JPH0676369B2 - イソシアネ−ト化合物の製法 - Google Patents

イソシアネ−ト化合物の製法

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JPH0676369B2
JPH0676369B2 JP8154486A JP8154486A JPH0676369B2 JP H0676369 B2 JPH0676369 B2 JP H0676369B2 JP 8154486 A JP8154486 A JP 8154486A JP 8154486 A JP8154486 A JP 8154486A JP H0676369 B2 JPH0676369 B2 JP H0676369B2
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啓 青木
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はイソシアネート化合物の製法、特に 式: 〔式中、Rは水素または低級アルキル(例えば、メチ
ル、エチルまたはプロピル)である。〕 で示されるアクリロイルイソシアネートを高収率で得る
イソシアネート化合物の製法に関する。
(従来の技術) ディフェンバッハ(Diefenbach)らは、メタクリルアミ
ドとオキザリルクロリドを反応することによりオキサゾ
リンジオンヒドロクロリド(IV:R=CH3X=Cl)が得られ
ること、およびこのオキサゾリンジオンヒドロクロリド
を15Torrの減圧下、100℃に加熱することによりメタク
リロイルイソシアネート(I:R=CH3)を経由してα−メ
チル−β−クロロプロピオニルイソシアネートを得るこ
とが示されている。〔ジ・マクロモレキュラーレ・ヘミ
ー(Die Mokromolekulare Chemie)、131、247(197
0)〕。このディフェンバッハらの方法では、その途中
でメタクリロイルイソシアネート(I:R=CH3)が生成し
ていることが一応予測されるものの、現実にはこれを単
品もしくは混合物として採取しておらず、該方法がメタ
クリロイルイソシアネートの実際的な製造法として採用
し得るものであるか否か全く不明であった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は既に前記ディフェンバッハらの方法に改良
を加えて、メタクリロイルイソシアネート(この化合物
は種々のポリマーの合成原料として有用である)を効率
的に得る方法を提案した。まず第1に、中間体であるオ
キサゾリンジオンヒドロクロリド(IV)を効率的に得る
方法を提案し(特開昭61−260069号)、次いでこの中間
体を常圧下で加熱すれば目的物であるメタクリロイルイ
ソシアネート(I)が比較的高い収率で得られることを
提案した(特開昭61−260048号)。
しかしながら、上記方法は有効であるが、アクリロイル
イソシアネート(I)の収率はせいぜい60%程度であ
り、分離・採取に多大の努力を必要とする。
また、脱ハロゲン化水素剤を用いる方法も本発明者らに
より提案されているが(特開昭61−263953号)、脱ハロ
ゲン化水素剤が不要である方法が工業的により好まし
い。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは特定の溶媒を用いて中間体を加熱処理する
と極めて高い収率で、目的のメタクリロイルイソシアネ
ート(I)を得ることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
即ち、本発明は 式: [式中、Rは水素原子または低級アルキル基(例えば、
メチル、エチル、およびプロピル)を示す。]で表わさ
れるアクリルアミドと 式: (COX) (III) 〔式中、Xはハロゲン原子(例えば、塩素)を示す。〕 で表わされるオキザリルハライドを不活性溶媒中で反応
させて、 式: 〔式中、RおよびXは前記と同意義。〕 で表わされるオキサゾリンジオンヒドロハライドを析出
させ、次いでこれを誘電率4以下の不活性溶媒中で熱分
解して 式: 〔式中、Rは前記と同意義。〕 で示されるアクリロイルイソシアネートを高収率で得る
ことを特徴とするイソシアネート化合物の製法を提供す
る。また、 式: 〔式中、Rは水素または低級アルキル基を示す。]で表
わされるオキサゾリンジオンヒドロハライドを誘電率4
以下の不活性溶媒中で熱分解して 式: で示されるアクリロイルイソシアネートを高収率で得る
ことを特徴とするイソシアネート化合物の製法を提供す
る。
(作用) 本発明によれば、アクリルアミド(II)とオキザリルハ
ライド(III)とは不活性溶媒中で反応する。アクリル
アミドを溶媒に分散させ、オキザリルハライドを滴下し
てもよく、逆にオキザリルハライドを溶媒に分散させ、
そこにアクリルアミドを滴下してもよい。不活性溶媒は
反応を均一に進行させる。不活性溶媒の例としては、炭
化水素(ベンゼン、トルエン、ヘキサンなど)、エーテ
ル(ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチルなど)が
使用されてよいが、オキサゾリンジオンヒドロハライド
の生成を容易にするために誘電率の高いもの、例えば、
テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン、ダイグ
ライム、エチルエーテル、テトラヒドロピラン、アニソ
ール、ブチルアセテート、プロピルアセテート、酢酸エ
チル、メチルアセテート、エチルグリコールジアセテー
ト、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロメタン、
o-ジクロロベンゼン、ジクロロエタン等が好ましい。
アクリルアミド(II)とオキザリルハライド(III)の
モル比は、一般に1:1ないしオキザリルハライド(III)
がやや過剰となる量、通常1:1〜3、好ましくは1:1〜1.
