JPH0674267A - ディスクブレーキパッド - Google Patents

ディスクブレーキパッド

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JPH0674267A
JPH0674267A JP25077992A JP25077992A JPH0674267A JP H0674267 A JPH0674267 A JP H0674267A JP 25077992 A JP25077992 A JP 25077992A JP 25077992 A JP25077992 A JP 25077992A JP H0674267 A JPH0674267 A JP H0674267A
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JP
Japan
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friction material
disc brake
brake pad
density
density portion
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JP25077992A
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English (en)
Inventor
Kenji Abe
健司 阿部
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D2069/002Combination of different friction materials

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦材が裏金に固着されて成るディスクブレ
ーキパッドにおいて、摩擦材の摩耗の進行に伴う摩擦材
の摩擦係数の変化を小さく抑えつつ摩擦材の耐クラック
性を向上させる。 【構成】 摩擦材10全体を同一の材料で構成するとと
もに、その摩擦材10をディスクロータの側の第1層で
ある通常密度部20と裏金12の側の第2層である高密
度部22とから成る二層構造とする。特にクラックが発
生し易い部分である高密度部22において他の部分より
密度が高くされているから、耐クラック性が向上し、し
かも、摩擦材10の全体が同一の材料で構成されている
から、摩擦材10の摩耗の進行につれて摩擦材10の摩
擦係数がそれほど顕著に変化せずに済み、各車輪間にそ
れほど大きな制動力差が発生せずに済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用のディスクブレー
キパッドに関するものであり、特にそれの摩擦材にクラ
ックが発生するのを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記ディスクブレーキパッドは一般に、
車輪と共に回転するディスクロータに押し付けられて車
輪の回転を抑制する摩擦材と裏金とを有し、摩擦材が裏
金に固着されて構成される。
【0003】このディスクブレーキパッドにおいては従
来から、それの摩擦材にクラックが発生するのを確実に
防止したいという要望があり、この要望を満たすべく本
出願人は先に次のようなものを案出した。それは、実開
昭58−45437号公報に記載されているように、摩
擦材をディスクロータの側の第1層と裏金の側の第2層
とを含む積層構造とし、かつ第1層と第2層との間で材
料を異ならせるとともに第2層の材料を第1層の材料よ
り耐クラック性に優れた材料としたディスクブレーキパ
ッドである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のデ
ィスクブレーキパッドには次のような問題があることが
判明した。
【0005】ディスクブレーキの使用につれて摩擦材の
摩耗が進むと、摩擦材のうちディスクロータと摺接する
部分が第1層から第2層に移行する。この従来のディス
クブレーキパッドにおいては、第1層と第2層との間で
材料が異ならせられているから、第1層と第2層との間
で摩擦材の摩擦係数が比較的大きく異なるのが普通であ
る。そのため、摩擦材においてディスクロータとの摩擦
部分が第1層から第2層に移行する際に、摩擦材の摩擦
係数が比較的大きく変化する。一方、摩擦材の摩耗の進
行速度は複数の車輪の間で互いに異なるのが普通であ
る。そのため、摩擦材の摩耗が進行すると、摩擦材の摩
擦係数が各車輪間で互いに異なり、各車輪間にやや大き
