JPH0673693B2 - 圧延油供給方法とその装置 - Google Patents

圧延油供給方法とその装置

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JPH0673693B2
JPH0673693B2 JP2064769A JP6476990A JPH0673693B2 JP H0673693 B2 JPH0673693 B2 JP H0673693B2 JP 2064769 A JP2064769 A JP 2064769A JP 6476990 A JP6476990 A JP 6476990A JP H0673693 B2 JPH0673693 B2 JP H0673693B2
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正次 松本
浩治 川島
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    • B21BROLLING OF METAL
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    • B21B45/02Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
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    • B21B45/0245Lubricating devices
    • B21B45/0248Lubricating devices using liquid lubricants, e.g. for sections, for tubes
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、冷間圧延において、被圧延材とロール間の
潤滑性を向上させる目的で圧延油を被圧延材に供給する
方式の、特に直接給油方式による圧延油供給方法および
その装置の改善に関する。
〔従来の技術〕
従来の冷間圧延における圧延油供給方法および装置とし
ては、特開昭63−72417号公報に記載されたものがあ
る。これは、圧延油と温水とを一定の比率で混合してな
るエマルションを、エマルション供給ポンプにより配管
を通してノズルヘッダを構成する複数のノズルへ送給
し、前記ノズルから被圧延材に向けて噴射するものであ
る。噴射されたエマルションは、被圧延材との衝突によ
り破壊されて油分のみが被圧延材に展着し、圧延時の潤
滑性を向上させる。
このとき、前記圧延油には、パーム油,牛脂等が単体で
使用されるが、前記パーム等を基油として、潤滑性を向
上させる添加材やエマルションの乳化の安定度を調整す
るための界面活性剤などを添加調合した圧延油が使用さ
れる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ここで、ノズルから噴射されたエマルション400ccを分
液ロートに採取し、2分間静置後の前記液体の上層四分
の一と下層四分の一の油分濃度を測定した場合の、前記
上層の濃度に対する前記下層の濃度の割合を乳化度と定
義すると、その乳化度と油分付着量との関係は第3図に
示される。同図は、ノズルから噴射したエマルションの
乳化度と被圧延材に付着する油分量の関係を、圧延油の
濃度が17%,温度が摂氏80度,エマルションの噴射時間
が1秒間,被圧延材に対する洗浄が2秒間という条件に
て測定した結果である。この結果から、乳化度を小さく
設定したほうが油分の付着性がよくなり、かつ圧延時の
潤滑性を向上させることが理解できる。
しかし、従来の給油方法および装置にあっては、乳化度
の小さいエマルションを使用した場合は、エマルション
が不安定なため、エマルション供給ポンプによりノズル
までエマルションを送給する配管内において圧延油の油
分が分解する。よって、ノズルから噴射したエマルショ
ンの濃度にムラが発生し、そして、被圧延材に付着する
油分の濃度が不均一になり、かつ圧延時の潤滑性および
圧延操業が不安定になるという問題がある。
この発明は、エマルション供給ポンプによりノズルまで
エマルションを送給する配管内において、エマルション
中の油分と水との分離を発生させず、かつノズルから噴
射されたエマルション中の油分を被圧延材の表面に均一
に且つ効率よく展着させることを目的にしている。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の圧延油供給方法は、圧延油と水とを混合して
なるエマルションをノズルまで送給して、被圧延材に前
記圧延油を展着するに際し、前記エマルション供給路中
における前記ノズルの直前で、前記エマルションに乳化
破壊剤を注入して油分を分離しやすくする方法である。
そして、上記発明の実施に直接使用する装置が、圧延油
と水とからなるエマルションを蓄えるエマルション槽
と、前記エマルションを前記エマルション槽から送給す
るエマルション供給路と、前記エマルション供給路の終
端部に被圧延材に向けて設置されているノズルと、前記
