JP2006214077A - 防刃手袋の製造方法と該方法に使用するミシン及び防刃手袋 - Google Patents

防刃手袋の製造方法と該方法に使用するミシン及び防刃手袋 Download PDF

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Abstract

【課題】少なくとも掌側のパーツが第1の層材で構成された掌側と手の甲側のパーツを手袋状に縫製する。
【解決手段】少なくとも掌側のパーツが第1の層材10で構成された掌側と手の甲側のパーツ1を手袋状に裏返した状態で縫製する(a)の工程と、少なくとも掌がのパーツとなる第2の層材20に鎖Rを取着する(b)の工程と、上記(b)の工程で鎖を取着した第2の層材20の、該鎖Rを取着した反対側に、第3の層材30を縫着する(c)の工程と、上記(a)の工程で手袋状に縫製したものを裏返し状態において、上記(c)の工程で得られた掌側に配置する第2の層材20に第3の層材30を取着したものを、第1の層材10に、鎖Rが手袋として使用した状態において手袋の表面方に且つ第3の層材30が掌の肌に接する位置になるよう、縫着する(d)の工程と、上記(d)の縫着が完了したものを裏返す(e)の工程とを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ナイフ,包丁あるいは日本刀等の刃物から手を防護する暴漢制圧用等として最適な防刃手袋の製造方法と該方法に使用するためのミシンと該製造方法によって製造される防刃手袋に関する。
従来より格闘状態において刃物から手を防護するための防刃手袋は種々発明されている。古くは戦国時代にも使用されているように、鉄製の鎖を手の甲の表面に縫い付けたものが知られている。
一方、近年、化学繊維が飛躍的に発達し、アラミド繊維等のように摩耗あるいは破断強度等が極めて高い繊維が、出現している。
本出願人も、アラミド繊維を混入した生地を用いて、防刃用の手袋を開発し、市場に提供している。この防刃用手袋は、耐熱性能も高く、レスキュー隊員にも使用されているが、防刃性能においては、必ずしも、上述した鉄製の鎖を縫い付けたもの程には防刃性能は高くない。例えば、日本刀あるいは刺身包丁又はカッターナイフのような鋭利な刃物で切りつけられた場合には、条件によっては、多少とも切傷を受ける可能性が存在する。
勿論、鉄製、特にステンレス等の高強度のスチールを使用した鎖を手袋の周囲に配することによって防刃性能を高めることは、誰しも考えるところである。この種の先行技術として、特開平5−125603号公報に記載のものがある。
特開平5−125603号公報。
しかしながら、鉄製の鎖の場合、基布に縫い付けようとすると、手縫いしか手法がなく、従って、量産性がないことから、価格的にも、極く特殊な分野でしか使用することができない程に高価になってしまうのが現状である。
また、鎖を平面的に編成した「鎖かたびら」状の手袋も食品加工用として存在するが、かかる場合には、鎖状のものを平面的に編成しなければならず、製造が非常に厄介で、それにも増して、手袋として柔軟性に乏しくなるため、耐刃性能自体は高いものの、その手袋をしたまま警棒等を把持して振り回しあるいは相手の衣類等を把持して技をかける等の暴漢制圧行動、あるいは各種スイッチ操作等を伴うバイクの運転等は不可能で、到底一般の警備に使用する手袋としては、使用できない。
ところで、最近、新聞紙上を毎日のように賑わす、刃物を使用した暴力事件が多発している。従って、職務上、嫌がおうにも対応せざるを得ない警察官にとっては、上述したようなアラミド繊維のみに防刃機能を求めた現在の手袋では、刃物を直に受け止めるには、甚だ不安がある。
本発明は、このような現況に鑑みおこなわれたもので、ステンレススチール等の鉄製あるいは炭素繊維等の耐刃機能の高い鎖を掌あるいは手の甲の適宜部位(最も刃を受けやすい部位)に配した防刃手袋を、大量生産可能な製造方法を提供することを第1の目的とし、さらにそのような製造方法を可能ならしめるミシンを提供することを第2の目的とし、またそのような製造方法に適した構造の手袋を提供するのを第3の目的とする。
本発明の上記第1の目的は、請求項1記載の防刃手袋によって解決される。つまり、本発明にかかる防刃手袋の製造方法は、耐刃機能を具備する繊維からなる生地で構成される第1の層材と、この第1の層材の内方に配設され耐刃機能の高い鎖を取着した第2の層材と、第2の層材の内方に肌触りの良い薄い生地からなる第3の層材を有する防刃用の手袋の製造方法であって、以下の(a)〜(e)の工程を有する防刃手袋の製造方法。
(a).少なくとも掌側のパーツが第1の層材で構成された掌側と手の甲側のパーツを手袋状に裏返した状態で縫製する。
(b).別の工程で、少なくとも掌側のパーツとなる上記第2の層材に鎖を取着する。
(c).上記(b)の工程で鎖を取着した第2の層材の、該鎖を取着した反対側に、第3の層材を縫着する。
(d).上記(a)の工程で裏返した状態で手袋状に縫製した第1の層材に、上記(c)の工程で得られた掌側に配置する第2の層材に第3の層材を取着したものを、鎖を取着した側が手袋として使用した状態において手袋の表面方に且つ第3の層材が掌の肌に接する位置になるよう、縫着する。
(e).上記(d)の縫着が完了したものを裏返す。
