JPH0674728A - 送電線の素線切れ検出方法及びその装置 - Google Patents

送電線の素線切れ検出方法及びその装置

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JPH0674728A
JPH0674728A JP11953393A JP11953393A JPH0674728A JP H0674728 A JPH0674728 A JP H0674728A JP 11953393 A JP11953393 A JP 11953393A JP 11953393 A JP11953393 A JP 11953393A JP H0674728 A JPH0674728 A JP H0674728A
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JP
Japan
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transmission line
power transmission
image
slit
light
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JP11953393A
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Inventor
Masahisa Kaneda
正久 金田
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】2本のスリット光線L1、L2を使って送電線
の素線切れを自動的かつ迅速に検出する。 【構成】平行な2本のスリット光を作り、この2本のス
リット光L1、L2を送電線7に斜めから照射し、送電
線7上に2個の楕円弧状のスリット像32、32を形成
する。その反射光をテレビカメラで撮影して画像検出す
る。検出画像信号を信号処理系に導き、この画像信号か
らスリット像の形状を抽出して細線化する。この細線化
して得たスリット像間の縦方向の間隔と標準値とを比較
し、両者に所定値以上の差があるときには、素線切れが
存在すると判断し、この結果を記録する。この検査を送
電線の全周について行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光線を送電線に照射す
ることにより送電線に形成される照射像から送電線の素
線切れを検出する送電線の素線切れ検出方法及びその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高圧電流等を送電する架空電線
にあっては、これの切断等によって引き起こされる短絡
或は地絡事故は社会的機能を大きく麻痺させてしまうこ
とから、常時健全な状態を維持するように保守点検がな
されている。通常、送電線は、多数の細い素線を撚って
構成されており、この保守点検においては、例えば切断
事故に直接つながる素線の断線の有無をチェックするこ
とが主に行われている。このような素線の断線を検査す
る装置としては、例えば、送電線と接触する接触子を送
電線の周囲に接触させつつ回転させ、この接触子の上下
変動を電気的に検出して、この検出結果をリサージュ図
形に現して目視により観察するようにしたものがある(
特公昭43−16427号公報) 。また、架空送電線上
を走行する装置に、この送電線を撮像する8ミリカメラ
やビデオカメラを1台或は複数台搭載し、更に反射鏡等
を利用して送電線の全周の状態を撮影し、これを目視に
より観察して切断の有無をチェックするものがある( 例
えば、特開平1−103110号公報、実開昭54−1
18695号公報、実開昭61−192614号公報、
実開平1−79310号公報) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術にあっては、検出結果を示すリサージュ図形
やカメラで撮影された映像を常時、人間が目視により観
察し、素線切れの判断をしなければならなかった。その
ため、素線切れの検査に多大な労力を必要とするばかり
か、多くの時間を必要とし、その費用も増大していた。
また、目視による検査のため、最悪の場合には素線切れ
を見落とす場合すらあった。
【0004】本発明の目的は、素線切れの検査が容易で
