JPH0675852U - 自動車用燃料逆流防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料注入の終了時、燃料タンク内の空気圧力
の上昇で燃料が吹き出されるのを防止する。 【構成】 自動車用燃料逆流防止装置は、地下貯蔵タン
クから車両に設けられた燃料タンク内に燃料を注入する
とき、この燃料タンク内の空気圧力の上昇により吹き出
される燃料を遮断するため、燃料フィラーの内側部にガ
イド部材を連結し、このガイド部材に長さ方向に移動で
きるフロート部材を設けて、燃料タンク内の燃料表面の
上昇に応じてフロート部材が上昇しながら、燃料注入が
終了する時期に、燃料通路を遮断するようになってい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用燃料逆流防止装置に係り、より詳しくは、燃料タンクへの 燃料注入の終了時において燃料タンク内の空気の圧力上昇で注入された燃料が逆 流して流出することを防止できる自動車用燃料逆流防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、自動車に設けられている燃料タンクは車体の下部に位置しており、従 って、ガソリンポンプのホース先端に取り付けられたノズルを燃料フィラーの注 入口に挿入した時、燃料タンクより高い位置から燃料タンクに燃料を注入できる ようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、燃料注入の際、燃料フィラーの注入口を通過する燃料は非常に 早い速度で燃料タンクに流入されるので、燃料タンク内に存在する空気は燃料の 充満でだんだん圧力が高くなる。

【０００４】 このように、燃料タンク内に燃料が充満するときに、燃料タンク内の空気圧力 が上昇することにより、燃料が逆流して燃料フィラーの注入口から拭き出される こととなっていた。

【０００５】 従って、本考案の目的は、燃料タンク内への燃料の供給の終了時点において、 燃料タンク内の空気圧力の上昇により燃料が吹き出されることを防止できる自動 車用燃料逆流防止装置を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案の自動車用燃料逆流防止装置は、燃料フィラ ーを有する燃料タンクと、複数個のスリットおよび複数個の燃料通路を有する燃 料フィラーの内側部に連結されたガイド部材と、スリットにスライド可能に連結 される突起部を有し、燃料の注入量に応じて上昇して燃料通路を遮断するフロー ト部材と、そして、燃料フィラーとガイド部材とを長さ方向に連結する連結手段 とを含んでいる。

【０００７】 さらに、本考案の好ましい実施例においては、フロート部材は、燃料注入の際 、燃料の流入抵抗を小さくするためコーン形状とされてなることを特徴とする。

【０００８】 さらに、本考案の他の好ましい実施例においては、フロート部材は、下側面が 燃料タンク内の燃料と接触し上側面が注入される燃料と接触できる姿勢で配置さ れることを特徴とする。

【０００９】 さらに、本考案の他の好ましい実施例においては、ガイド部材は燃料フィラー の外側に結合されて注入される燃料の流入抵抗を小さくするようになっているこ とを特徴とする。

【００１０】 さらに、本考案の他の好ましい実施例においては、連結手段は、燃料フィラー に穿たれた孔と、そして、ガイド部材に一体で形成され孔に弾性的に嵌められる フックを有するアームとから構成されてなることを特徴とする。。

【００１１】 さらに、本考案の他の好ましい実施例においては、フロート部材は、下側面と 燃料タンク内の燃料表面との間に空気が存在する空間部が形成され、それにより 、フロート部材が確実に上昇するようにされてなることを特徴とする。

【００１２】 さらに、本考案の他の好ましい実施例においては、ガイド部材は、下側部にフ ロート部材の脱落を防止するフランジが形成されることを特徴とする。

【００１３】 さらに、本考案の好ましい実施例においては、燃料通路は、フロート部材がス リットの最上端に位置したとき遮断される長さとされてなることを特徴とする。

【００１４】

【作用】

前記のようになされる本考案の自動車用燃料逆流防止装置は、燃料タンク内に 注入される燃料の浮力によりフロート部材がガイド部材のガイドをうけて燃料フ ィラー側に上昇すると共に燃料の注入が終わると燃料通路を遮断するので、燃料 タンク内の空気圧力の上昇により燃料が吹き出されることを防止する。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案に係る自動車用燃料逆流防止装置を添付図面に基づいて詳細に説 明する。