しかして、このような構成からなる防刃手袋によれば、手袋を形成する多層状の層材の間に鎖を配置することができ、従って、刃物の刃を手で直接掴んでも、耐刃性能を具備する第1の層材と、鎖によって該刃を止めることができるため、例え日本刀等の鋭利なものであっても、安心して対応することができる。しかも、鎖は、多層になった各層材の間に配置されているため、手袋として非常に柔軟性を兼備し、バイクの運転を含む一般の警備にも何ら支承なく使用できる手袋となる。また、量産性にも優れた手袋となる。
また、本発明の上記第2の目的は、請求項5記載のミシンによって解決される。つまり、本発明にかかるミシンは、ミシン針が上下に昇降動作するとともに、生地等の対象物を運針に合わせて送るために、生地載置台表面から突出し送り動作する底部送り歯部と、上方から対象物を押圧し交互に上記底部送り歯部と同期して送り動作する左右一対の第1および第2の押さえ金具とを備え、延在する鎖の穴にミシン針を通して該鎖を生地に縫着するためのミシンであって、上記左右一対の押さえ金具のうち、第1の押さえ金具の底面に、鎖が通過し得るべく下方に開放した凹状の通過部を形成するとともに、この通過部の天井面に、鎖の穴に係止するための突起片を下方に向けて突設し、且つ、突起片から鎖の一ピッチに相当する距離だけ放して、ミシン針が通過するための針穴を形成し、第2の押さえ金具の側面に、上記第1の押さえ金具の後方に位置するように、横突部を一体的に形成するとともに、この横突部の底面に、上記通過部と運針方向に一致するよう、鎖が通過し得るべく下方に開放した凹状の通過部を形成し、且つ、この通過部の天井面に、鎖の穴に係止するための突起片を、上記突起片と運針方向に一致するよう、下方に向けて突設したことを特徴とする。
しかして、本発明にかかるミシンによれば、第1と第2の押さえ金具が鎖の空間(穴)を利用して交互に、該底部送り歯部と協動して、生地と該鎖が一体になるよう運針に合わせて送り動作をおこない、ミシン針が、鎖の穴を利用して、生地に該鎖を極めて効率よく縫着することができる。しかも、上述のように、第1の送り金具には突起片と針穴(この明細書において「ミシン針が貫通する穴」をいう)とのピッチが鎖のピッチに一致して設けられていることから、また、鎖は第1と第2の押さえ金具の各突起片で運針方向に張られた状態となるため、ミシン針は必ず鎖穴に挿通される。この結果、ミシン針が鎖に当接して折損するようなことは皆無となる。
また、本発明の上記第2の目的は、請求項7記載のミシンによっても解決される。つまり、本発明にかかるミシンは、ミシン針を上下に昇降動作させる昇降ロッドと、生地等の対象物を運針とタイミングを合わせて送るべく、生地載置台表面から突出し送り動作する底部送り歯部と、上方から対象物を押圧する押さえ金具と、ミシン針を昇降させる昇降ロッドを昇降自在に保持する保持部材を、上記鎖通過溝よりやや広い幅だけ、生地の送り方向に直交する方向に振らせる横振り機構とを備え、延在する鎖を跨ぐようにジグザク状にミシン糸を掛けることによって該鎖を生地に縫着するためのミシンであって、上記押さえ金具が、底面に、中央に鎖を長手方向に通過させる鎖通過溝と、該鎖通過溝の両側に左右に対峙して生地を押圧する押さえ面を備え、上記横振り機構が、鎖通過溝の中心を中心に生地の送り方向に直交する方向に均等幅だけ両側にミシン針を振らせるよう構成されていることを特徴とする。
しかして、本発明にかかるミシンによれば、押さえ金具の鎖通過溝を鎖が通過してゆくと、その鎖通過溝の中心に中心に横振り機構が保持部材を生地の送り方向に直交する方向に均等幅だけ所定寸法両側に振らせる結果、該保持部材に保持されている昇降ロッドが振られて、ミシン針が、延在する鎖を跨ぐようにジグザク状にミシン糸を掛ける。この結果、第2の層材に鎖を確実に縫着することができる。しかも、このミシンによれば、平面視において鎖が第2の層材上で鋭角に屈曲されて配置されていても、簡単にその鎖を第2の層材に確実に且つ効率良く縫着することが可能となる。
また、本発明の上記第3の目的は、請求項8記載の防刃手袋によって解決される。つまり、本発明にかかる防刃手袋は、少なくとも掌の部分が複数の層材を積層することによって形成された防刃用の手袋であって、この積層が、耐刃機能を具備する繊維からなる生地で構成される第1の層材と、この第1の層材の内方に配設され耐刃機能の高い鎖を取着した第2の層材と、第2の層材の内方に肌触りの良い薄い生地からなる第3の層材で積層されていることを特徴とする。
しかして、このように構成された防刃手袋によると、手袋を形成する多層状の層材の間に鎖が配置されているため、刃物の刃を手で直接掴んでも、耐刃性能を具備する第1の層材と、鎖によって該刃を止めることができるため、例え日本刀等の鋭利なものを掴んでも、掴んだ手は全く切り傷を受けることはないため、安心して対応することができる。しかも、鎖は、多層になった各層材の間に配置されているため、手袋として非常に柔軟性を兼備し、バイクの運転を含む一般の警備にも何ら支承なく使用できる手袋となる。また、量産性にも優れた手袋となる。しかも、最も内方には、肌触りの良い第3の層材が配設されているため、極めて良好なはき心地が得られる。
そして、上記請求項1記載の防刃手袋の製造方法において、請求項2に記載するように、鎖を第2の層材に取着する工程が、ミシンを使用して、鎖の空間部分にミシン針を挿通してミシン糸で取着(縫着)する工程であれば、最も確実に且つ単純に鎖を第2の層材に取着することができることになる。