な制動力差が発生するおそれがあるという問題がある。
【0006】このような事情に鑑み、本発明は摩擦材の
摩耗の進行に伴う摩擦係数の変化をできる限り小さく抑
えつつ摩擦材の耐クラック性を向上させることを課題と
してなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、車輪と共に回転するディスクロータに押し
付けられて車輪の回転を抑制する摩擦材が裏金に固着さ
れて成るディスクブレーキパッドにおいて、摩擦材全体
を同一の材料で構成するとともに、その摩擦材の密度を
裏金の側においてディスクロータの側におけるより高く
したことを特徴とする。
【0008】
【作用】同一の材料、すなわち同一の単一材料または同
一組成の複合材料を用いて高密度部分と低密度部分とを
形成した場合には、高密度部分の方が低密度部分より耐
クラック性が優れるのが一般的である。各材料粒子間の
結合力が高密度部分における方が低密度部分におけるよ
り強いのが一般的であるからである。また、この場合、
高密度部分の摩擦係数と低密度部分の摩擦係数とは若干
異なるが、ディスクブレーキパッドにおいてはその摩擦
係数は配合材料によってほぼ決まってしまうのが一般的
であるから、高密度部分の摩擦係数と低密度部分の摩擦
係数との差は、前記従来のディスクブレーキパッドにお
いて材料を異ならせることによって耐クラック性を部分
的に向上させる場合に比べて小さいのが一般的である。
【0009】一方、摩擦材の密度を全体的に普通より高
くする場合の方が部分的に高くする場合より耐クラック
性が向上する。しかし、摩擦材全体を高密度化した場合
には、摩擦材のダンピング特性が大きく低下していわゆ
るブレーキの鳴きが発生し易くなり、さらに、耐フェー
ド性等が悪化する傾向も強い。そのため、特に耐クラッ
ク性を向上させる必要性が高い部分、すなわちクラック
が発生し易い部分に限って密度を高くすることが望まし
い。
【0010】以上の知見に基づき、本発明に係るディス
クブレーキパッドにおいては、摩擦材全体が同一の材料
で構成されるとともに、その摩擦材の密度が裏金の側に
おいてディスクロータの側におけるより高くされ、これ
により、特にクラックが発生し易い部分である裏金の側
においてディスクロータの側におけるより耐クラック性
が向上させられる。
【0011】
【発明の効果】このように、本発明によれば、摩擦材全
体が同一の材料で構成されているため、摩擦材の摩耗の
進行に伴う摩擦材の摩擦係数の変化が小さく抑えられつ
つ耐クラック性が向上させられるという効果が得られ
る。
【0012】摩擦材のクラックはそれの側面から発生
し、しかも、その側面のうち裏金の近傍位置から発生す
ることが実験的に確認されている。したがって、そのよ
うな事実に基づけば、摩擦材のうち裏金に隣接する板状
の部分全体において密度を高くするのではなく、その板
状の部分の周辺部においてのみ密度を高くすることが考
えられる。しかし、この場合には、クラックが進行して
高密度部分を貫通してしまうとその後クラックが容易に
進行してしまうこととなり、クラック発生を長期的に防
止することが困難である。
【0013】これに対して、本発明によれば、摩擦材の
うち裏金に隣接する板状の部分全体において他の部分に
おけるより密度が高くされる。そのため、たとえ摩擦材
の側面にクラックが発生してもそれが中央部にまで進行
することが確実に抑制され、摩擦材の耐クラック性が長
期的に向上するという効果も得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0015】本発明の一実施例であるディスクブレーキ
パッドは図1に示すように、摩擦材10が裏金12に固
着されて構成されている。
【0016】摩擦材10は図示しないディスクロータの
側の第1層である通常密度部20と裏金12の側の第2
層である高密度部22とから成る二層構造とされてい
る。それら通常密度部20および高密度部22は同一組
成の複合材料で構成されている。その組成を次に表で表
す。
【0017】
【表1】
【0018】なお、図1において高密度部22の一部が
裏金12を貫通させられているが、これは、投錨作用を
利用して裏金12との固定強度を高めるためである。
【0019】摩擦材10の製法には例えば次の二つが考
えられる。まずそれら各製法を概略的に説明する。
【0020】第1の製法は、材料の加圧(圧縮)をほぼ
同じ圧力下で2回行うものであって、先の加圧により将
来高密度部22となる圧粉体を成形し、後の加圧によ
り、その圧粉体と将来通常密度部20となる混合粉とを
