JPH0675728B2 - 鮮映性に優れた表面処理鋼板の製造法 - Google Patents

鮮映性に優れた表面処理鋼板の製造法

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JPH0675728B2
JPH0675728B2 JP63330301A JP33030188A JPH0675728B2 JP H0675728 B2 JPH0675728 B2 JP H0675728B2 JP 63330301 A JP63330301 A JP 63330301A JP 33030188 A JP33030188 A JP 33030188A JP H0675728 B2 JPH0675728 B2 JP H0675728B2
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    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、塗装後鮮映性に優れた表面処理鋼板の製造法
に関する。
さらに詳しくは、特に30g/m2以上の厚目付けの表面処理
鋼板の表面粗度を効果的に制御し、塗装後に高鮮映性を
得るための方法に関する。
<従来の技術> 鋼板の塗装後鮮映性は、特に自動車用外板としての用途
を考えた場合、その仕上り外観に重大な影響を及ぼす因
子として注目されている。
また、電化製品等への鋼板の使用を考えた場合も、塗装
後の仕上り外観は、直接ユーザーに品質を訴える要素の
ひとつであり、その改善が望まれている。
表面処理鋼板は、自動車等の製品の耐食性を改善する方
法として、その使用比率が増加しており、表面処理鋼板
の塗装後鮮映性を改善する技術は、その重要性を益々増
している。特に、耐食性重視の設計から、溶融めっき鋼
板のような厚めっき鋼板が要求されている今日、このよ
うな厚めっき表面処理鋼板を用いる場合においても、塗
装後鮮映性が重要になると考えられる。
ところで、塗装後鮮映性の改善は、従来は、主に塗装技
術の課題とされ、塗装方法は、塗料の改善が盛んに検討
されてきた。この結果、塗装技術は確実に進歩し、塗装
後の品質を向上させたが、一方で、従来影響がないと考
えられていた鋼板表面粗度の塗装後鮮映性への影響が、
特に高品質の塗装において明らかとなってきた。
鋼板の表面粗度の制御は、従来はランダムな粗度パター
ンを付与するショットダル加工が主流であり、鋼板表面
粗度の制御は、大体の平均粗さの管理に止まっていた。
そして、塗装後鮮映性と鋼板表面粗度との関係の研究
も、ランダムな鋼板表面粗度において、平均粗さとの関
係を検討したのが発表されているにすぎない。
一例を挙げるとNILANらがSAE(SAE Tech.Paper Ser.No.
800208)に鋼板平均粗さと塗装後鮮映性との関係を報告
しているが、その結果においても、鮮映性を改善するに
は平均粗さを出来る限り小さくする必要があることを述
べているにすぎない。すなわち、塗装後の鮮映性のみを
考慮すれば、ブライト面が最も鮮映性は良好であるが、
従来より、成形性およびハンドリング性向上のためにダ
ル目付けが行われており、これは、鮮映性とは相反す
る。そして、実際には、ブライト面を有する表面処理鋼
板をプレス成形用鋼板として適用することは不可能であ
る。
塗装後鮮映性を改善する手法として、鋼板表面粗度の制
御を考えた場合、考慮が必要であるのは、塗装によって
形成される鋼板表面上の塗膜への影響である。塗膜は、
鋼板表面粗度のプロフィールにとってLOWPASSフィルタ
ーとして作用し、塗装後の表面粗度を変化させることは
従来より知られている。
冷延鋼板の場合は、鋼板の表面粗度(塗装前の表面粗
度)と塗装による表面粗度の変化の両者の影響だけを考
慮すればよかったが、表面処理鋼板の場合、表面処理層
自体によっても原板の表面粗度が変化することがあり、
