JPH0691303A - 塗装後鮮映性とプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

塗装後鮮映性とプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板

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JPH0691303A
JPH0691303A JP24287792A JP24287792A JPH0691303A JP H0691303 A JPH0691303 A JP H0691303A JP 24287792 A JP24287792 A JP 24287792A JP 24287792 A JP24287792 A JP 24287792A JP H0691303 A JPH0691303 A JP H0691303A
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JP
Japan
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steel sheet
image clarity
roughness
coating
press formability
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Withdrawn
Application number
JP24287792A
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English (en)
Inventor
Makoto Imanaka
中 誠 今
Toshiyuki Kato
藤 俊 之 加
Osamu Hashimoto
本 修 橋
Takeshi Bessho
所 毅 別
Shigeru Chikada
田 滋 近
Arata Fukada
田 新 深
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形性および塗装後鮮映性がともに優れた合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の提供。 【構成】鋼板の表裏面の平均うねり(Wca)および平
均粗さ(Ra)がそれぞれ0.6μm以下および0.6
μm以上であり、片側の面において、10点平均粗さ
(Rz)が3μm以下の平坦部が20%以上、80%以
下存在し、他方の面においては平坦部からの深さが2μ
m以上の凹部が最近接間隔10μm以上200μm以下
となるように分布することを特徴とする塗装後鮮映性と
プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。他方
の面における平坦部からの深さが2μm以上の凹部の分
布間隔と平均間隔との差が少なくとも鋼板表面の1方向
において平均間隔の25%以下であるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形性と塗装後鮮映性に
優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボディ外板や家庭電気製品ない
し板金家具類などの外装板のように、塗装後の仕上がり
外観が要求される薄鋼板は従来冷間圧延鋼板が多用さ
れ、成形性との両立から表面の粗度調整を調質圧延によ
って行なっている。しかし、特に自動車鋼板の防錆上の
見地から表面処理鋼板を利用する割合が急速に増加して
おり、表面処理鋼板における塗装後鮮映性とプレス成形
性の両立が課題となっている。
【0003】電気めっきのように比較的薄目付の表面処
理鋼板の場合、原板である冷延鋼板の表面粗度は表面処
理後も維持されており、表面粗度の管理は従来冷延鋼板
の延長上の技術でほぼ可能である。しかし、さらなる防
錆上の対策が必要な場合、合金化処理を施した溶融亜鉛
めっき鋼板のように、厚目付の表面処理が必要となり、
その場合の表面粗度は原板の表面粗度とは全く異なって
しまうことが問題となっている。すなわち、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の表面粗度は、溶融亜鉛めっき工程およ
び合金化工程の両工程によって原板の表面粗度から大き
く変化してしまう。最終的な合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の表面粗度は、特有の細かな凹凸によって粗面化し、塗
装後鮮映性およびプレス成形性の両者に悪影響を及ぼす
ことが知られている。
【0004】今日、自動車の塗装表面仕上がり品質は、
直接顧客に自動車の高級感および総合品質の高さを訴え
ることができることから、重要な品質管理項目として最
近注目されている。塗装仕上がりの品質の一つの指標と
して鮮映性があり、その向上のために主に塗装技術の改
善が従来行なわれてきた。一方、薄鋼板の表面粗度は、
従来プレス成形性のために、ダル目付によって粗面化す
るのが一般的であった。しかし、塗装技術の向上ととも
に、塗装面の素地となる薄鋼板の表面粗度と塗装後表面
粗度との関係が明らかとなり、鋼板表面粗度を管理する
ことによって塗装後鮮映性を向上することが可能である
ことがしだいに明らかにされてきた。
【0005】薄鋼板の表面粗度の管理は従来ショットダ
ル加工したスキンパスロールを用いて調質圧延すること
によって行なわれていたが、この主たる目的は、プレス
成形性の改善である。塗装後鮮映性を改善するためには
薄鋼板の表面粗度を小さくする必要があることが、従来
の知見として知られている。しかし、この知見をそのま
ま適用しても成形性の点から問題が発生する。成形性と
鮮映性の両立は従来ショットダル加工のようにだいたい
の平均粗さの管理では不可能である。特開昭62−16
8602号および特開昭62−224405号では、冷
延鋼板における塗装後鮮映性と成形性を両立するための
表面粗度管理技術を開示している。しかし、この適用鋼
板は冷延鋼板あるいは薄目付の電気めっき鋼板にかぎら
れており、溶融亜鉛めっき鋼板のような厚目付の表面処
理であったり、さらに合金化処理することによって表面
が粗面化する場合については、従来、鮮映性のための表
面粗度管理、あるいは成形性との両立のための粗度管理
