JPH0673924A - コンクリ−ト塀及びその施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単且つ確実強固に立設固定される一体物と
なったコンクリ−ト塀及びその施工方法を提供する。 【構成】 コンクリ−トにて予め成形された塀本体１の
下端部に、両側へ突出した支持片２が設けられ、各支持
片２に上下動可能な状態に螺子脚片３が螺合垂設された
コンクリ−ト塀４であり、その施工方法は、コンクリ−
ト塀４を基礎５上に立設載置し、その際、各螺子脚片３
の下端を基礎５上面に当接させ、各螺子脚片３を上下動
させてコンクリ−ト塀４の高さ及び傾きを調整し、その
後、同コンクリ−ト塀４の下端部分の周囲にセメントを
打設することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、住宅等の敷地の周囲に
配置立設されるコンクリ−ト塀及びその施工方法に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図８に示す如く、コンクリ−
ト製のブロック（イ）を積み重ね、その中空内部に鉄筋
（ロ）を挿通すると共に、同中空内部にセメント（ハ）
を充填して立設され、これが横方向に並設されて形成さ
れるコンクリ−ト塀は知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、現場にてブロック（イ）を積み重
ねる必要があって施工が大変であり、しかも、各ブロッ
ク（イ）間に段差が発生し易くて外観良く施工され難
く、又、強固なコンクリ−ト塀とはなり難いものであっ
た。

【０００４】そこで、図９に示す如く、コンクリ−トに
て予め所定の形状に成形したコンクリ−ト塀（ニ）が考
えられた。該コンクリ−ト塀（ニ）は、基礎（ホ）上に
立設載置され、その下端部分の周囲にセメント（ハ）が
打設されて埋設固定されるものである。

【０００５】しかしながらこの場合、セメント（ハ）を
打設する際にコンクリ−ト塀（ニ）がぐらつき動き易く
て、該コンクリ−ト塀（ニ）が傾いて施工され易く、
又、同コンクリ−ト塀（ニ）は確実強固には立設施工さ
れ難いものであった。

【０００６】本発明は、上記従来の技術における問題を
解決するために発明されたもので、すなわちその課題
は、現場にて一体物として簡単に立設固定して施工する
ことができ、しかも、その施工の際、高さ及び傾きを調
整することができ、又、セメントを打設する際のぐらつ
き動きも防止され、一体物として外観良好となり、且
つ、確実強固に立設固定されるコンクリ−ト塀及びその
施工方法を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１）記載のコンク
リ−ト塀は、コンクリ−トにて予め成形された塀本体の
下端部に、両側へ突出した支持片を設け、各支持片に上
下動可能な状態に螺子脚片を螺合垂設してなり、又、請
求項２）記載のコンクリ−ト塀の施工方法は、上記コン
クリ−ト塀を基礎上に立設載置し、その際、各螺子脚片
の下端を基礎上面に当接させ、各螺子脚片を上下動させ
てコンクリ−ト塀の高さ及び傾きを調整し、その後、同
コンクリ−ト塀の下端部分の周囲にセメントを打設し
て、該コンクリ−ト塀の下端部分を支持片、螺子脚片と
共にセメント内に埋設固定することを特徴とするもので
あり、同コンクリ−ト塀によって、そして、同施工方法
を採用することによって、上記課題が解決されたもので
ある。

【０００８】

【作用】本発明のコンクリ−ト塀は、コンクリ−トにて
予め成形された塀本体の下端部に、両側へ突出した支持
片を設け、各支持片に上下動可能な状態に螺子脚片を螺
合垂設してなり、基礎上に立設載置される際、各螺子脚
片の下端が基礎上面に当接され、各螺子脚片が上下動さ
れてコンクリ−ト塀の高さ及び傾きが調整され、その
後、同コンクリ−ト塀の下端部分の周囲にセメントが打
設されて、該コンクリ−ト塀の下端部分が支持片、螺子
脚片と共にセメント内に埋設固定されるものである。す
なわち、該コンクリ−ト塀は立設固定するだけで一体物
として簡単且つ外観良好に施工され、その施工の際、螺
子脚片を操作して同コンクリ−ト塀の高さ及び傾きを簡
単に調整することができ、適切な高さ及び傾きとなった
状態でセメントが打設されるものである。該セメントが
打設される場合にも、同コンクリ−ト塀は両側の支持
片、螺子脚片によってぐらつかないように確実に支持さ
れ、しかも、セメントが硬化した施工後にあっては、支
持片、螺子片がアンカ−の役目を果たして、同コンクリ
−ト塀は確実強固に立設固定されるものである。

