大を得ることができ、コンデンサの陽極用および/
または陰極用箔として使用される。
【0022】一方、上記によりエッチングされたアルミ
ニウム箔は、ついで化成処理が施される。化成処理は好
ましくは5〜20重量%のホウ酸水溶液にて、好ましく
は50〜100℃にて、10分〜20時間、1〜650
Vの範囲の所定の電圧になるように通電下に浸漬処理さ
れる。上記ホウ酸水溶液には、必要により導電性増加剤
としてアンモニアなどを添加することができる。
【0023】かくして、化成処理され、表面に誘電被膜
が形成され、アルミニウム電解コンデンサの箔として供
される。アルミニウム箔を使用する電解コンデンサは常
法に従って、例えば、USP4734821およびUS
P4821153等に記載される方法で製造される。
【0024】
【実施例】
比較例1 純度99.9%、厚み100μmのアルミニウム箔を、
40℃に保った0.2規定のNaOH溶液中に30秒浸
漬して前処理を行った後に水洗し、第1段エッチング液
として塩酸濃度5重量%かつ硫酸濃度25重量%とされ
た液温80℃の水溶液を用い、電流密度30A/dm2
で直流電流を120秒印加して第1段エッチングを行っ
た。ついで、第2段エッチング液として塩酸濃度7重量
%とされた液温90℃の水溶液を用い、電流密度10A
/dm2 で直流電流を380秒印加して第2段エッチン
グを行った。第1段および第2段のエッチング後、31
0Vの直流電圧をかけて純水1リットル中にホウ酸10
0gと28重量%アンモニア水4ccを加えた水溶液中
で化成処理した。
【0025】かくして得られた化成処理箔について、下
記のようにしてテスト用コンデンサを製作し、その静電
容量を測定した。長さ10cm、幅1cmの上記のよう
にして得られたアルミニウム陽極箔と、市販のアルミニ
ウム製陰極箔(厚さ20μm、長さ11cm、幅1c
m)とをセパレータ液をはさんで巻回し、USP482
1153に記載の方法でコンデンサを試作した。このコ
ンデンサの静電容量をLCRメータ(周波数120kH
z、温度20℃)を用いて測定し、単位面積あたりの静
電容量を算出したところ1.2μF/cm2 であった。
【0026】実施例1 比較例1で用いた第2段エッチング液にポリビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド(イオン交換容
量5.6ミリ当量/g、平均分子量10万)を1.0g
/リットルの割合で溶解して比較例1と同様にエッチン
グおよび化成処理して静電容量を測定したところ1.5
2μF/cm2 であった。
【0027】実施例2 比較例1で用いた第2段エッチング液に、ポリアリルア
ミン(イオン交換容量17.5ミリ当量/g、平均分子
量20万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較
例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を
測定したところ1.56μF/cm2 であった。
【0028】実施例3 比較例1で用いた第2段エッチング液に、ポリビニルピ
リジン(イオン交換容量9.5ミリ当量/g、平均分子
量20万)を3g/リットルの割合で溶解して比較例2
と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を測定
したところ1.40μF/cm2 であった。
【0029】実施例4 比較例1で用いた第2段エッチング液に、ポリエチレン
イミン(イオン交換容量23ミリ当量/g、平均分子量
10万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較例
1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を測
定したところ1.45μF/cm2 であった。
【0030】比較例2 以下の条件で純度99.9%、厚み100μmのアルミ
ニウム箔の交流エッチングを3段で行った。なお、箔の
前処理を比較例1と同様に行った。 エッチング液:HCl 7重量%、H3 PO4 1重量
%、AlCl3 1重量%、HNO3 1重量%を含む
水溶液。 第1段:液温30℃、周波数30Hz、電気量4800
クーロン/dm2 。 第2段:液温25℃、周波数25Hz、電気量5400
