JPH0675498B2

JPH0675498B2 - 植物裁断移植装置

Info

Publication number: JPH0675498B2
Application number: JP2194196A
Authority: JP
Inventors: 顕鈴木; 浩佳金野; ロバート、ディー、ハートマン
Original assignee: Kirin Brewery Co Ltd
Current assignee: Kirin Brewery Co Ltd
Priority date: 1990-07-23
Filing date: 1990-07-23
Publication date: 1994-09-28
Anticipated expiration: 2009-09-28
Also published as: EP0468381A1; US5225345A; JPH0479877A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、植物の組織の培養を行なうに際し、植物を一
定の大きさに裁断して自動的に容器内に移植するための
植物裁断移植装置に関する。

（従来の技術）植物の胚、芽、根、葉、茎、花弁等の組織を裁断し、裁
断された組織を培地に移植して生育させ、固体数の増大
を図ってその植物を大量培養することが種々行なわれて
いる。

当初は上記植物の裁断を手作業により行ない、裁断され
た植物細片を人手により培養容器の培地上へ移植させて
いたが、多量の植物の裁断から移植まで人手に依存する
には限界があり、大量培養の要求に対処しきれないばか
りでなく、微生物汚染の危険性が高く、またその作業に
は高度な熟練技術が必要とされるなどの幾多の問題があ
った。

こようなことから、植物の裁断および移植を機械的手段
により行なうことができるものとして、植物を舛目状の
カッタにより押切りし、舛目の箇所の組合せを選択して
その選択された舛目の圧縮空気を送り、各舛目状の刃に
付着していた植物細片を同数ずつ一定の間隔をおくよう
に容器内の培地上に吹きつけて移植するようにしたもの
（USP4910146号）がある。

（発明が解決しようとする課題）しかるに上記の裁断移植装置では、舛目状のカッタの刃
に付着した植物細片を空気圧で吹出して培地上に置床さ
せるため、培地上に均等間隔をおいて移植することが難
かしく、容器の隅に偏在したりして後の生育に支障をき
たすという問題点がある。

本発明はこれに鑑み、舛目状に切断された植物細片のう
ち所要個数ずつ整然とした配列をもって安定よく移植す
ることができる植物裁断移植装置を提供することを目的
としてなされたものである。

（課題を解決するための手段）上記従来技術が有する問題点を解決するため、本発明
は、培地上で増殖・生長した植物が入っている蓋付き植
物入り容器の供給系と、培地を内有する蓋付き空容器の
供給系と、これら供給系を通じて供給される各容器の蓋
を開閉する蓋開閉ヘッドと、植物入り容器内の植物を所
定個数に裁断する舛目状のカッタ、およびこのカッタに
より裁断された植物細片をカッタの舛目部分から空容器
内の培地上へ移植させる移植手段を備えた移植ヘッドと
を有し、この移植手段は、前記カッタの舛目部分に対応
して設けられ舛目内に進入自在な複数本の押出しロッド
と、これら押出しロッドの所定本数を１組として各組を
各別に一括昇降させる複数の昇降装置と、前記移植ヘッ
ドを昇降させる昇降装置を具備することを特徴とするも
のである。

（作用）培地上に植物が増殖生長し、施蓋されている容器と、内
部に培地を有し施蓋されている空の容器とをそれぞれの
供給系を通じて供給し、開蓋手段で双方の容器の蓋を開
け、ついでカッタにより容器内の培地上の植物を舛目状
に切断したのちカッタを引上げ、カッタの舛目状に付着
している植物細片が押出しロッドにより空の容器の培地
上に押出されて移植される。このとき押出しロッドを選
択作動させることにより所定数の植物細片を一定の間隔
をおいて容器内に移植することができる。

（実施例）以下、本発明を図面に示す実施例を参照して説明する。

第１図および第２図において、基台１上に、内部に培地
上で増殖生長した植物が入っている容器2A（以下これを
植物入り容器という）と、培地のみが入っている移植用
の容器2B（以下これを空容器という）とをそれぞれ貯留
する部分3,4と、この貯留部分3,4から裁断移植部５へそ
れぞれの容器2A,2Bを一列状態で一定の間隔をおいて間
欠的に移送する直状２列の搬送路6,7とを有する各容器
の供給系を備えている。