短時間に安価に行うことができる送電線の素線切れ検出
方法を提供することにある。
【0005】また、本発明の目的は、送電線に厚みのな
い2本のスリット光を照射した時に生じるスリット像間
の間隔を判定することによって、自動的且つ迅速に送電
線の素線切れを検出することができる送電線の素線切れ
検出装置を提供することにある。
【0006】また、本発明の目的は、送電線に厚みのあ
る1本のスリット光を照射した時に生じる局部照明像の
幅を判定することによって、1本のスリット光によって
も自動的且つ迅速に送電線の素線切れを検出することが
できる送電線の素線切れ検出装置を提供することにあ
る。
【0007】また、本発明の目的は、遮光による部分照
明光を照射した時に生じる暗部と明部との境界形状を判
定することによって、スリット光を使用しなくても自動
的且つ迅速に送電線の素線切れを検出することができる
送電線の素線切れ検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の送電線の素線切
れ検出方法は、一方向から送電線に光を照射して、送電
線上の照射側表面に送電線の外形形状を現わす弧状の輝
線情報をもつ輝線像、ないし弧状の境界情報をもつ明部
と暗部とからなる照射像を作り、この弧状の輝線情報な
いし境界情報をもつ送電線上の照射像を撮影し、撮影し
た照射像から弧状情報を抽出して、その情報から素線切
れを検出するようにしたものである。
【0009】本発明の送電線の素線切れ検出装置は、送
電線に沿って走行自在に設けられた本体と、この本体を
前記送電線に沿って走行させつつ送電線の回りに回転さ
せる動力系と、本体内に設けられ、厚みの殆どないほぼ
平行な2本の帯状のスリット光を前記送電線に交差する
ように照射して、送電線上にその長さ方向にずれた2個
の弧状のスリット像を形成するダブルスリット光源系
と、この光源系により前記送電線上に形成される前記弧
状スリット像の反射光を撮影して画像信号に変換する撮
像系と、この撮像系の画像信号から前記スリット像を抽
出し、抽出したスリット像間の間隔と予め定められた標
準値とを比較して比較結果を記録する信号処理系とを備
えたものである。
【0010】この場合において、ダブルスリット光源系
に代えて、表裏面がほぼ平行な1本の厚みのある帯状の
スリット光を送電線に交差するように照射して、送電線
上に弧状の幅のあるスリット像を形成するシングルスリ
ット光源系としたり、光の一部を遮光して遮光後の光路
と遮光路との境界にフラットな境界面をもつ光を、その
境界面の光が送電線に交差するように照射して、送電線
上の長さ方向に形成される明部と暗部との境界像を弧状
とする遮光光源系としたりすることができる。そして、
光源系をシングルスリット光源系とする場合には信号処
理系を、抽出したスリット像の境界から求めたスリット
像の幅と予め定められた標準値とを比較して比較結果を
記録するようにし、また光源系を遮光光源系とする場合
には信号処理系を、抽出した境界像と予め定められた標
準値とを比較して比較結果を記録するように構成する。
【0011】ここで、スリット像とは送電線にスリット
光を照射したとき送電線上に描かれるスリット光照射に
よる輝線形状もしくは、明部の形状である。なお、上述
した光源系は、レーザ光線のスポット光を走査すること
によりスリット状の光線を形成するようにしてもよい。
また、ダブルスリット光源系から照射される厚みの殆ど
ないほぼ平行な帯状のスリット光は3本以上であっても
よい。
【0012】
【作用】光源系から送電線に向けてほぼ平行な厚みのな
い2本のスリット光線が照射されると、送電線上にその
長さ方向にずれた2本の弧状のスリット像が形成され
る。送電線からのスリット像を含む反射光は撮像系によ
り撮影されて画像信号に変換され、信号処理系に伝送さ
れる。信号処理系により、この画像信号からスリット光
により送電線上に形成される弧状スリット像情報が抽出
され、抽出された複数の弧状スリット像間の間隔と予め
定められた標準値とが比較される。両者に所定値以上の
差があるときには、素線切れが存在すると判断され、こ
の結果は信号処理系内に記録される。動力系により、本
体は送電線の回りに回転しつつ送電線に沿って走行し
て、上記処理が送電線の全周及び全長にわたって行われ
る。
【0013】また、2本のスリット光線の間を丁度埋め