クーロン/dm2 。 第3段:液温20℃、周波数20Hz、電気量3600
クーロン/dm2 。
【0031】その後50Vの直流電圧をかけて、純水1
リットル中にホウ酸100gと28%アンモニア水を4
cc加えた水溶液中で化成処理した。かくして得られた
化成処理箔につき、比較例1と同様にしてテスト用コン
デンサを試作し、その静電容量を測定した。その結果は
16.0μF/cm2 であった。
【0032】実施例5 比較例2で用いた第3段エッチング液に、ポリビニルベ
ンジルメチルアンモニウムクロライド(イオン交換容量
5.6ミリ当量/g、平均分子量20万)を0.5g/
リットルの割合で溶解して比較例1と同様にエッチング
および化成処理して静電容量を測定したところ21.0
μF/cm2 であった。
【0033】実施例6 比較例2で用いた第1段〜第3段のいずれのエッチング
液にもポリビニルアミン(イオン交換容量23ミリ当量
/g、平均分子量20万)を0.2g/リットルの割合
で溶解して比較例1と同様にエッチングおよび化成処理
して静電容量を測定したところ23.0μF/cm2 で
あった。
【0034】実施例7 比較例2で用いた第1段〜第3段のいずれのエッチング
液にも、ポリビニルアニリン(イオン交換容量8.4ミ
リ当量/g、平均分子量10万)を0.5g/リットル
の割合で溶解して比較例1と同様にエッチングおよび化
成処理して静電容量を測定したところ24.8μF/c
m2 であった。
【0035】比較例3 純度99.9%、厚み100μmのアルミニウム箔を、
40℃に保った0.2規定のNaOH溶液中に30秒浸
漬して前処理を行った後水洗し、第1段エッチング液と
して塩酸濃度5重量%かつ硫酸濃度25重量%とされた
液温80℃の水溶液を用い、電流密度30A/dm2 で
直流電流を120秒印加して第1段エッチングを行っ
た。ついで、第2段エッチング液として塩酸濃度7重量
%とされた液温90℃の水溶液中に前記アルミニウム箔
を10分間浸漬して、第2段エッチングを行った。第1
段および第2段のエッチング後、比較例1と同様の方法
で化成処理した。
【0036】かくして得られた化成処理箔について、比
較例1と同様にしてテスト用コンデンサを試作し、その
静電容量を測定した。その結果は1.0μF/cm2 で
あった。
【0037】実施例8 比較例3で用いた第2段エッチング液にポリビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド(イオン交換容
量5.6ミリ当量/g、平均分子量20万)を2.0g
/リットルの割合で溶解して比較例3と同様にエッチン
グおよび化成処理して静電容量を測定したところ1.5
0μF/cm2 であった。
【0038】実施例9 比較例3で用いた第2段エッチング液に、ポリアリルア
ミン(イオン交換容量17.5ミリ当量/g、平均分子
量10万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較
例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を
測定したところ1.42μF/cm2 であった。
【0039】比較例4 以下の条件で純度99.9%、厚み100μmのアルミ
ニウム箔の交流エッチングを第3段目で行った。なお、
箔の前処理を比較例1と同様に行った。 第1段および第2段エッチング液:HCl 7重量%、
H3 PO4 1重量%、AlCl3 1重量%、HNO
3 1重量%を含む水溶液。 第3段エッチング液:塩酸5重量%を含む水溶液。 第1段:液温30℃、周波数30Hz、電気量4800
クーロン/dm2 。 第2段:液温25℃、周波数25Hz、電気量5400
クーロン/dm2 。 第3段:液温80℃、10分浸漬(化学エッチング)。
【0040】その後50Vの直流電圧をかけて、純水1
リットル中にホウ酸100gと28%アンモニア水を4
cc加えた水溶液中で化成処理した。かくして得られた
化成処理箔につき、比較例1と同様にしてテスト用コン
デンサを試作し、その静電容量を測定した。その結果は
12.0μF/cm2 であった。
【0041】実施例10比較例4で用いた第3段エッチ
ング液に、ポリビニルピリジン(イオン交換容 量9.5ミリ当量/g、平均分子量20万)を0.5g
/リットルの割合で溶解して比較例1と同様にエッチン
グおよび化成処理して静電容量を測定したところ20.