は不可能とされ、このための研究はほとんど顧みられて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で扱われてい
た対象鋼種は全て冷延鋼板および薄目付の表面処理鋼板
に限られていた。それは、表面粗度が原則として、冷延
鋼板の調質圧延によって定まる鋼種であり、目的とする
粗度管理がこの工程で比較的容易にできることがその理
由としてあげられる。これに対し、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板は、表面に細かな凹凸が存在し、この凹凸の存在
のために冷延鋼板の場合のような粗度管理の効果は期待
できないとされていた。
【0007】本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の塗
装後鮮映性と成形性の両者を冷延鋼板なみに改善するた
めの表面粗度管理技術を開示するものであり、成形性お
よび塗装後鮮映性がともに優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、鋼
板の表裏面の平均うねり(Wca)および平均粗さ(R
a)がそれぞれ0.6μm以下および0.6μm以上で
あり、片側の面において、10点平均粗さ(Rz)が3
μm以下の平坦部が20%以上、80%以下存在し、他
方の面においては平坦部からの深さが2μm以上の凹部
が最近接間隔10μm以上200μm以下となるように
分布することを特徴とする塗装後鮮映性とプレス成形性
に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供するものであ
る。
【0009】さらに、鋼板表面の個々の凹部の分布間隔
と、その平均間隔との差が少なくとも一方向において、
その平均間隔の25%以下であるように規則的に配列す
るのが望ましい。
【0010】以下に本発明をさらに詳細に説明する。合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗度は前述のようにめっ
き後の合金化の段階で形成される細かな凹凸のために表
面が粗面化している。この状態を前提として、表面粗度
を調整することによって鮮映性および成形性の改善を図
るためには、従来の平均粗さ、PPI(単位長さ当たり
の山数)の管理だけでは不可能であり、さらに細かな表
面粗度構造の限定が必要であることが分かった。
【0011】そこで、本発明においては、特別のパラメ
ーターを用いて表面粗度を管理することにより、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板のプレス成形性および塗装後鮮映性
の両立をはかる。合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき直
後の粗面化した表面を本発明におけるような適切な粗度
形態に調整するためには、製造工程の各段階で種々の対
策を講ずることが必要であるが、最終的にはめっき後の
調質圧延によって制御するのが望ましい。さらに、その
場合、レーザーダル加工法でダル加工したロールを用い
るのが効果的である。しかし、本発明においては製造手
法を限定するものではなく、本発明の限定範囲内に表裏
面の粗度が管理されていれば、製造法によらず、同様に
効果が得られる。
【0012】本発明の効果を得るには、合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の表面粗度形態を以下に示す模式図で説明す
る条件を満足するように制御することが必要である。
【0013】図1は本発明の塗装後鮮映性とプレス成形
性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を説明するための
模式図である。図1に示す粗度パラメータは基本的には
JIS B0601に基づいている。平均粗さRa、1
0点平均粗さRzあるいは平均うねりWcaは従来の2
次元粗度パラメータとしてJIS B0601に定義さ
れている。しかし、本発明においては、規則的な粗度パ
ターンにおいても適応が可能なように、3次元粗度パラ
メータとして次元を拡張して定義したパラメータも同様
に使用できる。
【0014】本発明において、鋼板表面の凹部および凸
部とは、凹部および凸部の面積が等しくなる中心線(3
次元粗度の場合には凹部および凸部の体積が等しくなる
中心面)より上の部分が凸部、下の部分が凹部と定義さ
れ、それらの分布状態も中心線(あるいは中心面)上で
求めることができる。
【0015】図1の模式図は本発明鋼板の表面および裏
面を模式的に示すものであるので、それぞれの面につい
て以下に説明する。
【0016】まず、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に
ついて述べる。鋼板の表面は塗装後鮮映性を必要とする
面であり、この面における、うねりWcaは0.6μm
以下である必要がある。これは、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板表面のうねり成分が、塗装後表面に残存し、鮮映性
を害するするためである。平均粗さRaは小さくする
と、うねり成分も低減可能であるので鮮映性向上には有
利であるが、鋼板のハンドリング性を考慮すると0.6
μm以上である必要がある。うねりを0.6μm以下に
制御し、さらに鮮映性を向上するには、平坦部の確保が
有効であり、表面において10点平均粗さRzが3μm
以下となる平坦部を20%以上、80%以下とすること
が必要である。
【0017】次に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の裏面に
ついて述べる。鋼板の裏面とは、ポンチと接する側の鋼
板面を意味しており、うねりWca、平均粗さRaに関
しては、上述の理由からそれぞれ、0.6μm以下、
0.6μm以上である必要がある。特に、うねりに関し
ては、プレス成形品での反対面である表面の塗装後鮮映
性に悪影響を及ぼすことから表面と同様に0.6μm以
下に制御する必要がある。さらに、プレス成形時の摺動
特性を改善し、成形性を向上するために、平坦面より2
μm以上深い凹部を最近接間隔10μm以上200μm
以下となるように分布させることが有効である。このよ
うな凹部の分布によるプレス成形時の摺動特性向上効果