最終的な塗装後の表面粗度は、原板の表面粗度、表面処
理層の影響、塗装膜の影響の三者を考慮する必要があ
る。
本発明者らは、先に、鋼板の表面粗度を制御することに
より、成形性と塗装後鮮映性を冷延鋼板および表面処理
鋼板に合わせ持たせることが可能であることを知見し、
その具体的な方法として、レーザーダル加工技術によっ
て鋼板表面粗度のプロフィールを制御する技術を先行特
許出願において開示した。
しかし、表面処理鋼板の場合には、原板である冷延鋼板
の表面粗度だけでなく、さらに表面処理層自体の影響が
加わるために、原板の表面粗度のプロフィールの制御だ
けでは不十分な場合があることが予想され、特に、厚目
付けの溶融めっき鋼板の場合、めっき層自体の表面粗度
の問題が加わり、その原板である冷延鋼板の表面粗度の
制御だけでは不十分であることが明らかとなった。
すなわち、従来の知見では、表面処理によって原板由来
の表面粗度が変化しない場合や表面処理による表面粗度
の変化が予測される場合については、原板である冷延鋼
板の表面粗度を制御し、塗装後に高鮮映性を得ることは
可能であったが、特に厚目付けの場合等、表面処理層自
体の表面粗度の問題が加わり、表面処理によって表面粗
度が大きく変化し、その変化が予測または制御しにくい
場合については、原板の表面粗度を制御しただけでは、
塗装後の鮮映性の改善効果は得られないと考えられてい
た。
<発明が解決しようとする課題> 上記のように、冷延鋼板や表面処理鋼板の塗装後鮮映性
を改善する技術が知られている。
しかし、その技術は、表面処理鋼板に普遍的に適用でき
るわけではなく、特に、厚目付けの表面処理鋼板等の表
面処理によって表面粗度が大きく変化する場合における
塗装後鮮映性の改善技術は知られていない。
本発明は、上記の事実に鑑みてなされたものであり、例
えば溶融めっきのような厚目付けの表面処理鋼板におい
て、塗装後鮮映性を得るための原板からの表面粗度の制
御およびめっき後の表面粗度の制御技術の提供を目的と
するものである。
<課題を解決するための手段> 冷延鋼板の表面粗度は、表面処理によって特異な変化を
する場合がある。特に、表面処理の目付け量が大きくな
ると、その変化の程度は大きくなる。すなわち、表面処
理によって形成される新たな表面保護層そのものが表面
粗度を有するため、いくら冷延鋼板原板の表面粗度を鮮
映性に有利に制御しても、その効果は、表面処理後まで
維持できない場合がある。
一方、塗装膜自体に、鋼板表面の凹凸を隠蔽し、スムー
ジングする効果があることがわかっており、鋼板表面粗
度は、塗装鮮映性に影響を及ぼさないと従来考えられて
いたが、鋼板粗度凹凸のなかで、数百ミクロン以上の波
長を示す長波長成分については、なかなか塗装膜によっ
ても隠蔽されず、塗装後の鮮映性に悪影響を及ぼすこと
が新たに知見された。ここで言う長波長成分とは、この
ような塗装膜によって隠蔽されない波長数百ミクロン以
上を示す粗度成分のことであり、例えば、ショットダル
のようなランダムな粗度パターンでは、その低減が困難
である。
そこで、本発明者らは、塗装後の鮮映性改善を主目的と
し、表面処理鋼板およびその原板表面の適正粗度をどの
ように選択し、管理すればよいかを、研究実験を鋭意重
ね、検討した。
即ち、表面処理鋼板原板と表面処理後の表面粗度の変
化、およびその後の表面処理鋼板の調質圧延方法と表面
粗度の変化の関係を、主に、溶融めっき鋼板について、
研究室実験にて調査し、以下の知見を得た。
表面処理鋼板の鮮映性を改善するには、原板の表面粗
度を制御することにより、表面処理直後あるいは表面処
理めっき層の合金化熱処理後の表面の粗面化を、できる
だけ小さく制御した方が良い。
表面処理後の鋼板表面粗度を制御する方法として、調
質圧延(スキンパス)は有効な方法である。しかし、通
常のスキンパス方法では、十分な粗度制御効果は得られ
