JPH0674104A - エバポパージシステムの故障診断装置 - Google Patents

エバポパージシステムの故障診断装置

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JPH0674104A
JPH0674104A JP621493A JP621493A JPH0674104A JP H0674104 A JPH0674104 A JP H0674104A JP 621493 A JP621493 A JP 621493A JP 621493 A JP621493 A JP 621493A JP H0674104 A JPH0674104 A JP H0674104A
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孝之 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内燃機関の蒸発燃料(ベーパ)をキ
ャニスタ内の吸着剤に吸着させ、吸着された燃料を所定
運転条件下で内燃機関の吸気系へ放出(パージ)して燃
焼させるエバポパージシステムの故障を診断する装置に
関し、誤診断を防止することを目的とする。 【構成】 始動直後にタンク内圧が正圧のY Paより
更に正圧側の値かどうか判定し(ステップ102 ,103
)、Y Paより更に正圧側の値のときは実行フラグ
を“1”とし(ステップ121 )、以後再始動されるまで
故障診断を禁止する。ステップ103 でタンク内圧がY
Paより大気圧側の値であると判定されたときのみ故障
診断を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエバポパージシステムの
故障診断装置に係り、特に内燃機関の蒸発燃料(ベー
パ)をキャニスタ内の吸着剤に吸着させ、吸着された燃
料を所定運転条件下で内燃機関の吸気系へ放出(パー
ジ)して燃焼させるエバポパージシステムの故障を診断
する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンク内で蒸発した燃料(ベーパ)
が大気へ放出されるのを防止するため、各部分を密閉す
ると共に、ベーパを一旦キャニスタ内の吸着剤に吸着さ
せ、車両の走行中に吸着した燃料を吸気系に吸引させて
燃焼させるエバポパージシステムを備えた内燃機関にお
いては、何らかの原因でベーパ通路が破損したり、配管
がはずれたりした場合にはベーパが大気に放出されてし
まい、また吸気系へのパージ通路が閉塞した場合には、
キャニスタ内のベーパがオーバーフローし、キャニスタ
大気導入口より大気にベーパが漏れてしまう。従って、
このようなエバポパージシステムの故障発生の有無を診
断することが必要とされる。
【0003】そこで、本出願人は先に特願平3−138
002号にて、キャニスタに蓄えられた蒸発燃料を内燃
機関の吸気系へパージするパージ通路を開閉する第1の
制御弁と、キャニスタの大気孔を開閉する第2の制御弁
とを有し、故障診断時には第2の制御弁を閉弁した後、
所定負圧になるのを待って第1の制御弁を閉弁して所定
時間密閉を保持し、そのときの圧力の変化度合いによっ
て故障発生の有無を診断するようにしたエバポパージシ
ステムの故障診断装置を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の本出
願人の提案になる故障診断装置では、燃料タンク内のベ
ーパの発生量が多いと、故障診断のためにキャニスタの
大気孔を前記第2の制御弁で遮断した後、前記第1の制
御弁を開弁して系内へ吸気通路の負圧を導入した時に、
燃料の気化により体積が増加し、燃料タンクのタンク圧
力が負圧をかけた状態から大気圧の方向へ変化するため
に、系内の洩れによって圧力が変化するときと同様な負
圧から大気圧方向への圧力変化となり、洩れとの区別が
つかず、正確な故障診断ができない。
【0005】また、上記のベーパの発生量が多いと、前
記第1の制御弁を開弁して系内へ吸気通路の負圧をかけ
ていくときに時間がかかり、かつ、系内のベーパが吸気
通路へ吸い込まれるために、空燃比への影響が大きく、
排気エミッションの悪化をもたらす。
【0006】特に燃料温度がある温度以上になると、ベ
ーパ発生量が極大となり、最悪の場合燃料タンクに負圧
を設定することが不可能となる。この場合は燃料タンク
に負圧を延々とかけっぱなしする可能性があり、特に排
気エミッションの悪化をもたらす。
【0007】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
ベーパ発生量に応じて故障診断を行なうか否かを決める
ことにより、上記の課題を解決したエバポパージシステ
ムの故障診断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成
図を示す。同図中、本発明の故障診断装置は、燃料タン
ク10からの蒸発燃料をベーパ通路11を通してキャニ
スタ12内の吸着剤に吸着させ、所定運転時にキャニス
タ12内の吸着燃料をパージ通路13を通して内燃機関
9の吸気通路14へパージする故障診断装置において、
圧力導入手段15,圧力検出手段16,燃料蒸気発生量
検知手段17,判定手段19を設けたものである。
【0009】圧力導入手段15は所定のエバポ経路内に
吸気通路14の負圧を導入する。圧力検出手段16はエ
バポ経路内の圧力を検出する。燃料蒸気発生量検知手段
17は燃料タンク10の実質的な燃料蒸気発生量を検知
する。判定手段19は上記検知された燃料蒸気発生量が
所定値未満であるときのみエバポ経路内に負圧を導入
し、圧力検出手段16により検出された負圧値に基づき
前記経路内の圧力の変化の度合いを測定し、その測定値
と判定値との比較結果からエバポパージシステムの故障
の有無を判定する。
【0010】また、本発明では燃料タンク10とキャニ
スタ12を連通するベーパ通路11を機関停止時に略閉
鎖する機構と、機関停止中又は機関始動直後に燃料タン
ク10内の圧力が所定値以上の正圧のときに、エバポパ
ージシステムが正常であると判断する判断手段とを更に
有する。
【0011】更に、本発明では燃料蒸気発生量検知手段
17によって実質的に検知された燃料蒸気発生量に応じ
て、判定手段19の判定値を可変する。
【0012】
【作用】燃料蒸気発生量検知手段17により検知された
実質的な燃料タンク10内の燃料蒸気発生量が所定値未
満であるときのみ圧力導入手段15により吸気負圧を所
定のエバポ経路内に導入し、圧力検出手段16により負
圧値を検出し、検出負圧に基づき、判定手段19により
故障判定がなされる。従って、本発明では燃料蒸気発生
量検知手段17により検知された実質的な燃料蒸気発生
量が上記所定値以上のときには、故障判定が行なわれな
い。
【0013】また、前記機構によって機関停止時にベー
パ通路11が略閉鎖されるため、機関停止時又は機関始
動直後に燃料タンク10内の圧力が所定値以上のときに
は、ベーパ通路11等に洩れがないと判断でき、よって
エバポパージシステムが正常であると判断できる。
【0014】また、燃料蒸気発生量に応じてその分だけ
設定した負圧が小さくなる。これは漏れがある時の負圧
の変化と類似する。そこで、本発明では燃料蒸気発生量
に応じて判定手段19の判定値を可変するようにしてい
るため、燃料蒸気の発生による負圧の変化を判定上、実
質的に打ち消すことができる。
【0015】
【実施例】図2は本発明の第1実施例のシステム構成図
を示す。同図中、エアクリーナ22により大気中のほこ
り、塵埃等が除去された空気はエアフローメータ23に
よりその吸入空気量が測定された後、吸気管24内のス
ロットルバルブ25により、その流量が制御され、更に
サージタンク26,インテークマニホルド27(前記吸
気管24と共に前記吸気通路14を構成)を通して内燃
機関の吸気弁の開の期間燃焼室(いずれも図示せず)内
に流入する。
【0016】スロットルバルブ25はアクセルペダル
(図示せず)に連動して開度が制御され、その開度はス
ロットルポジションセンサ28により検出される。ま
た、インテークマニホルド27内に一部が突出するよう
各気筒毎に燃料噴射弁29が配設されている。この燃料