また、上記請求項1記載の防刃手袋の製造方法において、請求項3に記載するように、鎖を第2の層材に取着する工程が、ミシンを使用して、該ミシンのミシン針が相対的に送られる鎖を跨ぐように交互に左右(両側)に振ることによって、該鎖を第2の層材に、該鎖を跨ぐようにミシン糸でジクザクに取着する工程であれば、鎖を第2の層材上に所望の自在の状態に配置しても、確実に且つ簡単に、取着することができることになる。
また、上記請求項1記載の防刃手袋の製造方法において、請求項4に記載するように、鎖を第2の層材に取着する工程が、ミシンを使用して、第2の層材を構成する生地に、伸縮性のある取着生地を、間に前記鎖を挟んで、引っ張った状態で該鎖の両側部を縫着しても、請求項2記載の場合と同様に実現できる。
そして、上記請求項5記載のミシンにおいて、請求項6に記載するように、少なくとも第2の押さえ金具の底面に、対象物を送り方向にスリップ無く送るための、鋸歯状の送り歯が形成されていると、対象物の厚みが厚いものであっても、円滑に対象物を運針に合致させて送ることが可能となる。
そして、上記請求項8記載の防刃手袋において、請求項9に記載するように、第1の層材の掌側の表面に、滑り止め機能を具備する第4の層材がさらに配設されていると、刃物等の金属部分を持った際にも滑ることがなく、従って切刃を鎖で受け止めた状態で保持できる点で、さらに優れた構成となる。
また、上記請求項8記載の防刃手袋において、請求項10に記載するように、鎖が金属製の鎖であって、該鎖が、掌側で、各指の先端から手首側に渡って配設された主配置列鎖群と、これらの主配置列鎖群の各列の間に掌部分にのみ配置された補助配置鎖群から構成されていると、鎖の延設方向が指の長手方向と合致し、従って、鎖が関節の動きに合致して違和感無く屈曲(変化)するため、全体的に、通常の手袋とさほど変わらない柔軟性の高い手袋となる。しかも、一般に、人間工学的に、刃物を握るのは、該鎖の長手方向に直交する方向となるため、確実に鎖が手を保護する態様となる。
また、上記請求項8記載の防刃手袋において、請求項11に記載するように、鎖が第2の層材を構成する生地に対して、ミシン糸によって直接縫着されていると、最も確実に鎖を第2の層材に取着することができ、しかも余分な取着のための生地が不要となるため、より違和感の少ない手袋となり、しかも直接ミシンで縫着すると安価に実施できる手袋となる。特に、上記ミシン糸がアラミド繊維等の耐刃性能の高い繊維であると、刃物によっても切断し難い構成となるため好ましい構成となる。
また、上記請求項8記載の防刃手袋において、請求項12に記載するように、防刃手袋の手の甲側に、伸縮性を有する取着生地を配置し、間に前記鎖を挟んで、該取着生地を引っ張った状態で該鎖の両側を縫着することによって、該鎖を手の甲部分に横方向に複数条に配設すると、かかる場合には、特別なミシンがない場合にも、請求項6記載の防刃手袋を実現することができる。また、手の甲の防刃性能を具備した構成となる。
また、上記請求項8記載の防刃手袋において、請求項13に記載するように、第1の層材を構成する生地が、アラミド繊維を織成あるいは編成したもので構成されていると、防刃性および柔軟性(屈曲性)の点で、さらには耐熱性の点においても、優れた構成となる。
しかして、本願発明によれば、従来ものに比べて耐刃性の高い且つ使用に際し違和感のない使い易い防刃性手袋を、効率良く、且つ、安価に、大量に供給することができる。また、鎖を正確に所定位置に簡単に且つ迅速に固定することができる。
(実施例1)
以下、本願発明にかかる防刃手袋およびその製造方法と該方法を実施するためのミシンの一の実施例を図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の一実施例にかかる防刃手袋の全体の外観構成を示す一部表面を切り欠いた手の甲側から見た図、図2は図1に示す防刃手袋の掌側から見た一部表面を切り欠いた図、図3は図1に示す手の甲側の手袋のパーツを示す分解図、図4は図2に示す掌側の手袋のパーツを示す分解図である。
図1〜図4に基づいて説明すると、図1,図2に図示する防刃手袋は、多層状に生地を縫着することによって構成されている。即ち、
図3に図示するように、手袋の手の甲の部分は、耐刃機能を具備する繊維、つまりこの実施例ではアラミド繊維を二重編みした生地からなる第1の層材1と、この第1の層材の内方に配設され耐刃機能の高い鎖を上記第1の層材1に取着し且つ表面が肌触りの良い薄い生地で構成される取着生地8とを有する。この取着生地8は、伸縮性を有し肌に当接する側が肌触りの良い薄い生地からなる3層構造のもので、中間層として約1〜2mm厚さのスポンジを挟んで両側にネット状の薄厚の伸縮性の編地が配置された3層一体(一枚)状の生地から構成されている。さらに、親指と人差し指との間に配置される、滑り止め機能と耐水機能を具備した第4の層材4を有する。この第4の層材は、アラミド繊維を粗に織成し生地の片面(表面)に発泡性の塩化ビニールをコーティングした素材を使用している。上記手の甲の部分の第1の層材1は、縫製後の使い易さ(指の動かし易さ)に鑑み、親指部分1Aと、カウス部分1Bと、人差し指から小指までを含むその他のベース部分1Cの3つのパーツから構成されている。
また、上記取着生地8は、この実施例では、鎖の配置に対応して、手の甲の該甲の部分(特に、この実施例では「手の甲の指の関節部分」)のみ配設される大きさのもので構成されている。
