JPH0676389U - 磁石で吸着可能な可撓性シート - Google Patents

磁石で吸着可能な可撓性シート

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JPH0676389U
JPH0676389U JP2380093U JP2380093U JPH0676389U JP H0676389 U JPH0676389 U JP H0676389U JP 2380093 U JP2380093 U JP 2380093U JP 2380093 U JP2380093 U JP 2380093U JP H0676389 U JPH0676389 U JP H0676389U
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felt
flexible sheet
stainless steel
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fiber
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JP2380093U
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絋二 川崎
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FUJICO CO., LTD.
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FUJICO CO., LTD.
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁石で吸着可能なシートであり、柔軟性とク
ッション性があって繊維製品などに取付けても違和感が
なく樹脂などを含浸できる。 【構成】 繊維径4〜23μmのステンレススチール繊
維に少量の油を塗布して開繊性を良化させ、このウェブ
をニードルパンチング又はウォータジェット処理でフェ
ルト化するか、又は該ステンレススチール繊維と、合成
及び/又は天然繊維とを混綿し、このウェブをニードル
パンチング,ウォータジェット処理又は縮充加工でフェ
ルト化する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、常磁性を有し且つ柔軟性とクッション性がある可撓性シートに関し 、繊維製品などに取付けても違和感がなく樹脂などを含浸できる磁石で吸着可能 な可撓性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
柔軟性を有する繊維製品は、あき留めのためにボタンやマジックテープ(商品 名)などを縫い付けるのが普通であり、通常、磁性を持っていないので磁石が使 用されることはない。これに対し、殆どの金属材料は、磁石を近づけると磁場と 同じ方向に磁化されて磁石に吸い付けられるという常磁性を持つけれども、この ような磁性の効果は鉄,ニッケル,クロムを除くと一般に小さく、強磁性を有す る鋼鉄などでは磁化の影響が残って永久磁石になるものが多い。
【0003】 金属材料では、この磁性を利用して各種の止め具,玩具, 開閉装置が製造・販売されている。金属材料を吸着させる際には、金属粉末をゴ ムやプラスチックに練り込んで柔軟化させ、冷蔵庫のドアなどではソフトな吸着 を行なうことも可能である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
金属粉末をゴムやプラスチックに練り込むことにより、磁石でソフトな吸着を 行なってもその感触性やクッション性は十分とはいえず、特に繊維製品との違和 感が大きい。また、金属粉末をゴムやプラスチックに練り込んだ製品は製造コス トが高く、繊維製品においてボタンやマジックテープ(商品名)の代用とするこ とは実際上不可能である。
【0005】 本考案は、従来の常磁性金属には存在しない可撓性を付与 することにより、磁石の新たな用途を開発するために提案されたものである。し たがって、本考案の目的は、繊維特有の感触性やクッション性を有し且つ磁石で 吸着可能な可撓性シートを提供することである。本考案の他の目的は、柔軟性が あることで湾曲面に沿って摺動でき、高温環境でも使用できる可撓性シートを提 供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案に係る可撓性シート1は、図1に示すよう に、ステンレススチール繊維2に少量の油を塗布して開繊性を良化させる。ステ ンレススチール繊維2のトウはカーディングによってウェブとし、このウェブを ニードルパンチング又はウォータジェット処理でフェルト化する。
【0007】 用いるステンレススチール繊維2は、一般に繊維径4〜2 3μm,繊維長30〜70mmであって、900℃以上の高温でも使用できる。 また、少量の油は、例えば水溶性の金属切削油であればよく、油の添加量はステ ンレススチール繊維2の重量に対して0.3〜5%、好ましくは0.5〜3%であ る。
【0008】 ステンレススチール繊維2は、図2に示すように、合成及 び/又は天然繊維3と混綿してもよい。この合成及び/又は天然繊維としては、 ポリエステル,ポリプロピレン,ナイロン,アセテート,レーヨン,綿などが例 示でき、これらを3種以上混綿することも可能である。可撓性シートに常磁性を 付与するために、ステンレススチール繊維2を少なくとも40%以上、通常は5 0%混綿し、このウェブをニードルパンチング,ウォータジェット処理又は縮充 加工でフェルト化する。
