JPH0675538B2 - 炊飯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は炊飯器による炊飯方法の改良に関するものであ
る。

［従来の技術］ 電力を利用して加熱炊飯する炊飯器は、今や全国的に普
及し各家庭の炊事場の必須器具となっている。それだけ
にその技術開発にかける各メーカの熱意は素晴らしいも
のがあり、文字通り日進月歩の様相を呈している。開発
の最大の狙いは、米をいかに美味な飯に炊き上げるかで
あり、そのために細部に亘って不断の開発努力が続けら
れている。

第２図はその炊飯器の断面図で、図中１は外ケース、２
は蓋、３は内がま、４は底ヒータ、５は蓋ヒータ、６は
胴ヒータ、７は放熱板、８は中ぶた、９は米、10は水で
ある。

第３図は炊飯における加熱曲線を示す線図で、炊飯に当
たっては、まず内がま３内に所定量の米と水とを収納
し、Ｏ点でスイッチをONすると、底ヒータ４がONとなり
内がま３を底部より加熱する。加熱に応じて内がま３内
の米及び水の温度は上昇しＰ点に達すると沸騰を始め
る。沸騰中は飯米の温度は沸点100℃を保持している
が、炊飯が進みＱ点において蒸発する水がなくなると、
飯米の温度は図にみるように急上昇する。内がまの底部
に当接して配置されたサーミスタはこの上昇する温度を
Ｒ点130℃で検知し、加熱量制御回路が作動して底ヒー
タ４の出力をほとんど零とし、むらし過程に入る。むら
し過程で温度が降下してくるとＳ点で再度底ヒータをON
とする。むらし過程で所定時間t1を経過すると、胴ヒー
タ６及び蓋ヒータ５をONとして保温過程に入り、爾後保
温過程が持続するのである。

なお炊飯器の以上の炊飯各過程における諸動作は、すべ
て炊飯器の制御装置に記憶されている制御プログラムに
より自動的に行われる。したがって使用者は内がまに所
定量の米と水とを入れ、炊飯器のスイッチを押すだけ
で、所定時間後に保温状態にある米飯を獲ることができ
るのである。

また上記内がまは炊飯中、その底部の所定位置が炊飯器
の所定接点と当接しており、その当接の有無は制御や安
全の面に利用されている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで上記炊飯器により炊飯中、保温過程にある炊飯
器の内がまを持ち上げるすなわち上記内がまと所接点と
の当接がなくなると、そのとたんに保温過程の制御は停
止するが、保温状態にあることの記憶は残る。そのため
持ち上げた内がまを炊飯器に装着し当接が復帰すると、
炊飯器のヒータその他は保温状態に戻る。

なお第３図は上記従来の炊飯器の制御プログラムを示す
フローチャートである。炊飯のスタート（ステップ１）
後、炊飯過程を経て保温過程に入った時、内がま３を持
ち上げると（ステップ２）、ただちに制御は停止する
（ステップ３）が、保温状態にあることの記憶は残る
（ステップ４）。その後内がまが装着されれば（ステッ
プ５）、制御は再開されるがそれは保温状態のままであ
る（ステップ７）。持ち上げられた内まが装着されない
限り保温状態の記憶は続く（ステップ６）。

従来の炊飯器の制御プログラムは上記のように構成され
ている。したがって保温過程にある炊飯器において、持
ち上げられた内がまが保温状態に戻される場合は問題は
ないが、例えば保温状態の内がまを炊飯器から取出し、
中の米飯を処理した後新しく米と水とを入れて炊飯器に
装着し炊飯しようとする場合などは、取消しボタンを押
して保温状態の記憶を解除し、改めて炊飯スタートのボ
タンを押すようにしないと、内がまを炊飯器に戻しただ
けでは戻した時点で炊飯器は記憶している保温過程に戻
るため、内がま内の米は生炊きとなる。こうした事例は
うっかりした使用者により時々繰り返されてきたため、
かねてよりその対策が要望されていた。

本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、
炊飯の保温過程における制御プログラムが、内がまを持
ち上げ後所定時間経過すると、制御停止となりスタート
以前の状態に戻るように構成されている炊飯器を提供し
ようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本発明に係る炊飯器において
は、保温過程判定手段を備え、保温過程の制御プログラ
ムを次のように構成した。

