JPH0674318U - ゲートを有する射出成形物の冷却移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形金型から取り出されたゲートを有す
る成形物の冷却及び移送を、形態を保持し速やかに行う
ようにする。 【構成】 一対の移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂが間隔を
おいて平行に、かつ下方へ傾斜して設置され、一対の移
送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂの間隔は成形製品１２の左右
に延伸したゲート１３、１３を支承し、移送用長尺ガイ
ド４Ａ、４Ｂ間に成形製品１２を吊り下げ得る巾を有
し、又、移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂの上端部を支点９
として起倒可能に夫々の移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂに
延設した成形物受取ガイド７Ａ、７Ｂを有する。成形物
の移送を起倒する成形物受取ガイド７Ａ、７Ｂ及び移送
用長尺ガイド４Ａ、４Ｂにゲート１３を架設して行うか
ら、成形製品１２が両ガイド７、４に触れず、その形態
を維持でき、滑落により空気接触が良好となって冷却固
化を促す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は合成樹脂製の製品を射出成形金型を用いて成形する場合、成形製品に ゲートが付随して成形されるものがあり、この成形物を射出成形金型から取り出 した後、余分なゲートを切除するまでに行う冷却移送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

射出成形金型には、キャビティ内に樹脂液を充填するための通路が形成され、 この通路であるゲートにも樹脂液が充満し、成形製品と一体となって固化し、射 出成形金型から取り出される構成のものがある。

【０００３】 又、成形する製品によっては、例えば、磁気ディスクカセット用シャッターの ように成形製品の肉厚が極めて薄く、かつ形態精度の要求されるものは、成形金 型から取り出した後、樹脂が冷却し形態が安定するまで成形形態を保持する必要 がある。

【０００４】 そして、樹脂が成形形態を安定的に保持できるほど冷却した後、余分なゲート を成形製品より切除し、成形製品を得ているのである。

【０００５】 かかる成形において、射出成形金型から取り出した後の冷却及びゲート切除ま での移送手段は、各成形製品の形態によって適宜なされているのであり、特に前 記磁気ディスクカセット用シャッター等のように製品自体の成形が新しいことも あり、試行錯誤の現状である。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は射出成形金型から取り出されたゲートを有する成形物の冷却 及び移送を形態を保持し速やかに行える装置を提供せんとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は一対の移送用長尺ガイドが間隔をおいて平行に、かつ下方へ傾斜して 設置され、一対の移送用長尺ガイドの間隔は成形製品の左右に延伸したゲートを 支承し、移送用長尺ガイド間に成形製品を吊り下げ得る巾を有し、又、移送用長 尺ガイドの上端部を支点として起倒可能に夫々の移送用長尺ガイドに延設した成 形物受取ガイドを有するものである。

【０００８】

【作用】

射出成形金型で成形されたゲートを有する成形物は、取り出しアームによって 取り出され、成形物受取ガイドに載置される。 該成形物受取ガイドは一対の移送用長尺ガイドに起倒可能に延設されているか ら、ゲートを架設する如く吊り下げる。

【０００９】 成形物受取ガイドが起立すれば、ゲートが成形物受取ガイドを滑り、移送用長 尺ガイドへ移行する。移送用長尺ガイドも傾斜して設置されているから、成形物 はそのまま移送用長尺ガイドにゲートを架けて滑走するのである。

【００１０】 成形物はゲート部分が射出成形物受取ガイド及び移送用長尺ガイドに触れるの みで、成形製品自体には触れないから、形態の保持作用を奏し、又個別に滑走し て移行するため冷却固化作用をも奏するのである。

【００１１】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１は一実施例の側面図を表し、射出成形金型の側面に付設した支持枠１に取 り付けブラケット２、２により成形物移送用ガイド部３が設けられている。 移送用ガイド部３は垂直に立設した一対の長尺平板を平行に対向して設け、移 送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂ及び平行位置を固定するため下端に連結板５を渡設し 一体としている。

【００１２】 取り付けブラケット２、２は上下位置にあって射出成形金型の成形物取り出し アームの駆動によって成形物を取り出す位置側は高位とし、連結板５を支持固定 することで移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂを傾斜させて設置し、低位下端にはゲー ト切除カッター６が付設してある。

【００１３】 移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂの間隔は成形される成形製品１２の巾より広く、 かつ成形製品１２の両側に残るゲート１３、１３両端間より狭く、移送用長尺ガ イド４Ａ、４Ｂにゲート１３を架設できる長さとし、更に移送用長尺ガイド４Ａ 、４Ｂの高さはゲート１３、１３によって移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂに架設さ れて吊り下がった成形製品１２が連結板５に接触しない高さとしてある。

【００１４】 一方、高位側の移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂの内方には成形物受取ガイド７Ａ 、７Ｂの一端部が起倒可能に軸着９してあり、成形物受取ガイド７Ａ、７Ｂの下 端には底板８を設け一体化すると共に底板８は連結板５の上面に重なっている。 そして、成形物受取ガイド７Ａ、７Ｂの軸着９部より他端側にエアシリンダー １０のロッド１１の先端を連結し、エアシリンダー１０の基部は支持枠１に軸着 してある。

【００１５】 したがって、成形物受取ガイド７Ａ、７Ｂはエアシリンダー１０のロッド１１ の伸縮によって軸着９を支点として起倒することとなり、射出成形金型１から取 り出しアーム（図示せず）で取り出した成形物を成形物受取ガイド７Ａ、７Ｂが 水平位置で受け、エアシリンダー１０を作動して起立させれば、成形物は滑って 移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂに移り、そのまま移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂの傾 斜に委ねて滑り降りて行くのである。

【００１６】 移送用長尺ガイド４Ａ、４Ｂの傾斜角及び長さは、成形物の重さや形態により 滑り速度と冷却の関係で設定するものである。

【００１７】

【考案の効果】 以上のように、本考案は射出成形金型より成形される成形物の移送と冷却を起 倒する成形物受取ガイド及び移送用長尺ガイドにゲートを架設して成形製品を吊 り下げ、自重で滑落させて行うから、第１に成形製品部分がガイド等と接触せず その形態を充分に維持され、変形することがない効果を有する。

【００１８】 第２に、ガイドに接触するゲートは切除する部分であるから、変形等しても支 障はなく、滑落による空気接触が良好となり、冷却作用を増大させる効果を発揮 し、更に第３に滑落は同一条件であるから、成形物同士が互いに接触する危険も なく、形態の保持及び冷却作用を促すものであり、目的場所への移動も自由に設 定できる効果も有するのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す側面図である。

【図２】移送用ガイド部の要部斜視図である。

【符号の説明】 １ 射出成形金型 ３ 移送用ガイド部 ４Ａ 移送用長尺ガイド ４Ｂ 移送用長尺ガイド ５ 連結板 ７Ａ 成形物受取ガイド ７Ｂ 成形物受取ガイド ８ 底板 ９ 軸着 １０ エアシリンダー １１ ロッド １２ 成形製品 １３ ゲート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の移送用長尺ガイドが間隔をおいて
   平行に、かつ下方へ傾斜して設置され、一対の移送用長
   尺ガイドの間隔は成形製品の左右に延伸したゲートを支
   承し、移送用長尺ガイド間に成形製品を吊り下げ得る巾
   を有し、又、移送用長尺ガイドの上端部を支点として起
   倒可能に夫々の移送用長尺ガイドに延設した成形物受取
   ガイドを有することを特徴とするゲートを有する射出成
   形物の冷却移送装置。