【0009】 図3に示す可撓性シート1は、ステンレススチール繊維単 独又は該ステンレススチール繊維と合成及び/又は天然繊維とを混綿したウェブ の表側フェルト5と、合成及び/又は天然繊維ウェブの裏側フェルト6とからな る。両ウェブは、ニードルパンチング又は接着層を介して一体化させる。この接 着層は、公知の接着剤を塗布したり、熱融着性のプラスチックフィルムや不織布 などを挟んで形成すればよい。前記以外の態様として、フェルト5を2層のフェ ルト6で挟んだり、フェルト6を2層のフェルト5で挟むこともある。
【0010】 裏側フェルト6を構成するウェブ繊維としては、ポリエス テル,ポリプロピレン,ナイロン,アセテート,レーヨン,綿などが例示でき、 これらを相互に混綿してもよい。フェルト6のウェブは、床材などとして用いる ために目付を増やして厚くしたり、硬度を高めるために低融点の熱融着性繊維を 適量混綿してもよい。これらの原料繊維の一部又は全部が反毛(回収再生綿)で あってもよい。
【0011】 裏側フェルト6を構成するウェブ繊維は、耐熱性を要する 場合にはアラミド繊維単独又はアラミド繊維と炭素系繊維などを混綿する。アラ ミド繊維としては、パラフェニレンテレフタルアミド繊維やメタフェニレンイソ フタルアミド繊維などである。併用する炭素系繊維には、耐熱性が比較的低い耐 炎繊維なども包含し、使用個所に応じて含有量と品質を適宜選択すればよい。
【0012】 図4に例示するように、常磁性を有するフェルト5,6の 中間又は下側に基布7を介在させてもよい。基布7は、合成及び/又は天然繊維 又はステンレススチール繊維などからなる。
【0013】
【作用】
本考案の可撓性シート1は、ステンレススチール繊維2の存在によって常磁性 を有し、磁石片8(図5)と近づけると磁場と同じ方向に磁化され、該テープを 磁石片8で吸い付けることが可能である。可撓性シート1は、繊維特有の感触性 ,屈曲性やクッション性を有するうえに磁石片8で吸着でき、繊維製品又は電磁 石を用いる一般工業機械などにおいて利用できる。
【0014】 可撓性シート1は、例えば2層のフェルト5,6で構成す ることにより、曲げ強度の比較的小さいステンレススチール繊維の表側フェルト 5を裏側フェルト6で補強できる。また、可撓性シート1において、裏側フェル ト6が耐熱性繊維製であると、高温物体と接触するような高温環境でも使用が可 能である。
【0015】
【実施例】
次に、本考案を実施例に基づいて説明する。 実施例1 図1に示す可撓性シート1を製造するために、SUS316Lのステンレスス チール繊維(ベカルト社製)2に水溶性の金属切削油を塗布して開繊性を良化さ せる。ステンレススチール繊維2は繊維径8μm,繊維長30〜70mmで、金 属切削油の添加量はステンレススチール繊維2の重量に対して2%である。
【0016】 次に、ステンレススチール繊維2のトウをカーディングに よってウェブとし、このウェブ200g/m2をニードルパンチングでフェルト 化する。得た可撓性シート1は厚み1mmであり、常磁性を有する。
【0017】 可撓性シート1は、例えば幅1cm,長さ150cmに裁 断して、クッション片13として図5に示すようなアコーディオンカーテン11 の側面に貼着し、一方、柱12の側壁に磁石片8を固着する。アコーディオンカ ーテン11を閉じると、該カーテンの側面は可撓性シート1のクッション片13 が磁石片8に吸着されることで柱12に密接し、カーテン開閉の際に衝撃音はク ッション片13で緩衝することによって殆ど発生しない。
【0018】 可撓性シート1は、例えば幅10cm,長さ15cmに裁 断して、図6に示すようなユニホーム14の胸に縫着してもよい。可撓性シート の縫着片15には、磁石付きの各種のネームプレート(図示しない)を吸着でき 、これを洗濯時などに取り外すことはきわめて簡単である。この縫着片15は、 前記のような留めピンの代用又は該ピンを補助するために使用できる。
【0019】 実施例2 図3に示す可撓性シートを製造するため、実施例1と同様のステンレススチー ル繊維2の表側ウェブと、繊度1.5デニールで密度0.1g/cm3である厚さ 2mmのパラフェニレンテレフタルアミド繊維(商品名ケブラー、E.I.デュポ ン社製)の裏側ウェブを用いる。両ウェブは、ニードルパンチングにおいて50 0本/in2のニードルを突き刺し、厚さ3mmで重さ400g/m2の2層フェ ルト5,6の可撓性シート1を得る。
【0020】 図3の可撓性シートは、例えば直径20cmの円形に裁断 して、図7に例示するようなガラスライニングの反応容器20の内周面を清掃す る際に用いる。この可撓性シートの清掃ディスク21は、反応容器20が円筒形 であっても内周面に沿って容易に湾曲できるから、容器外部に配置した掃除具2 2の磁石片23によって容器内部のディスク21を動かして清掃できる。図示し ないけれども、この可撓性シートは、ビルディング外周の湾曲ガラス面を清掃す る際にも利用できる。
【0021】 この可撓性シートでは、ステンレススチール繊維2の表側 フェルト5を裏側フェルト6で補強している。図8に例示するように、この可撓 性シートをクッション材24として産業ロボットなどにおける電磁パッド25の 表面に取付けると、レールや鋼材26を吸着して搬送する作業がいっそうスムー スで静穏になり、該パッドの吸着力が低下することもない。また、このクッショ ン材24の交換は、パッド表面に接着している場合に比べて遥かに容易である。
【0022】 電磁パッド25は、表面のクッション材24が柔軟で反応 性がないことにより、高温状態のレールや鋼材を持ったりしても表面を傷つける ことがない。クッション材24は、断熱性が優れているので高温作業が可能であ り、特に熱処理工程において約500〜600℃に達する高温物体と接触する作 業も可能である。
【0023】 実施例3 図2に示す可撓性シートを製造するため、実施例1と同様のステンレススチー ル繊維70%と、実施例2と同様のアラミド繊維30%との混綿ウェブを用いる 。このウェブをウォータジェット処理で均一に一体化すると、得たフェルトは厚 さ約3mm,重さ500g/m2である。
