JPH0677057U - 磁気ディスク駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着剤より生じるガスの量を極小とし、ディ
スクやヘッドの腐食を防止する。 【構成】 磁気ディスクを外周面に装着し所定の軸芯Ｂ
を中心として駆動するハブ６と、このハブ６の内周面に
固定した駆動マグネットと、この駆動マグネットと対向
するコイルの巻回されたステ−タコアとを備え、ハブ６
のステ−タコア側の面にバランス調整用重り８を挿入す
る円周溝６ａを形成してなる磁気ディスク駆動装置にお
いて、円周溝６ａのバランス調整用重り８を挿入した部
分に接着剤１９を塗布し、円周溝６ａにおける重り取り
付け位置１９の軸芯Ｂを中心とした対称位置に、略同量
の接着剤２９を塗布してなるもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気ディスク駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図３に示されるような磁気ディスク駆動装置が知られている。 この磁気ディスク駆動装置は所謂中心軸回転型であり、符号１は図示されない フレームに固定される軸受ホルダーを示している。この軸受ホルダー１の外周に は、ステ−タコア２が固定されており、このコア２にはコイル３が巻回されてい る。軸受ホルダー１の内周には、軸受５の外輪がそれぞれ嵌合固定されており、 その各内輪には中心軸４が嵌合固定されている。中心軸４の端部には、上記軸受 ホルダー１、コア２等を覆うような形状のハブ６が固定されている。このハブ６ の外周面には図示されない磁気ディスクが、内周面の上記コア２に対向する位置 には駆動マグネット７がそれぞれ装着されており、さらにこの駆動マグネット７ より図における上方の内周面には円周溝６ａが形成されている。 そして、コイル３に所定の駆動電圧を印加することにより、磁気ディスクを装 着したハブ６が軸芯（ハブ６、中心軸４等の軸芯）Ｂを中心として回転するよう になっている。

【０００３】 ここで、上記磁気ディスク駆動装置においては、製品誤差、加工誤差、組み立 て誤差等の原因により、ハブ６の回転が不釣合いとなり、動アンバランスを生じ ることがある。 従って、従来は動バランスチェック時に、図３、図４に示されるように、ハブ ６のバランスの軽い位置に対応する円周溝６ａの位置に、バランス調整用重り８ を挿入し、このバランス調整用重り８を接着剤９を塗布して固定することにより 、その部位の重さを重くして、上記回転不釣合を調整していた。 なお、接着剤９は、接着剤９の塗布によるアンバランスを生じないように、図 ４に示されるように、バランス調整用重り８の部分だけではなく、円周溝６ａ全 周に渡って凡そ均一に塗布されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記磁気ディスク駆動装置においては以下の問題点がある。 すなわち、接着剤９はガスを発生するが、接着剤９が円周溝６ａ全周に渡って 塗布されているために、そのガスの発生量が極めて多く、従ってこの多量のガス によりディスクやヘッドが腐食する畏れがある。

【０００５】 そこで本考案は、ガスの発生量が極小にされ、ディスクやヘッドの腐食が防止 される磁気ディスク装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の磁気ディスク駆動装置は上記目的を達成するために、磁気ディスクを 外周面に装着し所定の軸芯を中心として駆動するハブと、このハブの内周面に固 定した駆動マグネットと、この駆動マグネットと対向するコイルの巻回されたス テ−タコアとを備え、前記ハブの前記ステ−タコア側の面にバランス調整用重り を挿入する円周溝を形成してなる磁気ディスク駆動装置において、前記円周溝の バランス調整用重りを挿入した部分に接着剤を塗布し、前記円周溝における前記 重り取り付け位置の前記軸芯を中心とした対称位置に、略同量の接着剤を塗布し てなることを特徴としている。

【０００７】

【作用】

このような手段における磁気ディスク駆動装置によれば、接着剤は、円周溝の バランス調整用重りを取り付ける位置及びこの重り取り付け位置の軸芯を中心と した対称位置にだけ略同量づつ塗布されるようになり、該接着剤の塗布量が極小 にされ、それに伴いガスの発生量も極小にされる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は本考案の一実施例を示す磁気ディスク駆動装置の横断面図、図２は図１ 中のハブのＡ−Ａ断面図をそれぞれ示しており、従来技術で説明したのと同一な ものに対しては同一符号を付し、ここでの説明は省略する。 この実施例の磁気ディスク駆動装置が従来技術のそれと違う点は、図１、図２ に示されるように、接着剤を、円周溝６ａにおけるバランス調整用重り８を挿入 した部分１９及びこの部分１９の軸芯Ｂを中心として１８０°回転させて対向し た部分２９、すなわちバランス調整用重り８取り付け位置１９の軸芯Ｂを中心と した対称位置２９に塗布するようにした点である。

【０００９】 ここで、上記バランス調整用重り８は、従来技術で説明したように、ハブ６の バランスの軽い位置に対応する円周溝６ａの位置に挿入されており、この部位の 重さを動アンバランスが生じない量重くすることにより、回転不釣合を調整する ものである。

【００１０】 また、上記接着剤１９はバランス調整用重り８を固定するためのものであるが 、接着剤２９は、接着剤１９の塗布により生じるアンバランスを相殺するための ものであるので、接着剤１９，２９の塗布量は凡そ均等となっている。

【００１１】 このように、本実施例においては、接着剤を、円周溝６ａのバランス調整用重 り８を取り付ける位置１９及びこの重り取り付け位置１９の軸芯Ｂを中心とした 対称位置２９にだけ略同量づつ塗布するようにしたので、接着剤の塗布量が極小 になり、それに伴いガスの発生量も極小となって、ディスクやヘッドの腐食が防 止されるようになっている。

【００１２】 以上本考案者によってなされた考案を実施例に基づき具体的に説明したが、本 考案は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々 変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施例においては、中 心軸回転型の磁気ディスク駆動装置に対する適用例が述べられているが、中心軸 固定型の磁気ディスク駆動装置にも勿論適用可能である。

【００１３】

【考案の効果】

以上述べたように本考案の磁気ディスク駆動装置によれば、接着剤を、円周溝 のバランス調整用重りを取り付ける位置及びこの重り取り付け位置の軸芯を中心 とした対称位置にだけ略同量づつ塗布するようにしたので、接着剤の塗布量が極 小になり、それに伴いガスの発生量も極小となり、従ってディスクやヘッドの腐 食を防止することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す磁気ディスク駆動装置
の横断面図である。

【図２】図１中のハブのＡ−Ａ断面図である。

【図３】従来技術を示す磁気ディスク駆動装置の横断面
図である。

【図４】図３中のハブのＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

２ ステ−タコア ３ コイル ６ ハブ ６ａ 円周溝 ７ 駆動マグネット ８ バランス調整用重り １９ バランス調整用重りを挿入した部分の接着剤 ２９ 重り取り付け位置の軸芯を中心とした対称位置の
接着剤 Ｂ 軸芯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ディスクを外周面に装着し所定の軸
   芯を中心として駆動するハブと、このハブの内周面に固
   定した駆動マグネットと、この駆動マグネットと対向す
   るコイルの巻回されたステ−タコアとを備え、前記ハブ
   の前記ステ−タコア側の面にバランス調整用重りを挿入
   する円周溝を形成してなる磁気ディスク駆動装置におい
   て、 前記円周溝のバランス調整用重りを挿入した部分に接着
   剤を塗布し、 前記円周溝における前記重り取り付け位置の前記軸芯を
   中心とした対称位置に、略同量の接着剤を塗布してなる
   磁気ディスク駆動装置。