噴射弁29はインテークマニホルド27を通る空気流中
に燃料タンク30内の燃料31を、マイクロコンピュー
タ21により指示された時間噴射する。
【0017】燃料タンク30は前記した燃料タンク10
に相当し、燃料31を収容しており、内部で発生した蒸
発燃料(ベーパ)を、ベーパ通路32(前記ベーパ通路
11に相当)を通してキャニスタ33(前記したキャニ
スタ12に相当)へ送出する。キャニスタ33は内部に
活性炭等の吸着剤が充填されており、また一部に大気孔
34が設けられている。
【0018】上記の大気孔34は大気通路35を介して
キャニスタ大気孔バキューム・スイッチング・バルブ
(VSV)36に連通されている。キャニスタ大気孔V
SV36はマイクロコンピュータ21の制御信号に基づ
き、大気導入孔36aと大気通路35との間を連通又は
遮断する制御弁で、前記第2の制御弁16を構成する。
【0019】また、キャニスタ33はパージ通路37を
介してパージ側VSV38に連通されている。パージ側
VSV38は一端が例えばサージタンク26に連通され
ているパージ通路39の他端と上記パージ通路37の他
端とを、マイクロコンピュータ21からの制御信号に基
づき連通又は遮断する制御弁で、前記第1の制御弁15
を構成する。
【0020】圧力センサ40はベーパ通路32の途中に
設けられ、ベーパ通路32の圧力を検出することで、燃
料タンク30の内圧を実質的に検出するために設けられ
ている。ウォーニングランプ41はマイクロコンピュー
タ21が異常を検出したとき、その異常を運転者に通知
するために設けられている。
【0021】かかる構成において、燃料タンク30内に
発生したベーパは、ベーパ通路32を介してキャニスタ
33内の活性炭に吸着されて大気への放出が防止され
る。通常はキャニスタ大気孔VSV36は開弁されてお
り、またエバポパージシステム作動時にはパージ側VS
V38も開弁されている。これにより、運転時にインテ
ークマニホルド27の負圧を利用して大気導入口36a
からキャニスタ大気孔VSV36,大気通路35及び大
気孔34を通して大気をキャニスタ33内に導入する。
【0022】すると、活性炭に吸着されている燃料が脱
離され、その燃料がパージ通路37,パージ側VSV3
8及びパージ通路39を夫々通してサージタンク26内
へ吸い込まれる。また、活性炭は上記の脱離により再生
され、次のベーパの吸着に備える。
【0023】また、ベーパ通路32の途中には絞り42
が設けられている。この絞り42は機関停止中、外気温
の影響等で多量の燃料ベーパが燃料タンク30内に発生
したときに、ある圧力(後述する、故障検出を実行しな
い判定レベル値)以上とするために設けられている。更
に、スタータ43は機関始動時に作動され、スタータ信
号を発生出力する。
【0024】マイクロコンピュータ21は前記した燃料
蒸気発生量検知手段17,判定手段19をソフトウェア
処理により実現する制御装置で、図3に示す如き公知の
ハードウェア構成を有している。同図中、図2と同一構
成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図3
において、マイクロコンピュータ21は中央処理装置
(CPU)50,処理プログラムを格納したリード・オ
ンリ・メモリ(ROM)51,作業領域として使用され
るランダム・アクセス・メモリ(RAM)52,エンジ
ン停止後もデータを保持するバックアップRAM53,
マルチプレクサ付き入力インタフェース回路54,A/
Dコンバータ56及び入出力インタフェース回路55な
どから構成されており、それらはバス57を介して接続
されている。
【0025】入力インタフェース回路54はエアフロー
メータ23からの吸入空気量検出信号、スロットルポジ
ションセンサ28からの検出信号、圧力センサ40から
の圧力検出信号などを順次切換えて単一のA/Dコンバ
ータ56に供給し、それらをアナログ・ディジタル変換
させてバス57へ順次送出させる。
【0026】入出力インタフェース回路55はスロット
ルポジションセンサ28からの検出信号及びスタータ4
3からのスタータ信号が入力され、それをバス57を介
してCPU50へ入力する一方、バス57から入力され
た各信号を燃料噴射弁29,キャニスタ大気孔VSV3
6,パージ側VSV38及びウォーニングランプ41へ
選択的に送出してそれらを制御する。
【0027】上記の構成のマイクロコンピュータ21の
CPU50はROM51内に格納されたプログラムに従
い、以下説明するフローチャートの処理を実行する。図
4は本発明の要部の第1実施例の動作説明用フローチャ
ートで、例えば65ms毎に起動される。同図において、
まず実行フラグがセット(値が“1”)されているか見
る(ステップ101 )。機関始動時のイニシャルルーチン
によって実行フラグはクリア(値は“0”)されている
ため、最初はセットされていないので、次のステップ10
2 へ進む。
【0028】ステップ102 ではスタータ43からのスタ
ータ信号の有無により始動直後かどうか判定する。始動
直後のときには、燃料タンク30の内部圧力(タンク内
圧)が正圧のY(Pa)以上かどうか判定する(ステッ
プ103 )。タンク内圧がY(Pa)以上のときには燃料
ベーパ発生量が多く、洩れがないと推定され、また負圧
設定が不可能なほどベーパ発生量が多く、負圧のかけっ
ぱなしによる排気エミッション悪化により正確な故障診
断が不可能ということで、次の始動の機会までは故障診
断をしないよう、実行フラグをセットし(ステップ121
)、洩れ判定中フラグをクリアして(ステップ122
)、このルーチンを終了する。上記のステップ103 が
前記燃料蒸気発生量検知手段17を実現する処理を行な
う。
【0029】ステップ102 で始動直後でないと判定され
たとき、又はステップ103 でタンク内圧がY(Pa)未
満、すなわちタンク内圧がY(Pa)より大気圧、負圧
側の値のときにはベーパ発生量が少なく、正確な故障診
断可能と判断して次のステップ104 へ進む。
【0030】ステップ104 では、後述の洩れ判定中フラ
グがセットされているか見る。この洩れ判定中フラグも
イニシャルルーチンによってクリアされているため、最
初はセットされておらず、最初は次のステップ105 へ進
む。ステップ105 ではキャニスタ大気孔VSV36を遮
断(閉弁)状態にし、続くステップ106 でパージ側VS
V38を開放(開弁)状態にする。
【0031】上記のキャニスタ大気孔VSV36の閉弁
が図5(B)に示す如く時刻t1 で行なわれ、上記のパ
ージ側VSV38の開弁が図5(A)に示す如く実質上
同一時刻t1 で行なわれたものとすると、機関燃焼室へ
の負圧が図2に示したパージ通路39,パージ側VSV
38,パージ通路37,キャニスタ33,ベーパ通路3
2を通して燃料タンク30に加わる。これにより、燃料
タンク30の内圧(タンク内圧)は、図5(C)に示す
如く、時刻t1 以降負方向へ急激に上昇する(負圧が低
下する)。
【0032】続いて、図4のステップ107 で圧力センサ
40の検出信号に基づき、タンク内圧がX Pa以下で
あるかどうか判定し、X Pa以下のときには負圧設定
中のため、このルーチンを終了する。タンク内圧がX
Paより負圧側に大となるまで65ms毎に上記のステッ
プ101 〜107 が繰り返し実行される。そして、タンク内
圧がX Paより負圧側に大となったとステップ107 で
判定されると、パージ側VSV38を図5(A)に示す
如く時刻t2 で遮断する(ステップ108 )。
【0033】前記時刻t2 の時点で2つのVSV36及
び38が共に閉弁されるため、パージ側VSV38から
燃料タンク30までの系内の圧力はシステムに故障がな
い場合は保持され、極めて緩やかに大気圧側に低下して
いく。上記のステップ105 〜108 が前記弁制御手段18
を実現する処理である。
【0034】ステップ108 でパージ側VSV38の遮断
が行なわれると、ステップ109 〜116 により前記判定手
段19の処理が実現される。
【0035】すなわち、まず洩れ判定タイマが“0”か
否か判定される(ステップ109 )。前記したイニシャル
ルーチンによって、この洩れ判定タイマは“0”にクリ
アされているので、最初にこのステップ109 の判定が行
