JPH0676384A - 光磁気ディスク - Google Patents

光磁気ディスク

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JPH0676384A
JPH0676384A JP25420192A JP25420192A JPH0676384A JP H0676384 A JPH0676384 A JP H0676384A JP 25420192 A JP25420192 A JP 25420192A JP 25420192 A JP25420192 A JP 25420192A JP H0676384 A JPH0676384 A JP H0676384A
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recording layer
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満生 湊
Takeshi Kyoda
豪 京田
Toshiyuki Shibata
俊幸 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光磁気ディスクの樹脂保護層と浮上式磁気ヘ
ッドとの接触や、これによるヘッドクラッシュ,樹脂保
護層の損傷を防止し、かつ基板への複屈折異常の発生を
防止する。 【構成】 基板1の外周端を基板半径方向に沿って0.
1〜0.5mm,基板1の外周端面方向に沿って0.1
〜0.6mm平面にカットした、テーパー部6を設け
る。テーパー部を曲面とする場合、テーパー部の形成領
域を基板半径方向に沿って0.1〜0.5mmとし、基
板1の光磁気記録層形成面5との交角を20〜70度と
する。これらの条件を充すと、基板外周端部に生じる樹
脂保護層の隆起の高さは5μm以下となり、浮上式磁気
ヘッドと接触することが無くなる。またテーパー部の大
きさがこの範囲であれば、基板に複屈折異常等の弊害を
もたらすことが無い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、磁界変調用の浮上式磁
気ヘッドを用いて記録を行う、光磁気ディスクに関す
る。
【0002】
【従来技術】ガラスや合成樹脂等の基板に、光磁気記録
層と樹脂保護層とを設けた光磁気ディスクは周知であ
る。このような光磁気ディスクの一例を、図5に示す。
図において、1はガラスや合成樹脂等の基板で、その一
方の主面に光磁気記録層2と樹脂保護層3とを積層す
る。樹脂保護層3は一般にスピンコート等で成膜する。
【0003】ここで発明者は、スピンコート時に樹脂材
料が基板1の外周部付近に溜り、隆起部01が発生する
ことを見い出した。例えば図5の実線で示した基板のよ
うに、端面処理の無い角のある基板を用いると、隆起部
01の高さhは10μm程度となり、浮上式磁気ヘッド
02と接触してしまう。図5の破線のように端面を滑ら
かなRで処理しても、(R部の両端と基板1の交角が0
度)、隆起部01の高さは5μmを越え、浮上式磁気ヘ
ッド02と接触してしまう。磁気ヘッド02とディスク
との接触は、ヘッドクラッシュや樹脂保護層3の損傷や
剥離をもたらす。一般に磁界変調用磁気ヘッド02の浮
上量は5μm程度で、隆起部01の高さを5μm以下に
する必要がある。
【0004】
【発明の課題】この発明の課題は、光磁気ディスクの樹
脂保護層の外周端に生じる隆起部の高さを浮上式磁気ヘ
ッドに接触しない高さとし、磁気ヘッドのクラッシュや
樹脂保護層の損傷を防止することにある。この発明の副
次的課題は、このことを基板の複屈折異常等の弊害無し
に実現することにある。
【0005】
【発明の構成】この発明の光磁気ディスクは、基板の少
なくとも一方の主面上に、少なくとも光磁気記録層と樹
脂保護層とを順次積層した光磁気ディスクにおいて、該
基板の外周端部にテーパー部を設けるとともに、該テー
パー部の形成領域を光磁気記録層の形成面で前記基板の
半径方向に沿って、基板の外周端より0.1mm以上で
0.5mm以下とする。ここでテーパー部を平面状とす
る場合、基板の板厚方向に沿ってのテーパー部の深さは
0.1〜0.6mmとする。一方テーパー部を例えば曲面
とする場合、テーパー部と前記基板の光磁気記録層形成
面との交角を20〜70度とする。
【0006】ここに光磁気記録層自体の材質や形状、構
成は任意であり、公知技術に従い適宜のものを用いれば
良い。基板には例えば合成樹脂を用い、これ以外にガラ
ス基板も用い得る。樹脂保護層には紫外線硬化樹脂等を
用い、例えばスピンコートで成膜する。
【0007】
【発明の作用】この発明では基板の外周端部にテーパー
部を設け、スピンコート時に外周部に溜ろうとする樹脂
材料をテーパー部で吸収し、隆起の発生を抑える。テー
パー部の形成領域を、基板の光磁気記録層形成面で半径
方向に0.1mm以上とすると隆起部の高さを小さくす
ることができ、0.1mm未満では隆起部の高さは一般
に5μm超となる。次にテーパー部の形成領域が半径方
向に沿って0.5mmを越えると、基板に複屈折異常等
が発生した。これは基板への歪の増加を示す。このこと
からテーパー部の半径方向に沿っての広さは0.1〜0.