エマルション供給路中の前記ノズルの直前に設けられて
いる撹拌機と、前記エマルションの油分と水の分離を促
進する乳化破壊剤を蓄える乳化破壊剤槽と、前記乳化破
壊剤槽と前記撹拌機とを接続して前記乳化破壊剤を送給
する乳化破壊剤供給路と、を備える圧延油供給装置であ
る。
〔作用〕
乳化状態の安定したエマルションを、前記エマルション
を蓄えるエマルション槽からエマルション供給路を通っ
て、ノズルの直前にある撹拌機まで送給するため、前記
送給途中において油分の分離が発生することなく撹拌機
に達する。
別途、前記エマルション中の油分の分離を促進するため
の乳化破壊剤が、乳化破壊剤槽から乳化破壊剤供給路を
通って前記撹拌機まで送給される。ここで前記乳化破壊
剤としては、例えばエマルション中の油が、マイナスに
帯電していればカチオン界面活性剤を、プラスに帯電し
ていればアニオン界面活性剤を用いるか、もしくは帯電
を打ち消すような凝集剤、例えばAl2(SO43.18H2Oの
ような無機物質を用いる。
前機撹拌機において、送給されてきた前記エマルション
と乳化破壊剤とは撹拌されるため、エマルション中の油
分は分離しやすくなり、続くノズルから噴射されたエマ
ルションは濃度にムラを発生せずに、被圧延材に油分が
効率よく且つ均一に展着される。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。第
1図はこの発明の冷間圧延油供給装置の一実施例を示す
系統図である。
まず、構成を説明すると、圧延油と温水とをそれぞれ個
別に供給する圧延油供給管1および温水補給管2がエマ
ルション槽3に接続されている。
前記エマルション槽3内には、前記圧延油と温水とを混
合するための撹拌装置4が設けられて、これによりエマ
ルションを生成する。また前記エマルション槽3には、
エマルション供給ポンプ5により前記エマルションを送
給するエマルション供給配管6が接続され、前記供給配
管6の終端部はミキサー部7に接続されている。前記ミ
キサー部7にはノズルヘッダ8が接続されていて、その
ノズルヘッダ8は、第2図に示すように、複数のノズル
8aを備えている。前記ノズル8aの噴射口はそれぞれ被圧
延材12の表面に向いて、被圧延材12の幅方向に一列に並
んでいる。
また別に、第1図に示すように、前記エマルションを不
安定にするための乳化破壊剤を蓄えた乳化破壊剤槽9が
前記ミキサー部7と接続され、乳化破壊剤ポンプ10によ
り乳化破壊剤を供給する乳化破壊剤供給配管11が設置さ
れている。前記ミキサー部7内にはエマルション供給管
6からノズルヘッダ8に至る通路7aと、前記乳化破壊剤
供給配管11から通路7aの途中に連続される通路7bとが形
成されて、通路7a,7bの交差点において前記エマルショ
ンと乳化破壊剤が混合撹拌されるようにしてある。
ここで、前記乳化破壊剤の注入は各ノズルごとに個別に
行ってもよいが、それでは装置が複雑になることから、
乳化破壊剤の注入位置と濃度ムラの発生との関係を実験
により求めたところ、ノズルヘッダの直前であれば、被
圧延材12表面での油分の濃度ムラが発生しないことが判
明したため、本実施例では、ノズルヘッダの直前に乳化
破壊剤を注入するようにしてある。
次に、前記構成の装置を用いた被圧延材12へ圧延油を供
給する圧延油供給方法を説明する。
圧延油と温水とをそれぞれ個別に圧延油供給管1および
温水補給管2を通して一定の比率でエマルション槽3に
送り、これらを前記エマルション槽3内ある撹拌装置4
により混合してエマルションにする。生成されたエマル
ションはエマルション供給ポンプ5によってエマルショ
ン供給配管6を通って、ノズルヘッダ8の直前にあるミ
キサー部7に送給される。このとき、前記エマルション
は前記撹拌装置4により充分に撹拌されていて安定して
いるため、前記供給配管6を通過時に油と水との分離は
発生しない。
前記エマルションの送給とは別に、乳化破壊剤槽9から
前記エマルションを不安定にさせる乳化破壊剤を、乳化
破壊剤供給ポンプ10により乳化破壊剤供給配管11を通っ
て前記ミキサー部7に注入する。
前記ミキサー部7に送給されたエマルションと乳化破壊
剤は前記ミキサー部7で撹拌され、前記エマルションは
不安定な状態すなわち分離しやすい状態になる。続い
て、不安定になったエマルションはノズルヘッダ8を通
って、複数のノズル8aから被圧延材12の表面に向けて噴
射される。噴射されたエマルションは被圧延材12との衝
突で破壊されて、油分のみが前記被圧延材12の表面に対
して均一に展着する。
ここで前記圧延油には、パーム油をイオン交換水を用い
て希釈混合し、油濃度が13%になっている圧延油を使用
した。また前記乳化破壊剤には、次に述べる三つの基準
を満たす、カチオン界面活性剤であるNNジエチルアミノ
ポリトタリレートをパーム油で10倍に希釈したものを使
用した。
前記基準は次の3項目である。
(1)被圧延材への付着の効率を高めるため乳化度がゼ
ロに近いこと。
(2)被圧延材がロール13によって圧延されたあとの冷
却水による廃水に混入するが、その廃水処理が容易であ
るように油溶性であること。
(3)被圧延材である鋼板表面に錆の発生等をもたらさ
ないこと。