なわれたときは、“0”と判定されてステップ110 へ進
み、現在の圧力センサ40の検出値を診断開始圧力値P
S としてRAM52に記憶する。
【0036】続いて、洩れ判定タイマの値を所定値加算
し(ステップ111 )、洩れ判定中フラグを“1”にセッ
トして(ステップ112 )、このルーチンを終了する。そ
して、次に再びこのルーチンが起動されると、ステップ
104 で洩れ判定中と判定されるため、ステップ105 〜10
7 をジャンプし、更にステップ108 を経由してステップ
109 に到る。
【0037】今度はステップ109 で洩れ判定タイマは
“0”ではないと判定されるため、洩れ判定タイマの値
が診断時間(洩れ判定時間)αに相当する値になってい
るかどうか判定し(ステップ113 )、まだ時間αになっ
ていないときはステップ111 ,112 を経由してこのルー
チンを終了する。
【0038】このようにして、ステップ101 〜104 ,10
8 ,109 ,113 ,111 ,112 の処理が65ms毎に繰り返
され、洩れ判定タイマの値が洩れ判定時間αに相当する
値になると、その時点の圧力センサ40の検出値を診断
終了圧力値PE としてRAM52に記憶する(ステップ
114 )。そして、RAM52から読み出した圧力値
S ,PE に基づいて、(PS −PE )/α(秒)なる
式から圧力の変化率を算出する(ステップ115 )。
【0039】続いて、算出した変化率が所定のしきい値
β以上か否か判定し(ステップ116)、β以上のときは
圧力の変化が大なため洩れが大であり異常であると判断
して、ウォーニングランプ41を点灯して(ステップ11
7 )、運転者にエバポパージシステムの故障発生を通知
した後、洩れ故障フェイルコードを例えばバックアップ
RAM53に記憶し(ステップ118 )、ステップ119 へ
進む。洩れ故障フェイルコードはその後の修理の際にバ
ックアップRAM53から読み出されて、エバポパージ
システムの故障原因を知らせる。一方、算出変化率がβ
未満と判定されたときは、洩れが規定値以下であるから
正常と判断してステップ117 ,118 をジャンプしてステ
ップ119 へ進む。
【0040】以上のようにしてエバポパージシステムの
故障の有無が判定されると、続いてステップ119 でキャ
ニスタ大気孔VSV36に対して開放(開弁)状態とす
る指令が図5(B)に示す如く時刻t3 で発せられる。
キャニスタ大気孔VSV36が正常な場合には、この指
令に基づいて、キャニスタ大気孔VSV36が開弁し、
これにより図2の大気導入口36aからキャニスタ大気
孔VSV36を通して系内に大気が導入されるため、タ
ンク内圧は図5(C)に示す如く時刻t3 より短時間で
大気圧を経由してベーパの発生状況によって正圧に変化
する。
【0041】その後、洩れ判定タイマをクリアし(ステ
ップ120 )、実行フラグを“1”にセットし(ステップ
121 )、更に洩れ判定中フラグを“0”にクリアして
(ステップ122 )、故障診断処理を終了する。以後は、
このルーチンが起動されてもステップ101 で実行フラグ
が“1”と判定されるので、以後再始動されるまでこの
ルーチンが実行されることはない。
【0042】次に本発明の第2実施例について図6乃至
図8と共に説明する。図6は本発明の第2実施例のシス
テム構成図を示す。同図中、図2と同一構成部分には同
一符号を付し、その説明を省略する。図6において、6
1は燃料タンク内圧制御弁で、ベーパ通路32aと32
c及び32dとの間を導通(開放)又は遮断するメカニ
カル制御弁であり、スプリング61aの設定圧よりタン
ク内圧が正圧方向の値のときには、ダイヤフラム61b
が図示の如く位置してベーパ通路32aと32c及び3
2dとの間を連通し、スプリング61aの設定圧よりタ
ンク内圧が負圧方向の値のときには、ダイヤフラム61
bが下動してベーパ通路32aと32c及び32dとの
間を遮断する。
【0043】これにより、タンク内圧は正圧に保持さ
れ、ベーパ発生量ができるだけ低く抑えられる。なお、
61cは大気開放口である。しかし、エバポパージシス
テムの場合には、前記した第1実施例と同様に燃料タン
ク30に所定の負圧を導入し、その状態における圧力変
化を見る必要がある。
【0044】そこで、本実施例では燃料タンク内圧制御
弁61の導入口及び導出口の間をベーパ通路32b及び
32cを介して迂回すると共に、そのベーパ通路32b
と32cとの間を導通(開放)又は遮断するためのタン
ク内圧切換弁(VSV)62を設け、このタンク内圧切
換弁62をマイクロコンピュータ21によって切換制御
するようにしたものである。
【0045】図7は本発明の要部の第2実施例の故障診
断ルーチンを示すフローチャートで、図4と同一処理ス
テップには図4と同一符号を付し、その説明を省略す
る。マイクロコンピュータ21のCPU50はこの故障
診断ルーチンを例えば65ms毎に起動する。
【0046】図7において、洩れ判定中でないと判定さ
れたときは(ステップ104 )、タンク内圧切換弁62を
開放(開弁)状態とした後(ステップ201 )、タイマA
を加算して(ステップ202 )、加算後のタイマAの値が
γ分経過しているか否か見る(ステップ203 )。γ分経
過してないときはこのルーチンを一旦終了する。
【0047】その後65ms毎にこのルーチンが起動され
てステップ203 でγ分経過したと判定されると、次のス
テップ204 でタンク内圧が正圧のY(Pa)より大気圧
側にあるか(Y Pa以下か)判定される。燃料タンク
30内の燃料蒸気発生量(ベーパ発生量)が小なるとき
は、通路抵抗が小なるために図8(D)に模式的に示す
如く、タンク内圧切換弁62が時刻t0 で開弁状態(図
8(C))にされてから、ステップ203 でγ分経過した
と判定された時刻t1 では、Y Pa以下の大気圧付近
に達している。
【0048】そこで、次のステップ105 でキャニスタ大
気孔VSV36を遮断状態とし(図8(B)の時刻
1 )、ステップ106 でパージ側VSV38を開放状態
とする(図8(A)の時刻t1 )。それ以降は第1実施
例と同じアルゴリズムに従って処理を行なうことによ
り、エバポパージシステムの故障の発生の有無を正確に
診断することができる。なお、故障診断が終了すると、
燃料タンク内圧制御弁61の作動を有効とするためにタ
ンク内圧切換弁62は遮断状態とされ(ステップ20
5)、またタイマA及び洩れ判定タイマがクリアされる
(ステップ206 )。
【0049】一方、燃料タンク30内のベーパ発生量が
大なるときは、タンク内圧切換弁62を開弁した後、前
記γ分経過した時刻t1 においても、燃料タンク30内
の圧力は図8(E)に示す如く通路抵抗等により大気圧
にまで達しない。従って、この場合はステップ204 でタ
ンク内圧がY(Pa)より正圧側に大であると判定さ
れ、洩れ判定を行なうことなく直ちにステップ119 へ進
んでキャニスタ大気孔VSV36を開放状態とし、タン
ク内圧切換弁62の遮断(ステップ205 )、タイマA,
洩れ判定タイマのクリア(ステップ206 )、実行フラグ
のセット(ステップ121 )及び洩れ判定中フラグのクリ
ア(ステップ122 )を行なって、このルーチンを終了す
る。従って、以後次の機関再始動時まで故障診断を中止
する。
【0050】これにより、ベーパ発生量が大なるときの
誤診断の発生を防止することができる。また、タンク内
圧がY Paより大であるということは、換言すると洩
れが殆どないということであるから、タンク内圧がY
Paより大のときはエバポパージシステムが正常と判断
することもできる。
【0051】次に本発明の第3実施例について図9乃至
図11と共に説明する。図9は本発明の第3実施例のシ
ステム構成図を示す。同図中、図2と同一構成部分には
同一符号を付し、その説明を省略する。本実施例は図9
に示すように燃料温度センサ71を設け、燃料温度から
ベーパ発生量を検出し、その検出ベーパ発生量に応じて
判定値βを可変するようにしたものである。
【0052】燃料温度センサ71は燃料タンク30の適
当な位置に、燃料31の温度が検出できるように設置さ
れている。燃料温度センサ71により検出された燃料温
度検出信号はマイクロコンピュータ21に入力される。
