JPH07292591A - 抄紙機ドライヤー表面損傷防止法とそれに用いる薬液散布装置と水溶性潤滑油 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は抄紙機ドライヤ−表面損傷防止法と それに用いる散布装置と水溶性潤滑剤に関する もので、とくにヤンキ−ドライヤ−においてド ライヤ−のドラム表面の平滑性を保ち、汚れ付 着防止膜の形成によって、紙の剥離性を向上さ せ、薬品塗出物による汚れを防止せんとするも のである。

（従 来 の 技 術） 最近の製紙業界では古紙の利用、紙の高級化 、機能化から不純物をはじめ薬品、塗工液が増 加する傾向にある。

そのために紙の剥離不良、ドラムの表面汚れ や紙粉の発生などが原因でドライヤ−表面損傷 というトラブルが頻発するようになった。

こうした苦情を処理するために製紙原料に剥 離剤を内添して汚れにくく除去しやすくし、ド クタ−に負荷をかけない方法をとったり、ドラ ム表面の材質を変えたり、樹脂のコ−ティング 、クロ−ムメッキ、ドクタ−を使用しない方法 をとったり、水を散布するといった方法をとり 、またブレ−ド材質をベ−ク樹脂系にする方法 などがとられていたが、いずれも不充分で、根 本的な解決策にはなっていなかった。

しかも、内添薬品のコスト高と樹脂コ−ティ ングや水ドクタ−による熱効率の低下という欠 点があった。

ドライヤ−は抄紙工程で湿紙の乾燥上、その 表面は常に平滑鏡面状でなくてはならない。

ドライヤ−表面が粗れていては湿紙が表面に 密着しないと、乾燥効率は低下する。まして表 面に湿紙中のピッチ、薬品、不純物等が付着し たり汚れていては、熱伝導もおち、乾燥効率は 更に低下する。またドライヤ−表面の粗れ汚れ は、その凹凸が紙表面に転写されるため、製品 仕上りの紙表面の平滑性が著しく阻害される。

しかるに、稼働中のドライヤ−に表面が粗れ 汚れているものを多く見かけるのは、ドクタ− ブレ−ドを使用している限り避けられないので ある。即ちドクタ−ブレ−ドとドライヤ−表面 との金属接触、摺動による磨耗のためである。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明歯、従来技術がもたらしたコスト高や 熱効率の低下という欠点を解消するためばかり か、ドライヤ−表面の損傷を防止し、剥離性向 上と汚れ防止や紙粉の発生を防止し、抄紙工程 中の乾燥効率を上げ、コスト削減、生産性に寄 与し、紙表面の平滑性を上げ、品質向上を図る ために提案されたものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は、従来技術の欠点を解消し、ドライ ヤ−表面の損傷を根本的に解決し、効率的に品 質を向上させることができる方法と装置と薬剤 を提案したものであって、ドライヤ−表面に常 時または間欠的に水溶性潤滑油を供給し、ドラ イヤ−表面とドクタ−ブレ−ド間に油膜を介在 させ、両金属同志の接触を防ぎ、双方の磨耗を 防止するものである。

以下図面に従って詳細に説明する。

流量計４、減圧弁３、電磁弁２で構成される 流量、濃度調節部と、圧力計２９、減圧弁６、 電磁弁５で構成されるエア−量、エア−圧調節 部を内蔵する混合ユニットから混合液送出パイ プとエア−１２送出パイプ１３を介して送出さ れる混合液とエア−を散布ユニットのノズル１ ５、１８で混合し、ノズルキャップ中央の散布 口から吐出圧力により水溶性潤滑油を霧化し、 ドライヤ−表面２０に散布、表面に潤滑性被膜 を形成し、ドライヤ−表面２０に接触するドク タ−ブレ−ド、塗工物及び固体塵埃によるドラ イヤ−表面２０の損傷を防止する抄紙機ドライ ヤ−表面の損傷を防止する方法である。

ドライヤ−表面２０に水溶性潤滑油を散布す る散布ユニットは、抄紙条件に応じ濃度を連続 希釈調節する機構と散布量を調節する機構をも つ混合ユニットと連動する装置であって、ドラ イヤ−表面２０に水溶性潤滑油を均一に散布す るエア−を用いたノズルユニットが重要となっ ている。

散布量によってノズル１個かドライヤ−上を 走行散布往復運動するものと、ドライヤ−巾に みあった数々のノズルを持ったものを必要に応 じて使用するものである。

第１図に示す散布ユニットには、エア−パイ プ１７があるが、このエア−は電磁弁５、減圧 弁６を介しておくられてくる。

また、混合液パイプ１６に圧送されてきた混 合液とエア−は並列合体散布ユニット１９のパ イプ中で合流、ノズル１８カラ微噴霧状となっ てドライヤ−表面２０に散布される。