5の範囲にある。
反応温度は、生成するオキサゾリンジオンヒドロハライ
ド(IV)が分解しない限り、特別の制限はない。すなわ
ち、−50℃からオキサゾリンジオンヒドロハライド(I
V)の分解温度までの広汎な温度範囲で実施されてよい
が、通常は0〜40℃、特に工業生産の目的からは室温付
近が好ましい。
この反応によりオキサゾリンジオンヒドロハライド(I
V)が析出する。析出は種晶を反応系内に入れることに
より促進される。得られるオキサゾリンジオンヒドロハ
ライド(IV)は極性を有しているので、この溶媒からの
析出を更に促進するために、溶媒の誘電率を低下、好ま
しくは誘電率4以下にするのが好ましい。析出時の溶媒
の誘電率を低下した場合、中間体の収率が約10%向上す
る。この方法によれば、中間体を効率的に回収でき、種
々の用途に利用できる。誘電率の低下は誘電率4以下の
不活性溶媒を反応溶媒に添加することにより行ってもよ
い。誘電率4以下の不活性溶媒の例としては、脂肪族も
しくは脂環式炭化水素(例えばペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカリン、シクロヘキサン)、芳香
族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ナフタレン)、エーテル(プロピルエーテル、ブチルエ
ーテル、ジオキサン、イソプロピルエーテル)、エステ
ル、ハロゲン化炭化水素(例えば、四塩化炭素)等が挙
げられる。
オキサゾリンジオンヒドロハライド(IV)は一旦単離し
た後次の反応に移行してもよいが、単離せずにそのまま
熱分解を行ってもよい。反応混合物からオキサゾリンジ
オンヒドロハライド(IV)を単離する必要がある場合に
は通常の分離方法たとえばろ過や溶媒の減圧留去によっ
て容易に行ない得る。
本発明によれば、熱分解は誘電率4以下の不活性溶媒中
で行なう。従来、熱分解では目的物であるアクリロイル
イソシアネート(I)とそのHCl付加物である 式: で示されるα−アルキル−β−クロロプロピオニルイソ
シアネートが得られる。
この副生成物(V)はオキサゾリンジオンヒドロハライ
ド(IV)の熱分解で生じた塩化水素が反応液中の活性種
と反応するために生じるものと考えられる。本発明によ
れば、反応系中に溶媒の極性を低く保ち、生じた塩化水
素を速やかに系外に放出し、副反応を防止する。
上記反応は別方法により得られたオキサゾリンジオンヒ
ドロクロリド(IV)を用いても同様に無し得る。
熱分解はオキサゾリンジオンヒドロハライド(IV)の分
解温度を越える温度、例えば反応系内温度40〜150℃、
好ましくは60〜120℃で実施されてよい。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 オキサリルクロリド139.6g(1.1mol)とo-ジクロロベン
ゼン400g(誘電率9.88)を混合し、0〜10℃に冷却し
た。そこにメタクリルアミド85.1g(1.0mmol)を固体
で、少量づつ40分で添加した。添加終了後、35〜40℃で
2時間攪拌した後、反応系に種晶として別途に合成した
中間体を少量加えた後、結晶を析出させた後、ヘキサン
(誘電率1.88)600gを加えた。得られた誘電率3.45の混
合溶剤中で、得られた結晶を内温70〜75℃(浴温120〜1
30℃)で1.5時間加熱攪拌し、熱分解した。その後蒸留
することによりメタクリロイルイソシアネート(MAI)5
5.9g(88.4%)を得た。α−メチル−β−クロロプロピ
オニルイソシアネート(ClMAI)は殆んど得られなかっ
た。従って、MAI/ClMAI=100/1であった。
得られたメタクリロイルイソシアネート(MAI)は無色
透明液体であり、沸点121.5℃〜122.5℃/760mmHg(45℃
/45mmHg)を有した。IR、1H−NMRおよび13C−NMRは以下
の通りであった。IR(neat):2250cm-1(NCO)、1705cm
-1(C=0)、1630(C=C)cm-11H−NMR(CDC
l3):δ=1.87(3H、S、C )、5.75,6.15(各1