【0053】図10は本発明の要部の第3実施例の故障
診断ルーチンを示すフローチャートで、図4と同一処理
ステップには図4と同一符号を付し、その説明を省略す
る。図10に示す故障診断ルーチンが例えば65msに
1回の割合で起動されると、実行フラグが“1”にセッ
トされているか否か判定し(ステップ101)、“1”
にセットされていないときのみステップ301へ進んで
燃料温度がZ(℃)以上か否かを判定する。燃料温度が
Z(℃)以上のときはベーパの発生量が多く、燃料タン
クに負圧を設定すること自体が不可能の可能性が高いた
め、漏れ判定(故障診断)を禁止してステップ119へ
ブランチし、キャニスタ大気孔VSV36を開放する。
【0054】以後、漏れ判定タイマのクリア(ステップ
120)、実行フラグのセット(ステップ121)、漏
れ判定中フラグのクリア(ステップ122)を順次行な
ってこのルーチンを終了する。これにより、負圧のかけ
っぱなしによる排気エミッション悪化を防止することが
できる。
【0055】一方、ステップ301で燃料温度がZ
(℃)未満と判定されたときは、前記各実施例と同様
に、キャニスタ大気孔VSV36を遮断した状態で燃料
タンク30に負圧を導入後、パージ側VSV38を遮断
して負圧をパージ側VSV38から燃料タンク30まで
の系内に密閉して、所定時間α秒の圧力変化率を算出し
(ステップ104〜115)、その圧力変化率と判定値
βとを大小比較して漏れ判定をする(ステップ11
6)。
【0056】このとき、本実施例では開始時圧力センサ
値PS の記憶後(ステップ110)に、燃料温度センサ
71の検出値を開始時燃料温度TS としてRAM52に
記憶する(ステップ302)。そして、診断開始後、時
間α(秒)経過時に圧力の変化率を算出した後(ステッ
プ115)、その時点の燃料温度センサ71の検出値を
終了時燃料温度TE としてRAM52に記憶する(ステ
ップ303)。
【0057】次にRAM52から上記の開始時燃料温度
S と終了時燃料温度TE との差(TE −TS )を温度
変化ΔTとして演算算出する(ステップ304)。続い
て、予めROM51に格納されている図11に示す如き
漏れ判定値βと燃料温度とのテーブルを蒸気温度変化Δ
Tと終了時燃料温度TE とで参照して漏れ判定値βを算
出する(ステップ305)。
【0058】図11において、実線aは診断時間α
(秒)中に温度変化ΔTがない(ΔT=0)ときの燃料
温度対漏れ判定値特性を示し、またΔTが大きくなるほ
ど燃料温度対漏れ判定値特性は破線b,c,dで示す如
く漏れ判定値が大となる特性を示す。これはベーパが発
生すると密閉保持した系内の負圧が大気圧側へ変化する
ために、ベーパ発生時は漏れ判定値βを大きくする必要
があるからであり、また負圧の大気圧側への変化量はベ
ーパの発生量に略比例して増加するが、ベーパの発生量
が燃料温度変化ΔTが大きいほど多くなるからである。
【0059】また、燃料温度変化ΔTが同じ場合は、終
了時燃料温度TE が高いほどベーパ発生量が多いから、
各特性a〜dは図11に示す如く右上りの直線で表わさ
れる。なお、図10には図示を省略したが、ステップ3
05での漏れ判定値βの算出に際し、燃料温度変化ΔT
が図11の特性dより大きな変化を示すときは、図11
に斜線Iで示す如く故障診断を禁止し、ステップ119
へ進む。ベーパの発生量が多すぎ負圧の設定や正確な判
定が不可能なためである。同様の理由で、ステップ30
1で燃料温度がZ(℃)以上と判定されたときも故障診
断を禁止し、ステップ119へ進む。この燃料温度がZ
(℃)以上の故障診断禁止領域は図11にIIで示され
る。
【0060】このようにして、漏れ判定値βがベーパ発
生量に応じて可変設定されると、続いて図10のステッ
プ116へ進み、その漏れ判定値βがステップ115で
算出された圧力変化率以下かどうか判定され、圧力変化
率より大きいときは正常、圧力変化率以下のときは故障
と診断される。
【0061】このように、本実施例によれば、ベーパ発
生量に応じて漏れ判定値βを変更してベーパの発生によ
る負圧の変化を打ち消すようにしているため、誤診断を
防止することができる。また、ベーパ発生量が多すぎる
ときは故障診断を禁止するようにしているため、負圧の
かけっぱなしによる排気エミッションの悪化を防止する
ことができる。
【0062】図12は本発明の第4実施例のシステム構
成図を示す。同図中、燃料タンク30は燃料31を収容
しており、内部で発生した蒸発燃料(ベーパ)をベーパ
通路37,39を通してキャニスタ33へ送出する。
【0063】キャニスタ33はその中央部に吸着剤とし
ての活性炭が充填されており、また下部には大気孔34
が設けられ、更に上部の第1及び第2の開口部の一方は
ベーパ通路32に連通され、他方はパージ通路37,3
9に連通されている。
【0064】キャニスタ33内にはタンク内圧が設定さ
れた正圧より更に正圧方向の値になったときにベーパ通
路32とキャニスタ33内部とを連通するチェックボー
ル72と、タンク内圧が設定された負圧より更に負圧方
向の値になったときにベーパ通路32とキャニスタ33
内部とを連通するチェックボール73とが設けられてい
る。
【0065】これにより、燃料タンク31内に多量のベ
ーパが発生してタンク内圧が上記設定された正圧よりも
正圧方向に大となると、チェックボール72が開弁し
て、ベーパがベーパ通路32を通してキャニスタ33内
に導入され、活性炭に吸着され、燃料タンク30の保護
が図られる。他方、燃料タンク30内の内圧が上記設定
された負圧よりも負圧方向に大となると、チェックボー
ル73が開弁して大気が大気孔34よりキャニスタ33
内に導入され、更にベーパ通路32を通して燃料タンク
30内に大気が導入され、燃料タンク30の耐久性が確
保される。なお、チェックボール72及び73の代りに
チェック弁を設けてもよい。
【0066】ベーパ通路32の途中には圧力センサ40
が設けられ、タンク内圧を間接的に測定する。バイパス
通路71は、キャニスタ33をバイパスし、ベーパ通路
32とパージ通路37,39とを連通する。
【0067】バイパス通路71の途中にはバキューム・
スイッチング・バルブ(VSV)70と、オリフィス4
2とが設けられている。オリフィス42はバイパス通路
71の流量を絞るために設けられており、VSV70と
併用してもよい。VSV70は機関停止時等の非通電時
はオン(開弁)、通電時はオフ(閉弁)とされる。
【0068】パージ通路37,39は第2のVSV38
を介して吸気管24内のスロットルバルブ25付近の位
置に連通されている。スロットルバルブ25は機関シリ
ンダに供給される吸入空気量を制御する。上記のVSV
70及び38はマイクロコンピュータ21よりの制御信
号によりスイッチング制御される。また、マイクロコン
ピュータ21は圧力センサ40からの検出信号を入力信
号として受け、またウォーニングランプ41の点灯制御
も行なう。ウォーニングランプ41はエバポパージシス
テムの異常が検出されたときに点灯され、その異常を運
転者に通知するために設けられている。
【0069】かかる構成において、通常のエバポパージ
システムの作動時には第1のVSV70が閉弁され、か
つ、第2のVSV38が開弁される。この状態で燃料タ
ンク30内に発生したベーパは、ベーパ通路32を介し
てキャニスタ33内の活性炭に吸着されて大気への放出
が防止される。これにより、運転時に吸気管24の負圧
を利用して大気孔34から大気をキャニスタ33内に導
入する。すると、活性炭に吸着されている燃料が脱離さ
れ、その燃料がパージ通路37,39及びVSV38を
夫々通して吸気管24内へ吸い込まれる。また、活性炭
は上記の脱離により再生され、次のベーパの吸着に備え
る。
【0070】マイクロコンピュータ21は以下説明する
フローチャートの処理を実行する。図13は本発明の第
4実施例の動作説明用フローチャートで、例えば32m
s毎に割り込み起動される。同図において、まずエバポ
パージシステム条件が成立しているかどうかを判断する
(ステップ401)。ここで、エバポパージシステム条
件が成立しているかどうかを判断するのは、後のステッ
プで実行される異常検出処理は、エバポパージシステム