は、その間隔が、平均値より25%以上隔たることがな
いように規則的に凹部を配列することによって、より効
果的に発揮される。なお、凹部平均間隔および凹部配列
の規則性は以下のように表される。
【数1】
【0018】以上の説明をまとめて示すと下表1のごと
くになる。
【表1】
【0019】以下に、本発明を実施例により具体的に説
明する。
【0020】(実施例1)通常の自動車用合金化溶融亜
鉛めっき鋼板(目付量60/60g/m2)に対して、表面
研磨および複数回の調質圧延によって表面粗度プロファ
イルを表裏面において種々変化させたサンプルを準備し
た。
【0021】この場合の調質圧延ロールは通常のショッ
トダルロール以外に、平均粗さで0.2μm以下のブラ
イトロールおよび平均粗さで0.5〜2μmのレーザダ
ル加工ロールを使用した。
【0022】鋼板の表面粗度はサリターフで測定すると
ともに、一部の試料については小坂製作所製SE−3F
Kで3次元粗さを測定し、本発明で規定する粗度パラメ
ータを測定した。
【0023】鋼板は、単一条件で3コート塗装を実施
し、塗装後の鮮映性を測定するとともに、成形性に関し
ても、図2に示すモデル型での成形試験によって、成形
可能範囲の測定を実施した。
【0024】これらの測定はサンプル板の表面粗度が表
裏面で異なる場合には個別に調査し、差ダルの効果を確
認した。
【0025】表1に今回調査した合金化溶融亜鉛めっき
鋼板サンプルの表面粗度パラメータ測定値を示す。また
表2には、3コート塗装〔カチオン電着塗装(関西ペイ
ント社製エレクロン9400)20μm、中塗り(TP
−26シーラー)および上塗り(アミラックTM13#
202(黒)〕を35および50μm塗布した後の鮮映
性測定結果(写像鮮明度測定器スガ試験機NSIC型で
測定)および図2に示す形状のモデル型成形試験におけ
る成形可能範囲(しわ限界BHFおよびわれ限界BHF
の差ΔBHF ton )を示す。
【0026】本発明の範囲内に表面粗度が管理されたサ
ンプル板は塗装後の鮮映性と成形性ともに優れており、
本発明の効果が示された。さらに、凹部の間隔が規則的
である場合、鮮映性、成形性が一層改善された。
【0027】
【表2】
【0028】
【0029】
【発明の効果】本発明の鋼板では、ダイスに接する表面
側およびポンチに接する裏面側それぞれについて表面粗
度を制御してあるので、塗装後鮮映性および成形性の両
者を冷延鋼板なみに改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鋼板の表面性状を説明するための模
式図である。
【図2】 実施例で用いた成形モデルを示す線図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加 藤 俊 之 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 橋 本 修 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 別 所 毅 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 近 田 滋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 深 田 新 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の表裏面の平均うねり(Wca)およ
    び平均粗さ(Ra)がそれぞれ0.6μm以下および
    0.6μm以上であり、片側の面において、10点平均
    粗さ(Rz)が3μm以下の平坦部が20%以上、80
    %以下存在し、他方の面においては平坦部からの深さが
    2μm以上の凹部が最近接間隔10μm以上200μm
    以下となるように分布することを特徴とする塗装後鮮映
    性とプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】他方の面における平坦部からの深さが2μ
    m以上の凹部の個々の分布間隔とその平均間隔との差が
    少なくとも鋼板表面の1方向において平均間隔の25%
    以下である請求項1に記載の塗装後鮮映性とプレス成形
    性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
JP24287792A 1992-09-11 1992-09-11 塗装後鮮映性とプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 Withdrawn JPH0691303A (ja)

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JP24287792A JPH0691303A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 塗装後鮮映性とプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板

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JPH0691303A true JPH0691303A (ja) 1994-04-05

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008108044A1 (ja) 2007-03-01 2008-09-12 Jfe Steel Corporation 高張力冷延鋼板およびその製造方法
JP2008214681A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Nippon Steel Corp 塗装鮮映性とプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼板およびその製造方法
JP2021123740A (ja) * 2020-02-03 2021-08-30 日本製鉄株式会社 複層めっき鋼板およびその製造方法

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Effective date: 19991130