【０００９】

【実施例】図１、図２、図３、図４に示すコンクリ−ト
塀４は、本発明の一実施例で、コンクリ−トにて予め成
形された塀本体１の下端部に、両側へ突出した支持片２
を設け、各支持片２に上下動可能な状態に螺子脚片３を
螺合垂設してなるものである。又、該コンクリ−ト塀４
の施工方法は、まず、コンクリ−ト塀４を基礎５上に立
設載置し、その際、各螺子脚片３の下端を基礎５上面に
当接させ、各螺子脚片３を上下動させてコンクリ−ト塀
４の高さ及び傾きを調整し、その後、同コンクリ−ト塀
４の下端部分の周囲にセメント６を打設して、該コンク
リ−ト塀４の下端部分を支持片２、螺子脚片３と共にセ
メント６内に埋設固定することを特徴とするものであ
る。

【００１０】コンクリ−ト塀４の塀本体１は、通称ＰＣ
版で矩形状に形成されており、その下端から一定距離の
位置に全周に亘る目印線７が設けられている。該目印線
７より下側の部分が地中に埋設されて、同コンクリ−ト
塀４は地上に立設されるものである。又、同目印線７よ
りも下側位置に、支持片２の他、鉄筋挿通用孔８が穿設
されている。

【００１１】支持片２は、塀本体１の下端部の両端付近
の両側に合計四個設けられており、略Ｌ型金具９の一片
が固定ボルト10によって塀本体１の下端付近の壁面に固
着され、同略Ｌ型金具９の他片が支持片２として外側水
平方向へ突設されている。

【００１２】該コンクリ−ト塀４を施工するにあたって
は、まず、図５に示す如く、基礎５が形成されるもので
ある。すなわち、（ａ）地面に埋設用穴11を掘設し、
（ｂ）該埋設用穴11内に型枠12を設置して砕石13を敷き
詰め、充分に転圧をかけて基礎５の下地層13を形成し、
（ｃ）同下地層13の上に固定鉄筋14を設置し、（ｄ）該
固定鉄筋14の上から同下地層13上に基礎用コンクリ−ト
を流し込んで、基礎５の表面層15を形成し、その際、複
数の固定鉄筋14の先端部分が同表面層15の上面より突設
されるものである。又、その後、表面層15の基礎用コン
クリ−トが硬化した後に、上記型枠12は取り外し除去さ
れるものである。

【００１３】次に、図１に示す如く、コンクリ−ト塀４
が上記基礎５上に立設載置され、この状態で、同コンク
リ−ト塀４の高さ及び傾きが調整される。この場合、各
支持片２に上下動可能な状態にボルトでなる螺子脚片３
が螺合垂設され、該螺子脚片３の下端が基礎５上面に当
接されている。該螺子脚片３は六角レンチ16により回動
されることによって上下動操作され、各螺子脚片３の下
方への突出量が相互に調整されることにより、同コンク
リ−ト塀４の高さと共に傾きが調整されるものである。

【００１４】次に、図２に示す如く、該実施例において
は、コンクリ−ト塀４が同基礎５上に仮固定される。こ
の場合、支持片２に穿設された固定用孔17にアンカ−ボ
ルト18が挿入され、該アンカ−ボルト18が金槌19によっ
て基礎５上面に打ち込み固定され、同アンカ−ボルト18
に固定ナット20が螺子締めつけられて、同支持片２が同
基礎５上に仮固定される。

【００１５】次に、図３に示す如く、コンクリ−ト塀４
の各鉄筋挿通用孔８に鉄筋21が挿通され、該各鉄筋21の
両端部が基礎５より突設される上記固定鉄筋14に係止結
合されて、同コンクリ−ト塀４は仮固定されるものであ
る。