【００１６】 図１は、本考案に係る自動車用燃料逆流防止装置の具体例であるチェックバル ブの一実施例の断面図であって、符号２は燃料タンクであり、図においては、そ の上部板のみを示している。本考案の自動車用燃料逆流防止装置は燃料タンクの 形状に関係しないで用いられるものであるので、すべての車両の燃料タンクに適 用することができる。

【００１７】 燃料タンク２には燃料注入のための燃料フィラー４が設けられている。この燃 料フィラー４は燃料タンク２内に位置する内側部６と燃料タンク外側に位置する 外側部８とを含んでいる。

【００１８】 内側部６には、本考案に係る自動車用燃料逆流防止装置の具体例であるチェッ クバブル１０が取り付けられている。燃料は、燃料フィラー４を通じて燃料タン ク２内に注入が可能であるが、燃料タンク２内から外部へは逆流することができ ないようにしている。

【００１９】 かかる作用のため提供される本考案のチェックバルブ１０は、燃料フィラー４ の内側部６に長さ方向に連結固定される円筒状のガイド部材１２と、このガイド 部材１２にガイドされて燃料タンク２内の燃料量に応じて昇降するフロート部材 １４とを含んでいる。

【００２０】 ガイド部材１２は、軸方向に長いスリット１６と燃料通路２２とを保有してい るが、これらは図２に示すように、それぞれ、ガイド部材１２の円周面に多数個 形成されている。

【００２１】 フロート部材１４は、ガイド部材１２のスリット１６に挿入されてスライドす る突起部１８を保有している。この突起部は、スリット１６に沿って移動するが 、燃料の供給が終了するときにフロート部材１４の上昇が停止できるようにスリ ット１６の長さが決められている。

【００２２】 そして、燃料タンク２内の燃料が少なくなったときに、フロート部材１４がガ イド部材１２から脱落しないようにフランジ２０がガイド部材１２の下端に一体 で形成されている。

【００２３】 コーン形状のフロート部材１４の上側面が燃料タンク２内に流入される燃料と 接触し、下側面が燃料タンク２内の燃料と接触することができる状態で配置する ことにより、燃料注入の際の流入抵抗は小さくなると共に燃料タンクからの燃料 の逆流は防止される。

【００２４】 燃料フィラー４を通じて流入される燃料は、コーン形状のフロート部材１４を 押し下げながら流れる。フロート部材１４が上昇して最上端に位置しているとき は、燃料フィラー４と燃料タンク２とが流体的に遮断される。フロート部材１４ が最上端から下方に若干移動すると、ガイド部材１４に多数個形成されている燃 料通路２２を通って燃料が燃料タンク２内に流入することができる。

【００２５】 これら燃料通路２２の幅をできるだけ広くすることにより、燃料注入の際燃料 の流入抵抗を小さくでき、それにより、燃料の注入を迅速に行うことができる。

【００２６】 燃料フィラー４とガイド部材１２との連結は、燃料フィラー４の下側部６に複 数個形成された孔２６に、ガイド部材１２の上側に一体で形成されているアーム ３０のフック２８を弾性的に嵌合することによって行われている。

【００２７】 燃料フィラー４とガイド部材１２との結合手段は、図示されたものとは逆に、 フィラー４の下側部６にフックを形成し、一方、ガイド部材１２に孔を形成する ことによっても構成することができる。いずれにしても、ガイド部材１２を、燃 料フィラ−４の外側に嵌め合わせると、燃料注入の際燃料の流入抵抗を小さくで きる。

【００２８】 前記のようになされる本考案の自動車用燃料逆流防止装置では、燃料が燃料注 入の際非常に早い速度で燃料フィラー４内を通過するようになるが、燃料タンク ２内の燃料が少ないとフロート部材１４は、図３に実線で示すように、最下点に 位置するようになる。

【００２９】 かかる状態において、燃料タンク２内に燃料を注いで燃料表面が上昇すると、 フロート部材１４は燃料の増加と共に上昇するようになっている。

【００３０】 従って、燃料タンク２内の燃料が増加すると、フロート部材１４は漸次上昇し 、又、燃料通路２２の開放部位を漸次縮小させる。そして、フロート部材１４の 突起部１８がスリット１６の最上端に至ると、燃料通路２２がコーン形状のフロ ート部材１４により遮断されて燃料の注入を中止する。