図示の実施例では、前記供給系の貯留部分3,4はプレー
トコンベア8,8により構成されており、搬送路6,7はこの
貯留部分3,4のプレートコンベア8,8の末端に直交して配
設され、容器2A,2Bを滑らせて送るもので、各搬送路6,7
には容器2A,2Bを一定間隔を保持して等ピッチずつ送る
ための移送手段9,9が設けられている。

この移送手段9,9は、第４図にその一つを略示し、第１
図には一部のみを示すように、容器2A,2Bの胴部分が丁
度嵌合するコ字状の凹部10,10…が所定のピッチをもっ
て列設されたキャリヤ11と、このキャリヤ11の背部をこ
れを平行移動させるシリンダ12,12により進退自在に支
持する移動枠13と、この移動13の一端に連結され移動枠
13を前記凹部10,10…の１ピッチ分進退させる作動用シ
リンダ14とで構成されている。したがってキャリヤ11が
移動枠13に対し前進したときその凹部10,10…内に搬送
路6,7上に容器2A,2Bが嵌入し、移動枠13の移動により各
容器2A,2Bを１ピッチ分移動させるようにキャリヤ11が
矩形運動するようになされている。しかしこの移送手段
は、容器を１ピッチずつ間欠的に送れるものであれば、
他の手段であってもよい。

前記裁断移植部５の位置に設けられるロボット15のアー
ム16には、カッタ17および移植手段18を有する移植ヘッ
ド19と、容器2A,2Bの蓋2C,2Dを開閉する蓋開閉ヘッド20
とが容器2A,2Bの搬送ピッチに相当する間隔をおいて設
けられている。

移植ヘッド19のカッタ17および移植手段18は、説明を簡
略にするため、植物入り容器2A内の植物を６×６の36個
に裁断し、その裁断されて得た36個の植物細片のうち９
個ずつを１組として一つの空容器2B内の培地21（第14図
示）上に移植させる場合について示している。

カッタ17は、容器2A,2Bに可及的密に嵌入し得る外形状
を有し、第７図および第８図に示すように６列６行の計
36個の舛目17a,17a…を有するもので、下端が刃17bとさ
れており、第９図に示すようにA,B,C,Dの４個の同一配
列パターンにしたがって第10図示の配列のように植物細
片を移植するようになされている。

前記カッタ17により裁断されて各舛目17a,17a…内に付
着保持されている植物細片を押出して空容器2B内の培地
21上に移植するための押出しロッド22は、カッタ17の舛
目17a,17a…と同数の36本を有し、その下端は一つの舛
目17a内に可及的密に挿入され得るスタンプ22′がそれ
ぞれ設けられている。

第11図に構成の原理を示し、第12図に一部を斜視図で示
すように、前記Ａ組用の９本の押出しロッド22A,22A…
は、その上端が支持板23の下面に前記Ａ組の舛目位置に
対応して配列固定され、Ｂ組用の９本の押出しロッド22
B,22B…は、前記Ａ組の支持板23を貫通しその上部に位
置する支持板24の下面に同様に配列固定され、Ｃ組用の
９本の押出しロッド22C,22C…は、A,B組の支持板23,24
を貫通しその上部に位置する支持板25の下面に配列固定
され、さらにＤ組用の９本の押出しロッド22D,22D…
は、前記A,B,C組の支持板23,24,25を貫通しその上部に
位置する支持板26の下面に配列固定されている。

上記各支持板23,24,25,26には、それぞれを各別に昇降
させる昇降装置として、ケーシング27に固定のベース28
上に配置されたシリンダ29,30,31,32のロッドが連結さ
れている。すなわちＡ組のシリンダ29のロッド29aは、
ベース28およびD,C,B組の各支持板26,25,24を貫通して
Ａ組の支持板23に連結され、Ｂ組のシリンダ30のロッド
30aは、ベース28およびD,C組の各支持板26,25を貫通し
てＢ組の支持板24に連結され、Ｃ組のシリンダ31のロッ
ド31aはベース28およびＣ組の支持板25に連結され、そ
してＤ組のシリンダ32のロッド32aはベース28を貫通し
てＤ組の支持板26に連結されている。

下面にカッタ17を保持するベース33はケーシング27の下
端に固設され、前記各支持板23,24,25,26はケーシング2
7内で上下動自在とされており、前記シリンダ29,30,31,
32はケーシング27の上方に固定されたベース28上に固定
されている。さらにこのケーシング27は、ロボット15の
アーム16に支持されたメインシリンダ34のロッド34aに
結合され、ケーシング27全体が昇降されるようになって
いる。