一体的に加圧することにより、高密度部22の高密度化
と通常密度部20の成形と高密度部22と通常密度部2
0との接着とを同時に行うものである。将来高密度部2
2となる混合粉を2回加圧することにより高密度化を実
現するものなのである。
【0021】これに対し、第2の製法は、材料の加圧を
3回行うものであって、先の2回の加圧によりそれぞ
れ、高密度部22と通常密度部20とを別個に成形し、
後の1回の加圧により両者を接着するものである。先の
2回の加圧の際の圧力を一方において他方におけるより
高くし、高圧下での加圧により高密度部22を、低圧下
での加圧により通常密度部20をそれぞれ別個に成形す
るものなのである。
【0022】次に各製法を具体的に説明する。
【0023】第1の製法においては、まず、前記表に示
す配合組成を持つ材料(粉末)が図示しないV型ブレン
ダを使用して混合される。この混合粉の一部は高密度部
22用とされ、残りは通常密度部20用とされる。続い
て、図2に示すように、高密度部22用の混合粉が予
備成形金型30内に投入される。その後、その混合粉
が約600kg/cm2 の圧力下で約30秒間加圧され
る。これにより、将来高密度部22となる平板状の圧粉
体が成形される。続いて、その圧粉体の表面に接着材
としてのフェノール樹脂が散布される。なお、接着材を
使用した理由については後述する。
【0024】次に、混合粉のうち残りのもの、すなわ
ち通常密度部20用の混合粉がさらに予備成形金型30
内に投入され、前記圧粉体の表面に積層される。続い
て、その追加的に投入された混合粉が先に存在する圧
粉体と一緒に約600kg/cm2 の圧力下で約30秒
間加圧される。これにより、高密度部22の成形と通常
密度部20の成形と両者の接着とが同時に行われるので
あり、高密度部22は2回加圧されることによって通常
密度部20より密度が高くされ、材料が緻密化され、材
料粒子間の結合度が向上させられて、耐クラック性が向
上させられる。なお、本実施例においては、高密度部2
2の厚さは1.5mmとされ、一方、通常密度部20の
厚さは8.5mmとされている。
【0025】その後、普通のディスクブレーキパッドに
おけると同様にして、熱成形(摩擦材10と裏金12と
の接着を伴う),熱処理,裏金12の塗装および摩擦材
10の研磨が順に行われる。
【0026】ここで「熱成形」とは、具体的には、高密
度部22と通常密度部20とが一体的に成形された圧粉
体が図示しない熱成形金型内に投入され、その圧粉体が
裏金12と密着させられた状態で約400kg/cm2
の圧力と約160℃の温度との下で約10分間加熱成形
されることである。これにより、圧粉体中のフェノール
樹脂が流動、硬化するとともに、圧粉体が摩擦材10と
して裏金12に接着により固着されてディスクブレーキ
パッドが組み立てられる。また、「熱処理」とは、具体
的には、そのディスクブレーキパッドが約250℃の温
度の下で約3時間加熱処理されることである。
【0027】次に第2の製法を具体的に説明する。
【0028】この製法においては、まず、第1の製法に
おけると同様にして材料の混合が行われ、続いて、図3
に示すように、その混合粉のうち高密度部22用のも
のが予備成形金型30内に投入され、その後、その混
合粉が約600kg/cm2の圧力下で約30秒間加圧
される。これにより、高密度部22が成形される。
【0029】また、混合粉のうち通常密度部20用の
ものが別の予備成形金型30内に投入され、続いて、
その混合粉が約100kg/cm2 の圧力下で約30秒
間加圧される。高密度部20を成形する場合より低い圧
力下で加圧され、これにより、通常密度部20が成形さ
れるのである。
【0030】以上のようにして高密度部22および通常
密度部20がそれぞれ別個に成形された後、高密度部
22と通常密度部20とが重ねて同一の予備成形金型3
0内に、かつ、高密度部22と通常密度部20との間に
接着材としてのフェノール樹脂を介在させられて投入さ
れ、続いて、約600kg/cm2 の圧力下で約30
秒間加圧される。これにより、高密度部22と通常密度
部20との接着が行われる。
【0031】その後、第1の製法におけると同様にし
て、熱成形,熱処理,塗装および研磨が順に行われる。
【0032】本出願人は、以上のように構成されるディ
スクブレーキパッドの性能すなわち耐クラック性を普通
のディスクブレーキパッドと比較する試験を行った。そ
の試験の内容は次のようである。
【0033】1.試験片 第1の製法により製造されたディスクブレーキパッ
ド 第2の製法により製造されたディスクブレーキパッ