0μF/cm2 であった。
【0042】実施例11 比較例4で用いた第3段エッチング液に、ポリアリルア
ミン(イオン交換容量17.5ミリ当量/g、平均分子
量約20万)を0.2g/リットルの割合で溶解して比
較例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量
を測定したところ19.5μF/cm2 であった。
【0043】実施例12 比較例4で用いた第3段エッチング液に、ポリビニルア
ミン(イオン交換容量23.0ミリ当量/g、平均分子
量10万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較
例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を
測定したところ25.0μF/cm2 であった。
【0044】
【発明の効果】本発明方法を採用すると、エッチング孔
が深く、大きく蝕刻され、しかもアルミニウム箔の表面
層の侵蝕は抑えられる。したがって、これを用いること
により、箔の強度を維持しつつ、静電容量の高いコンデ
ンサを得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサ用アルミ
ニウム箔のエッチング方法、特には、エッチングされた
アルミニウム箔の表面積の増大を通じて得られる電解コ
ンデンサの静電容量を格段に大きくできるエッチング方
法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサ用アルミニウム箔は、そ
の実効面積の拡大を通じてこれを使用した電解コンデン
サの静電容量を増大するため、電圧を印加する電気化学
的(電解)または化学的エッチング処理が施される。
【0003】この種のコンデンサには、低、中、高圧用
がある。低圧用コンデンサのためのアルミニウム箔のエ
ッチング(以下単に低圧用エッチングという)では交流
を用い、通常2段、3段のエッチングを行っている(特
開昭63−268237号公報参照)。また、中、高圧
用コンデンサのためのアルミニウム箔のエッチング(以
下単に中高圧用エッチングという)では直流を用い、通
常2段、3段のエッチングを行っている(特開平1−2
12427号、同1−212428号各公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のエッチ
ング技術においては、エッチングの進行にともない、エ
ッチング孔の成長よりもアルミニウム箔表面の溶解が優
先的に進行してしまう傾向がみられる。このため、エッ
チングの程度を増やしてもエッチング孔を深くすること
ができず、充分に期待されるような表面積の増大を得る
ことができないという欠点があった。例えば、中高圧コ
ンデンサの場合、静電容量をわずか0.1μF/cm2
更に上げることは至難とされていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる欠点を解
決して、アルミニウム箔の表面溶解を抑え、有効にエッ
チングを行い得る電解コンデンサ用アルミニウム箔の製
造方法を提供する。本発明は、複数段のエッチング工程
よりなるアルミニウム電解コンデンサ用アルミニウム箔
のエッチング方法において、いずれか1つ以上の段のエ
ッチング工程では、エッチング液中にアミノ基および第
四アンモニウム基から選ばれるアニオン交換基を有する
可溶性高分子電解質を存在させ、化学的に、または電圧
を印加して電気化学的にアルミニウム箔をエッチングす
ることを特徴とする。
【0006】本発明でアミノ基および第四アンモニウム
基から選ばれるアニオン交換基を有する可溶性高分子電
解質とは、−NH2 、−NHR1 または−NR12
表されるアミノ基または−N+123 で表される
第四アンモニウム基を有する好ましくは架橋構造のない
線状高分子または架橋構造の非常に少ない高分子をい
う。上記の一般式で、R1 、R2 、R3 は、互いに同一
または異なる好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基
をいう。
【0007】一般に、高分子の重合度が増加するとエッ
チング液に溶解しにくくなるが、可溶性高分子電解質の
有するアニオン交換基の密度、即ちイオン交換容量が大
きい程、分子量が大きくなっても溶解しやすくなる。
【0008】本発明において、上記アニオン交換基の密
度、即ちイオン交換容量の好ましい範囲は0.001〜
20ミリ当量/g乾燥可溶性高分子電解質であり、更に
好ましい範囲は0.1〜18ミリ当量/g乾燥可溶性高
分子電解質である。
【0009】本発明における上記アニオン交換基を有す