一方、図4に図示するように、手袋の掌の部分は、耐刃機能を具備する繊維、つまりこの実施例ではアラミド繊維からなる第1の層材10と、この第1の層材10の内方(掌の肌に近い側)に配設され耐刃機能の高い鎖Rを取着する第2の層材20と、この第2の層材20のさらに内方(掌の肌に近い側)に配設され肌触りの良い薄い生地で構成される第3の層材30とを有し、さらに、上記第1の層材10の外方には、滑り止め機能と防水機能を備えた第4の層材40を有し、従って、手袋の掌の部分は、全部で4層構造となっている。
上記第1の層材10は、手の甲の部分の第1の層材1と生地的に全く同じもので構成されている。上記第2の層材20は、本実施例では、鎖の配設で凹凸が生じることによる肌への違和感を無くすことから、やや厚めの具体的には2〜5mm厚程度(この実施例では4mm)のアラミド繊維が混入されたフェルト生地でよって構成されている。上記第3の層材30は、肌触りに優れ且つ保温性の面でも優れている薄手の綿ニット生地が使用されている。上記第4の層材40は、上記手の甲の部分の第4の層材4と全く同じ、アラミド繊維を粗に織成した生地の片面に発泡性の塩化ビニールがコーティングされた素材が使用されている。
また、パーツとしては、上記第1の層材10は、中指部分10Aと薬指部分10Bと、さらにカウス部分10Cと、これらを除いたベース部分10Dの4つのパーツから構成されている。上述のように、ベース部分10Dから中指部分10Aと薬指部分10Bを除いたのは、手袋に縫製した後に、人差し指と小指部分の両側面部分の掌との境界部分に縫合部分を位置させないように、つまり、比較的敏感な指の腹部分での縫合を避けて「はき心地」を良くするべく、このように人差し指と小指部分を別のパーツで構成している。また、上記第2および第3の層材20,30は、カウス部分20C,30Cとその他のベース部分20D,30Dが別のパーツとして構成されている。なお、上記第4の層材40は、その機能からして、カウス部分は存在しない。
上記耐刃機能の高い鎖Rとして、本実施例では、耐刃機能の高さと共に防錆機能に鑑みてステンレス製の鎖が使用されている。この鎖の素線径は約1mmで鎖のピッチは約4mm程度のものが使用されている。この素線径およびピッチを大きくすると、耐刃機能は向上するが、鎖部分の凹凸が激しくなって肌への違和感が生じるとともに、手の開閉動作の、円滑さが損なわれるため、本実施例では、耐刃機能と違和感及び使い易さの両方を考慮して、上記の鎖を採用している。
しかして、このような構成要素からなる防刃手袋は、以下のような工程1〜工程13からなる方法によって、製造される。即ち、
まず、第1に、図3、図4R>4に図示するような形状になるよう、各層材および取着生地を、各パーツに裁断する。次に、別々のパーツとして存在する以下のパーツについて、互いに縫合する前に、以下の作業がおこなわれる。つまり、手の甲の第1の層材1に、間に鎖Rを挟んで、取着生地8を縫着する(工程1)。この際、伸縮自在な取着生地8の伸縮性を利用して、つまり、鎖Rを挟んで縫着する際に、取着生地8をやや引張勝手にしながら縫着する。この結果、縫着後、この取着生地8の弾性作用によって、鎖Rは、第1の層材1にぴったり縫着され、その後の鎖Rの移動が拘束されることになる。図1に図示するように、この手の甲の表面から見て複数の線の「山形」状になった部分は、一般に手の屈曲性を向上させるために設けられた「シャーリング」と呼ばれるもので、この実施例ではこのシャリングを利用して該シャーリング部分の内方に鎖Rを配置している。
また、上記工程1とは別に、手の甲のベース部分1Cに、親指部分1Aとカウス部分1Bを一体に縫合する(工程2)。
同様に、掌部分についても、上記工程1および2とは別に、上記第2の層材20に図4に図示するように、鎖Rを取着する(工程3)。この鎖Rは、図4に図示するように、各指の先から手首までそれぞれ2条(2本)延びる主配置鎖群R1と、これら各主配置鎖群R1の間にあって、指の股の部分から手首までの掌部分のみ配置される補助配置鎖群R2に大別できる。また、上記鎖Rの構成に代えて、図9に図示するように、掌全体を1本の鎖Rを連続して配置してもよく、かかる場合には、鎖Rが1本であるため、部品点数が減少するとともに鎖Rが1本であることから鎖取付作業に中断が無くなり、部品の管理と作業性の向上が期待できる。
ところで、鎖Rの層材(生地)20への取着手法としては、図5に図示するように、ミシンで、鎖Rの各穴(空間)50にミシン針を順次挿通させて、ミシン糸Sで鎖Rの一こまづつ縫着する。この手法では、図7に図示するような左右一対の押さえ金具101,102を具備したミシンを使用する。つまり、ミシンは、厚地縫製用の、押さえ金具が一対(1組)配設された市販の工業用ミシンの、この各押さえ金具部分を、図7に図示するものに交換して、鎖付け専用ミシンとしたものである。つまり、この市販の工業用ミシンは、図示しないが、ミシン針が上下に昇降動作するとともに、縫合対象である厚手の生地をも運針に合わせて確実に送ることができるように、生地載置台表面に送り動作する送り歯部が突出し、且つ上方から対象物を押圧し交互に送り動作する左右一対の第1および第2の押さえ金具を備えている。この市販の工業用ミシンを用い、その左右一対の第1および第2の押さえ金具を、図7に図示する第1及び第2の押さえ金具101,102と交換して、鎖を生地に縫着可能な専用ミシンとしたものである。