ド 普通のディスクブレーキパッド ここで「普通のディスクブレーキパッド」とは、摩擦材
全体が通常の密度で均一化されたものであり、図4に示
すように、前記混合粉を一斉に予備成形金型30内に投
入してそれを約600kg/cm2 の圧力下で約30秒
間加圧して成形されたものである。
【0034】2.試験装置 実物のブレーキを取り付けるフルサイズブレーキダイナ
モメータを用いて試験する。
【0035】3.試験条件 ディスクロータの制動開始時温度を300℃として車速
を150km/hから50km/hに0.6Gの減速度
下で急制動することを1サイクルとし、それを2000
回繰り返す。
【0036】なお、各サイクルに先立ってディスクロー
タの制動開始時温度を300℃としたのは次のような理
由に基づく。本出願人の研究により、摩擦材に繰返し作
用する荷重のみならず、高温履歴による摩擦材中の有機
物の劣化や、摩擦材側面における熱膨張・収縮による繰
返し熱応力およびその熱応力の不均一もクラック発生の
原因たり得ることが判明している。この事実に鑑み、デ
ィスクロータの制動開始時温度を高温にすることで有機
物劣化を再現し、制動開始時温度を毎回一定にすること
で制動による繰返し熱応力の発生を再現し、総合的にク
ラックの発生状況をできる限り忠実に再現しようとした
ためである。
【0037】以上の試験により各試験片にクラックが発
生したが、耐クラック性の強弱をクラックの長さとして
評価すべく、次のようにしてクラックの長さを測定し
た。
【0038】すなわち、まず、図5に示すように、各デ
ィスクブレーキパッドの四つの角のうちの一つを矩形状
に切断し、その矩形片の二つの切断面のうちディスクロ
ータ回転方向に平行な面を観察面とする。観察面の一例
を図6に示す。そして、その観察面を電子顕微鏡を用い
て観察し、そこに発生しているクラックの長さを測定し
た。
【0039】その測定結果は次のようである。 第1の製法により製造されたディスクブレーキパッド
・・・3mm 第2の製法により製造されたディスクブレーキパッド
・・・3mm 普通のディスクブレーキパッド・・・15mm この測定結果を図7にグラフで表す。
【0040】なお、いずれのディスクブレーキパッドに
おいても、摩擦材のうち裏金から約0.1〜1.0mm
から離れた位置にクラックが発生していることも確認さ
れた。
【0041】以上の試験結果から明らかなように、本実
施例であるディスクブレーキパッドは普通のディスクブ
レーキパッドよりクラック長さが短く、耐クラック性が
向上している。
【0042】なお、本実施例における二つの製法におい
てはいずれも、通常密度部20と高密度部22を接着す
るために接着材が使用されていたが、これはその接着強
度を向上させるためである。通常密度部20にも高密度
部22にもフェノール樹脂がバインダとして配合されて
いる。このフェノール樹脂は熱と圧力により流動し、や
がて硬化する。したがって、その流動性ゆえ通常密度部
20と高密度部22をフェノール樹脂を介在させないで
接着することが考えられる。しかし、摩擦材10はアス
ベストを使用しないノンアスベスト材であり、アスベス
ト材と比較して粒状物,ウィスカ状物が多く、組成配合
的にポーラスになっているため、熱と圧力が加わって通
常密度部20および高密度部22内のそれぞれのフェノ
ール樹脂が流動性を示すようになっても、通常密度部2
0および高密度部22のそれぞれの内部に向かって流動
するものも多く、通常密度部20と高密度部22の一方
から他方に流れ込んで両者を連結する傾向が弱くなる。
そのため、通常密度部20と高密度部22をフェノール
樹脂を介在させないで接着した場合には十分な接着強度
が得られないおそれがあり、本実施例においては、接着
材が使用され、しかも通常密度部20および高密度部2
2に当初から存在するフェノール樹脂とのなじみ性を考
慮して接着材としてフェノール樹脂が使用されているの
である。ただし、必ずしも接着材を使用する必要はな
い。例えば、通常密度部20と高密度部22との界面を
ナイフ等で毛羽立たせれば、樹脂相互の絡みが強くなる
ので、フェノール樹脂を接着材として使用する必要はな
いのである。
【0043】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、摩擦材10全体が共通組成の材料から構成
されることを前提として特にクラックが発生し易い部分
のみを選択的に高密度化して耐クラック性が向上させら
れている。そのため、摩擦材10の摩耗の進行に伴うデ
ィスクロータと摩擦材10との間の摩擦係数の変化が小
さく抑えられつつ、すなわち、ブレーキの基本性能に影