ず、効果的なスキンパス方法の開発が必要である。
本発明は、この知見に基づいて開発された技術であり、
上述の課題を完全に解決するための方法を開示してい
る。
すなわち、本発明においては、表面処理鋼板の表面粗度
制御技術として、表面処理鋼板原板の段階の粗度管理
と、表面処理後の鋼板表面粗度管理方法をそれぞれ開示
しており、その両者が同時に達成された時に、塗装後鮮
映性の改善効果が得られる。
なお、本発明法は、溶融亜鉛めっき等、表面処理によっ
て鋼板の表面粗度が変化する場合においても、塗装後鮮
映性の劣化を少なくするために原板の表面粗度を管理
し、さらに、表面処理後、効率の良い調質圧延を行うこ
とによって表面処理鋼板の表面粗度を制御し、塗装後鮮
映性を改善する技術である。
本発明の本質は、溶融亜鉛めっきのようにめっき自身に
よって鋼板表面が粗面化する場合、表面処理によって粗
面化した鋼板表面を限られた調質圧延条件下で制御し、
鮮映性および成形性ともに有利な表面粗度を達成するこ
とにある。従って、冷延鋼板のように、調質圧延前の表
面粗度が比較的低く、調質圧延によって粗面化する場合
とは異なる。
本発明は、表面処理鋼板用原板の少なくとも塗装面側の
表面粗度を、平均粗さ(Ra)0.4μm以下、かつ、PPI
(1インチあたりの山数)100以下とし、この原板にめ
っきを施した後、伸び率で0.5%以上、1.8%以下の調質
圧延を施すことを特徴とする鮮映性に優れた表面処理鋼
板の製造法を提供するものである。
前記調質圧延は、2回以上の圧延に分割し、トータル伸
び率で0.5%以上、1.8%以下とすることが好ましい。
また、前記圧延を2回以上に分割する場合、最初の圧延
を、ロール表面粗度(Ra)が、0.2μm以下のロールを
用いて行うことが好ましく、最終の圧延を、表面粗度の
うねり(Wca)が0.35μm以下となるようにダル加工し
たロールを用いて行うことが好ましい。
なお、RaおよびWcaの下限は、ロール表面の加工技術の
限界あるいは加工費用からくる実用性によって限定され
る。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、表面処理鋼板原板の表面粗度の制御技術と、
表面処理後の表面粗度の制御技術から構成される。
表面処理鋼板原板の表面粗度は、平均粗さ(Ra)0.4μ
m以下、かつ、PPI100以下とするが、これは、表面処理
後の鋼板の表面粗度と、表面処理前の原板の表面粗度と
の間に相関が認められ、原板の表面粗度、即ち平均粗さ
およびPPIが小さいほど、表面処理後の表面粗度の変化
は小さいという知見から限定された値である。
第1図に、冷延鋼板原板の平均粗さおよびPPIを変化さ
せ、それらに60/60溶融亜鉛めっき合金化処理を行い、
処理後の表面粗度を、原板の平均粗さとの比で示した。
原板の平均粗さおよびPPIの粗度パラメーターの値が本
発明で規定する範囲内であると、表面処理による表面粗
度の上昇が小さいことが分かる。
しかし、単に原板の表面粗度の管理だけでは、最終的な
目的である塗装後高鮮映性を得ることができない。
そこで、本発明では、さらに、表面処理後粗度を制御す
るために、即ち、より良い状態に表面粗度プロフィール
を作り直すために、伸び率で0.5以上、1.8%以下の調質
圧延を施す。
上記のように表面粗度が制御された原板を用いると、調
質圧延時の圧下量が伸び率で0.5%以上、1.8%以下であ
れば、目的とする粗度パターンを略転写することができ
る。
粗度パターンの転写は、圧下量が大きい程有利であり、
伸び率で0.5%以上が必要である。しかし、伸び率で1.8
%を超えると、塗装後鮮映性の改善効果が飽和するばか
りでなく、表面処理鋼板の機械的性質の低下を招くの
で、好ましくない。
以上のように表面処理鋼板原板の粗度と表面処理後の調
質圧延を制御することにより、塗装後鮮映性に優れる表