第２図に示す散布ユニットには、跨設パイプ １４があるが、その中にノズル１５を駆動する モ−タ−２１とタイミングプ−リ−２２とタイ ミングベルト２３があり、検知板２５はタイミ ングベルト２３上に付設しており、近接スイッ チ２４が配設されていて、ノズル１５の移動を 検知しながらモ−タ−２１を正逆転させ、ノズ ル１５をパイプ中で反復運動させるようになっ ている。

また、第３図に示す混合ユニットから送られ てきた混合液とエア−は、ノズル１５に送られ て合流し、エア−圧力で混合液は霧化し、ドラ イヤ−表面２０に散布するようになっている。

それに用いる薬液散布装置は、第１図、第２ 図に示す散布ユニット、第３図に示す混合ユニ ットで構成されるもので、混合液送出パイプ１ ２に連続する電磁弁２、減圧弁３、流量計４を 介して混合部９に水を流入させる搬水部と、電 磁弁５、減圧弁６を介して跨設パイプ型散布ユ ニット３０、または並列合体型散布ユニット１ ９へエア−を送るエア−搬送部と、運転ボタン １の操作によって液送ポンプ７を駆動させ、水 溶性潤滑油を注入弁８を介して、薬液タンク２ ８から、混合部９に圧送する流量、濃度調節部 とをパネルにセットした混合具ユニットと、ド ライヤ−表面２０に対応したノズルを定置また は移動するように配置した散布ユニットと、運 転ボタンと停止ボタンと水溶性潤滑油の注入量 を調節するデジタル表示付き調節ダイヤルから なる操作盤とで構成するものである。

水溶性潤滑油は、粘度４０℃、ＣＳＰ５〜８ ０の鉱物油６０〜８０％、粘度指数１２０の合 成油１０〜３０％、耐摩耗性極圧添加剤１〜２ ％、乳化剤５〜１０％、界面活性剤５〜１２％ を比率とするものであるが、実験の結果、鉱物 油７０％、合成油１５％、耐摩耗性極圧添加剤 ２％、乳化剤８％、界面活性剤５％の比率が最 適であることが判った。

使用に当たっては、抄紙、抄紙機、抄紙条件 によって最も適した濃度とするもので、２〜１ ０００倍の水で稀釈される。

最も重要なことは、この水溶性潤滑油がドラ イヤ−表面に散布されると、水分が蒸発、油膜 が形成されるが、これが製品紙表面を汚染しな い最少薄野物であること、また、ブレ−ドの負 荷に耐えられる油膜強度をもつことである。

したがって条件に応じベ−スオイルの成分、 粘度、極圧剤、乳化剤、界面活性剤などの配合 には、特にきびしいものが要求されている。

鉱物油としてはマシン油などを用いるが、粘 度つまり粘性系数は４０℃、ＣＳＰ２０〜８０ のものに限定される。

合成油としては、粘度指数１２０の合成油を 用いるが、オレフィン系炭化水素のポリブテン （ポリブチレン）やエチレングリコ−ルなどが 良い。

耐摩耗性極圧添加剤は、燐酸エステル系極圧 添加剤が充当される。

乳化剤は乳濁液中に分散している粒子を保護 膜で作り、粒子を安定化するもので、平均分子 量が５００以上、特に１０００以上の通常の天 然ワックスまたは合成ワックスを用いるもので ある。

これは高級脂肪酸グリセリンエステル、低分 子量ポリエチレンなどが用いられる。

また、乳化剤としては、石油系の固形パラフ ィンやポリブテンなどのような液状パラフィン を用いても良い。

乳化剤を５〜１０％、界面活性剤を５〜１２ ％添加することによって紙の剥離性能が増し、 ドライヤ−表面からの、紙の剥離が容易となっ た。

界面活性剤は、界面に吸着して界面エネルギ −を変化させるもので、陰イオン活性剤が知ら れ、本発明では、フッ素系界面活性剤が用いら れ、パ−フルオロアルキルカルボン酸塩、パ− フルオロアルキルリン酸エステルなどが用いら れる。

また、カチオン（陽イオン）系を用いること も最適であることがわかった。

薬液としての水溶性潤滑油は、抄紙に適した 濃度に稀釈されるが、稀釈液をドライヤ−表面 に散布すると、熱で水分が蒸発し、油膜が残っ てドライヤ−表面を覆うが、その膜は紙表面を 汚染しない薄さとし、なおかつドクタ−ブレ− ドの負荷に耐えられる強度が必要としている。

したがって、高温下で油膜強度をもつ高分子 合成油ポリブテン、エチレングリコ−ル、シリ コ−ン油などが効果的である。

（発 明 の 効 果） 従来から抄紙機ドライヤ−表面に油脂または 油脂系の剥離剤を塗布すれば、紙剥離性も向上 し、汚れ防止に効果があることは周知の事実で あったが、ドライヤ−内での火災、紙製品の汚 染と、散布装置取り付けのスペ−スがないこと から、剥離剤の外添は実現されなかった。