この第1の押さえ金具101は、その底面101aに、鎖Rが通過し得る下方に開放した凹状の通過部101bが形成されるとともに、この通過部101bの天井面101cに、鎖Rの穴50に係止するための先端(下端)で細くなった円錐状の突起片101dが下方に向けて突設され、且つ、突起片101dから鎖の一ピッチPに相当する距離Lだけ離して、ミシン針Nが通過するための針穴101eが形成されている。また、上記第2の押さえ金具102の側面102bには、上記第1の押さえ金具101側の後方に位置するように、横突部102cが形成されるとともに、この横突部102cの底面102dに、上記通過部101bと運針方向(図7(b)において矢印X参照)において中心が一致するよう、鎖が通過し得る下方に開放した凹状の通過部102eが形成されている。そして、この第2の押さえ金具102の通過部102eの天井面に、鎖Rの穴50に係止するための突起片102fが、上記突起片101dと運針方向(図7(b)において矢印X参照)に一致するように、下方を向けて突設されている。また、上記第2の押さえ金具102の底面102dには、厚手の生地をスリップすることなく送るべく、鋸歯状の送り歯102gが形成されている。
また、この第1と第2の押さえ金具101,102は、ミシンからの駆動によって、ミシン針Nの昇降動作にタイミングをとって、交互に、つまり、一方の押さえ金具が上昇しているときには他方の押さえ金具が下方に位置して生地およびその上の鎖を上方から下方に押圧するよう作動する。そして、ミシン針Nとの関係においては、第1の押さえ金具101が下方に位置しているときに、ミシン針Nが降下して、該第1の押さえ金具101によって、生地と一体的に押さ付けている鎖Rの穴50に該ミシン針Nに突き刺さって縫い付け、再び上昇するよう動作する。
鎖Rの別の取着手法としては、図6に図示するように、鎖Rを取着すべき第2の層材20と、伸縮性のある薄い取着生地18の間に鎖Rを挟んで、該鎖Rの動きを規制するよう少なくとも該鎖Rの両側を、ミシンで縫着することによっておこなってもよい。
さらに、鎖Rの別の取着手法としては、鎖R側から見ると図8(a)に図示するように、またその裏側から見ると図8(b)に図示するように、鎖Rを取着すべき第2の層材20に対して、該鎖Rを跨ぐようにミシン糸Sでジクザクに上から第2の層材20に縫着してもよい。この手法には、図10(b)に図示するような底面を有し、下方の送り動作に同期して昇降する押さえ金具201と、図10(a)に図示するような横振り機構Mを具備したミシンを使用する。つまり、このミシンは、厚地縫製用の、図示しない針棒を摺動自在に保持する保持部材が、連結ロッド214によって図10(a)において左右(矢印T参照)に振られるとともに、押さえ金具201が下端に連結された第3揺動腕211によって昇降させられるよう構成された市販の工業用ミシンを改良したものを用いる。つまり、この工業用ミシンの押さえ金具201を、図10(b)に底面が図示するものに、また横振り機構Mのカム204を、上記押さえ金具201の鎖通過溝201aの幅方向の中心に対して両側に均等の振り幅で且つ全体の振り幅が鎖の幅以上の振り寸法を有するものに交換した、鎖付け専用ミシンが用いられる。このミシンは、図示しないが、針が上下に昇降動作するとともに、縫合対象である厚手の生地を運針に合わせて確実に送ることができるように、生地載置台表面に送り動作する送り歯部が突出している。上記押さえ金具201は、その底面201A に、鎖Rが生地の送り方向に通過し得る下方に開放した凹状の鎖通過溝201a が形成されるとともに、この鎖通過溝201a の両側に、生地押圧する押さえ面201bが該鎖通過溝201a より下方(生地方)に突出するよう左右に対峙して形成されている。そして、この押さえ面201b の底面には、生地との接触抵抗を少なくして円滑な縫製がおこなえるようテフロン(登録商標)層が付着されている。
また、この押さえ金具201には、生地の送り方向に直交する方向に長くなった針穴201c が形成され、ミシン針Nが下方に通過し得るよう構成されている。つまり、この針穴201cの中央は、鎖通過溝201a 内に位置し、両端部は、上記押さえ面201b 部分に形成されている。しかし、この構成に代えて、押さえ面201b のある両側部にそれぞれ各1つの針穴を一対設けてもよく、かかる場合には、鎖通過溝201a が生地の送り方向(鎖通過方向)に連続した溝となり、鎖の通過がより円滑になる点で好ましい実施例となる。
また、この押さえ金具201は、上記第3揺動腕211の揺動動作によるその先端部分の昇降動作によって、ミシン針Nの昇降動作にタイミングをとって、上下に昇降する。つまり、ミシン針Nが下降するときには対象物を上方から押圧するように下降し、ミシン針Nが上方に位置しているときには、対象物からやや上昇し、対象物が上記生地載置台表面の送り歯部によって、ミシン針Nに対して相対的に移動可能に構成されている。