5mmに限られる。
【0008】テーパー部を平面として、基板の端部を平
面でカットしたテーパー部の場合、基板の板厚方向に沿
ってのテーパー部の形成領域が重要で、この値を0.1
〜0.6mmとすることにより、複屈折異常の発生や浮
上式磁気ヘッドとの接触を防止し得る。
【0009】テーパー部を曲面とする場合、光磁気記録
層形成面とテーパー部との交角が重要で、交角を20度
以上70度以下とすることにより、隆起部の高さを5μ
m以下に抑制できる。例えば図5の破線で示した光磁気
記録層形成面と滑らかに接するR部(基板との交角0
度)では、基板の半径方向に沿ってのテーパー部の形成
領域を0.1〜0.5mmの範囲としても、隆起部の高さ
は5μmを越えてしまう。
【0010】このように隆起部の高さに影響する因子
は、第1に基板の光磁気記録層形成面の半径方向に沿っ
たテーパー部の形成幅であり、テーパー部が平面の場合
(C面)、第2に基板の板厚方向に沿ったテーパー部の
深さが重要である。またテーパー部が曲面の場合、第2
にテーパー部と光磁気記録層形成面との交角が重要であ
る。
【0011】
【実施例1】図1に、実施例の光磁気ディスクを示す。
図において、1は基板で、例えばポリカーボネート基板
を用い、2は光磁気記録層で、例えばスパッタリングで
形成し、3は樹脂保護層で、スピンコーティングにより
成膜したものである。4は樹脂保護層3の外周端に生じ
る隆起部である。図2に、基板1の要部を示す。5は光
磁気記録層形成面で、6は基板1の外周端に設けたテー
パー部である。テーパー部6の光磁気記録層形成面5の
半径方向に沿った幅をW,基板1の端面方向に沿った深
さをDとする。幅Wは0.1mm以上で0.5mm以下と
し、深さDは0.1mm以上で0.6mm以下とする。
【0012】実施例では、光磁気記録層2を、イットリ
ウムサイアロンの第1誘電体層(約100nm厚),G
d−Dy−Fe系の光磁気記録層(約20nm厚),イ
ットリウムサイアロンの第2誘電体層(約30nm
厚),及びAl反射層(約40nm厚)を順次積層した
ものとした。また樹脂保護層3は、ウレタンアクリレー
ト系の紫外線硬化樹脂を、約10μm厚に塗布形成した
ものとした。紫外線硬化樹脂の材質は任意で、例えばア
クリル系やウレタン系等も用い得る。また樹脂保護層3
にはSiO2等のフィラーを含有させ、適切な表面粗さ
を得られるようにしても良い。樹脂保護層3の膜厚は、
テーパー部6以外の場所で5〜15μm程度が好まし
い。基板1の成形を行う際に、型を用いて図2のような
C面のテーパー部6を有する基板1を形成した。
【0013】テーパー部6の幅Wと深さDの影響を調べ
るため、表1に示すように、Wが0.1mm,Dが0.1
mm(実施例1),Wが0.1mm,Dが0.5mm(同
2),Wが0.5mm,Dが0.1mm(同3),Wが
0.5mm,Dが0.5mm(同4)の、4種のテーパー
部6を設けた。これらのテーパー部6は、基板1の最外
周端部を平面状にカットしたものである。比較例とし
て、テーパー部を設けないもの(比較例1)の他に、W
が0.6mm,Dが0.7mm(比較例2),Wが0.0
8mm,Dが0.08mm(同3)の平面から成るテー
パー部6を用いた。また、曲率Rが0.3mm(比較例
4),曲率Rが0.5mm(比較例5)の、曲面状のテ
