JPH0676501B2 - 多孔性フイルムの製造方法 - Google Patents

多孔性フイルムの製造方法

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JPH0676501B2
JPH0676501B2 JP61121300A JP12130086A JPH0676501B2 JP H0676501 B2 JPH0676501 B2 JP H0676501B2 JP 61121300 A JP61121300 A JP 61121300A JP 12130086 A JP12130086 A JP 12130086A JP H0676501 B2 JPH0676501 B2 JP H0676501B2
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porous film
porous
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真理 青山
道康 伊藤
従一 辻
利幸 石井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、通気性を有し表面に規則的な凹凸模様を有す
る多孔性フィルムの製造方法に関するものである。本フ
ィルムは防水衣料、防水カバー、衛生材料、包装材料そ
の他に使用できる。
〔従来の技術〕
従来よりポリオレフィン樹脂に非相溶性物質いわゆる無
機質微粉体を特定の割合で混合した後、溶融成形して得
られたフィルムを少なくとも一軸方向に延伸を行うこと
により多孔性フィルムが得られている(例えば特公昭53
−12542号,特開昭56−99242号、特開昭57−59727
号)。
しかしながら、これらの方法で得られた多孔性フィルム
は、機能に於いては通気性を有しているものの、視覚的
に透湿性を誇示するものでなく、通気性を消費者に訴え
る宣伝力に乏しいものであった。また、重厚感がないた
めに、フィルムが安っぽく、強度もないような印象を受
け、或いはフィルムに触れた時、樹脂性フィルム特有の
冷たさ及び、時には肌にべたつくという欠点を有してい
た。
また、一般に、充填剤を含有した多孔性フィルムの開孔
度は、充填剤の使用量、粒径、延伸倍率等によって決ま
る。延伸倍率が2.0倍以上で開孔が達成されるが、均一
な多孔化による充分な開孔度を得るためには4.0倍以上
の高延伸倍率を要する。従って、従来の方法で、例えば
一軸延伸では得られる多孔性フィルムは縦方向の引裂き
強度が低く、また二軸延伸では表面強度が弱い等、機械
的物性に劣る。又、低倍率延伸で耐引裂強度が上がるこ
とが知られているが、低倍率では均一な延伸配向が起こ
りにくく、延伸ムラが発生し、見映えが著しく悪く製品
としての価値が低下してしまう上、広範囲での通気性の
バラツキも生じ、機能的にも好ましくないものとなって
しまう。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、充分な通気性を有し、かつ視覚的にも
透湿性を誇示でき実質的な機械的強度を保持している上
に高級で強度のある印象を与えることができ、従来の樹
脂フィルムにはない、例えば木綿、麻など天然製品のよ
うな感触あるいは独特の風合いを有する多孔性フィルム
とその製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討し遂に
本発明に到った。
即ち本発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部及び無
機充填剤50〜500重量部を含む混合物から得られるフィ
ルムをエンボス加工により粗面とし、次いで、少なくと
も一軸方向に面積延伸倍率が1.5〜50倍となるように延
伸し、さらに、加熱したエンボスロールにより、得られ
た延伸フィルムに深さ2μm〜2mmの凹凸模様を形成す
ることを特徴とする通気性を有する多孔性フィルムの製
造方法である。
以下本発明をさらに詳しく説明する。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、ポリプロピ
レン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリブチレン等のホモ重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等の共重合体あるいは、これらのブレンドであ
り、好ましくは、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレンの単独又は2種以上の混
合物が適当である。
本発明における無機充填剤とは炭酸カルシウム、タル
ク、カレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシ
ウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、酸化チタン、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、ガ
ラス粉、シラスパルーン、ゼオライト、珪酸白土等が使
用でき、特に炭酸カルシウム、硫酸バリウムが好適であ
る。これらは単独又は混合して用いることができる。無
機充填剤の平均粒径は30μm以下のもの、好ましくは0.