上記の配列については、第９図示のように方形配置のA,
B,C,Dの舛目を１ブロックとし、このブロックをＸ軸,Y
軸方向に整数倍する配列とすれば同一配列パターンの組
数を増減することができる。すなわち第10図に示した６
×６＝36個を基本とし、このほか４×４、８×８のよう
に、16個、64個…とすることができる。

蓋開閉ヘッド20は、前記移植ヘッド19に対し搬送路6,7
上における容器2A,2Bの１ピッチの送り間隔と等しい間
隔をおいて設けられ、その下面には吸着盤35があってこ
の吸着盤35が容器2A,2Bの蓋2C,2Dの上面に圧接したとき
吸着し、蓋2C,2Dを上方へ抜き外すようになっている。

前記裁断移植部５より後流側で搬送路6,7の間には、カ
ッタ17を浸漬してこれに残存する植物細片を洗い落すと
ともにカッタ17を殺菌するための洗浄槽37が設けられ、
ケーシング27の下端を浸漬するように形成されている。
この洗浄槽37内には、洗浄液としてイソプロピルアルコ
ール液が充填されるが、他の殺菌液や熱水であってもよ
い。

前記ケーシング27の上方側部には、ケーシング27内の各
部材、主としてカッタ17の舛目内を乾燥させるためのエ
ア供給ノズル38が設けられており、移植作動後このノズ
ル38からエアを下方へ吹込んで乾燥させるようになって
いる。なおこのエアの通りをよくするため、第13図示の
ように前記各スタンプ22′の一隅部に切欠22′ａが形成
されている。

前記裁断移植部５において容器2A,2Bの蓋2C,2Dを外しや
すくするため、第５図示のように搬送路6,7の一側部に
第６図示のような逆Ｌ字状の蓋浮上部片39が固設され、
この部片39の水平な部分39aが進行してくる容器2A,2Bの
口部縁と蓋2C,2Dの下縁との間に進入して蓋2C,2Dを若干
浮上がらせるようになされており、開蓋が確実に行なわ
れるようにしている。

次に上記実施例の作用を説明する。

内部に植物を有する植物入り容器2Aをその貯留部分３の
プレートコンベア８上に並べておき、培地21のみが入っ
ている空容器2Bをその貯留部分４のプレートコンベア８
上に並べておく。

こうしてプレートコンベア8,8の末端から搬送路6,7上へ
各容器2A,2Bを供給し、搬送路6,7上の容器2A,2Bは移送
手段9,9により１個ずつ一定のピッチをもって間欠的に
送られる。

裁断移植部５の位置において、ロボット15の蓋開閉ヘッ
ド20により容器2Aの蓋2Cが取られ、先行の容器に蓋を被
せる。ついでその容器2Aが移植ヘッド19の下に位置した
とき移植ヘッドがメインシリンダ34の作動により下降
し、カッタ17が容器2A内に進入して内部の植物を舛目状
に裁断する。

その後移植ヘッド19が上昇し、蓋2Cを再び被せる。つい
で空容器2Bの上に移動して蓋2Cを取り、移植ヘッド19が
下降してその内部へ進入する。こゝでＡ組用のシリンダ
29が作動してその支持板23を下降させ、その支持板23に
支持されている９本の押出しロッド22A,22A…を下降さ
せ、このロッドと対応するカッタ17の舛目17a,17a…内
に付着している植物細片を舛目17a,17a…から下方へ押
出し、空容器2B内の培地21上に移植する（第12図（Ａ）
→（Ｂ））。

Ａ組の植物細片の移植が終ると、移植ヘッド19は上昇
し、移送手段９により空容器2Bの列が１ピッチ分送ら
れ、移植ヘッド19の下に次の空容器2Bが位置される。こ
ゝで再び移植ヘッド19が下降し、Ｂ組用のシリンダ30が
作動してその支持板24を下降させ、この支持板24に支持
されている９本の押出しロッド22B,22B…が下降し、こ
れと対応するカッタ17の舛目17a,17a内の植物細片を押
出す（第12図（Ｃ）→（Ｄ））。

こうして順次Ｃ組、Ｄ組の植物細片をそれぞれ空容器2
B,2B内に移植させる。

Ａ〜Ｄ組の移植が終了すると、ロボット15の作動により
移植ヘッド19が洗浄槽37内に浸漬され、残存植物を洗い
落とすとともに殺菌処理がなされ、引上げ後エア供給ノ
ズル38からエアを吹込んで内部を乾燥させる。