る可溶性高分子電解質の作用は必ずしも明確ではない
が、該電解質はエッチング液中でアニオン交換基がほと
んどまたは一部解離して泳動または拡散によりエッチン
グされるアルミニウム上に吸着し、アルミニウム表面の
溶解を抑制するものと思われる。これはかかる高分子電
解質に特有なものである。
【0010】本発明における可溶性高分子電解質として
は、上記アニオン交換基を有する可溶性高分子電解質が
使用されるが、なかでも第四アンモニウム基を有するも
のが好ましい。また、これらは当然のことながらエッチ
ング液中でアニオン交換基に転化するその前駆体基を有
する可溶性高分子電解質も使用される。それらの好まし
い例としては、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミ
ン、ポリビニルピリジン、ポリアリルアミン、ポリビニ
ルアニリン、またはそれらの塩等が挙げられる。
【0011】以上述べた可溶性高分子電解質は、上記し
たもののほかにも上記アニオン交換基を有するモノマー
と、これらの基を有しないモノマーを共重合したもの
や、上記アニオン交換基を有しない高分子化合物に上記
アニオン交換基を導入したものでも充分に目的を達成す
ることができる。
【0012】また、上記アニオン交換基を有する可溶性
高分子電解質のエッチング液中への添加量としては、可
溶性高分子電解質にもよるが、好ましくは、0.003
〜10g/リットル程度、特には0.005〜5g/リ
ットルが適当である。また、可溶性高分子電解質の分子
量が大きいほど、物質移動速度が遅くなるため好まし
く、分子量としては500以上、特に5000以上、更
には10000以上が好ましい。
【0013】エッチングに用いられるエッチング液とし
ては、塩酸、硝酸などの種々公知のものが用いられる
が、濃度が好ましくは1〜30重量%の塩酸水溶液を使
用するのが好ましい。エッチング液の各段は、既知のよ
うに同じエッチング液も使用でき、また異なったエッチ
ング液も使用できる。例えば中高圧コンデンサ用箔の電
解エッチングの場合、第1段では塩酸水溶液、第2段で
は塩酸または硝酸水溶液が使用される。そして各段のエ
ッチング液には、箔の過度の溶解を防ぐために、酸化ア
ルミニウム皮膜形成性の硫酸、リン酸、シュウ酸等をエ
ッチング液の全量に対し好ましくは0.5〜40重量%
程度添加したものが好適である。
【0014】本発明の場合、エッチング処理は複数段を
採用するのが必要である。そして電解エッチングの場
合、そのいずれか1つまたは2つ以上の段のエッチング
液に可溶性高分子電解質を添加する。中高圧用エッチン
グには2段目に添加するのが好ましく、また低圧用エッ
チングには各段にそれぞれ添加するのが好ましい。
【0015】また、電圧を印加しない化学エッチングの
場合においては、1段目で電解エッチングを行ってエッ
チングピットを形成した後、2段目以降で上記した可溶
性高分子電解質を添加して化学エッチングを行い、エッ
チングピットを拡大するのが好ましい。
【0016】エッチング手段としては、中高圧用の電解
エッチングについては、液温50〜110℃のエッチン
グ液に直流電圧を用い、電流密度1〜50A/dm2
1〜50分間程度で行われる。低圧用の電解エッチング
については、液温5〜50℃のエッチング液に、交流電
圧を用いて周波数5〜50Hz、単位面積あたり電気量
1000〜7000クーロン/dm2 を採用して行うの
が好ましい。
【0017】また、化学エッチングの場合には、中高圧
用の電解エッチングについては、液温50〜110℃の
エッチング液に直流電圧を用い、電流密度1〜50A/
dm2 で1〜50分間程度で行った後に、可溶性高分子
電解質を0.003g〜10g/リットル添加したエッ
チング液中で、10〜110℃において、化学的に1〜
120分アルミニウム箔をエッチングするのが好まし
い。
【0018】また、低圧用エッチングについては、液温
5〜50℃のエッチング液に、交流電圧を用いて周波数
5〜50Hz、単位面積あたり電気量1000〜700
0クーロン/dm2 通電した後に、上記方法で化学エッ
チングするのが好ましい。
【0019】エッチングにおいて、上記液温が前記範囲
を逸脱すると箔に貫通孔が生じやすく、電流密度および
時間、または周波数および単位面積あたり電気量または
化学エッチング時間が前記範囲を逸脱すると箔が著しく
溶けたり、貫通孔が生じやすいので不適当である。な
お、ここでいう交流とは、電圧波形または電流波形が正
弦波以外にも、波形が周期的に変化する三角波、矩形波
等であってもよく、またはこれらの組み合わせも含まれ
る。
【0020】また1段目の電解エッチングに際しては、