5〜5.0μmのものがさらに好ましい。
無機充填剤の使用量は添加する無機充填剤の種類や粒径
によって多少の差があるが所望の開孔度が得られる充分
な量である。総体的に好ましい量としては、ポリオレフ
ィン樹脂100重量部当り、50〜500重量部、さらに好まし
くは、100〜400重量部である。この充填量が50重量部未
満では、開孔率が充分得られず、500重量部を越えて用
いた場合はフィルムの剛性が増し、延伸性が低下するた
め充分な延伸が行えず、開孔度が低下してしまう。
充填剤の表面処理は、樹脂への分散性、延伸性の点から
みて実施することが好ましく表面処理剤としては脂肪酸
またはその金属塩、シリコン、シラン、樹脂酸等が使用
できる。
ポリオレフィン系樹脂及び充填剤を含む成膜用混合物は
他の添加物、例えば、滑剤、顔料、熱、光、その他に対
する安定剤、可塑剤、帯電防止剤、改質性樹脂等を必要
に応じて適量添加してもよい。
無機充填剤とポリオレフィン系樹脂に他の添加物を必要
に応じて適量添加し既知の方法により混合する。その
後、既知の装置、例えば、バンバリーミキサー、ミキシ
ングロール、一軸あるいは二軸スクリュー押出機その他
の溶融混練機により混練しペレット化するか又はしない
通常のフィルム成形装置及び成形方法に準じて成膜す
る。一般にはカレンダリング、キャスティング、或いは
押出しにより成膜される。
上記、通常の方法で得られたフィルムは、エンボス工程
でフィルムを粗面とする。
このフィルムを粗面とするエンボスロール面は、艶消し
に効果のある梨地模様や、目的に応じて種種の凹凸模様
が利用できるが、特に一軸延伸の場合フィルムの横強度
を上げるには、フィルム延伸方向に対して垂直な凹凸模
様を施すことが好ましい。次いで、表面を粗面としたフ
ィルムを少なくとも一軸方向に延伸を行なう。延伸は通
常の方法により、一軸方向或いは二軸以上の方向に延伸
され、また一段あるいは多段階で行なわれてもよい。
本発明の方法に於ける面積延伸倍率としては、1.05〜50
倍が好ましく、さらに目的とする見映え、及び充分な通
気性を得るには1.1〜20倍が特に好ましい。50倍を越え
ると延伸切れが生じ安定して製造することが困難とな
り、1.05倍以下では充分な開孔性がほとんど期待できな
い。さらに、延伸されたフィルムを加熱したエンボスロ
ールでエンボスをかけることにより、本発明の多孔性フ
ィルムが得られる。
本発明で付与する凹凸模様とは表面での深さ(凸部最高
部を基準とした凹部最低部の深さ)が2μm〜3mmのも
のが適当である。フィルムの厚さによっても差がある
が、凹凸が2μm未満である場合、通常のフィルムが有
する厚みむらによる凹凸に近づき、凹凸模様の認識がほ
とんどできない。
また、凹凸が3mm以上では、得られたフィルムの物性が
著しく低下したり、薄いフィルムの場合、凹凸模様付け
が不可能となってしまう。
この凹凸模様付けをするエンボスロールとしては、目的
に応じて種種な凹凸模様のものが使用できる。
上記、フィルムの成膜、粗面エンボス加工、延伸、凹凸
模様エンボスの付与は、それぞれ、単独、又は連続、或
いは部分的に連続で行なうことができる。
本発明による得られたフィルムは開孔度の指標としての
透湿度(ASTM E−96−66に準ずる)が100g/m2・24Hrs
以上であることが好ましく、より好ましくは500g/m2・2
4Hrs以上である。得られたフィルムの用途によって異な
るが100g/m2・24Hrs未満では通気性フィルムとしての機
能が殆んど期待できない。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。各実
施例中における物性は下記方法により測定したものであ
る。
(1)引張破断強度(kg);25mm(巾)×100mm(長さ)
のフィルム片を引張りスピード200mm/分でテンシロン引
張り試験機にて測定する。破断強度をMD(流れ方向)、
TD(流れに垂直な方向)について各々測定する。
(2)引裂強度(g);10mm(巾)×100mm(長さ)の試
験片の短片の中央から長辺に平行に内部へ流さ約50mmの
切り込みを入れる。試験片の切り込みを入れた辺の両側
が裏表になるように引張試験機に取り付け引張りスピー
ド200mm/分で引き裂き、平均荷重を求める。
引裂強さは縦方向に切り込みを入れたときのものを測定
する。
(3)透湿度;ASTM E−96−66に準ずる。
(4)凹凸模様の深さ;表面粗度計〔(株)東京精密
製〕 触針先端半径5μmで測定。
(5)剛軟度(mm);試料は、210mm(巾)×300mm(長
さ)のものを25mm×300mmの鋼尺に巻きつけ、8枚重ね
とする。
測定は、JIS L−1018剛軟度A法に準ずる。
(6)熱収縮率(%);JIS K 6734加熱伸縮性試験に
準ずる。
但し、80℃±2℃に保った試験機に15分間置いた。フィ
ルムの流れ方向のみを測定した。
実施例1〜5 MI=2の線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)100重量
部と無機充填剤、すなわち沈降硫酸バリウム(平均粒径
0.8μm、実施例1〜3)あるいは炭酸カルシウム(平
均粒径0.8μm、実施例4,5)150重量部をヘンシェルミ