面処理鋼板が得られるが、以下の方法を採り入れること
により、さらに、塗装後鮮映性が上昇する。
即ち、調質圧延を2回以上の圧延に分割して行い、その
トータル伸び率を、0.5%以上、1.8%以下に制御する方
式である。
塗装後鮮映性にとって、表面の平坦度の向上は重要な要
素である。そして、調質圧延を2回以上に分割すること
により、表面の平坦度がさらに改善され、粗度転写率が
上昇する。なお、粗度転写率とは、調質圧延後の表面顕
微鏡写真をとり、その画像処理により、調質圧延中にロ
ールと鋼板表面とが接触している面積率を計測した値と
して示される。
第2a図、第2b図および第2c図には、表面処理鋼板原板と
して、本発明で規定した粗度である冷延鋼板(第1図の
Aサンプル)とそれ以外の冷延鋼板(第1図のBサンプ
ル)を用い、溶融亜鉛めっき処理を行い、その後、調質
圧延を1回(第2a図)、または2回分割(第2b図)、ま
たは3回分割(第2c図)で行った場合の粗度転写率を示
す。
第2a図、第2b図および第2c図からも、調質圧延を分割す
ることにより、粗度転写率が上昇することが、従って塗
装後鮮映性が上昇することが明らかである。
調質圧延を2回以上に分割するにあたり、最初の調質圧
延を、ロール表面粗度(Ra)が0.2μm以下のロールを
用いて行うことにより、粗度転写率はさらに上昇する。
第3a図、第3b図および第3c図には、表面処理鋼板原板と
して冷延鋼板AとBを用い、溶融亜鉛めっき処理を行
い、その後、調質圧延を2回分割で行い、1回目を、シ
ョットダルロール(第3a図)、またはRaが0.4μmの低
粗度ダルロール(第3b図)、またはRaが0.2μmのブラ
イトロール(第3c図)を用いて行った場合の粗度転写率
を示す。
また、第4a図および第4b図には、各々第3a図および第3c
図の場合と同様の処理を行った表面処理鋼板に、3コー
ト塗装を行い、塗装後鮮映性をDOI値で示す。
なお、DOI値は、ハンター社製DORIGONメータで測定し、
試料法線の30゜の方向から光を照射した時の正反射光量
をRs、正反射より±0.3゜ずれた角度に反射してくる光
の量をR0.3としたとき、 DOI=(Rs−R0.3)/Rs×100 として与えられる。この評価法は、人間の目視判定や、
試料にテストパターンを投影して、どこまで細かいパタ
ーンが識別できるかを見るPGD法等の従来の評価方法と
良い相関を示す。
第3a図、第3b図および第3c図から、最初の調質圧延を、
ロール表面粗度の小さい、特にRaが0.2μm以下のロー
ルを用いて行うと、粗度転写率が上昇することが、ま
た、第4a図および第4b図から塗装後鮮映性が上昇するこ
とが明らかである。
また、調質圧延を2回以上に分割するにあたり、最終調
質圧延を、レーザーダル加工等の方法で、表面粗度うね
り(Wca)が0.35μm以下としたロールを用いて行うこ
とにより、塗装後鮮映性はさらに上昇する。
なお、Wcaは、JIS規格 B0610に規定される中心線うね
りを表わし、表面粗度において、長波長を示す成分を評
価するものである。
第4b図および第4c図には、表面処理鋼板原板として冷延
鋼板AとBを用い、溶融亜鉛めっき処理を行い、その
後、調質圧延を2回分割で行い、1回目は共にRaが0.2
μmのブライトロールを用い、2回目のショットダルロ
ール(第4b図)、またはWcaが0.35μmのレーザーダル
ロール(第4c図)を用いて行った表面処理鋼板に、3コ
ート塗装を行い、塗装後鮮映性をDOI値で示す。
第4b図および第4c図から、最後の調質圧延を、Wcaが0.3
5μm以下のロールを用いて行うと、波長数百ミクロン
以上を示す粗度成分がコントロールされるので、塗装後
鮮映性が上昇することが明らかである。
なお、上記において、用いるロールの粗度(Ra、Wca)
に下限を設けていないが、これは、限りなくブライトに
近いロールを用いたとしても、表面処理層がブライトと