が正常に動作するかどうかを検査する処理であり、よっ
てエバポパージシステムが作動しうる状態で行なう必要
があるからである。なお、具体的なエバポパージ条件と
しては、機関冷却水温が所定温度以上であること、アイ
ドルスイッチがオフである(即ち、アイドル状態でな
い)こと、空燃比学習が停止中であること等が挙げられ
る。ステップ401でエバポパージ条件が成立していな
いと判断されると、異常検出を行いうる状態ではないと
して、VSV70を閉弁させて処理を終了する(ステッ
プ414)。なお、VSV38は異常検出処理動作中は
常に開弁(オン)状態とされている。
【0071】一方、ステップ401においてエバポパー
ジ条件が成立していると判断されると、処理終了フラグ
XOPEがセットされているかどうか(XOPE=1か
どうか)を判断する(ステップ402)。この処理終了
フラグXOPEは、エバポパージシステムの異常検出を
実施した場合にステップ412でセットされるフラグで
ある。従って、この処理終了フラグXOPEの状態を判
断することにより、異常検出を過去に実行したかどうか
を判断することができる。
【0072】上記のように、ステップ402において過
去に異常検出を実行したかどうかを判断するのは、エバ
ポパージシステムの異常原因は、主として配管の亀裂や
配管外れ等であるため、少なくとも1回の走行において
1回異常検出を行なえば十分に安全性を確保できるから
である。従って、ステップ402においてXOPE=1
と判断され、過去においてエバポパージシステムの異常
検出を既に行っていると判断されると、VSV70を閉
弁させて(ステップ414)処理を終了する。一方、ス
テップ402においてXOPE=0と判断され、過去に
おいてエバポパージシステムの異常検出が行われていな
いと判断されると、ステップ403へ進み異常検出条件
が成立しているかどうかが判断される。ここで異常検出
条件が成立している状態とは、例えばエンジン回転数、
吸気管圧力等が所定の範囲内となっている状態をいう。
即ち、エンジン回転数、吸気管圧力等が所定の範囲を越
えて大きく変動している状態では、エバポパージシステ
ムの正確な異常検出が行えないおそれがある。従って、
エンジン回転数や吸気管圧力等が大きく変動している不
安定状態では異常検出は行わないものとし、この場合は
VSV70を閉弁させて(ステップ414)処理を終了
する。
【0073】一方、ステップ403で異常検出条件が成
立していると判断されると、バイパス通路71に配設さ
れているVSV70が開弁(オン)しているかどうかが
判断される(ステップ404)。
【0074】異常検出装置の構成を簡単化するために、
一つの圧力センサ40を用いて異常検出を行うために
は、ベーパ通路32とパージ通路37,39を連通させ
る必要があるからである。よって、異常検出処理時には
VSV70を開弁する必要がある。
【0075】しかし、VSV70は機関停止時には前記
したように開弁状態とされているが、機関始動により閉
弁(オフ)状態とされるため、異常検出前はVSV70
は閉弁状態とされている。よって、ステップ404では
VSV70がオフと判定されるため、続いて圧力センサ
40の検出圧力(実質上、タンク内圧を示す)Pが所定
の設定圧PB より正圧方向の値であるか否か判定される
(ステップ405)。上記の設定圧PB は前記したチェ
ックボール72が開弁する設定圧よりも小なる正圧であ
って、例えば10mmHgである。
【0076】このステップ405が前記した判定手段1
9を実現する処理で、P<PB のときには燃料タンク3
0内のベーパ発生量が小であると判断して、後述のステ
ップ408〜410による異常検出動作を開始するべく
VSV70をオン(開弁)とし(ステップ406)、更
にタイマカウンタ値COUNTERの値をクリアして
(ステップ407)、このルーチンを一旦終了する。
【0077】他方、ステップ405でP≧PB と判定さ
れたときは、燃料タンク30内のベーパ発生量が多量で
あると判断され、VSV70をオンすることなく、ステ
ップ407へ進んでタイマカウンタ値COUNTERを
ゼロクリアして、このルーチンを終了する。従って、そ
の後にステップ405でP<PB と判定されない限り異
常検出動作は行われない。これにより、燃料タンク30
内の多量のベーパ発生時の異常検出の誤動作を防止する
ことができる。
【0078】ステップ405でP<PB と判定されたと
きは、その後にこのルーチンが起動されると、ステップ
404でVSV70がオンであると判定されるため、こ
のときはステップ408に進んでカウンタ値COUNT
ERを所定値インクリメントした後、ステップ409で
そのカウンタ値COUNTERが所定時間N(例えば1
0秒)を示しているか否か判定される。
【0079】その後この異常検出ルーチンが何回か起動
され、VSV70がオンされてから所定時間N経過した
とステップ409で判定されると、続いて圧力センサ4
0の検出圧力値Pと所定の負圧PA との大小比較が行わ
れる(ステップ410)。
【0080】VSV70がオンとされると、吸気管24
の負圧がVSV38、パージ通路37,39、VSV7
0、バイパス通路71及びベーパ通路32を通して燃料
タンク30内へ導入されるが、導入直後はベーパ通路3
2の内圧が不安定であり、この状態で異常検出を行なう
と誤検出するおそれがあるため、各通路37,39,7
1,32の内圧が安定した状態となる、上記の所定時間
N経過後にステップ410で異常検出を行なう。
【0081】上記のように、エバポパージシステムの系
内に洩れがあるか否かを検出するために、燃料タンク3
0へ負圧を導入した場合、洩れがない場合はタンク内圧
は導入された負圧により負圧側へ変化していくのに対
し、洩れがあるときはタンク内圧は負圧を導入しても大
気圧近傍で安定する。
【0082】従って、ステップ410において、圧力セ
ンサ40の検出圧力値Pが所定の設定値PA より大気圧
側の値(P>PA )と判定されたときには、エバポパー
ジシステムに異常が有ると判断して、ウォーニングラン
プ41の点灯などの異常警告を行ない(ステップ41
1)、ステップ412へ進む。他方、ステップ410に
おいて、圧力センサ40の検出圧力値Pが所定の設定圧
A より負圧側の値(P≦PA )と判定されたときに
は、洩れが規定値以下であるからエバポパージシステム
は正常と判断して、ステップ411をジャンプしてステ
ップ412へ進む。ステップ412では異常検出処理終
了フラグXOPEの値を“1”にセットする。その後、
タイマカウンタ値COUNTERをゼロにクリアして
(ステップ413)、更にVSV70をオフ(閉弁)し
てこのルーチンの処理を終了する。これにより、以後再
始動されてイニシャルルーチンにより、処理終了フラグ
XOPEがゼロクリアされるまでは、この異常検出ルー
チンにより異常検出が行なわれることはない。なお、X
OPEはエンジン停止時にゼロクリアしてもよい。
【0083】図14は第5実施例の動作説明用のフロー
チャートを示す。この第5実施例のシステム構成図は図
6で示される。本実施例では、燃料蒸気発生量の検出
は、図14のルーチンとは別途実行される図15の空燃
比(A/F)フィードバック制御ルーチンで算出される
空燃比フィードバック補正係数FAFを用いて行なわれ
る。
【0084】まず、A/Fフィードバック制御ルーチン
について図15と共に説明するに、このルーチンが例え
ば4ms毎に起動されると、マイクロコンピュータ21は
まずステップ501 でA/Fのフィードバック(F/B)
条件が成立しているか否かを判別する。F/B条件不成
立(例えば、冷却水温が所定値以下、機関始動中、始動
後増量中、暖機増量中、パワー増量中、燃料カット中等
のいずれか)の時は、空燃比フィードバック補正係数F
AFの値を1.0 にして(ステップ510 )、このルーチン
を終了する(ステップ511 )。これによりA/Fのオー
プン制御が行なわれる。一方、F/B条件成立時(上記
のF/B条件不成立以外のとき)はステップ502 へ進
み、排気通路に設けられたO2 センサの検出電圧V1
変換して取り込む。
【0085】次に、ステップ503 で検出電圧V1 が比較
電圧VR1以下か否かを判別することにより、空燃比がリ