ーパー部を設けた。比較例4,5のテーパー部は、テー
パー部の両端が、交角を0度とし、滑らかに光磁気記録
層形成面5と基板端面とに接するものである。
【0014】これらの試料について、スピンコートで樹
脂保護層3を成膜し、(スピンコート時の回転数200
rpm、樹脂保護層3の膜厚10μm)、硬化後の隆起
部4の高さを測定した。。またこれらの試料を用いて、
浮上式磁気ヘッド02により浮上テストを行った。テス
ト条件は、ディスク回転数3000rpm,ヘッド荷重
4gf,ヘッド浮上量5μmである。なお樹脂保護層3
の隆起部4は、半径rが43mm(3.5インチ光磁気
ディスク)の基板1の場合、r=41〜43mmの範囲
に生じることから、r=40mmでの樹脂保護層3の厚
さと、r=41〜43mmでの樹脂保護層3の厚さの最
大値との差を隆起部4の高さhとした。結果を表1に示
【0015】
【表1】 W D 隆起部4の ヘッドと 半径方向 板厚 高さ(μm) の接触 実施例1 0.1 0.1 4.8 無 2 0.1 0.5 3.1 無 3 0.5 0.1 4.0 無 4 0.5 0.5 2.5 無 比較例1 0 0 7.0 有 2 0.6 0.7 3.0 無 3 0.08 0.08 5.6 有 4 0.3R 6.0 有 5 0.5R 5.4 有 * WやDはmm単位で示す, * 比較例2では基板外周部に成形時複屈折異常が発生
した。
【0016】図5の従来例の基板(比較例1)では、隆
起部4の突起高さは7μmで5μmを越え、浮上テスト
で磁気ヘッドとディスクが接触した。端面形状をR面と
した比較例4及び5でも隆起部4の高さは5μmを越
え、テーパー部6の大きさだけでなく基板1との交角θ
が重要なことが明らかになった。
【0017】一方平面状のテーパー部6を設けたもので
は、幅Wや深さDが小さい比較例3で隆起部4の高さが
5μmを越えた。これはテーパー形成領域が小さすぎる
ことによると考えられ、幅Wや深さDは少なくとも0.
1mm以上が必要である。一方幅Wを0.6mm,深さ
Dを0.7mmとした比較例では、基板1の成形時に基
板の最外周部に複屈折異常が発生した。これは大きなテ
ーパー部6を設けることによる基板1の歪の増加を意味
する。これに対し、本発明の実施例1〜4は良好な結果
が得られている。以上のことから、テーパー部6を半径
方向の幅Wを0.1mm〜0.5mm、板厚方向の深さD
を0.1mm〜0.6mmの平面から成るテーパーにする
ことで、ヘッド02がディスクに接触せず安定に浮上さ
せることができ、かつ基板1に複屈折異常等の弊害をも
たらさないことが分かる。なお表1の結果以外に、樹脂
保護層3の膜厚を8μmと12μmに変え他は同一の条
件で評価した試料を作成したが、いずれもテーパー部6
の幅Wを0.1mm〜0.5mm、深さDを0.1mm〜
0.6mmの平面テーパー部6とすれば、複屈折異常を
もたらさずに、ヘッド02をディスクに接触させずに安
定に浮上させられることが分かった。
【0018】
【実施例2】図3,図4に示すように、曲面から成るテ
ーパー部16,26を設けた基板1を作製した。テーパ
ー部16,26と光磁気記録層形成面5との交点での交
角をθ、交点でのテーパー部16,26への接線をLと
する。図3のテーパー部16は、基板1の端面を平面で
カットしたC面ではなく、幅Wと深さDをいずれも0.