た恰好となる、厚みのある帯状のスリット光を使用して
も、弧状の幅のあるスリット像の幅を標準値と比較する
ことにより、2本のスリット光線の場合と同様な素線切
れの検出ができる。
【0014】また、遮光により遮光後の光路と遮光路と
の境界にフラットな境界面をもつ光を照射しても、送電
線上に形成される明部と暗部との弧状境界線を標準値と
比較することにより、厚みのない2本のスリット光線の
場合や、厚みのある1本のスリット光線の場合と同様な
素線切れの検出が可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0016】[実施例1]図2は本発明に係る素線切れ
検出装置の第1実施例の正断面図である。図示するよう
に、送電線7は多数の細い素線7aを撚り合わせて形成
されており、この送電線7は図示しない例えば多数の鉄
塔に沿って吊り下げられて設けられている。そして、送
電線7に素線切れの有無を検査するために素線切れ検出
装置が着脱自在に取り付けられる。この素線切れ検出装
置は、シールドボックス状に形成されて暗箱となった本
体1を有しており、この本体1は送電線7を本体内の前
後方向に貫通させることにより取り付けられている。本
体1内の前端部及び後端部には、それぞれ送電線7を挟
持すると共にその回転軸が送電線7の長さ方向と直交す
るように取り付けられた車輪8、8が一対ずつ設けられ
ており、本体1を送電線7に沿って前後方向に走行自在
とするように構成されている。
【0017】そして、上記一対の車輪8、8のいずれ
か、例えば図示例にあっては後方の一対の車輪8、8
に、これを駆動するための例えば電動機或はガソリンエ
ンジンよりなる走行動力系9が取り付けられており、こ
の走行動力系9からの動力により本体1を送電線7に沿
って走行させ得るようになっている。好ましくは、この
走行動力系9に無線装置を設け、これを遠隔操縦可能に
するとよい。更に、他方の一対の車輪、図示例にあって
は前方の対の車輪8、8には、この車輪の回転数を検出
するための回転計30が取り付けられており、この回転
計30からの出力を無線等を介して検出することにより
送電線7上の走行距離及びその位置を知り得るようにな
っている。これにより、後述するように、送電線7上の
位置と画像データとの対応関係を付けられるようになっ
ている。
【0018】本体1の中央部には、この本体1自体を送
電線7の回りに回転させるために、その回転軸が送電線
7の長さ方向と平行するようになされた一対の車輪1
1、11がこの送電線7を挟持するように取り付けられ
ている。また、この車輪11、11の一方には、これを
駆動するための、例えば電動機或はガソリンエンジン等
よりなる回転動力系10が取り付けられており、上記本
体1を送電線7を中心としてその周方向へ回転し得るよ
うになっている。従って、この回転動力系10と前記走
行動力系9とを作動することにより、本体1は回転しな
がら送電線7に沿って走行することになる。
【0019】また、本体1内には、送電線7と交差する
ようにスリット光を照射するダブルスリット光源系31
と、この光源系31より送電線7に照射された光線の反
射光を撮影する例えばテレビカメラのような撮像系5
と、この撮像系5からの信号を適宜処理して結果を記録
する信号処理系6とが設けられている。
【0020】具体的には、ダブルスリット光源系31
は、送電線7に向けて光を発する光源2と、光源2から
の光を平行光線に変換する凸レンズ3と、この凸レンズ
3からの平行光線を複数本、例えば実施例のように2本
のスリット光に変換するためのスリット4とにより主に
構成されており、図1に示すように、斜め上方から丁度
スリット光の帯が送電線7を切断するように、平行な2
本のスリット光L(L1、L2)を照射して、送電線7
上にその長さ方向に間隔が所定間隔だけずれた2個の弧
状のスリット像32、32を形成し得るようになってい
る。
【0021】上記撮像系としてのビデオカメラ5は、上
記光源系31と送電線7の長さ方向とを含む面内におい
て送電線7に対して同じ側で且つ光源系31と対向する
位置に取り付けられており、送電線7からのスリット光
の反射光Laを撮影して、画像信号に変換して、信号処
理系6に伝達するようになっている。
【0022】信号処理系6は、伝達された画像信号を、