ッチかリーンかを判別する。リッチのとき(V1
R1)はその状態がそれまでリーンであった状態からリ
ッチへ反転した状態であるかの判定が行なわれ(ステッ
プ504 )、リッチへの反転であるときは前回の空燃比フ
ィードバック補正係数FAFの値からスキップ定数RS
Lを減算した値を新たな空燃比フィードバック補正係数
FAFとし(ステップ505 )、一方前回もリッチの状態
であり、リッチが継続しているときは前回のFAFの値
から積分定数KIを減算して新たなFAFの値とし(ス
テップ506 )、このルーチンを抜ける(ステップ511
)。
【0086】他方、ステップ503 でリーンと判定された
とき(V1 ≦VR1)は、その状態がそれまでリッチであ
った状態からリーンへ反転した状態であるかの判定が行
なわれ(ステップ507 )、リーンへの反転であるときは
前回のFAFの値からスキップ定数RSRを加算した値
を新たな空燃比フィードバック補正係数FAFとし(ス
テップ508 )、一方前回もリーンの状態で引続きリーン
と判定されたときはFAFの値に積分定数KIを加算し
て新たなFAFの値とし(ステップ509 )、このルーチ
ンを終了する(ステップ511 )。ここで、上記のスキッ
プ定数RSL及びRSRは積分定数KIに比べて十分大
なる値に設定されている。
【0087】この空燃比フィードバック補正係数FAF
は機関回転数と吸気管負圧により定まる基本燃料噴射時
間に、他の係数と共に乗算されて最終的な燃料噴射時間
TAUを決定し、これにより吸入混合気が目標空燃比に
なるよう制御させる。
【0088】次に図14に示した故障診断ルーチンにつ
いて説明する。この故障診断ルーチンが例えば65ms毎
に割込み起動されると、まず、実行フラグがセット(値
が“1”)されているか見る(ステップ601 )。機関始
動時のイニシャルルーチンによって実行フラグはクリア
(値は“0”)されているため、最初はセットされてい
ないので、次のステップ602 へ進む。
【0089】ステップ602 では、後述の洩れ判定中フラ
グがセットされているか見る。この洩れ判定中フラグも
イニシャルルーチンによってクリアされているため、最
初はセットされておらず、最初は次のステップ603 へ進
む。ステップ603 ではキャニスタ大気孔VSV36を遮
断(閉弁)状態にし、続くステップ604 でパージ側VS
V38が遮断(閉弁)状態のときの単位時間当たりの空
燃比フィードバック補正係数FAFの平均値FAFOF
FがRAM52に記憶されているか判定する。
【0090】上記平均値FAFOFFが記憶されていな
いと判定されたときは、パージ側VSV38を遮断(閉
弁)状態にした後(ステップ605 )、単位時間当たりの
空燃比フィードバック補正係数FAFの平均値FAFO
FFを算出してRAM52に記憶する(ステップ606
)。
【0091】一方、ステップ604 でFAFOFFがRA
M52に記憶されていると判定されたときは、パージ側
VSV38を開放(開弁)状態にして(ステップ607
)、その状態で単位時間当たりの空燃比フィードバッ
ク補正係数FAFの平均値FAFONを算出してその値
をRAM52に記憶する(ステップ608 )。そして、前
記した2つの平均値FAFOFFとFAFONとの差の
値を求める(ステップ609)。
【0092】ここで、VSV38を開弁してパージ有り
としたとき、エバポパージシステムが正常な場合はキャ
ニスタ33に吸着した燃料や燃料タンク30内のベーパ
がVSV38及びパージ通路39を通して吸気通路にパ
ージされるから、そのパージ量分だけ吸入混合気が目標
空燃比よりリッチ側にずれ、よってこれを補正するため
に、空燃比フィードバック補正係数FAFはリーン側
(減量側)へ変化する。
【0093】上記の2つの平均値FAFOFFとFAF
ONとの差は、パージ側VSV38を開弁したときにサ
ージタンク26にパージされる燃料蒸気の濃度に比例
し、その差の値が空燃比のリッチ側のずれがA%未満で
あることを示しているときはパージされた燃料蒸気の濃
度がそれほど大でないと判定され、差の値がA%以上の
空燃比のリッチ側へのずれを示しているときはパージさ
れた燃料蒸気の濃度が高く空燃比のオーバーリッチや排
気エミッションの増加をもたらすと判定される(なお、
上記のA%の値は予め実験により求めた所定値であって
よいが、エンジンの運転状態に応じて変えてもよい)。
【0094】そこで、上記のステップ609 では(FAF
OFF−FAFON)の値が、A%未満の空燃比のリッ
チ側のずれを示しているにすぎないときには、ステップ
610〜621 により故障診断のための判定手段19を実現
する処理が開始される。
【0095】続いて、ステップ610 で圧力センサ40の
検出信号に基づき、タンク内圧がXPa以下であるかど
うか判定し、X Pa以下のときには負圧設定中のた
め、このルーチンを終了する。タンク内圧がX Paよ
り負圧側に大となるまで65ms毎に上記のステップ601
〜604 ,607 〜610 が繰り返し実行される。そして、タ
ンク内圧がX Paより負圧側に大となったとステップ
610 で判定されると、パージ側VSV38を遮断する
(ステップ611 )。
【0096】その後、洩れ判定タイマが“0”か否か判
定される(ステップ612 )。前記したイニシャルルーチ
ンによって、この洩れ判定タイマは“0”にクリアされ
ているので、最初にこのステップ612 の判定が行なわれ
たときは、“0”と判定されてステップ613 へ進み、現
在の圧力センサ40の検出値を診断開始圧力値PS とし
てRAM52に記憶する。
【0097】続いて、洩れ判定タイマの値を所定値加算
し(ステップ614 )、洩れ判定中フラグを“1”にセッ
トして(ステップ615 )、このルーチンを終了する。そ
して、次に再びこのルーチンが起動されると、ステップ
602 で洩れ判定中フラグが“1”と判定されるため、ス
テップ603 〜610 をジャンプし、更にステップ611 を経
由してステップ612 に到る。
【0098】今度はステップ612 で洩れ判定タイマは
“0”ではないと判定されるため、洩れ判定タイマの値
が診断時間(洩れ判定時間)αに相当する値になってい
るかどうか判定し(ステップ616 )、まだ時間αになっ
ていないときはステップ614 ,615 を経由してこのルー
チンを終了する。
【0099】このようにして、ステップ601 ,602 ,61
1 ,612 ,616 ,614 ,615 の処理が65ms毎に繰り返
され、洩れ判定タイマの値が洩れ判定時間αに相当する
値になると、その時点の圧力センサ40の検出値を診断
終了圧力値PE としてRAM52に記憶する(ステップ
617 )。そして、RAM52から読み出した圧力値
S ,PE に基づいて、(PS −PE )/α(秒)なる
式から圧力の変化率を算出する(ステップ618 )。
【0100】続いて、算出した変化率が所定のしきい値
β以上か否か判定し(ステップ619)、β以上のときは
圧力の変化が大なため洩れが大であり異常であると判断
して、ウォーニングランプ41を点灯して(ステップ62
0 )、運転者にエバポパージシステムの故障発生を通知
した後、洩れ故障フェイルコードを例えばバックアップ
RAM53に記憶し(ステップ621 )、ステップ622 へ
進む。洩れ故障フェイルコードはその後の修理の際にバ
ックアップRAM53から読み出されて、エバポパージ
システムの故障原因を知らせる。
【0101】一方、算出変化率がβ未満と判定されたと
きは、洩れが規定値以下であるから正常と判断してステ
ップ620 ,621 をジャンプしてステップ622 へ進む。ス
テップ622 ではキャニスタ大気孔VSV36を開放状態
(開弁)とする。続いて、洩れ判定タイマをクリアし
(ステップ623 )、実行フラグを“1”にセットし(ス
テップ624 )、更に洩れ判定中フラグを“0”にクリア
して(ステップ625 )、故障診断処理を終了する。以後
は、このルーチンが起動されてもステップ601 で実行フ
ラグが“1”と判定されるので、以後再始動されるまで
このルーチンが実行されることはない。
【0102】ステップ609 は前記燃料蒸気発生量検知手
段17を実現する処理で、(FAFOFF−FAFO
N)の値がA%以上の空燃比のリッチ側へのずれを示し