さらに、エマルション中の油分に対する前記乳化破壊剤
の注入量と、ノズルから噴射されたエマルションの乳化
度の関係を実験により測定してみると、第4図のような
結果を得た。第4図の結果からわかるようにエマルショ
ン中の油分に対して、前記乳化破壊剤は2000〜5000ppm
注入した場合に乳化度が極小になる。そこで本実施例で
は、エマルション中の油分に対する、前記乳化破壊剤の
注入量が2000ppmになるように設定した。
次に、本発明の実施効果を調べるために、上記実施例の
ように前記乳化破壊剤をミキサー部7にて注入した場合
と、前記乳化破壊剤を前もって圧延油に注入してある場
合とを比較する。このとき、実施例の方法を発明方法と
呼び,前記乳化破壊剤を前もって圧延油に注入する方法
を従来方法と呼ぶ。
まず、ノズルから噴射されたエマルションの油分濃度を
測定すると、第5図のように、従来方法ではノズルの位
置により油分濃度にばらつきがあるのに比べ、発明方法
ではノズル毎の油分濃度のばらつきが少なく安定してい
る。
次に、ノズルヘッダ8を通るエマルションの油分濃度の
経時変化を測定すると、従来方法では第6図(a)のよ
うに濃度にばらつきがみられるが、発明方法では第6図
(b)のようにほぼ一定している。また、被圧延材にか
かる圧荷重を測定してみると、第7図からわかるように
従来方法に比べ、発明方法の方が圧延荷重に変動が少な
く安定している。
さらにまた、6機のスタンドを有するタンデムミルの供
給装置において、発明方法と従来方法とを適用した結
果、各ロール13の摩擦係数は第1表のようになった。
この第1表から明らかなように、従来の方法を用いた場
合に比べ、本発明の方法を用いたほうがロール13におけ
る摩擦係数を下げることができ、その結果、従来の方法
を用いた場合に比べて高速での圧延処理が可能になる。
例えば、6番目のスタンドでの圧延速度を測定すると、
従来の方法であれば1960m/minであるが、発明の方法で
あれば2250m/minとなっている。
以上のように、従来に比べて油分が効率よく且つ均一に
被圧延材へ展着するため、圧延操業自体も安定する。
なお、上記実施例では、ノズルヘッダ8とミキサー部7
がそれぞれ別体の器具であるものとして説明したが、前
記ミキサー部7がノズルヘッダ8の内部に設けられてい
てもよい。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明によれば、エマルシ
ョン槽からエマルション供給路を通してノズルにエマル
ションを送給する際に、安定したエマルションを送れる
ようになり、エマルション供給路中でのエマルションの
油分と水の分離が発生せず安定した油分の安定供給が可
能になる。
さらに、ノズルから噴射されるエマルションは、乳化破
壊剤の注入により油分が分離しやすくなり、一定の濃度
の油分を安定して効率よく被圧延材に展着可能になるた
め、圧延操業が安定し、かつ圧延速度も早くすることが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の冷間圧延油供給装置の実施例を示す
回路系統図、第2図はノズルヘッダの側断面図、第3図
はノズルから噴射されたエマルションの乳化度と被圧延
材への付着性の関係を示すグラフ、第4図は乳化破壊剤
の注入量とノズルから噴射されたエマルションの乳化度
の関係を示すグラフ、第5図は従来の方法と本発明の方
法における各ノズルから噴射されたエマルションの油分
濃度を示すグラフ、第6図(a)は従来方法におけるノ
ズルヘッダの入口での圧延油濃度の経時変化を示すグラ
フ、第6図(b)は発明方法におけるノズルヘッダの入
口での圧延油濃度の経時変化を示すグラフ、第7図は圧
延荷重の経時変化を示すグラフである。 3……エマルション槽、6……エマルション供給配管、
7……ミキサー部、8……ノズルヘッダ、9……乳化破
壊剤槽、11……乳化破壊剤供給配管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延油と水とを混合してなるエマルション
    を噴射ノズルまで送給して、被圧延材に前記圧延油を展
    着するに際し、前記エマルションを送給する供給路中に
    おける前記ノズルの直前で、前記エマルションに乳化破
    壊剤を注入して油分を分離しやすくすることを特徴とす
    る圧延油供給方法。
  2. 【請求項2】圧延油と水とからなるエマルションを蓄え
    るエマルション槽と、前記エマルションを前記エマルシ
    ョン槽から送給するエマルション供給路と、前記エマル
    ション供給路の終端部に被圧延材を向けて設置されてい
    るノズルと、前記エマルション供給路中の前記ノズルの
    直前に設けられている攪拌機と、前記エマルションの油
    分と水の分離を促進する乳化破壊剤を蓄える乳化破壊剤
    槽と、前記乳化破壊剤槽と前記攪拌機とを接続して前記
    乳化破壊剤を送給する乳化破壊剤供給路と、を蓄えたこ
    とを特徴とする圧延油供給装置。
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