A/D変換してデジタル信号にし、スリット像の形状を
抽出し、これを細線化し、予め定められた標準値と比較
して比較結果を記録するように構成されている。具体的
には、図3に示すように、この信号処理系6は、テレビ
カメラ5からのアナログ信号よりなる画像信号をデジタ
ル信号に変換するAD変換器12と、コンピュータや専
用のデジタル信号処理装置で構成されデジタル信号から
スリット像部分を2値化処理により抽出する2値化器1
3と、ソフトウェアまたは専用のハードウェアによりス
リット像部分を細線化する細線化器14と、細線化器1
4の出力値と予め定められた標準値とを比較して素線の
切断が存在するか否か判定する判定処理器14と、この
処理器14からの結果を記録する記録器16とにより主
に構成されている。
【0023】図1のようにスリット光Lを斜めから照射
すると、素線切れのない送電線のスリット光によるスリ
ット画像33、すなわちテレビカメラ5により把握され
たスリット像の画像は、図4に示すようにきれいな2本
の楕円弧で表わせるが、素線切れを生じた送電線のスリ
ット光によるスリット画像は図5に示すように、少なく
とも1本がいびつな楕円弧になる。スリット画像33が
2本ともきれいな楕円弧であると、楕円の径方向(図で
は縦方向)の楕円弧の線間隔D1〜D2は一定となる
が、スリット像が1本でもいびつな楕円弧であると、い
びつな部分における縦方向の楕円弧の線間隔D4は一定
とはならない。この原理を利用して判定処理器15は、
素線切れの存否の判断を行う。また、記録器16は、画
像データ及び判段結果と、回転計30から送られてくる
距離データとを共に記録する。
【0024】次に、以上のように構成された素線切れ検
査装置の動作について説明する。まず、本体1に設けた
走行動力系9及び回転動力系10を作動することによ
り、この本体1を送電線7の回りに回転させつつこれに
沿って適当な速度でもって走行移動させる。これと同時
に、光源系31を点灯させて2本のスリット光L1、L
2を送電線7に照射する。この時、図1に示すように送
電線7の長さ方向に対してスリット光の帯が斜めに照射
され、送電線7を切断し、2個のスリット像32が送電
線7上にその長さ方向にずれて形成される。送電線7か
らの反射光Laは、テレビカメラ5により撮影され、そ
の画像信号は信号処理系6に伝送されて、ここで素線切
れ存否の判断処理が行われる。具体的には、図1に示す
ようにスリット光Lは、送電線7に対して斜めに照射さ
れるので、素線切れが全くない場合には、そのスリット
画像33は図4に示すようなスムーズな2個の楕円弧と
なる。この楕円弧同士の縦方向の線間隔は予め記憶され
ている標準値に対応するものであるため、素線切れ否の
判断がなされる。
【0025】ここで、素線切れがある場合には、この部
分において凹部が生じ、スリット画像は図5のような歪
んだ楕円弧となる。このような歪んだ楕円弧情報を2値
化し、細線化がなされた画像データの入力された判定処
理器15は、2本の線の縦方向の間隔を予め記憶されて
いる標準値の線間隔と比較し、その差異が所定値以上大
きい場合にはその箇所に素線切れが存在するものと判定
する。この場合において、特に2本のスリット像にもと
づく相対値から判断するようにしたので、1本のスリッ
ト像にもとづく絶対値から判断する場合に比して、素線
切れ検出の精度が向上する。素線切れの存在が判断され
れば、その旨とその時の回転計30より入力されている
データに基づいて算出される送電線の距離データ及び画
像データないし判定結果が共に記録器16にて記録され
るので、素線切れ場所を自動的に特定できることとな
る。なお、判定結果信号は、記録器16に記録すると同
時に、遠方に位置する例えば保守管理所に送信してモニ
タできるようにしても良い。このようにして、記録器1
6からの記録内容を取り出せば、直ちに素線切れ箇所が
分かるので、従来例のようにオペレータは、常時、神経
を集中させてディスプレイなどを目視する必要はなくな
るので、労力が軽減され、また素線切れ箇所を簡単に特
定できるので検査時間及びその費用も低減できる。ま
た、素線切れ箇所は、送電線の距離データと共に記録さ
れるので、素線切れを見逃す事もない。更には、本体1
は、送電線のまわりを回転しているので、裏側の素線切
れも検出することができる。
【0026】なお、上記実施例ではスリット光が2本の