この押さえ金具201の昇降機構およびミシンの横振り機構Mについてさらに説明すると、図10に図示する横振り機構Mの頂部が緩い曲線になった三葉状のカム204の周面(周縁)には、カムフォロワー205が当接して、上記カム204がミシンの図示しない主軸からの駆動によって回転すると、カムフォロワー205が取着されている第1揺動腕206が軸207を中心に揺動する。この第1揺動腕206は、バネ208によって、矢印Fで示すようにカム204側に引っ張られ、カム20とカムフォロワー205が常に当接するよう構成されている。そして、上記軸207の所定角度だけの回動(往復の回転動作)によって、該軸207に取着されている第4揺動腕213が揺動し、この揺動が連結ロッド214を介して、上記保持部材をその枢支軸を中心に生地の送り方向に対して直交する方向に、つまり左右に、揺動させる。また、ミシン針Nは、上記カム204のカム軸203を駆動している図示しない主軸によって、昇降させられる針棒(図示せず)の下端に取着されている。従って、上記二つの動作が複合することによって、ミシン針Nは、昇降するとともに各昇降毎に左右に揺動することになる。
一方、押さえ金具201を昇降させる上記第3揺動腕211は、第2揺動腕209が枢支軸210を中心に揺動することによって、枢支軸212を中心に揺動させられる。この第2揺動腕209と第3揺動腕211は、該第2揺動腕209の端部に取着されている突設部209aが第3揺動腕211の端部に形成されている空間部211aに係合することによって、第3揺動腕211から第2揺動腕209に揺動動作が伝達されるよう構成され、また、この第2揺動腕209は、図示しないミシンの主軸から動力が伝達されるよう構成されている。この結果、逆L字状の上記第3揺動腕211が枢支軸212を中心に揺動し、上記押さえ金具201が昇降させられる。
また、上記カム204が1回転する間に、上記第3揺動腕211は6回揺動動作をするような割合で両者駆動されている。
この結果、ミシン針Nが1回昇降する毎に、矢印K1,K2に示すように右あるいは左に、交互に、該ミシン針Nが揺動させられることになる。
この結果、図8(a)に図示するように、ミシン針Nが鎖Rを跨ぐように左右(生地の送り方向に直交する方向)に振られると、鎖Rを、その下方に位置する第2の層材20に対して、該ミシン針Nに挿通されたミシン糸Sで、ジクザク状に取着(縫着)することが可能となる。しかも、ミシンによるこのような縫着によれば、図8あるいは図9に図示するように、指先部分のように、小さい曲率半径で曲げたような鎖Rの配置であっても、その曲率に容易に追随して、鎖Rを縫着することができ、従って、図9に図示するように、1本の鎖Rでもって、手袋の掌の部分(あるいは手の甲の部分)全体に縫着することが可能となる。
上記工程3の次に、図4に示す上記掌の第1の層材10のベース部分10Dに、中指10Aと薬指10Bの中央部分を縫着する(工程4)。
さらに、上記掌の第1の層材10の外方(表面方)に、上記第4の層材40を一体になるよう縫合する。この際、図2あるいは図4に破線で示すように、両者が完全に一体になるようミシン掛けをおこなう(工程5)。
上記工程1〜工程5は、各工程間の前後関係を特定する必要はなく、各工程に時間的前後があっても、あるいは別のワークエリアで並行しておこなわれてもよい。
上記各パーツの縫着を含む上記各縫着等の作業が終了すると、以下の工程(作業)を行う。即ち、
中指10Aと薬指10Bの中央部分を縫着したベース部分10Dの手首側の端部に、カウス部分10Cを一体になるよう縫着する(工程6)。
手の甲の第1の層材1と掌の第1の層材10のカウス部分1C,10Cの手首側の付け根部分から、親指の付け根部分を経て人差し指の先まで裏返した状態で縫合する(工程7)。
それとは別に、第2の層材20のカウス部分20Cに鎖Rをジクザク状に配した状態で縫着する。この実施例では、カウス部分20Cに、図6に図示する上述した手法によって鎖Rを取着し、これに鎖Rが中央になるように第3の層材30のカウス部分30Cを一体に縫製する(工程8)。
また、上記工程6〜工程8とは別に、上記掌側の第2の層材20と第3の層材30の各ベース部分20D,30Dを、それぞれの形状が重なるような状態で、一枚状に縫合する(工程9)。
上記工程7〜9は、特に順番のない別の作業でおこない、従って並行に作業をおこなうこともできる。
上記一体に縫合したカウス部分20C,30Cを、上記第1の層材1と一部縫合した第1の層材10側に、該カウス部分20C,30Cとベース部分20D,30Dが上下一体になるように縫合する。この縫合の際、第3の層材30が内方(肌に当接する側)になるような状態で縫合をおこなう。且つ、第1の層材10のベース部分10Dと上記ベース部分20D,30Dは縫合しない。(工程10)。
また、上記工程8〜工程10の前後いずれかで、あるいは並行作業として、第4の層材4を、間に、鎖が鋏込まれるように、固定のためのミシン掛けを含めて、図1,図2に図示するように、第1の層材1,10の各親指側と人差し指側の部分に、手袋の表側が上面となるように縫着する(工程11)。従って、掌側に関して言えば、一部第4の層材4が、第4の層材40と重複して縫合されることになる。
次に、裏返した状態、つまり肌に触れる側が上方を向いた状態で、手の甲と掌の第1の層材1,10の、上記縫合が完了していない部位、つまり、人差し指の中指側から小指側の手首まで、縫合する(工程12)。
そして、次に、第1の層材1,10を手袋状に縫合したものと、第2と第3の層材20,30を縫合したものを、各指先同士を縫着する(工程13)。従って、この縫着によって、第4の層材4,40を表面に取着した第1の層材1,10に、第2と第3の層材20,30を縫合したものが、手袋として使用する際に該第3の層材30が肌に触れる状態に固定されることになる。但し、この状態では手袋は裏返った状態となっている。