その間に次に植物入り容器2Aが移送手段９により１ピッ
チ送られて裁断移植部５の所定の位置へ送られ、蓋2Cが
取られて前記と同様な作用により空容器2B内への移植が
行なわれる。

なお図示の実施例では、各貯留部分3,4から各容器2A,2B
を送出する手段にプレートコンベア8,8を用いたものに
ついて示したが、これはプッシャ等を用いて１個または
１列ずつ送出させるようにしてもよい。またロボット15
は、２〜３軸直交型のものを用いるのが望ましいが、エ
アーシリンダやラック、ピニオンの組合せ、さらにはリ
ンク機構等に置換することもできる。そして蓋開閉ヘッ
ド20の蓋2C,2Dの保持については、吸着盤35によるほ
か、グリッパ、スライド式把持具等を用いてもよく、さ
らに裁断の大きさによりカッタ17の舛目17a内に植物細
片を付着させるのみでは保持が難かしい場合には、各舛
目に負圧を作用させるようにすることができる。この場
合、各組ごとに吸引制御することが望ましい。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、植物を多数に裁断
したのちこれを容器の培地上に移植する際に各組別に押
出しロッドの押動により移植するようにしたので、細断
された植物であっても容器の培地上で偏在したり周辺に
散ることなく整然とした配列をもって移植することがで
き、これにより植物細片からの増殖を良好に行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による植物裁断移植装置の一実施例を示
す斜視図、第２図は同配置関係を示す平面図、第３図は
同左側面図、第４図は第１図の移送手段の一部切欠平面
図、第５図は裁断移植部の搬送路の一部を断面とした正
面図、第６図は第５図における蓋浮上部片の斜視図、第
７図は同移植ヘッドの構成部材の分解斜視図、第８図は
同カッタの平面図、第９図は植物裁断の基本パターンの
説明図、第10図は１組を９個とした裁断パターンの説明
図、第11図は移植ヘッドの移植手段の基本原理を示す断
面図、第12図（Ａ）〜（Ｄ）は同一部の分解斜視図、第
13図は第11図の下面図、第14図は空容器の半部を断面と
した正面図である。１…基台、2A…植物入り容器、2B…空容器、3,4…容器
の貯留部、５…裁断移植部、6,7…搬送路、９…移送手
段、11…キャリヤ、13…移動枠、15…ロボット、17…カ
ッタ、18…移植手段、19…移植ヘッド、20…蓋開閉ヘッ
ド、22…押出しロッド、23〜26…支持板、29〜32…シリ
ンダ、34…メインシリンダ、35…吸着盤、37…洗浄槽。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ロバート、ディー、ハートマンアメリカ合衆国フロリダ州、セブリング、トウィッティ、ロード、11850 トワイフォード、インターナショナル、インコーポレーテッド内 (56)参考文献特開平１−137965（ＪＰ，Ａ) 特開平２−190124（ＪＰ，Ａ) 特開平２−190179（ＪＰ，Ａ) 米国特許4910146（ＵＳ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】培地上で増殖・生長した植物が入っている
蓋付き植物入り容器の供給系と、培地を内有する蓋付き
空容器の供給系と、これら供給系を通じて供給される各
容器の蓋を開閉する蓋開閉ヘッドと、植物入り容器内の
植物を所定個数に裁断する舛目状のカッタ、およびこの
カッタにより裁断された植物細片をカッタの舛目部分か
ら空容器内の培地上へ移植させる移植手段を備えた移植
ヘッドとを有し、この移植手段は、前記カッタの舛目部
分に対応して設けられ舛目内に進入自在な複数本の押出
しロッドと、これら押出しロッドの所定本数を１組とし
て各組を各別に一括昇降させる複数の昇降装置と、前記
移植ヘッドを昇降させる昇降装置とを具備してなり、前
記移植ヘッドのカッタで植物入り容器内の植物を裁断し
たのち該移植ヘッドを空容器側へ移行させ、前記移植手
段を作動して一つの空容器の培地上に１組の植物細片を
移植させるようにしたことを特徴とする植物裁断移植装
置。
【請求項２】前記カッタは、方形配置の４個の舛目を、
縦列、横列に整数倍の配列とされている請求項１記載の
植物裁断移植装置。