場合について説明したが、3本以上あってもよい。ま
た、送電線7に斜めからスリット光を照射した場合を説
明したが、送電線7に垂直な方向から照射してもよく、
この場合、テレビカメラ5によるスリット画像は楕円が
より潰れた形状になる。また、実施例においては、スリ
ット光を発生させるために光源2、凸レンズ3及びスリ
ット4よりなる光源系31を用いたが、これに限定され
ることなく、例えば光源系の光源としてスポット光の発
生が可能なレーザ光源を使用し、振動装置に取り付けら
れた平板状の鏡にレーザ光源からのスポット光を当てる
ようにしても良い。これによれば、レーザ光源から発せ
られたスポット光は、振動装置によって高速に振動され
た鏡により反射されて送電線上を走査する。すなわち、
レーザ光源から発せられた光は、あたかもスリット光の
ように送電線に照射されることになる。
【0027】[第2実施例]第2実施例は、第1実施例
のスリット像間を照射光で埋めてスリット像を面で構成
するようにしたものであり、第1実施例と主に異なる点
は、ダブルスリット光源系に代えてシングルスリット光
源系を備えた点である。すなわち、図6に示すように、
光源系31は、凸レンズ3の出射側に設けるスリット
を、凸レンズ3からの平行光線を厚みのない2本のスリ
ット光線とするのではなく、図8に示すように、スリッ
ト光線の表裏面がほぼ平行な1本の厚みのある帯状のス
リット光L3とするスリット64で構成してある。
【0028】そして、図8に示すような厚みのあるスリ
ット光L3を送電線7に交差するように照射して、送電
線7上にその長さ方向に弧状の幅のあるスリット像62
を形成し得るようにしてある。このスリット像62の前
後にできる明部と暗部との2つの境界部分61、61が
楕円弧状となることから、スリット像62はテレビカメ
ラの向きから見たらちょうど三日月状の画像となる。
【0029】光源の変更に伴い信号処理系6も一部異な
っている。すなわち、光の2つの境界部を抽出してその
間隔を求め、予め定められた標準値と比較して比較結果
を記録するように構成した点が異なる。具体的には、図
7に示すようにA/D変換後のデジタル信号から照射光
の境界部分を抽出する境界抽出部74と、この出力から
2つの境界画像の幅を求め、これらを予め定められた標
準値と比較して、素線切れの存否を判定するようにして
ある。
【0030】図8に示すような厚みのあるスリット光L
3を送電線7上に照射すると、テレビカメラ5で撮影さ
れるスリット画像65は、素線切れのない場合には、図
9に示すように境界画像63がきれいな楕円弧となり、
この楕円弧で挟まれた三日月状の帯の縦方向の幅は一定
となる。一方、素線切れのある場合には、図10に示す
ように、境界画像がいびつな楕円弧となり、光の照射さ
れた部分の縦方向の幅は一定とはならない。したがっ
て、この弧状情報の差によって素線切れの存否の判断が
なされる。
【0031】この実施例によれば、厚みのあるスリット
光を送電線に斜めに照射し、厚みに対応する面像となる
照射像の幅の変化を抽出して判定するようにしたので、
厚みのない2本のスリット光を用いて線像となる照射像
間の幅の変化を抽出して判定するようにした第1実施例
のものに比して、面照射の点で像が明るくなり、また処
理の点で細線化処理ではなく境界抽出処理という画像処
理技術を用いるので、より高い検出精度を得ることが可
能である。
【0032】[第3実施例]第1実施例と異なる点は、
ダブルスリット光源系に代えて一部を遮光した遮光光源
系にした点である。すなわち、遮光光源系は、図11に
示すように、光源2からの光の一部、すなわち送電線7
に向って照射される光線のうちの上半分を遮蔽する遮蔽
板114を備えている。遮蔽板114の遮蔽端114a
を構成する一辺は直線であり、この遮光により、図12
に示すように遮光後の光路と遮光路との境界にフラット
な境界面121をもつ部分照射光L4が形成される。こ
の照射光L4の境界面121が送電線7の長さ方向に対
して直交する方向に送電線7を照射する結果、本体1内
の送電線7の長さ方向の半分のみが照射されることにな
る。
【0033】図12に示すような光を照射すると、送電
線7上の明部122と暗部123との境界線像124の
形状は楕円弧状になる。この楕円弧情報を利用して素線
切れの存否を行う。ここで、光線境界面121の送電線