はならず、加えて、用いるロール表面をブライトとする
ことは、加工技術および加工費用の点で困難が伴うの
で、あえて用いるロールの粗度の下限を示す必要性がな
いためである。
以上より、これらの処理によって表面処理層がブライト
とはならず、従って表面処理鋼板の成形加工性が損われ
ることもないことが示唆される。
塗装後高鮮映性を得るのに適切な表面粗度の条件とし
て、 塗装膜によっても隠蔽されにくい長い波長(数百ミク
ロン以上)を示す粗度成分が存在しない、 ある程度の平均粗さを確保した上で、出来るだけ平坦
な部分を確保する、 加工性を損なわない範囲で、平均粗さを出来るだけ小
さくする ことが挙げられ、本発明法は、これらを満足するように
表面粗度を制御する具体的な方法を開示したものであ
る。
鋼板の表面粗度は、プレス成形性にとっても重要な要素
であり、プレス型との接触状態を制御することによって
型かじりの発生を制御するためにも、ある程度の表面粗
度は必要である。
一般に、薄鋼板のダル目付けはこの目的から行われる。
一方、塗装後の鮮映性にとっては、鋼板の表面粗度は鏡
面のように出来るだけブライトに近い方が良いとされて
いる。従って、プレス成形性と塗装後鮮映性の両立のた
めには、相反する鋼板表面粗度を付与する必要が生じ
る。
本発明法は、従来困難とされていたこれらの矛盾する特
性の両立をも可能としたものである。
本発明者らは、塗装膜による鋼板表面粗度の変化を解析
し、この変化を積極的に利用して粗度管理を行えば、両
特性の両立が可能であることを知見し、具体的には、鋼
板表面粗度を構成している凹凸総てが塗装後鮮映性を害
するのではなく、一部の長波長を示す成分が塗装膜によ
っても隠蔽されずに残存し、鮮映性を害することを知見
し、従って、塗装後鮮映性を害する粗度成分のみを排除
する粗度管理を行えば、ブライトにするまでもなく、鮮
映性を効果的に改善できることを知見し、それを達成す
る手段として本発明法を開発したものである。
このように、本発明における表面粗度管理技術は、表面
処理鋼板として満足すべき塗装後鮮映性以外の特性に対
して何ら害を及ぼす技術ではなく、本発明法で作られた
鋼板が、鮮映性と共に、表面処理鋼板として当然具備す
べき特性も具備していることは容易に推測できる。
以上、本発明法を説明してきたが、次に、本発明法が適
用できる表面処理鋼板について説明する。
表面処理鋼板原板は、冷延鋼板でも熱延鋼板でもよい。
表面処理としては、溶融亜鉛めっき、溶融鉛めっき、溶
融錫めっき等の溶融金属めっき、銅電気めっき、ニッケ
ル電気めっき、亜鉛電気めっき、ティンフリー鋼板等の
金属電気めっき等の各種めっき処理が例示できる。
これらの中で、本発明は、特に30g/m2以上の厚目付けの
溶融亜鉛めっき鋼板等について、その効果が発揮され
る。
<実施例> 以下に、実施例により、本発明を具体的に説明する。
(実施例1) 表面処理鋼板の原板である冷延鋼板として、平均粗さ、
PPIを変化させたものを用意した。これら鋼板に、単一
条件で溶融亜鉛めっき(目付量60/60g/m2)、合金化処
理を施し、スキンパス実験用試料とした。
調質圧延は、1回ないし3回行い、複数回行う場合は、
その圧下量を均等に分割した。
スキンパスロールは、通常のショットダルロール以外
に、平均粗さで0.2μm以下のブライトロール、およびW
caが0.35μm以下のレーザーダルロールを用い、表1に
示すスケジュールで圧延した。
鋼板の表面粗度をタリサーフで測定し、また、一部の試
料については、小坂製作所製SE-3FKで3次元粗さを測定
し、これらの測定値から、最終圧延後の表面粗度転写率
を算出した。
調質圧延終了後、単一条件で3コート塗装を実施し、塗
装後の鮮映性を測定し、DOI値で示した。
また、円筒深絞り試験(ポンチ径 33φ、しわ押え 1
トン)を行い、限界絞り比(LDR)を求めた。
結果を表1に示した。