この縫合が完了すると、手袋を裏返せば、つまり、第4の層材4,40が表面になるように手袋を裏返せば、防刃手袋が完成する。
なお、図1、図2に図示する防刃手袋の場合のように、手首を締めるリストベルト9が取着される場合には、上記工程7以降で、リストベルト9の基端を上記カウス部分の基端に縫合するとともに、該リストベルト9の先端が位置する部位と、対応する該リストベルトの先端部分の内側に、ベルベット式ファスナーを一対縫着する。しかし、このリストベルト9は、手袋の手首部分の甲側と掌側の間に形成されるスリット部分が小さいとき、あるいはカウス部分の手首側への寸法が短いときには、不要の場合もある。
また、上記スリット部分となるところに、工程12の次の工程以降で、革等によって縁取り(縁巻き,あるいは「パイピング」ともいう)をすると、高級感を醸し出すことができ、またこの部分の引き裂き強度が向上する。
そして、上述のような各工程を経て製造されたこの実施例にかかる防刃手袋は、鎖Rが上述のように、挿入されているために、例えば、日本刀を掌で掴んでも、切刃の部分は、掌の上記主配置鎖群R1および補助配置鎖群R2であるいはその上方のアラミド繊維からなる第1の層材10によって、確実に止められる。特に、鎖Rが、親指と人差し指の側面に沿って配設され、且つこの表面に第4の層材4が配設されていることから、人間工学的に刃物を掴んだときに最も切傷を受けやすい部位でも、確実に切刃を止めることが可能となっている。
また、この実施例にかかる防刃手袋の場合、手の甲の該甲の部分に横方向に鎖が複数条配設されているため、且つ手の甲全体がアラミド繊維からなる第1の層材1で構成されているため、誤って刃物が当たっても、さほど大きな切傷を受けることはない。
また、カウス部分にジクザク状に鎖が配置されているため、仮に血管が表皮近くになる手首部分に切刃が当たっても、大きな切傷を受けることはない。
さらに、手の甲の部分に配設されている複数条の鎖は、上記スポンジを含む取着生地によって内方から覆われているため、肌に鎖の凹凸が伝わることがないため、極めて履き心地の良い防刃手袋となっている。
ところで、上記実施例では、第4の層材として、革を使用してもよく、また、手の甲側に関していえば、刃物を握るときに切刃に当接する可能性が少ないことから、履き心地と使い易さを向上させるため、その第1の層材1として、革を使用してもよい。
また、カウス部分には、伸縮性のゴム入りの編成生地(ゴム入りのゴム編地)を用いてもよい。
また、上記鎖は、ステンレス製のものに代えて、他の金属(例えば、チタン製あるいは炭素鋼又はアルミ製等)又は炭素繊維系の素材で成形した鎖であってもよい。
また、必要ならば、上記実施例において、手の甲の部分を、掌の部分のように、4層状に構成することもでき、またこの場合、鎖を掌に類して指の先から手首側まで延設しておいてもよいが、かかかる場合には、手を閉じたときに鎖が延び勝手になるため、この寸法に合せて鎖を配設するか、もしくはジクザクに鎖を配設することが望ましい。
あるいは、履き心地を多少犠牲にするのであれば、上記第1の層材10を、第1の層材1のような一枚の手形形状にしても、実施することができる。
また、上記第3の層材30を、手の甲側の最も内方に配設してもよい。
また、上記実施例の工程とは順序を変えておこうこともでき、例えば、各層材のカウス部分を予めベルト状に縫合しておいて、これをベース部分に取着するようにしても、実施できる。他の工程についても、製造に差し支えない範囲において種々工程を変えることができることは言うまでもない。
本発明は、暴漢制圧用等して最適な防刃手袋等の製造方法と該方法等に使用するミシンと該製造方法によって製造される防刃手袋等に利用することができる。
本発明の一実施例にかかる防刃手袋の全体の外観構成を示す手の甲側から見た図で、内部に配設されている鎖を表すために一部表面を切り欠いた図である。 図1に示す防刃手袋の掌側から見た図で、内部に配設されている鎖を表すため一部表面を切り欠いた図である。 図1に示す手の甲側の手袋のパーツを示す分解図である。 図2に示す掌側の手袋のパーツを示す分解図である。 鎖を生地へミシンで直に貼着(逢着)する取着方法を模式的に図示した斜視図である。 鎖を取着生地を介して生地へ貼着(逢着)する取着方法を模式的に図示した斜視図である。 本発明の実施例にかかるミシンの要部を示す図で、(a)は斜め上側方から見た斜視図、(b)は底面を斜め下方から見た斜視図である。 図5とは異なる手法の鎖の生地への取着方法を示す部分拡大図で、(a)は鎖取着側から見た図、(b)は鎖取着側の反対側から見た図である。 図4とは異なる鎖の配置構成を示す図で、図8R>8に示す取着方法で取着した図である。 図8に示す鎖の取着方法に使用する専用のミシンの概略構成を示すミシンの正面図(生地の送り方向から見た図)である。
符号の説明
10…掌の第1の層材
20…掌の第2の層材
R…鎖
30…第3の層材

Claims (13)

  1. 耐刃機能を具備する繊維からなる生地で構成される第1の層材と、この第1の層材の内方に配設され耐刃機能の高い鎖を取着した第2の層材と、第2の層材の内方に肌触りの良い薄い生地からなる第3の層材を有する防刃用の手袋の製造方法であって、以下の(a)〜(e)の工程を有する防刃手袋の製造方法。