すなわち上記判定手段により内がまの持ち上げ時点が保
温過程内ではないと判定されたときは、内がまが炊飯器
に装着され次第制御を再開する。内がまの持ち上げ時点
が保温過程内であると判定されたときは、内がまが持ち
上げられた時点でタイマを作動し、所定時間内に内がま
が装着されれば内がまの持ち上げ以前の過程を再開する
が、所定時間内に内がまが装着されなければ、保温制御
を停止する。

［作用］ 炊飯器の炊飯の制御プログラムを上記のように構成した
ので、保温過程にあるとき内がまを持ち上げると、所定
時間経過すれば制御プログラムは消え、スタート以前の
状態に戻るので、保温状態で米飯を炊飯するようなこと
はなく、したがって米飯の生炊き現象もなくなった。

［発明の実施例］ 本発明に係る炊飯器は保温過程判定手段を備えている。
第１図は本発明の一実施例である制御ンプログラムのフ
ローチャートである。炊飯をスタート（ステップ10）
後、炊飯及びむらしの過程を経た保温過程において、内
がま装着の有無を判定し（ステップ11）、持ち上げられ
て装着されてなければ制御を停止し（ステップ12）、上
記保温過程判定手段により持ち上げが保温過程内に生じ
たものかどうかを判定する（ステップ13）。内がまの持
ち上げ時点が保温過程内でなければ、さらに内がまが炊
飯器に装着されているか否かを判定し（ステップ18）、
装着されれば制御を再開する（ステップ19）。また内が
まの持ち上げ時点が保温過程内であれば、タイマを作動
せしめる（ステップ14）が、内がまの装着を判定し（ス
テップ15）、直ぐに装着されれば制御を再開する（ステ
ップ19）。しかし内がまが持ち上げられたまま時間が経
過し、内がま未装着の時間が30秒を過ぎると（ステップ
16）、保温制御を停止する（ステップ17）。

本発明に係る制御プログラムにおいては、保温過程にお
いて内がまを持ち上げて内がま未装着のまま30秒経過す
れば保温制御は停止し、スタート以前の状態に戻る。し
たがって保温過程の内がまを炊飯器から取り出し米飯を
処理した後、新しく米と水を内がまに入れて炊飯するな
どのように時間を要する場合は、炊飯器はスタート以前
の状態に戻っているので、保温状態で炊飯して生炊きす
るなどの恐れはなくなる。

なお上記経過時間は本実施例においては30秒であるが、
この数字に限定するものではない。

［発明の効果］ 本発明は炊飯器の保温過程における制御プログラムを上
記のように構成したので、保温過程において内がまを持
ち上げ30秒経過すると、保温制御は停止されスタート以
前の状態に戻る。したがって保温状態で炊飯するなどの
現象は発生せず、したがって生炊きは完全に防止できる
こととなった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である炊飯の保温過程におけ
る制御プログラムのフローチャート、第２図は炊飯器の
一部断面図、第３図は従来の制御プログラムのフローチ
ャートである。 なお図中の同一符号は同一または相当部品を示すものと
する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 宏 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地１ 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 須藤 桂司 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地１ 三菱電機ホーム機器株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内がま内に米と水を収納し、内がまの底部
   や蓋内に配設したヒータにより内がま内の米や水を加熱
   し炊飯、蒸らし及び保温の各過程を経て炊飯を行うとと
   もに、上記内がまが炊飯器内の所定接点への当接の有無
   を判定する判定手段と、タイマとを備えた炊飯器におい
   て、 保温過程判定手段を備えるとともに、 保温過程における制御プログラムが、 上記保温過程判定手段により、内がまが炊飯器の所定接
   点より離れた時点が、保温過程内であるか否かを判定
   し、 上記時点が保温過程内でなければ、内がまの炊飯器の上
   記接点への当接の有無を判定して当接していれば制御を
   再開し、 上記時点が保温過程内であれば、上記タイマを作動する
   とともに内がま当接の有無を判定し、当接していれば制
   御を再開し、 タイマの作動後内がまの上記接点への当接がなく、かつ
   所定時間を経過すれば、保温制御を停止する ように構成されている ことを特徴とする炊飯器。