(実施例2) 表面処理鋼板の原板である冷延鋼板として、平均粗さ
(Ra)、PPIの異なるものを用意した。これら鋼板に、
単一条件で溶融亜鉛めっき(目付量60/60g/m2)、合金
化処理を施し、スキンパス実験用試料とした。
調質圧延は、総伸び率を1%とし、1回ないし3回行
い、複数回行う場合は、その圧下量を均等に分割した。
スキンパスロールは、通常のショットダルロール以外
に、平均粗さで0.2μm以下のブライトロール、およびW
caが0.35μm以下のレーザーダルロールを用いた。
鋼板の表面粗度をタリサーフで測定し、また、一部の試
料については、小坂製作所製SE-3FKで3次元粗さを測定
し、これらの測定値から、原板の平均粗さと最終圧延後
の平均粗さとの比と、最終圧延後の表面粗度転写率を算
出した。
調質圧延終了後、単一条件で3コート塗装を実施し、塗
装後の鮮映性を測定し、DOI値で示した。
結果を、第2a図、第2b図および第2c図、第3a図、第3b図
および第3c図、第4a図、第4b図および第4c図に示した。
なお、第2a図は、溶融亜鉛めっき鋼板の原板として表面
の平均粗さとPPIが異なる冷延鋼板A、Bを用い、めっ
き後、伸び率1%の調質圧延をショットダルロールを用
い、1回で行った場合における表面粗度転写率を示す。
第2b図および第3a図は、第2a図の場合同様の原板を用
い、めっき後、総伸び率1%の調質圧延を、ショットダ
ルロールを用い、2回に分割して行った場合における最
終圧延後の表面粗度転写率を示す。
第2c図は、第2a図の場合同様の原板を用い、めっき後、
総伸び率1%の調質圧延を、ショットダルロールを用
い、3回に分割して行った場合における最終圧延後の表
面粗度転写率を示す。
第3b図は、第2a図の場合同様の原板を用い、めっき後、
総伸び率1%の調質圧延を、1回目は低粗度ダルロース
(Ra:0.4μm)、2回目はショットダルロールを用い、
2回に分割して行った場合における最終圧延後の表面粗
度転写率を示す。
第3c図は、第2a図の場合同様の原板を用い、めっき後、
総伸び率1%の調質圧延を、1回目はブライトロール
(Ra:0.2μm)、2回目はショットダルロールを用い、
2回に分割して行った場合における最終圧延後の表面粗
度転写率を示す。
第4a図は、第2b図および第3a図の場合同様の処理を施し
た溶融亜鉛めっき鋼板に、3コート塗装を行った場合に
おける塗装後のDOI値を示す。
第4b図は、第3c図の場合同様の処理を施した溶融亜鉛め
っき鋼板に、3コート塗装を行った場合における塗装後
のDOI値を示す。
第4c図は、2回目の調質圧延にレーザーダルロール(Wc
a:0.35μm)を用いた以外は第3c図の場合同様の処理を
施した溶融亜鉛めっき鋼板に、3コート塗装を行った場
合における塗装後のDOI値を示す。
本発明の製造法は、表面処理鋼板用原板の少なくとも塗
装面側の表面粗度を、平均粗さ(Ra)0.4μm以下、か
つ、PPI100以下とし、この原板にめっきを施した後、伸
び率で0.5%以上、1.8%以下の調質圧延を行うが、表1
および第2a図、第2b図、第2c図、第3a図、第3b図、第3c
図、第4a図、第4b図、第4c図から明らかなように、発明
例(実施例2においては、原板として、先に説明した第
1図中Aで示されるものを使用した場合)は、比較例
(実施例2においては、原板として、先に説明した第1
図中Bで示されるものを使用した場合)と比べ、塗装後
の鮮映性が飛躍的に改善された。特に、本発明の要件を
多く満たすほど、塗装後の鮮映性はより高い値となっ
た。
即ち、調質圧延を分割した方(発明例1に対して発明例
2、発明例7に対して発明例8、第2a図に対して第2b
図、第2c図)が、また、最初の圧延を、ロール表面粗度
(Ra)が0.2μm以下のロールを用いた方(発明例2、
3対して発明例4、発明例8に対して発明例9、第3a