しかし、本発明によれば、鉱物油と合成油を ベ−スに、耐摩耗性極圧添加剤、界面活性剤を 混合すればよく、２〜１０００倍の水を添加す ることにより、ドライヤ−表面が損傷されず、 しかも、ドライヤ−表面が平滑鏡面状に維持さ れるため、表面の汚ればかりか、紙表面のピッ キング現象が抑えられ、紙粉発生の防止と紙切 れの防止にも役立つようになった。

散布装置は、ノズル駆動において液送チュ− ブと合体したタイミングベルトを使用しないた め、３００〜３００mm角パイプ大のノズル走行 部が６０〜１２０mm大に小形化できるようにな って装置のコンパクト化にも結び付くようにな った。

さらに、ガイドレ−ルと走行ユニット部は簡 単に脱着できるので、運転中にメンテナンスも できるようになった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施に用いる散布ユニット の概要図。 第２図は散布ユニットの他の実施例図。 第３図は混合ユニットの概略図。 第４図は混合ユニットの概略図。 第５図は操作盤の正面図。 図 中 １：運転ボタン ２：電 磁 弁 ３：減 圧 弁 ４：流 量 計 ５：電 磁 弁 ６：減 圧 弁 ７：液送ポンプ ８：注 入 弁 ９：混 合 部 １０：混合パイプ １１：噴 出 口 １２：混合液パイプ １３：エ ア − １４：跨設パイプ １５：ノ ズ ル １６：混合液パイプ １７：エア−パイプ １８：ノ ズ ル １９：並列合体散布ユニット ２０：ドライヤ−表面 ２１：モ−タ− ２２：タイミングプ−リ− ２３：タイミングベルト ２４：近接スイッチ ２５：検 知 板 ２６：デジタル表示付き調節ダイヤル ２７：停止ボタン ２８：薬液タンク ２９：圧 力 計 ３０：跨設パイプ型散布ユニット

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１０Ｍ 107:08 105:14 137:04 159:06 143:02 131:12） Ｃ１０Ｎ 40:00 Ｚ 50:02

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】混合液送出パイプに連続する流量計、減圧 弁、電磁弁、混合部で構成される流量、濃度 調節部に水を適量送出し、圧力計、減圧弁、 電磁弁、エア−パイプで構成されるエア−量 、エア−圧調節部にエア−を供給し、該流量 、濃度調節部とエア−量、エア−圧調節部を 内蔵する混合ユニットから、混合液送出パイ プとエア−送出パイプを介して送出される混 合液とエア−を、散布ユニットのノズルで混 合し、ノズルキャップ中央の散布口から吐出 圧力により水溶性潤滑油を霧化し、ドライヤ −表面に散布、表面に潤滑性被膜を形成し、 表面に接触するドクタ−ブレ−ド、塗工物及 び固体塵埃によるドライヤ−表面の損傷を防 止する抄紙機ドライヤ−表面損傷防止法。
2. 【請求項２】混合液送出パイプに連続する電磁弁、減圧 弁、流量計、混合部で構成される流量、濃度 調節部に水を適量送出させる搬水部を併設す る流量、濃度調節部と、圧力計、電磁弁、減 圧弁を介して散布ユニットへエア−を送るエ ア−送出パイプで構成されるエア−量、エア −圧調節部と、運転ボタンの操作によって液 送ポンプを駆動させ、水溶性潤滑油を注入弁 を介して薬液タンクから、混合部に圧送する 液送部とをパネルにセットした混合ユニット と、ドライヤ−表面に対応してノズルを定置 または移動するように配置した散布ユニット と、運転ボタンと停止ボタンと水溶性潤滑油 の注入量を調節するデジタル表示付き調節ダ イヤルからなる操作盤とで構成する特許請求 の範囲第１項記載の抄紙機ドライヤ−表面損 傷防止法にに用いる薬液散布装置。
3. 【請求項３】ドライヤ−表面に対応し設置された跨設パ イプに懸架され、タイミングベルト上を往復 動するノズルを有する散布ユニットを持つ特 許請求の範囲第２項記載の抄紙機ドライヤ− 用表面損傷防止法に用いる薬液散布装置。
4. 【請求項４】ドライヤ−表面より散布に最も適した距離 に、混合液パイプとエア−パイプを並列合体 し、その中に任意数のノズルを配置した散布 ユニットを持つ特許請求の範囲第２項記載の 抄紙機ドライヤ−用表面損傷防止法に用いる 薬液装置。
5. 【請求項５】粘度４０℃、ＣＳＰ５〜８０の鉱物油６０ 〜８０％、粘度指数１２０の合成油１０〜３ ０％、耐摩耗性極圧添加剤１〜２％、乳化剤 ５〜１０％、界面活性剤５〜１２％の比率と する特許請求の範囲第１項記載の抄紙機ドラ イヤ−用表面損傷防止法に用いる水溶性潤滑 剤。