エッチングピットを均一に数多く形成するために、アル
ミニウム原箔をフッ酸、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液
中で必要に応じて電圧を印加した前処理を行ってもよ
い。
【0021】本発明で上記可溶性高分子電解質をエッチ
ング液に添加してアルミニウム箔をエッチングすると、
前記可溶性高分子電解質がアルミニウム箔表面に吸着し
てアルミニウム箔表面の溶解を効果的に抑制し、また、
前記可溶性高分子電解質の分子量が大きいために、エッ
チング孔に入れないか、またはエッチング孔内への拡散
が塩素イオン等のアルミニウムを溶解するイオンに比べ
て格段に遅いため、エッチング孔内の溶解は抑制され
ず、その結果エッチング孔内が選択的にエッチングさ
れ、エッチング孔を深くまた大きくでき、充分に表面積
の増大を得ることができ、コンデンサの陽極用および/
または陰極用箔として使用される。
【0022】一方、上記によりエッチングされたアルミ
ニウム箔は、ついで化成処理が施される。化成処理は好
ましくは5〜20重量%のホウ酸水溶液にて、好ましく
は50〜100℃にて、10分〜20時間、1〜650
Vの範囲の所定の電圧になるように通電下に浸漬処理さ
れる。上記ホウ酸水溶液には、必要により導電性増加剤
としてアンモニアなどを添加することができる。
【0023】かくして、化成処理され、表面に誘電被膜
が形成され、アルミニウム電解コンデンサの箔として供
される。アルミニウム箔を使用する電解コンデンサは常
法に従って、例えば、USP4734821およびUS
P4821153等に記載される方法で製造される。
【0024】
【実施例】 比較例1 純度99.9%、厚み100μmのアルミニウム箔を、
40℃に保った0.2規定のNaOH溶液中に30秒浸
漬して前処理を行った後に水洗し、第1段エッチング液
として塩酸濃度5重量%かつ硫酸濃度25重量%とされ
た液温80℃の水溶液を用い、電流密度30A/dm2
で直流電流を120秒印加して第1段エッチングを行っ
た。ついで、第2段エッチング液として塩酸濃度7重量
%とされた液温90℃の水溶液を用い、電流密度10A
/dm2 で直流電流を380秒印加して第2段エッチン
グを行った。第1段および第2段のエッチング後、31
0Vの直流電圧をかけて純水1リットル中にホウ酸10
0gと28重量%アンモニア水4ccを加えた水溶液中
で化成処理した。
【0025】かくして得られた化成処理箔について、下
記のようにしてテスト用コンデンサを製作し、その静電
容量を測定した。長さ10cm、幅1cmの上記のよう
にして得られたアルミニウム陽極箔と、市販のアルミニ
ウム製陰極箔(厚さ20μm、長さ11cm、幅1c
m)とをセパレータ液をはさんで巻回し、USP482
1153に記載の方法でコンデンサを試作した。このコ
ンデンサの静電容量をLCRメータ(周波数120kH
z、温度20℃)を用いて測定し、単位面積あたりの静
電容量を算出したところ1.2μF/cm2 であった。
【0026】実施例1 比較例1で用いた第2段エッチング液にポリビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド(イオン交換容
量5.6ミリ当量/g、平均分子量10万)を1.0g
/リットルの割合で溶解して比較例1と同様にエッチン
グおよび化成処理して静電容量を測定したところ1.5
2μF/cm2 であった。
【0027】実施例2 比較例1で用いた第2段エッチング液に、ポリアリルア
ミン(イオン交換容量17.5ミリ当量/g、平均分子
量20万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較
例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を
測定したところ1.56μF/cm2 であった。
【0028】実施例3 比較例1で用いた第2段エッチング液に、ポリビニルピ
リジン(イオン交換容量9.5ミリ当量/g、平均分子
量20万)を3g/リットルの割合で溶解して比較例2
と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を測定
したところ1.40μF/cm2 であった。
【0029】実施例4 比較例1で用いた第2段エッチング液に、ポリエチレン
イミン(イオン交換容量23ミリ当量/g、平均分子量
10万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較例
1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を測