H、S、=C 13C−NMR(CDCl3):δ=17.35(H
3)、130.36(=H2、N==O)、139.21(=C
H2)、166.12(=O)。
実施例2〜6 表−1に示す条件で実施例1と同様に実験を行った。結
果を表−1に示す。
実施例7 オキサリルクロリド139.6g(1.1mol)とo-ジクロロベン
ゼン400g(誘電率9.88)を混合し、0〜10℃に冷却し
た。そこにメタクリルアミド85.1g(1.0mol)を固体で
少量づつ40分で添加した。添加終了後、種晶を加えて、
結晶を析出させ、30〜40℃で2時間エージングした後ヘ
キサン600g(誘電率1.88)を加えた。得られた固体を濾
別し、中間体IV(R=CH3)を98.6%で得た。
中間体IV(CH3)は融点102〜103℃(分解点)、淡黄色
プリズム晶である。IR測定の結果は以下の通りであっ
た。
IR(KBr):3150cm-1(NH)、1820cm-1、1740cm-1、1710
cm-1(C=O)。
中間体IV(R=CH3)100gをヘキサン240g,o-ジクロロベ
ンゼン160g(混合溶剤の誘電率3.45)中に懸濁させた。
これを内温70〜75℃(浴温120〜130℃)で加熱還流し、
1.5時間熱分解した。得られた混合物を蒸留することに
よりメタクリロイルイソシアネート(MAI)49g(89.9
%)、2−クロロイソプロペニルイソシアネート(ClMA
I)1.4g(1.7%)を得た。
実施例8〜10 実施例7で得た中間体IV(R=CH3)を用いて、表−2
に示す条件下で、実施例7と同様に熱分解を行った。結
果を表−2に示す。
実施例11〜12および比較例1〜2 表−3に示す条件で実験を行なう以外は、実施例1と同
様に実験した。実施例11と12では熱分解時に誘電率の低
いものを用い、比較例1と2では誘電率4以上のものを
用いた。収率等の差異を表−3に示す。
(発明の効果) 本発明によれば、極めて高い収率でアクリロイルイソシ
アネート(I)が得られる。この効果は誘電収率の低
い、即ち4以下の溶媒を反応に用いるのみで達せられ
る。このことは工業的に見て、簡単な操作で高い収率の
ものが得られ、有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 祐司 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 水口 隆三 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: 〔式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示す。〕 で表わされるアクリルアミドと 式: (COX) (III) 〔式中、Xはハロゲン原子を示す。〕 で表わされるオキザリルハライドを不活性溶媒中で反応
    させて、 式: 〔式中、RおよびXは前記と同意義。〕 で表わされるオキサゾリンジオンヒドロハライドを析出
    させ、次いでこれを誘電率4以下の不活性溶媒中で熱分
    解して 式: 〔式中、Rは前記と同意義。〕 で示されるアクリロイルイソシアネートを高収率で得る
    ことを特徴とするイソシアネート化合物の製法。
  2. 【請求項2】中間体であるオキサゾリンジオンヒドロハ
    ライド(IV)を単離し、この単離したものを誘電率4以
    下の不活性溶媒中で熱分解する第1項記載の製法。
  3. 【請求項3】中間体であるオキサゾリンジオンヒドロハ
    ライド(IV)を単離せずに、誘電率の低い不活性溶媒を
    加えて溶媒の誘電率を4以下に調整した後、熱分解する
    第1項記載の製法。
  4. 【請求項4】式: [式中、Rは水素または低級アルキル基を示す。]で表
    わされるオキサゾリンジオンヒドロハライド誘電率4以
    下の不活性溶媒中で熱分解して 式: で示されるアクリロイルイソシアネートを高収率で得る
    ことを特徴とするイソシアネート化合物の製法。
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