キサーで混合し、ペレット化した後シート成形機によっ
て押出し成膜した。次いで、梨地模様により、フィルム
を粗面とし、その後、第1表に示す延伸倍率で延伸し、
次いで、熱エンボスロール(90℃)とゴムロールによ
り、(押圧50kg/cm2で)ピンチしエンボスを施して坪量
50g/m2の多孔性エンボスフィルムを得た。延伸倍率、得
られたフィルムの物性の結果は第1表に示す。
実施例6〜8 実施例1と同一のL−LDPEとMI=5の低密度ポリエチレ
ン(LDPE)との混合物(実施例6)あるいはMI=9を高
密度ポリエチレン(HDPE;実施例7)あるいはMI=1.5ポ
リプロピレン(PP;実施例8)沈降硫酸バリウムを第1
表に示す量で実施例1と同様に成膜、粗面化して延伸倍
率2.0倍で延伸し、その後、第1表に示す熱エンボス条
件でエンボスを施し、多孔性エンボスフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を第1表に示す。
実施例9,10 L−LDPEと沈降硫酸バリウムを第1表に示す量で実施例
1と同様にして多孔性エンボスフィルムを得た。得られ
たフィルムの評価結果を第1表に示す。
実施例11 横すじ凹凸模様でフィルムを粗面とする以外は実施例1
と同様に実施し、多孔性エンボスフィルムを得た。得ら
れたフィルムの評価結果を第1表に示す。
比較例1〜5 実施例1と同一のL−LDPEと無機充填剤(沈降硫酸バリ
ウム;比較1,3〜5,炭酸カルシウム;比較例2)を第2
表に示す量及び延伸倍率で実施例1と同様にして多孔性
エンボスフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果
を第2表に示す。比較例1,2,4では通気性がなく硬いフ
ィルムであり比較例3,5では延伸切れのため安定して生
産できない。
比較例6〜8 実施例1の多孔性エンボスフィルムを得る条件のうち、
延伸前の粗面エンボス加工を施さない(比較例6)ある
いは延伸前の粗面エンボス加工及び延伸後の熱エンボス
を施さない(比較例7)あるいは延伸後の熱エンボスを
施さない(比較例8)以外は同様に実施し、多孔性エン
ボスフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を第2表に示す。比較例6,
7では、延伸むらのため見映えが悪く、透湿度のバラツ
キが大きい。比較例7,8では、収縮率が高く、硬いフィ
ルムであり、比較例8は凹凸がないため見映えに劣る。
〔発明の効果〕 本発明の製造法により得られる多孔性フィルムは機能に
於いて充分な通気性を有している。
従来フィルムに均一な多孔化による充分な開孔度を与え
るためには、フィラーの選定もさることながら、フィル
ムを4倍以上に延伸する必要があった。本発明の製造方
法によれば、4倍以下、特に2倍以下の低倍率延伸で充
分な開孔度が達成でき、このため一軸延伸に於いても、
縦方向の引裂強度低下も著しく少なくなること等から、
機械的に優れた多孔性フィルムが得らるえると共に設備
的に簡単な装置で充分であるので装置の運転、保守も簡
単になるという効果もある。また二軸延伸に於いても、
同時及び遂次延伸のいづれでも一軸延伸同様、表面強度
が強い等、機械的物性に優れた多孔性フィルムが得られ
る。この様な低倍率延伸でも充分な開孔度が得られる理
由は、延伸する前にフィルムを粗面とすることにより、
応力集中し易い部分が形成され、その粗面による凹凸部
分が選択的に周囲の倍率より高い倍率で延伸されるため
に考えられる。
又、延伸後に、熱エンボスロールにて凹凸模様を付与す
ることにより、視覚的にも透湿度を誇示することがで
き、訴えることができる。
さらに、重厚感があり高級で強度のある印象を与える、
見映え、感触が良く、収縮性の少ない多孔性フィルムが
得られるので、用途の拡大が可能となり産業上貢献する
ところ大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂100重量部及び無機
    充填剤50〜500重量部を含む混合物から得られるフィル
    ムをエンボス加工により粗面とし、次いで、少なくとも
    一軸方向に面積延伸倍率が1.05〜50倍となるように延伸
    し、さらに、加熱したエンボスロールにより、得られた
    延伸フィルムに深さ2μm〜3mmの凹凸模様を形成する
    ことを特徴とする通気性を有する多孔性フィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】上記粗面がフィルムの延伸方向に対し、垂
    直な凹凸模様である特許請求の範囲第1項記載の多孔性
    フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】上記多孔性フィルムの透湿度が100g/m2・2
    4hrs以上である特許請求の範囲第1項記載の多孔性フィ
    ルムの製造方法。
JP61121300A 1986-01-02 1986-05-28 多孔性フイルムの製造方法 Expired - Lifetime JPH0676501B2 (ja)

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