図、第3b図に対して第3c図、第4a図に対して第4b図)
が、さらに、最終の圧延を、ロールの表面粗度うねり
(Wca)が0.35μm以下にダル加工したロールを用いた
方(発明例4に対して発明例5、発明例9に対して発明
例10、第4b図に対して第4c図)が、塗装後の鮮映性はよ
り高い値となった。
さらに、表1に示したLDRから明らかなように、発明例
は、十分な成形加工性を有していた。
<発明の効果> 本発明により、塗装後の鮮映性に優れた表面処理鋼板の
製造方法が提供される。
本発明法は、従来、塗装後鮮映性の制御が困難であった
厚目付けの表面処理鋼板に適用でき、また、表面処理鋼
板の成形加工性を低下させないので、有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、溶融亜鉛めっき鋼板の原板として用いた冷延
鋼板の表面の平均粗さ、PPIと、めっき層表面の平均粗
さとの関係を示すグラフである。 第2a図、第2b図、第2c図は、溶融亜鉛めっき鋼板の原板
として冷延鋼板A、Bを用い、めっき層の調質圧延をシ
ョットダルロールを用いて行った場合の表面粗度転写率
を示すグラフである。なお、第2a図は、調質圧延を1回
で行った場合、第2b図は、調質圧延を2回に分割した場
合、第2c図は、調質圧延を3回に分割した場合である。 第3a図、第3b図、第3c図は、溶融亜鉛めっき鋼板の原板
として冷延鋼板A、Bを用い、めっき層の調質圧延を2
回に分割して行った場合の表面粗度転写率を示すグラフ
である。 なお、第3a図は、1回目、2回目共にショットダルロー
ルを用いた場合、第3b図は、1回目が低粗度ダルロー
ル、2回目がショットダルロールを用いた場合、第3c図
は、1回目がブライトロール、2回目がショットダルロ
ールを用いた場合である。 第4a図、第4b図、第4c図は、溶融亜鉛めっき鋼板の原板
として冷延鋼板A、Bを用い、めっき層の調質圧延を2
回に分割して行い、その後3コート塗装を行った場合の
塗装後のDOI値を示すグラフである。なお、第4a図は、
調質圧延を、1回目、2回目共にショットダルロールを
用いて行った場合、第4b図は、調質圧延を、1回目はブ
ライトロール、2回目はショットダルロールを用いて行
った場合、第4c図は、調質圧延を、1回目はブライトロ
ール、2回目はレーザーダルロールを用いて行った場合
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 英夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭59−1636(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面処理鋼板用原板の少なくとも塗装面側
    の表面粗度を、平均粗さ(Ra)0.4μm以下、かつ、PPI
    (1インチあたりの山数)100以下とし、この原板にめ
    っきを施した後、伸び率で0.5%以上、1.8%以下の調質
    圧延を施すことを特徴とする鮮映性に優れた表面処理鋼
    板の製造法。
  2. 【請求項2】前記調質圧延を2回以上の圧延に分割し、
    トータル伸び率で0.5%以上、1.8%以下とする請求項1
    に記載の鮮映性に優れた表面処理鋼板の製造法。
  3. 【請求項3】最初の圧延を、ロール表面粗度の平均値
    (Ra)が0.2μm以下のロールを用いて行う請求項2に
    記載の鮮映性に優れた表面処理鋼板の製造法。
  4. 【請求項4】最終の圧延を、ロール表面粗度うねりの平
    均値(Wca)が0.35μm以下にダル加工したロールを用
    いて行う請求項2または3に記載の鮮映性に優れた表面
    処理鋼板の製造法。
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