定したところ1.45μF/cm2 であった。
【0030】比較例2 以下の条件で純度99.9%、厚み100μmのアルミ
ニウム箔の交流エッチングを3段で行った。なお、箔の
前処理を比較例1と同様に行った。 エッチング液:HCl 7重量%、H3 PO4 1重量
%、AlCl3 1重量%、HNO3 1重量%を含む
水溶液。 第1段:液温30℃、周波数30Hz、電気量4800
クーロン/dm2 。 第2段:液温25℃、周波数25Hz、電気量5400
クーロン/dm2 。 第3段:液温20℃、周波数20Hz、電気量3600
クーロン/dm2
【0031】その後50Vの直流電圧をかけて、純水1
リットル中にホウ酸100gと28%アンモニア水を4
cc加えた水溶液中で化成処理した。かくして得られた
化成処理箔につき、比較例1と同様にしてテスト用コン
デンサを試作し、その静電容量を測定した。その結果は
16.0μF/cm2 であった。
【0032】実施例5 比較例2で用いた第3段エッチング液に、ポリビニルベ
ンジルメチルアンモニウムクロライド(イオン交換容量
5.6ミリ当量/g、平均分子量20万)を0.5g/
リットルの割合で溶解して比較例1と同様にエッチング
および化成処理して静電容量を測定したところ21.0
μF/cm2 であった。
【0033】実施例6 比較例2で用いた第1段〜第3段のいずれのエッチング
液にもポリビニルアミン(イオン交換容量23ミリ当量
/g、平均分子量20万)を0.2g/リットルの割合
で溶解して比較例1と同様にエッチングおよび化成処理
して静電容量を測定したところ23.0μF/cm2
あった。
【0034】実施例7 比較例2で用いた第1段〜第3段のいずれのエッチング
液にも、ポリビニルアニリン(イオン交換容量8.4ミ
リ当量/g、平均分子量10万)を0.5g/リットル
の割合で溶解して比較例1と同様にエッチングおよび化
成処理して静電容量を測定したところ24.8μF/c
2 であった。
【0035】比較例3 純度99.9%、厚み100μmのアルミニウム箔を、
40℃に保った0.2規定のNaOH溶液中に30秒浸
漬して前処理を行った後水洗し、第1段エッチング液と
して塩酸濃度5重量%かつ硫酸濃度25重量%とされた
液温80℃の水溶液を用い、電流密度30A/dm2
直流電流を120秒印加して第1段エッチングを行っ
た。ついで、第2段エッチング液として塩酸濃度7重量
%とされた液温90℃の水溶液中に前記アルミニウム箔
を10分間浸漬して、第2段エッチングを行った。第1
段および第2段のエッチング後、比較例1と同様の方法
で化成処理した。
【0036】かくして得られた化成処理箔について、比
較例1と同様にしてテスト用コンデンサを試作し、その
静電容量を測定した。その結果は1.0μF/cm2
あった。
【0037】実施例8 比較例3で用いた第2段エッチング液にポリビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド(イオン交換容
量5.6ミリ当量/g、平均分子量20万)を2.0g
/リットルの割合で溶解して比較例3と同様にエッチン
グおよび化成処理して静電容量を測定したところ1.5
0μF/cm2 であった。
【0038】実施例9 比較例3で用いた第2段エッチング液に、ポリアリルア
ミン(イオン交換容量17.5ミリ当量/g、平均分子
量10万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較
例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を
測定したところ1.42μF/cm2 であった。
【0039】比較例4 以下の条件で純度99.9%、厚み100μmのアルミ
ニウム箔の交流エッチングを第3段目で行った。なお、
箔の前処理を比較例1と同様に行った。 第1段および第2段エッチング液:HCl 7重量%、
3 PO4 1重量%、AlCl3 1重量%、HNO
3 1重量%を含む水溶液。 第3段エッチング液:塩酸5重量%を含む水溶液。 第1段:液温30℃、周波数30Hz、電気量4800
クーロン/dm2 。 第2段:液温25℃、周波数25Hz、電気量5400
クーロン/dm2 。 第3段:液温80℃、10分浸漬(化学エッチング)。
【0040】その後50Vの直流電圧をかけて、純水1
リットル中にホウ酸100gと28%アンモニア水を4
cc加えた水溶液中で化成処理した。かくして得られた
化成処理箔につき、比較例1と同様にしてテスト用コン
デンサを試作し、その静電容量を測定した。その結果は
12.0μF/cm2 であった。