ているときには、ステップ610 〜621 をジャンプして
(すなわち、洩れ検出を行なわないで)ステップ622 へ
進み、キャニスタ大気孔VSV36を直ちに開弁する。
キャニスタ大気孔VSV36が開弁されると、大気が大
気導入口36a及びキャニスタ大気孔VSV36を通し
て系内に大気が導入されるため、負圧の導入が停止され
る。
【0103】このように、本実施例によれば、パージ無
しとパージ有りのときの2つの空燃比フィードバック補
正係数の平均値FAFOFF及びFAFONの差に基づ
いて、パージ側VSV38を開弁して燃料タンク30へ
負圧をかける時に吸気通路へ吸入される系内の燃料蒸気
濃度を間接的に検出し、この検出燃料蒸気濃度がA%以
上空燃比をリッチ側にずれさせるような値のときには、
キャニスタ大気孔VSV36を開弁して負圧の導入を停
止しているために、燃料蒸気の吸気通路への過度の流入
が防止され、排気エミッションの増加及び空燃比のオー
バーリッチ状態を最小限に抑えることができる。
【0104】また、上記の場合には故障診断を行なわな
いので、系内に発生した多量のベーパによる圧力変化に
起因する誤診断を防止することができる。なお、上記の
負圧導入停止後はその後に、エバポパージ制御ルーチン
による通常のエバポパージ動作が行なわれるが、これに
よってキャニスタ33内の吸着燃料が徐々にパージされ
て行くので、その後前記差の値がA%未満の空燃比のリ
ッチ側のずれを示すようになり、その時点で故障診断が
開始される。
【0105】図16は第6,第7実施例のシステム構成
図である。圧力センサ40が三方弁(圧力切り換えVS
V)90に連通され、上記三方弁の第1入口ポート91
はパージ通路37に連通され、第2入口ポート92はベ
ーパ通路32に連通され、三方弁90の切換えにより圧
力センサ40はタンク内圧制御弁61を介し燃料タンク
30側(ベーパ通路32)、キャニスタ33側(パージ
通路37)のいずれか一方の圧力を検出可能とされる。
【0106】このようなシステムにおけるタンク内圧制
御弁61よりもキャニスタ33側のみの故障判定時にお
いても、燃料タンク30内のベーパ発生量が増えると燃
料タンク30内圧は上昇し、前記タンク内圧制御弁61
の設定圧に達すると該弁が開き燃料燃料タンク30内で
発生したベーパがキャニスタ33側に流入しキャニスタ
33側の負圧レベルが低下して誤判定等の不具合を引き
起こすおそれがある。本実施例は上述のような圧力セン
サ取付構造を有するシステムにおいて、前記タンク内圧
制御弁61よりもキャニスタ33側の圧力検出により、
キャニスタ33側の洩れ故障判定をする際に本発明が適
用される例である。
【0107】図17に第6実施例の動作説明用フローチ
ャートを示す。本実施例は上述のシステムにおいて、所
定時間内に所定負圧に達するか否かで洩れの有無を判定
する判定方式を用いたものである。該故障判定ルーチン
によって、燃料タンク30内圧がタンク内圧制御弁61
の設定圧以上か否かを検出し、燃料タンク30内圧がタ
ンク内圧制御弁61の設定圧より低い時のみ前記三方弁
90を前記第1入口ポート91に切換えて故障判定を行
う。
【0108】この図17に示すルーチンは、例えば65
msec毎に実行される。ステップ700では実行フラ
グが1か否か判定し、1のとき、一旦終了する。0のと
きステップ701へ進む。なお、イニシャル時に実行フ
ラグはクリア(=0)される。ステップ701ではタン
ク内圧が、タンク内圧制御弁61の設定圧よりも高い
か、否かを判定し、高い場合ステップ713へ進み、低
いときステップ702へ進む。ステップ702では圧力
切り換えVSV90を、パージライン側に切り換える
(イニシャル時は、タンク側)。次にステップ703で
はキャニスタ大気孔のVSV36を遮断してキャニスタ
を含む系を密閉状態にする。ステップ704ではパージ
側VSV38を開放しエンジン負圧の導入をする。ステ
ップ705ではタイマAが所定時間(時間判定値)X秒
になったか、否かを見る。X秒以下のとき、ステップ7
13でタイマAを加算し一旦終了する。X秒となった
ら、ステップ706へ進む。なおタイマAは、イニシャ
ル時にクリアされる。
【0109】ステップ706では、パージライン圧が−
YmmHgより大きいか小さいかを見る。小さいとき
(負圧として大)は正常と判定しステップ709へ進
み、大きいとき(大気圧側:負圧として小)は異常(洩
れ大)と判定しステップ707でウォーニングランプ4
1を点灯させ、ステップ708で洩れ故障フェイルコー
ドを記憶させる。次にステップ709では実行フラグを
セットし、洩れ検出終了とする。ステップ710ではタ
イマAをクリアしステップ711でキャニスタ大気孔の
VSVを開放し、ステップ712で圧力切り換えVSV
90をタンク側に切り換えイニシャル状態として終了す
る。
【0110】図18に第7実施例の動作説明用フローチ
ャートを示す。本実施例は上述のシステムにおいて、前
記タンク内圧制御弁61とパージ側VSV38とキャニ
スタ大気孔V36によって閉塞されるエバポ経路内に所
定負圧を設定後、所定時間に所定負圧以上の負圧が保持
されているか否かで洩れの有無を判定する判定方式を用
いたものである。該故障判定ルーチンによって、燃料タ
ンク30内圧がタンク内圧制御弁61の設定圧以上か否
かを検出し、燃料タンク30内圧がタンク内圧制御弁6
1の設定圧より低い時のみ前記三方弁90を前記第1入
口ポート91に切換えて故障判定を行う。
【0111】この図18に示すルーチンは、例えば65
msec毎に実行される。ステップ800では実行フラ
グが1か否かを判定し、1のとき、一旦終了する。0の
ときステップ801へ進む。尚、イニシャル時に実行フ
ラグはクリア(=0)される。ステップ801ではタン
ク内圧が、タンク内圧制御弁の設定圧よりも高いか、否
かを判別し、高い場合ステップ814へ進み、低いとき
ステップ802へ進む。ステップ802では負圧設定フ
ラグが1か0かを見る。1のとき、負圧設定完了済みと
してステップ809へ進み、0のとき負圧設定中として
ステップ803へ進む。尚、負圧設定フラグはイニシャ
ル時にクリア(=0)される。ステップ803では圧力
切り換えVSV90を、パージライン側に切り換える
(イニシャル時は、タンク側)。ステップ804ではキ
ャニスタ大気孔のVSV36を遮断して、キャニスタを
含む系を密閉状態にする。ステップ805ではパージ側
VSV38を開放しエンジン負圧の導入をする。ステッ
プ806ではパージライン圧が−YmmHgより大きい
か小さいかを見る。大きいとき(大気圧側:負圧として
小)、負圧設定過程として、そのままの状態で一旦終了
する。小さいとき(負圧として大)、負圧設定完了と
し、ステップ807で負圧設定フラグをセットし、ステ
ップ808でパージ側VSV38を遮断する。
【0112】ステップ809ではタイマAが所定時間
(時間判定値)X秒になったか、否かを見る。X秒以下
のとき、ステップ817でタイマAを加算し一旦終了す
る。尚、タイマAは、イニシャル時にクリアされる。ス
テップ810ではパージライン圧が−αmmHgより大
きいか小さいかを見る。小さいとき(負圧として大)は
正常と判定しステップ813へ進み、大きいとき(大気
圧側:負圧として小)は異常(洩れ大)と判定しステッ
プ811でウォーニングランプ41を点灯させ、ステッ
プ812で洩れ故障フェイルコードを記憶させる。尚、
−αmmHg>−YmmHg(負圧としてYが大)であ
る。ステップ813では実行フラグをセットし、洩れ検
出終了とする。ステップ814ではタイマAをクリア
し、ステップ815でキャニスタ大気孔のVSV36を
開放し、ステップ816で圧力切り換えVSV90をタ
ンク側に切り換えイニシャル状態として終了する。
【0113】なお、本発明は以上の実施例に限定される
ものではなく、例えば圧力センサ40を燃料タンク30
に取り付けたり、ベーパのパージ個所をスロットルバル
ブ25付近にしたりすることなどもできる。また、本実
施例は負圧をエバポ系に導入後負圧を密閉して密閉状態
を保持したときの圧力変化に基づき判定するタイプに本
発明を適用した例を示したが、本発明は燃料タンクまで
負圧を導入するタイプであれば、どのようなものにも適
