JPH0675435U

JPH0675435U - 蓄熱マット

Info

Publication number: JPH0675435U
Application number: JP017743U
Authority: JP
Inventors: 満末松
Original assignee: 東亜技研株式会社
Priority date: 1993-04-09
Filing date: 1993-04-09
Publication date: 1994-10-25
Also published as: US5329096A; KR940025391A

Abstract

(57)【要約】【目的】複数に分割されたベッド用マットの各部所
に、就寝に際して適した加熱性と保温性とクッション性
を持たせること。【構成】複数の偏平な袋体９に、ベッドの頭部より足
部の方が順次に量を多くした潜熱蓄熱剤１０を封入する
とともに、その袋体９の下面に、電気ヒータユニット１
２を重合して、複数の発熱体６、７、８を形成し、かつ
前記袋体９の上面に、当該袋体９に収納した蓄熱材１０
の量に対応して厚さが反比例する上層クッション３を設
けて、それらを袋状カバー１内に封入することにより、
加熱性、保温性、クッション性を、就寝に最適となした
ベッド用のマットを提供できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

【０００２】本考案は、物質が、液体より固体に変態する際、温度を一定に保ちながら放熱するという特性を利用し、たとえばトラックの仮眠用ベッドにおいて、トラックの走行中には、その発電力を利用して蓄熱し、かつ停車して仮眠中には放熱させて、ベッド内を快適な温度に保ちうるようにしたベッド用の蓄熱マットに関するものである。

【０００３】

【従来の技術】

変態温度において、放熱する潜熱蓄熱剤を利用し、自動車等の走行中の発電力で蓄熱して、就寝時に身体を加熱するとともに、この加熱に際して、上半身より足側の温度を高温に保つようにした蓄熱マットについては、実開平2ー42266号公報に記載されている。

【０００４】この蓄熱マットは、断熱性クッション材内に、蓄熱剤を封入した袋体と、これに重合した電気ヒータユニットを挟み込んで、袋状カバーに封入し、マットの不使用時には、電気ヒータに通電して、熱を蓄熱剤に潜熱として蓄熱しておき、通電を断っても、蓄熱剤の放熱により、一定時間、マット内を所定温度に保つようにしたものであり、これは、トラック等の運転者が、寒冷時エンジンを停止して仮眠をとる際、バッテリーを熱源とする必要がないので、バッテリーが過放電となる恐れがなく、便利である。

【０００５】上記蓄熱マットは、変態温度の異なる蓄熱剤を封入した複数の袋体に、それぞれ電気ヒータユニットを重合して、複数の発熱温度の異なる発熱体を形成し、これらの発熱体を挟み込んだクッションを、カバーに封入して形成されている。この際、ベッド用のマットは、足部に近いほど高温となるようにして、寝心地の良いものとされる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

図３に示す如く、人体(Ａ)を、４分割したベッド用マット(Ｂ)に寝かせると、マット(Ｂ)は、頭(A1)と肩(A2)が載る頭肩部(B1)と、胸(A3)と腹(A4)が載る胸腹部(B2)と、腰(A5)と大腿(A6)が載る腰大腿部(B3)と、脚(A7)が載る脚部(B4)とに分けられる。そして、就寝時には、肩(A2)より下肢の方に向けて、上掛け(Ｃ)が掛けられる。

【０００７】以上のように分割された人体(Ａ)の各部の熱特性は、次の如くである。頭(A1)は、保温性より放熱性が要求され、かつ下面に枕(Ｄ)が使用される。肩(A2)は、比較的発熱量が少ない部分であるが、外部から加熱するほど寒さに弱くない。しかも上面は、上掛け(Ｃ)で保温されている。しかし、肩(A2)の下面（背中）は、高い断熱性とクッション性が要求される。

【０００８】胸(A3)と腹(A4)は、発熱量が最も多い部分であり、断熱性の高い上掛け(Ｃ)を掛けると十分に暖かくなり、加熱の熱源は、極く少なくてすむか、場合によっては、不要となるくらいである。その代わり、この部分には、良好な寝心地を得るために、高いクッション性が要求される。

【０００９】腰(A5)と大腿(A6)は、前記胸(A3)と腹(A4)に比べて発熱量が少なく、暖まり難い部分であり、加熱の熱源も比較的多く必要である。しかも、下面の部分は、触覚等が鈍いため、背中の部分に比して高いクッション性は要求されない。