7との交叉角度と、テレビカメラの向きと送電線7との
交叉角度とをそれぞれ45度とし、送電線7の半径r、
画像の横軸をx、縦軸をyとすると、楕円弧は、次式 x2 〓y2 /2=r で現わせる。素線切れのない場合には、図13に示すよ
うに、境界線画像125は上式で現わせるきれいな楕円
弧となる。この式を利用することによって素線切れのな
い送電線の境界部の標準値を予め定めることができる。
なお、126は明部である。
【0034】一方、素線切れがある場合には、図14に
示すように、境界線125はいびつな楕円弧となる。し
たがって、これらの差によって、素線切れの存否の判断
を行う。なお、照射角度、カメラの向きは45度に限定
されるものではなく、任意の角度でよいことは勿論であ
る。
【0035】このように本実施例によれば、遮蔽板によ
って遮蔽されずに通過した光線の境界部分が送電線に対
し斜め方向から照射されたときに、送電線上の明部と暗
部との境界線が楕円弧状になり、その楕円弧状の境界線
を抽出し、その弧状の形状から送電線の素線切れの有無
を検出するようにしたので、スリット光線を使用しなく
ても素線切れの有無を検出できる。
【0036】
【発明の効果】
(1)請求項1に記載の発明によれば、送電線上に弧状
の輝線情報ないし境界情報をもつ照射像を形成し、画像
処理技術を用いてこの情報から素線切れを検出するよう
にしたので、素線切れの検査が容易で迅速に行うことが
でき、全体として検査コストを大幅に削減することがで
きる。
【0037】(2)請求項2に記載の発明によれば、ほ
ぼ平行な2本のスリット光を送電線に照射し、この照射
により送電線上に形成される複数のスリット像間の間隔
を標準値と比較して素線切れの存否を自動的に判断させ
るようにしたので、厚みのない1本のスリットによるス
リット像に基づいて判断する場合に比して判断が正確と
なり、またオペレータが常時、神経を集中させてモニタ
を目視する必要がなくなり、検査を容易に行うことがで
きる。
【0038】(3)請求項3に記載の発明によれば、厚
みのある1本の帯状のスリット光を送電線に交差するよ
うに照射して、送電線上に弧状の幅のあるスリット像を
形成するようにしたので、スリット光を1本で済ますこ
とができる。
【0039】(4)請求項4に記載の発明によれば、送
電線上の長さ方向に明部と暗部とを形成し、その間に弧
状の境界を形成するようにしたので、スリット光を用い
なくても素線切れの検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による送電線に厚みのない
2本のスリット光を照射したときに送電線上に形成され
る楕円状のスリット像の説明図。
【図2】第1実施例による送電線の素線切れ検出装置の
正断面図。
【図3】第1実施例による信号処理系の構成図。
【図4】第1実施例による素線切れがない場合に、テレ
ビカメラにより撮影されるスリット画像例の説明図。
【図5】第1実施例による素線切れがある場合に、テレ
ビカメラにより撮影されるスリット画像例の説明図。
【図6】第2実施例よる送電線の素線切れ検出装置の要
部図。
【図7】第2実施例による信号処理系の構成図。
【図8】第2実施例による送電線に厚みのある1本のス
リット光を照射したときに送電線上に形成される楕円弧
状の幅のあるスリット像の説明図。
【図9】第2実施例による素線切れがない場合に、テレ
ビカメラにより撮影されるスリット画像例の説明図。
【図10】第2実施例による素線切れがある場合に、テ
レビカメラにより撮影されるスリット画像例の説明図。
【図11】第3実施例よる送電線の素線切れ検出装置の
要部図。
【図12】第3実施例による送電線に一部遮光した光を
照射したときに送電線上に形成される明部と暗部の境界
像の説明図。
【図13】第3実施例による素線切れがない場合に、テ
レビカメラにより撮影される部分照射画像例の説明図。
【図14】第3実施例による素線切れがある場合に、テ
レビカメラにより撮影される部分照射画像例の説明図。
【符号の説明】
1 本体 2 光源 3 凸レンズ 4 スリット 5 テレビカメラ(撮像系) 6 信号処理系 7 送電線 7a 素線 9 走行動力系 10 回転動力系 31 光源系 32 スリット像 33 スリット画像 L スリット光 L1 スリット光 L2 スリット光 La 反射光