【0024】 この可撓性シートを帯状に切断すると、図9に例示するよ うに軸30の全体又は一部を磁石で構成すれば、該軸の周囲に巻き付けて、一般 工業機械で用いるOリング31などとして利用できる。このOリング31には、 潤滑油を含浸させることが可能であり、これによってオイルシールやメカニカル シールの代用になる。
【0025】
【考案の効果】
本考案の可撓性シートは、常磁性を有し且つ柔軟性とクッション性があり、磁 石片と近づけて吸い付けることが可能である。本考案の可撓性シートは、繊維製 品においてボタンやマジックテープ(商品名)の代用になり、例えば壁紙として 用いると、磁石粉末を含むゴムなどを塗布したポスターなどが直性貼着できる。 また、衣服や帽子の外面に取付けると、磁石付きのネームプレートやリボンを着 脱可能に貼着でき、テーブル掛けやカーテンなどに取付けても洗濯が可能であっ て衣類などの感触性を損わない。
【0026】 本考案の可撓性シートは、ガラスライニングの反応容器な どの内周面を清掃したり、ビルディングにおける湾曲ガラスの外面を清掃する際 などに利用できる。また、産業ロボットにおける電磁パッドの表面に取付けると 、レールや鋼材を吸着して搬送する作業がスムースで静穏になり、該パッドの吸 着力が低下することもない。この可撓性シートはOリングなどとしても利用でき 、潤滑油を含浸させるとオイルシールやメカニカルシールの代用になる。
【0027】 本考案の可撓性シートは、2層のフェルトで構成すること により、曲げ強度の比較的小さいステンレススチール繊維の表側フェルトを裏側 の裏側フェルトで補強でき、テープの耐熱性は表側フェルトによって高くなる。 可撓性シートの断熱性は、同じ厚さのアスベストよりも大きく、高温物体と接触 するような高温環境でも使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る可撓性シートを概略的に示す拡
大断面図である。
【図2】 可撓性シートの変形例を示す拡大断面図であ
る。
【図3】 可撓性シートの別の変形例を示す拡大断面図
である。
【図4】 可撓性シートのさらに別の変形例を示す拡大
断面図である。
【図5】 本考案の可撓性シートの使用例を示す部分正
面図である。
【図6】 可撓性シートの別の使用例を示す正面図であ
る。
【図7】 可撓性シートのさらに別の使用例を示す水平
断面図である。
【図8】 可撓性シートの他の使用例を示す部分側面図
である。
【図9】 可撓性シートのさらに他の使用例を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
1 可撓性シート 2 ステンレススチール繊維 3 合成及び/又は天然繊維 5 表側フェルト 6 裏側フェルト 7 基布 8 磁石片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A47H 23/08 9129−2E A47L 1/15 13/16 A 2119−3B D04H 1/42 D 7199−3B F16J 15/16 B 8207−3J

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維径4〜23μmのステンレススチー
    ル繊維に少量の油を塗布して開繊性を良化させ、このウ
    ェブをニードルパンチング又はウォータジェット処理で
    フェルト化することにより、常磁性を有し且つ繊維製品
    などに取付けても違和感がない磁石で吸着可能な可撓性
    シート。
  2. 【請求項2】 少量の油を塗布して開繊性を良化させた
    繊維径4〜23μmのステンレススチール繊維と、合成
    及び/又は天然繊維とを混綿し、このウェブをニードル
    パンチング,ウォータジェット処理又は縮充加工でフェ
    ルト化することにより、常磁性を有し且つ繊維製品など
    に取付けても違和感がない磁石で吸着可能な可撓性シー
    ト。
  3. 【請求項3】 少量の油を塗布して開繊性を良化させた
    繊維径4〜23μmのステンレススチール繊維単独又は
    該ステンレススチール繊維と合成及び/又は天然繊維と
    を混綿したウェブの表側フェルトと、合成及び/又は天
    然繊維ウェブの裏側フェルトとからなり、両ウェブをニ
    ードルパンチング又は接着層を介して一体化させ、常磁
    性を有し且つ繊維製品などに取付けても違和感がない磁
    石で吸着可能な可撓性シート。
  4. 【請求項4】 常磁性を有するフェルトの中間又は下側
    に基布を介在させ、該基布が合成及び/又は天然繊維又
    はステンレススチール繊維などからなる請求項1,2又
    は3記載の可撓性シート。
JP2380093U 1993-04-08 1993-04-08 磁石で吸着可能な可撓性シート Pending JPH0676389U (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005168999A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Nishikawa Living Inc 繊維積層体
JP2013031611A (ja) * 2011-07-29 2013-02-14 Towa Sangyo Kk 金属製ステンレスファイバーを用いた清掃具
WO2018131592A1 (ja) * 2017-01-16 2018-07-19 株式会社巴川製紙所 クッション紙

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