用可能である。
【0114】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、燃料蒸気
発生量(ベーパ発生量)が所定値以上のときには故障判
定を禁止したため、誤判定を防止でき、しかも排気エミ
ッションの悪化を防止でき、また機関停止時又は機関始
動直後にタンク内圧が所定値以上のときにはエバポパー
ジシステムの系内に洩れはなく、エバポパージシステム
が正常であると判断でき、よってその後の故障診断禁止
も可能であり、制御負荷を低減することができる。更に
ベーパ発生量に応じて判定値を可変してベーパ発生によ
る負圧の変化を打ち消すようにしたため、誤診断を防止
することができ、またベーパ発生量が多すぎるときは故
障診断を禁止したため、負圧のかけっぱなしによる排気
エミッション悪化を防止することができる等の特長を有
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の第1実施例のシステム構成図である。
【図3】図2中のマイクロコンピュータのハードウェア
の一例の構成図である。
【図4】本発明の第1実施例の動作説明用フローチャー
トである。
【図5】正常時の図4の各部の作動を説明するタイムチ
ャートである。
【図6】本発明の第2実施例のシステム構成図である。
【図7】本発明の第2実施例の動作説明用フローチャー
トである。
【図8】図7の各部の作動を説明するタイムチャートで
ある。
【図9】本発明の第3実施例のシステム構成図である。
【図10】本発明の第3実施例の動作説明用フローチャ
ートである。
【図11】図10の漏れ判定値算出用のテーブルを示す
図である。
【図12】本発明の第4実施例のシステム構成図であ
る。
【図13】本発明の第4実施例の動作説明用フローチャ
ートである。
【図14】本発明の第5実施例の動作説明用フローチャ
ートである。
【図15】図14で用いる空燃比フィードバック補正係
数を求めるA/Fフィードバック制御ルーチンのフロー
チャートである。
【図16】本発明の第6、第7実施例のシステム構成図
である。
【図17】本発明の第6実施例の動作説明用フローチャ
ートである。
【図18】本発明の第7実施例の動作説明用フローチャ
ートである。
【符号の説明】
10,30 燃料タンク 11,32,32a〜32d ベーパ通路 12,33 キャニスタ 13,37,39 パージ通路 14 吸気通路 15 第1の制御弁 16 第2の制御弁 17 燃料蒸気発生量検知手段 18 弁制御手段 19 判定手段 21 マイクロコンピュータ 36 キャニスタ大気孔バキューム・スイッチング・バ
ルブ(VSV) 38 パージ側バキューム・スイッチング・バルブ(V
SV) 40 圧力センサ 61 燃料タンク内圧制御弁 62 タンク内圧切換弁(VSV) 71 燃料温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−169459 (32)優先日 平4(1992)6月26日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクからの蒸発燃料をベーパ通路
    を通してキャニスタ内の吸着剤に吸着させ、所定運転時
    に該キャニスタ内の吸着燃料をパージ通路を通して内燃
    機関の吸気通路へパージするエバポパージシステムの故
    障を診断する装置において、 実質的に前記燃料タンク内の燃料蒸気発生量を検知する
    燃料蒸気発生量検知手段と、 前記エバポパージシステム内の所定のエバポ経路内に前
    記吸気通路の負圧を導入する圧力導入手段と、 前記エバポ経路内の圧力を検出する圧力検出手段と、 前記燃料蒸気発生量検知手段により検知された実質的な
    燃料蒸気発生量が所定値未満であるときのみ、前記圧力
    導入手段により前記エバポ経路内に負圧を導入し、前記
    圧力検出手段により検出された負圧値に基づき、前記系
    内の圧力の変化の度合いを測定し、その測定値と判定値
    との比較結果からエバポパージシステムの故障の有無を
    判定する判定手段とを有することを特徴とするエバポパ
    ージシステムの故障診断装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料タンクと前記キャニスタとを連
    通する通路を機関停止時に略閉鎖する機構と、機関停止
    中又は機関始動直後に前記燃料タンク内の圧力が所定値
    以上の正圧のときに、エバポパージシステムが正常であ
    ると判断する判断手段とを有することを特徴とする請求
    項1記載のエバポパージシステムの故障診断装置。
  3. 【請求項3】 前記燃料蒸気発生量検知手段により検知
    された実質的な燃料蒸気発生量に応じて、前記判定手段
    の判定値を可変することを特徴とする請求項1記載のエ
    バポパージシステムの故障診断装置。
  4. 【請求項4】 前記燃料蒸気発生量検知手段が、燃料タ
    ンクに設けられた燃料温度センサであることを特徴とす
    る請求項1記載のエバポパージシステムの故障診断装
    置。
  5. 【請求項5】 前記燃料蒸気発生量検知手段が、前記圧
    力導入手段による負圧導入時における空燃比変化を検出
    する空燃比検出手段により構成されることを特徴とする
    請求項1記載のエバポパージシステムの故障診断装置。
  6. 【請求項6】 前記燃料蒸気発生量検知手段が、前記圧
    力導入手段による負圧導入時以外の燃料タンク内圧を検
    出する圧力センサであることを特徴とする請求項1記載
    のエバポパージシステムの故障診断装置。
  7. 【請求項7】 前記故障診断を実行した期間中における
    燃料蒸気発生量の変化を前記燃料蒸気発生量検知手段の
    出力に基づき算出する燃料蒸気変化量算出手段と、燃料
    蒸気発生量に応じて可変とされ設定された前記判定値
    を、前記燃料蒸気変化量算出手段によって算出された燃
    料蒸気発生量の変化に基づいて補正することを特徴とす
    る請求項3記載のエバポパージシステムの故障診断装
    置。
JP00621493A 1992-01-17 1993-01-18 エバポパージシステムの故障診断装置 Expired - Lifetime JP3252503B2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5679890A (en) * 1995-03-29 1997-10-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fault diagnostic apparatus for evaporated fuel purging system
US5878728A (en) * 1996-06-11 1999-03-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Failure diagnosis apparatus for evaporative purge system
US6405718B1 (en) 1999-07-30 2002-06-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Malfunction test apparatus for fuel vapor purge system
US6474148B2 (en) 2000-02-14 2002-11-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Diagnostic apparatus for fuel vapor purge system
JP2003527530A (ja) * 2000-03-17 2003-09-16 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 特に自動車の燃料タンク装置の低エミッション運転方法および装置

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