響を与えることなく摩擦材10の耐クラック性すなわち
耐久性が向上するという効果が得られる。
【0044】また、本実施例においては、摩擦材10全
体の密度が一様に高くされるのではなく、特にクラック
防止に有効な部分、すなわち裏金12に隣接した部分に
おいてのみ高密度化されていて、摩擦材10のダンピン
グ特性の、普通の摩擦材に対する低下量ができる限り小
さく抑えられている。そのため、高密度化に起因して耐
鳴き性が低下することが回避されるという効果も得られ
る。
【0045】さらに、本実施例においては、摩擦材10
のうち裏金12に隣接する板状の部分全体において他の
部分におけるより密度が高くされているため、たとえ摩
擦材10の側面にクラックが発生してもそれが中央部に
まで進行することが確実に抑制され、摩擦材10の耐ク
ラック性が長期的に向上するという効果も得られる。
【0046】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明はその他の態様で実施するこ
とが可能である。
【0047】例えば、図8および図9に示すように、高
密度部50,52のうち少なくとも摩擦材60,62の
周辺部において中央部より厚くし、これにより、摩擦材
60,62の周辺部の耐クラック性を一層向上させるこ
とが可能である。そして、高密度部50,52の厚肉部
は図8に示す高密度部50のように、摩擦材60の摩擦
面に露出するようにしたり、図9に示す高密度部52の
ように、露出しないようにすることが可能である。な
お、前者の場合には、摩擦材60の初期状態から高密度
部50の一部がディスクロータに摺接することになる
が、その面積は通常密度部70に比べてかなり少ないた
め、ブレーキの基本特性に悪影響を与えるおそれはな
い。
【0048】また、以上説明した実施例においてはいず
れも、摩擦材が二層構造とされていたが、例えば、ディ
スクロータの側の第1層と裏金の側の第2層との間に両
者の中間の密度を有する中間層を設けてもよい。
【0049】これらの他にも特許請求の範囲を逸脱する
ことなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を
施した態様で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディスクブレーキパッ
ドを示す側面断面図である。
【図2】上記ディスクブレーキパッドの一製法を説明す
るための工程図である。
【図3】上記ディスクブレーキパッドの別の製法を説明
するための工程図である。
【図4】普通のディスクブレーキパッドの製法を説明す
るための工程図である。
【図5】摩擦材に発生したクラックの長さを測定する方
法を説明するための図である。
【図6】摩擦材に発生したクラックの長さを測定する方
法を説明するための図である。
【図7】上記ディスクブレーキパッドの耐クラック性を
普通のディスクブレーキパッドとの関係において説明す
るためのグラフである。
【図8】本発明の別の実施例であるディスクブレーキパ
ッドの側面断面図である。
【図9】本発明のさらに別の実施例であるディスクブレ
ーキパッドの側面断面図である。
【符号の説明】
10,60,62 摩擦材 12 裏金 20,70,72 通常密度部 22,50,52 高密度部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と共に回転するディスクロータに押
    し付けられて車輪の回転を抑制する摩擦材が裏金に固着
    されて成るディスクブレーキパッドにおいて、 前記摩擦材全体を同一の材料で構成するとともに、その
    摩擦材の密度を前記裏金の側において前記ディスクロー
    タの側におけるより高くしたことを特徴とするディスク
    ブレーキパッド。
JP25077992A 1992-08-26 1992-08-26 ディスクブレーキパッド Pending JPH0674267A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1842767A2 (en) 2006-04-04 2007-10-10 Shimano Inc. Bicycle disk brake pad with titanium backing plate
CN105041928A (zh) * 2015-07-09 2015-11-11 辽宁九通摩擦材料有限公司 一种汽车盘式刹车片及其制造方法

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