    (a).少なくとも掌側のパーツが第1の層材で構成された掌側と手の甲側のパーツを手袋状に裏返した状態で縫製する。
    (b).別の工程で、少なくとも掌側のパーツとなる上記第2の層材に鎖を取着する。
    (c).上記(b)の工程で鎖を取着した第2の層材の、該鎖を取着した反対側に、第3の層材を縫着する。
    (d).上記(a)の工程で裏返した状態で手袋状に縫製した第1の層材に、上記(c)の工程で得られた掌側に配置する第2の層材に第3の層材を取着したものを、鎖を取着した側が手袋として使用した状態において手袋の表面方に且つ第3の層材が掌の肌に接する位置になるよう、縫着する。
    (e).上記(d)の縫着が完了したものを裏返す。
  2. 前記鎖を第2の層材に取着する工程が、ミシンを使用して、鎖の空間部分にミシン針を挿通してミシン糸で取着するものであること特徴とする請求項1記載の防刃手袋の製造方法。
  3. 前記鎖を第2の層材に取着する工程が、ミシンを使用して、該ミシンのミシン針が相対的に送られる鎖を跨ぐように交互に左右に振ることによって、該鎖を第2の層材にミシン糸でジクザクに取着するものであることを特徴とする請求項1記載の防刃手袋の製造方法。
  4. 前記鎖を第2の層材に取着する工程が、ミシンを使用して、第2の層材を構成する生地に、伸縮性のある取着生地を、間に該鎖を挟んで、引っ張った状態で該鎖の両側部を縫着することによって、なされるものであることを特徴とする請求項1記載の防刃手袋の製造方法。
  5. ミシン針が上下に昇降動作するとともに、生地等の対象物を運針に合わせて送るために、生地載置台表面から突出し送り動作する底部送り歯部と、上方から対象物を押圧し交互に上記底部送り歯部と同期して送り動作する左右一対の第1および第2の押さえ金具とを備え、延在する鎖の穴にミシン針を通して該鎖を生地に縫着するためのミシンであって、
    上記左右一対の押さえ金具のうち、
    第1の押さえ金具の底面に、鎖が通過し得るべく下方に開放した凹状の通過部を形成するとともに、この通過部の天井面に、鎖の穴に係止するための突起片を下方に向けて突設し、且つ、突起片から鎖の一ピッチに相当する距離だけ放して、ミシン針が通過するための針穴を形成し、
    第2の押さえ金具の側面に、上記第1の押さえ金具の後方に位置するように、横突部を一体的に形成するとともに、この横突部の底面に、上記通過部と運針方向に一致するよう、鎖が通過し得るべく下方に開放した凹状の通過部を形成し、且つ、この通過部の天井面に、鎖の穴に係止するための突起片を、上記突起片と運針方向に一致するよう、下方に向けて突設したことを特徴とするミシン。
  6. 少なくとも前記第2の押さえ金具の底面に、対象物を送り方向にスリップ無く送るための、鋸歯状の送り歯が形成されていることを特徴とする請求項5記載のミシン。
  7. ミシン針を上下に昇降動作させる昇降ロッドと、生地等の対象物を運針とタイミングを合わせて送るべく、生地載置台表面から突出し送り動作する底部送り歯部と、上方から対象物を押圧する押さえ金具と、ミシン針を昇降させる昇降ロッドを昇降自在に保持する保持部材を、上記鎖通過溝よりやや広い幅だけ、生地の送り方向に直交する方向に振らせる横振り機構とを備え、延在する鎖を跨ぐようにジグザク状にミシン糸を掛けることによって該鎖を生地に縫着するためのミシンであって、
    上記押さえ金具が、底面に、中央に鎖を長手方向に通過させる鎖通過溝と、該鎖通過溝の両側に左右に対峙して生地を押圧する押さえ面を備え、上記横振り機構が、鎖通過溝の中心を中心に生地の送り方向に直交する方向に均等幅だけ両側にミシン針を振らせるよう構成されていることを特徴とするミシン。
  8. 少なくとも掌の部分が複数の層材を積層することによって形成された防刃用の手袋であって、
    この積層が、耐刃機能を具備する繊維からなる生地で構成される第1の層材と、この第1の層材の内方に配設され耐刃機能の高い鎖を取着した第2の層材と、第2の層材の内方に肌触りの良い薄い生地からなる第3の層材で積層されていることを特徴とする防刃手袋。
  9. 前記第1の層材の掌側の表面に、滑り止め機能を具備する第4の層材がさらに配設されていることを特徴とする請求項8記載の防刃手袋。
  10. 前記鎖が金属製の鎖であって、該鎖が、掌側で、各指の先端から手首側に渡って配設された主配置列鎖群と、これらの主配置列鎖群の各列の間に掌部分にのみ配置された補助配置鎖群から構成されていることを特徴とする請求項9記載の防刃手袋。
  11. 前記鎖が第2の層材を構成する生地に対して、ミシン糸によって直接縫着されていることを特徴とする請求項8から10までのいずれか1の項に記載の防刃手袋。
  12. 前記防刃手袋の手の甲側に、伸縮性を有する取着生地を配置し、間に前記鎖を挟んで、該取着生地を引っ張った状態で該鎖の両側を縫着することによって、該鎖を手の甲部分に横方向に複数条に配設したことを特徴とする請求項8から11までのいずれか1の項に記載の防刃手袋。
  13. 前記第1の層材を構成する生地が、アラミド繊維を織成あるいは編成したもので構成されていることを特徴とする請求項8から12までのいずれか1の項に記載の防刃手袋。
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