【００３１】 このとき、燃料タンク２内の空気圧力は高くなっており、燃料を吹き出そうと するが、燃料通路２２が閉鎖されているので燃料の逆流は起こらない。

【００３２】 前記したように、燃料注入の際の燃料の増加に応じて一緒に上昇するフロート 部材１４は、コーン形状の下側面が図３に実線で示すように、燃料表面よりは下 側に位置しており、それにより、その内側に空間部Ｈを形成している。この空間 部Ｈには、空気が存在しているのでフロート部材１４に対する浮力は大きくなり 、円滑に上昇することができる。

【００３３】

【考案の効果】

以上で説明したように、本考案にか係る自動車用燃料逆流防止装置は、ガソリ ンポンプのノズルを通じて地下貯蔵タンクから車両に設けられた燃料タンクに燃 料が供給される際、注入が完了する時期、すなわち、注入が所定の水準に至った 時、燃料が通る燃料通路をフロート部材が遮断するので、燃料タンク内の空気圧 力の上昇による燃料の逆流を防止でき、このため、ガソリンスタンドにおけるガ ソリンポンプ周辺に燃料が流出し汚れることを防止でき、又、燃料注入者の衛生 を保つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るチェックバルブの一実施例の側断
面図である。

【図２】図１に示されたチェックバルブの斜視図であ
る。

【図３】図１に示されたチェックバルブの作用を説明す
るための図である。

【符号の説明】

２ 燃料タンク ４ 燃料フィラー ６ 内側部 ８ 外側部 １０ チェックバルブ １２ ガイド部材 １４ フロート部材 １６ スリット １８ 突起部 ２２ 燃料通路 ２４ リブ ２６ 孔 ２８ フック ３０ アーム

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料フィラーを有する燃料タンクと、 複数個のスリットおよび複数個の燃料通路を有する前記
   燃料フィラーの内側部に連結されたガイド部材と、 前記スリットにスライド可能に連結される突起部を有
   し、燃料の注入量に応じて上昇して前記燃料通路を遮断
   するフロート部材と、そして、 前記燃料フィラーとガイド部材とを長さ方向に連結する
   連結手段と、 を含んでなる自動車用燃料逆流防止装置。
2. 【請求項２】 フロート材は、燃料注入の際、燃料の流
   入抵抗を小さくするためコーン形状とされてなることを
   特徴とする請求項１に記載の自動車用燃料逆流防止装
   置。
3. 【請求項３】 フロート部材は、下側面が燃料タンク内
   の燃料と接触し、且つ、上側面が注入される燃料と接触
   できる姿勢で配置されることを特徴とする請求項１に記
   載の自動車用燃料逆流防止装置。
4. 【請求項４】 ガイド部材は、燃料フィラーの外側に連
   結されることを特徴とする請求項１に記載の自動車用燃
   料逆流防止装置。
5. 【請求項５】 連結手段は、燃料フィラーに穿たれた孔
   と、そして、ガイド部材に一体で形成され前記孔に弾性
   的に嵌められるフックを有するアームとから構成されて
   なる請求項１に記載の自動車用燃料逆流防止装置。
6. 【請求項６】 フロート部材は、下側面と燃料タンク内
   の燃料表面との間に空気が存在する空間部が形成される
   ことを特徴とする請求項１に記載の自動車用燃料逆流防
   止装置。
7. 【請求項７】 ガイド部材は、下側部にフロート部材の
   脱落を防止するフランジが形成されることを特徴とする
   請求項１に記載の自動車用燃料逆流防止装置。
8. 【請求項８】 燃料通路は、フロート部材がスリットの
   最上端に位置したとき遮断される長さとされてなること
   を特徴とする請求項１に記載の自動車用燃料逆流防止装
   置。
9. 【請求項９】 燃料タンク内に位置する内側部と燃料タ
   ンク外に位置する外側部とからなる燃料フィラーを有す
   る燃料タンクと、 前記燃料フィラーの内側部に連結されたガイド部材であ
   って、ガイド手段及び該ガイド部材の壁を貫通する燃料
   通路を有する筒状のガイド部材と、そして、 前記ガイド手段にスライド可能に連結される係合部を有
   し、燃料タンク内の燃料が所定量以上となったとき前記
   燃料通路を遮断することができるフロート部材と、 を含んでなる自動車用燃料逆流防止装置。