【００１０】脚(A7)は、発熱量が最も少なく、放熱性の高い部分であって、冷えやすい。そのため、最も加熱量を多くしなければ、暖まらない。しかも、就寝中に最も動きの激しい部分であり、上掛け(Ｃ)が掛けてあっても、保温性が低下する。しかし、脚部(B4)の上面のクッション性は、寝心地にあまり影響しない。

【００１１】本考案は、上述の要求に応えるべくなされたもので、複数に分割されたベッド用マットの各部を、その部分に適した加熱性と保温性とクッション性を持たせることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案は、複数の偏平な袋体に、ベッドの頭部より足部の方が順次に量を多くした潜熱蓄熱剤を封入するとともに、その袋体の下面に、電気ヒータユニットを重合して、複数の発熱体を形成し、かつ前記袋体の上面に、当該袋体に収納した蓄熱剤の量に対応して厚さが反比例する断熱性クッションを設けて、袋状カバー内に封入することにより、上述の課題の解決を図ったものである。

【００１３】

【作用】

本考案のマットの中には、異なる量の蓄熱剤を有する発熱体が複数設けられ、かつ、その各発熱体の蓄熱剤の量に対応して、その上を覆うクッション材の厚さを加減してあるので、加熱性、保温性、クッション性が、就寝に最適のベッド用のマットを提供される。

【００１４】

【実施例】

図１、図２は、本考案をトラックの仮眠用ベッドのマットに適用した一実施例を示すもので、布製の袋状カバー(１)は、３本の仕切線(２)により、４つの仕切袋(1a)(1b)(1c)(1d)に仕切られ、各仕切袋(1a)(1b)(1c)(1d)内には、柔らかくて弾性があり、かつ保温性の高いポリウレタンフォームでなる上層クッション(３) と、若干硬くて保温性の高いポリウレタンチップでなる下層クッション(４) が封入されている。

【００１５】上記マットは、左側を頭部、右側を足部として使用され、１番左側の仕切袋(1 a)には、若干硬い芯材(５)が、厚めの上層クッション(３)と下層クッション(４) の間に挟み込まれている。左側から２番目以降右側の各仕切袋(1b)(1c)(1d)の中には、順に第１の発熱体 (６)、第２の発熱体(７)、第３の発熱体(８)が、上層クッション(３)と下層クッション(４)の間に挟み込まれている。

【００１６】各発熱体(６)(７)(８)は、合成樹脂性の丈夫なフィルム製の偏平な袋体(９)内に、潜熱の大きい、酢酸ナトリウム系の蓄熱剤(10)と、ポリエステルフェルトのような含浸母材(11)を封入し、電熱線をシリコンゴムのような耐熱性絶縁材で被覆した、蛇行状に屈曲する紐状のコードヒータ(12)を、粘着剤を塗布したアルミニューム箔(13)で覆って、袋体(９)の下面に接着することにより形成されている。

【００１７】各発熱体(６)(７)(８)の蓄熱剤(10)の変態温度は、約50℃前後が適当であり、各発熱体(６)(７)(８)は、同一変態温度の材料が使用されている。しかし、各発熱体(６)(７)(８)の蓄熱剤(10)の量は、第１発熱体(６)より第２発熱体(７)の方を、５割〜１０割程度多く、また第２発熱体(７)より第３発熱体 (８)の方を、５割〜１０割程度多くしてある。

【００１８】この各発熱体(６)(７)(８)の量に応じて、各仕切袋(1a)…における上層クッション(３)の厚さを、反比例の関係で量の多いのもほど、薄くしてある。すなわち、各発熱体(６)〜(８)は、体積や重量が多くて、蓄熱量の多いものほど、その量と反比例して上方の保温性を低めて、熱を早く身体側に放出できるように、上層クッション(３)が薄くなっている。

【００１９】各発熱体(６)(７)(８)のコードヒータ(12)の要所には、温度スイッチ(14)が設けられ、各コードヒータ(12)の両端は、電源コード(15)とコネクター(16)とプラグ(17)により、シガーライターのような電源に接続しうるようになっている。