【００１６】最後に、図４に示す如く、コンクリ−ト塀
４の下端部分の周囲に型枠12が設置されてその内側にセ
メント６が流し込まれて打設され、この場合、上記鉄筋
挿通用孔８内に同セメント６が入り込むものであり、該
セメント６が養生硬化されることによって、同コンクリ
−ト塀４の下端部分が支持片２、螺子脚片３、鉄筋21等
と共に同セメント６内に埋設固定されるものである。セ
メント６が養生硬化された後には、上記型枠12が取り外
し除去され、埋設用穴11内にコンクリ−ト塀４の目印線
７の高さまで土が埋め戻されるものである。

【００１７】したがって、該実施例のコンクリ−ト塀４
及びその施工方法においては、該コンクリ−ト塀４を立
設固定するだけで、積み重ね施工することなく、一体物
として簡単に且つ外観良好に施工されるものである。
又、その施工の際、螺子脚片３を操作して同コンクリ−
ト塀４の高さ及び傾きを簡単に調整することができ、適
切な高さ及び傾きとなった状態でセメント６が打設され
るものである。該セメントが打設される場合にも、同コ
ンクリ−ト塀４は両側の支持片２、螺子脚片３によって
ぐらつかないように確実に支持されるものである。しか
も、セメント６が硬化した施工後にあっては、支持片
２、螺子片３がアンカ−の役目を果たして、同コンクリ
−ト塀４は確実強固に立設固定されるものである。

【００１８】又、該実施例においては、図６に示す如
く、略Ｌ型金具９を塀本体１の下端より下方へ突出する
ように取着することによって、同塀本体１の下方に大き
な間隙22が形成されるものであるり、間隙22に金テコ23
を差し入れて該金テコ23によって、同コンクリ−ト塀４
の基礎５上での位置を移動調整することができるもので
ある。

【００１９】なお、本発明のコンクリ−ト塀及びその施
工方法においては、図７に示す実施例の如きであっても
良いものである。すなわち、該実施例においては、コン
クリ−ト塀４の下端部に帯板材24が固定ボルト10によっ
て固着され、該帯板材24の両端部分が支持片２として同
コンクリ−ト塀４の両側へ突設されている。又、該支持
片２には支持ナット25が固着されていて、該支持ナット
25に螺子脚片３が螺合支持されている。

【００２０】

【発明の効果】上述の如く、本発明のコンクリ−ト塀及
びその施工方法においては、立設固定するだけで一体物
として簡単に且つ外観良好に施工することができ、その
施工の際、該コンクリ−ト塀の高さ及び傾きを螺子脚片
を操作して簡単に調整することができ、又、セメントを
打設する場合には、同コンクリ−ト塀は両側の支持片、
螺子脚片によってぐらつかないように確実に支持され、
しかも、セメントが硬化した施工後にあっては、支持
片、螺子脚片がアンカ−の役目を果たして、同コンクリ
−ト塀は確実強固に立設固定されるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコンクリ−ト塀及びその施工方法の一
実施例を示す断面図である。

【図２】同実施例の別の施工過程における断面図であ
る。

【図３】同実施例の別の施工過程における斜視図であ
る。

【図４】同実施例の別の施工過程における斜視図であ
る。

【図５】同実施例の基礎の製作過程(a)(b)(c)(d)を示す
斜視図である。

【図６】同実施例の応用形態を示す断面図である。

【図７】別の実施例を示す断面図である。

【図８】本発明の従来例を示す斜視図である。

【図９】本発明の従来改善案を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 塀本体 ２ 支持片 ３ 螺子脚片 ４ コンクリ−ト塀 ５ 基礎 ６ セメント

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリ−トにて予め成形された塀本体
   の下端部に、両側へ突出した支持片を設け、各支持片に
   上下動可能な状態に螺子脚片を螺合垂設してなるコンク
   リ−ト塀。
2. 【請求項２】 請求項１）記載のコンクリ−ト塀を基礎
   上に立設載置し、その際、各螺子脚片の下端を基礎上面
   に当接させ、各螺子脚片を上下動させてコンクリ−ト塀
   の高さ及び傾きを調整し、その後、同コンクリ−ト塀の
   下端部分の周囲にセメントを打設して、該コンクリ−ト
   塀の下端部分を支持片、螺子脚片と共にセメント内に埋
   設固定することを特徴とするコンクリ−ト塀の施工方
   法。