【0041】実施例10 比較例4で用いた第3段エッチング液に、ポリビニルピ
リジン(イオン交換容量9.5ミリ当量/g、平均分子
量20万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較
例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を
測定したところ20.0μF/cm2 であった。
【0042】実施例11 比較例4で用いた第3段エッチング液に、ポリアリルア
ミン(イオン交換容量17.5ミリ当量/g、平均分子
量約20万)を0.2g/リットルの割合で溶解して比
較例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量
を測定したところ19.5μF/cm2 であった。
【0043】実施例12 比較例4で用いた第3段エッチング液に、ポリビニルア
ミン(イオン交換容量23.0ミリ当量/g、平均分子
量10万)を0.5g/リットルの割合で溶解して比較
例1と同様にエッチングおよび化成処理して静電容量を
測定したところ25.0μF/cm2 であった。
【0044】
【発明の効果】本発明方法を採用すると、エッチング孔
が深く、大きく蝕刻され、しかもアルミニウム箔の表面
層の侵蝕は抑えられる。したがって、これを用いること
により、箔の強度を維持しつつ、静電容量の高いコンデ
ンサを得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数段のエッチング工程よりなるアルミニ
    ウム電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法
    において、いずれか1つ以上の段のエッチング工程で、
    エッチング液中にアミノ基および第四アンモニウム基か
    ら選ばれるアニオン交換基を有する可溶性高分子電解質
    を存在させてアルミニウム箔をエッチングすることを特
    徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング
    方法。
  2. 【請求項2】複数段のエッチング工程よりなるアルミニ
    ウム電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法
    において、いずれか1つ以上の段のエッチング工程で、
    エッチング液中にアミノ基および第四アンモニウム基か
    ら選ばれるアニオン交換基を有する可溶性高分子電解質
    を存在させ、かつ電圧を印加してアルミニウム箔をエッ
    チングすることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニ
    ウム箔のエッチング方法。
  3. 【請求項3】可溶性高分子電解質が、エッチング液中に
    0.003〜10g/リットル存在する請求項1または
    2の電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方
    法。
  4. 【請求項4】可溶性高分子電解質が、ポリビニルベンジ
    ルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイ
    ミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリア
    リルアミン、ポリビニルアニリン、またはこれらの塩で
    ある請求項1〜3のいずれか1の電解コンデンサ用アル
    ミニウム箔のエッチング方法。
  5. 【請求項5】エッチング液は、濃度が1〜30重量%の
    塩酸水溶液である請求項1〜4のいずれか1の電解コン
    デンサ用アルミニウム箔のエッチング方法。
  6. 【請求項6】塩酸水溶液が硫酸、リン酸、硝酸またはシ
    ュウ酸を含有する請求項1〜5のいずれか1の電解コン
    デンサ用アルミニウム箔のエッチング方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0855454A1 (en) * 1995-08-01 1998-07-29 MEC CO., Ltd. Microetching composition for copper or copper alloy
JPH11283881A (ja) * 1998-03-31 1999-10-15 Nichicon Corp 電解コンデンサの駆動用電解液

Cited By (3)

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