【００２０】上述のマットにおいて、各コードヒータ(12)に通電すると、発生した熱は、各蓄熱剤(10)が液化しつつ潜熱として蓄熱し、温度スイッチ(14)を開いたり、プラグ(17)を電源より引き抜いて通電を断っても、蓄熱剤(10)が固化する間、蓄熱した潜熱を放出して、マットの各部を加熱する。

【００２１】通常は、自動車の走行時に、各コードヒータ(12)に通電して、各蓄熱剤(10)が十分に液化するまで加熱する。各蓄熱剤(10)は、全体に蓄熱が終了（液化）すると、急速に温度上昇が始る。この温度上昇により、温度スイッチ(14)は開かれ、通電は停止し、発熱体(６)( ７)(８)の蓄熱動作は完了する。この場合、蓄熱剤の量の多いものは、蓄熱に時間を要する。

【００２２】使用に際しては、自動車を停車して、仮眠ベッドに設けたマットの上に、芯材 (５)のみを設けた左側の仕切袋(1a)を頭側とし、各発熱体(６)(７)(８)を、蓄熱剤(10)の量の少ない順に並べた、右方向を脚側にして就寝する。この際、肩から下方には、毛布や掛け蒲団等の適当な上掛けを掛ける。

【００２３】身体自体の発熱量の多い部分は、その上部を、上掛け等で保温することにより、容易に暖まるため、胸や腹の部分に対応する第１発熱体(６)の蓄熱剤(10)は、量が少なくてもよい。また、身体の発熱量の多い部分は、加熱のための熱の供給速度が遅くても、十分な暖房効果を得られるので、放熱側の断熱材である上層クッション(３)は厚い方が好ましい。

【００２４】さらに、発熱の多い胸や腹等の部分の下面は、背中であり、この背中の部分は、厚手の上層クッション(３)の方が寝心地がよい。第２発熱体(７)の部分も同様であるが、背中の部分よりも、上層クッション( ３)を薄くして、若干加熱速度を速め、かつ蓄熱剤(10)の蓄熱量を多くして、加熱効果を高めてある。

【００２５】第３発熱体(８)の部分には脚が載っている。この部分は、上層クッション(３) が最も薄く、蓄熱剤(10)の熱は、その上に載置された脚に、速やかに伝達する。また、脚は身体としての発熱量が少ないが、発熱体(８)の蓄熱剤(10)には、最も多くの熱量が蓄熱されている。これにより身体全体が、熱量的に平均して保温され、快適な就寝を行える。

【００２６】なお、蓄熱剤(10)として、酢酸ナトリウム系に代わり、ポリエチレングリコール等も、効果的に使用することができる。本考案は、仕切袋の数を４個と限るものではない。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は、以下のような効果を奏することができる。 (a) 異なる量の蓄熱剤を有する発熱体が複数設けられ、かつ、その各発熱体の蓄熱剤の量に応じて、身体に接する側の上層クッションの厚さを加減するので、加熱性、保温性、クッション性が就寝に最適のベッド用のマットを提供できる。 (b) 蓄熱剤の量と、上層クッションの厚さが、逆比例関係となるので、各仕切袋の厚さが一定に保たれる。 (c) 複数の変態温度の異なる蓄熱剤を使用しないので、製造が容易となり安価な蓄熱マットを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す平面図である、

【図２】図１の要部縦断拡大側面図である。

【図３】ベッド用マットの使用状況を説明する仮眠マッ
トの模式図である。

【符号の説明】

(１)カバー (1a)(1b)(1c)(1d)仕
切袋 (２)仕切線 (３)上層クッション (４)下層クッション (５)芯材 (６)第１発熱体 (７)第２発熱体 (８)第３発熱体 (９)袋体 (10)蓄熱剤 (11)含浸母材 (12)コードヒータ (13)アルミニューム
箔 (14)温度スイッチ (15)電源コード (16)コネクター (17)プラグ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数の偏平な袋体に、ベッドの頭部より
足部の方が順次に量を多くした潜熱蓄熱剤を封入すると
ともに、その袋体の下面に、電気ヒータユニットを重合
して、複数の発熱体を形成し、かつ前記袋体の上面に、
当該袋体に収納した蓄熱剤の量に対応して厚さが反比例
する断熱性クッションを設けて、袋状カバー内に封入し
てなる蓄熱マット。