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方向から送電線に光を照射して、送電線
    上の照射側表面に送電線の外形形状を現わす弧状の輝線
    情報をもつ輝線像、ないし上記弧状の境界情報をもつ明
    部と暗部とからなる照射像を作り、この弧状の輝線情報
    ないし境界情報をもつ送電線上の照射像を撮影し、撮影
    した照射像から弧状情報を抽出して、その情報から素線
    切れを検出するようにしたことを特徴とする送電線の素
    線切れ検出方法。
  2. 【請求項2】送電線に沿って走行自在に設けられた本体
    と、この本体を前記送電線に沿って走行させつつ送電線
    の回りに回転させる動力系と、前記本体内に設けられ、
    厚みの殆どないほぼ平行な2本の帯状のスリット光を前
    記送電線に交差するように照射して、送電線上にその長
    さ方向にずれた2個の弧状のスリット像を形成するダブ
    ルスリット光源系と、この光源系により前記送電線上に
    形成される前記弧状スリット像の反射光を撮影して画像
    信号に変換する撮像系と、この撮像系の画像信号から前
    記スリット像を抽出し、抽出したスリット像間の間隔と
    予め定められた標準値とを比較して比較結果を記録する
    信号処理系とを備えたことを特徴とする送電線の素線切
    れ検出装置。
  3. 【請求項3】送電線に沿って走行自在に設けられた本体
    と、この本体を前記送電線に沿って走行させつつ送電線
    の回りに回転させる動力系と、前記本体内に設けられ、
    表裏面がほぼ平行な厚みのある1本の帯状のスリット光
    を前記送電線に交差するように照射して、送電線上に弧
    状の幅のあるスリット像を形成するシングルスリット光
    源系と、この光源系により前記送電線上に形成される前
    記弧状スリット像の反射光を撮影して画像信号に変換す
    る撮像系と、この撮像系の画像信号から前記スリット像
    の幅を区画する境界を抽出し、抽出したスリット像の境
    界から求めたスリット像の幅と予め定められた標準値と
    を比較して比較結果を記録する信号処理系とを備えたこ
    とを特徴とする送電線の素線切れ検出装置。
  4. 【請求項4】送電線に沿って走行自在に設けられた本体
    と、この本体を前記送電線に沿って走行させつつ送電線
    の回りに回転させる動力系と、前記本体内に設けられ、
    光の一部を遮光して遮光後の光路と遮光路との境界にフ
    ラットな境界面をもつ光を、その境界面の光が送電線に
    交差するように照射して、送電線上の長さ方向に形成さ
    れる明部と暗部との境界像を弧状とする遮光光源系と、
    この光源系により前記送電線上に形成される前記弧状境
    界像の反射光を撮影して画像信号に変換する撮像系と、
    この撮像系の画像信号から前記境界像を抽出し、抽出し
    た境界像と予め定められた標準値とを比較して比較結果
    を記録する信号処理系とを備えたことを特徴とする送電
    線の素線切れ検出装置。
JP11953393A 1992-06-24 1993-05-21 送電線の素線切れ検出方法及びその装置 Pending JPH0674728A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005279028A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Hamamatsu Univ School Of Medicine 内視鏡
JP2012021929A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Central Res Inst Of Electric Power Ind 電線の異常検出方法、異常検出装置、および異常検出プログラム
JP2013238560A (ja) * 2012-05-17 2013-11-28 Shimomura Tokushu Kako Kk 表面欠陥検査装置及び表面欠陥検査方法

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