3mmとし、基板1に対して外に凸となるR面のテーパ
ー部16を設けたものである。テーパー部16と光磁気
記録層形成面5との交角θを変えたサンプルを、表2に
示す通りに作製した。また図4のテーパー部26は、基
板1の端面形状を基板1に対して内に凸となるR面とし
て、テーパーを設けたものである。幅Wと深さDはいず
れも0.3mmとした。テーパー部26と光磁気記録層
形成面5との交角θを変えたサンプルを、表3に示す通
りに作製した。
【0019】これらの基板を用いて実施例1と同様にし
て各光磁気ディスクを作製し、表1と同様の評価を行っ
た。結果をそれぞれ表2,3に示す。
【0020】
【表2】 L 隆起部4 ヘッド 交角θ の高さ(μm) との接触 光磁気ディスク1 15度 6.7 有 2 23度 4.8 無 3 35度 4.0 無 4 43度 3.2 無
【0021】
【表3】 L 隆起部4 ヘッド 交角θ の高さ(μm) との接触 光磁気ディスク5 50度 3.1 無 6 60度 3.9 無 7 68度 4.7 無 8 75度 6.5 有
【0022】図3のテーパー部16で、θが15度のサ
ンプル1は隆起部4の高さが5μmを越え、ヘッド02
との接触が生じた。しかしθを23度〜43度としたサ
ンプル2〜4では、良好な結果が得られた。これらのこ
とから交角θを20度以上としたR面が必要なことが分
かった。同様にして図4のテーパー部26の結果から、
交角θを70度以下としたR面が必要なことが分かっ
た。これらの結果を総合すると、光磁気記録層形成面5
と端面のテーパー部16,26の交角θは、20度以上
70度以下となる。次に発明者は、テーパー部16,2
6の幅Wや深さDを共に0.5mmとしたサンプル、共
に0.1mmとしたサンプルを作成し、表2,表3と同
様の評価を行ったが、いずれも交角θを20度以上で7
0度以下とすることにより、ヘッド02との接触を防止
することができた。なおテーパー部16,26の幅Wが
0.5mmを越えると、基板1の外周端に複屈折異常が
生じることは表1の結果から明らかである。
【0023】この実施例では、テーパー部16,26の
R面の形状を外に凸,内に凸等の特定の形状としたが、
これに限定されるものでなく、テーパー部16,26の
幅Wが0.1mm以上0.5mm以下で、光磁気記録層形
成面5との交角θが20度以上70度以下であれば良
い。
【0024】
【発明の効果】この発明では、基板の外周端部に特定の
形状のテーパー部を設けることで、浮上式磁気ヘッドと
光磁気ディスクの接触を防止し、ヘッドクラッシュや樹
脂保護層の損傷を防止する。またこの発明では同時に、
基板外周端付近での複屈折異常等の弊害を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の光磁気ディスクの要部断面図
【図2】 実施例に用いた基板の要部断面図
【図3】 第2の実施例に用いた基板の要部断面図
【図4】 変形例の基板の要部断面図
【図5】 従来例の光磁気ディスクの要部断面図 1 基板 2 光磁気記録層 3 樹脂保護層 4 隆起部 5 光磁気記録層形成面 6 テーパー部 16 テーパー部 26 テーパー部 02 フライングヘッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の少なくとも一方の主面上に、少な
    くとも光磁気記録層と樹脂保護層とを順次積層した光磁
    気ディスクにおいて、 該基板の外周端部に平面状のテーパー部を設けるととも
    に、該テーパー部の形成領域を光磁気記録層の形成面で
    前記基板の半径方向に沿って、基板の外周端より0.1
    mm以上で0.5mm以下とし、かつ前記基板の板厚方
    向に沿って0.1mm以上で0.6mm以下としたことを
    特徴とする、光磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 基板の少なくとも一方の主面上に、少な
    くとも光磁気記録層と樹脂保護層とを順次積層した光磁
    気ディスクにおいて、 該基板の外周端部にテーパー部を設けるとともに、該テ
    ーパー部の形成領域を光磁気記録層の形成面で前記基板
    の半径方向に沿って、基板の外周端より0.1mm以上
    で0.5mm以下とし、かつ前記テーパー部と前記基板
    の光磁気記録層形成面との交角を20度以上で70度以
    下としたことを特徴とする光磁気ディスク。
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