JPH0673514B2 - 食器洗浄方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は洗浄水の噴射により食器等の洗浄を行う食器洗
浄方法に関するものである。

従来の技術 従来の食器洗い機として一般的なものを第４図に示す。
第４図において、洗浄槽３内には食器かご１と洗浄ノズ
ル２を備え、洗浄ノズル２は洗浄ポンプ４により洗浄水
が給水される。洗浄槽３の底部には残菜（食器等に付着
した汚染物を残菜と呼ぶ）を捕集するフィルタ５が設け
られ、このフィルタ５を介して排水ポンプ６から排水管
８へ流し洗浄水を排水する。また洗浄槽３への給水は給
水管７を介して行われる。このように構成された食器洗
い機では、給水管７より供給された洗浄槽３底部の洗浄
水を洗浄ポンプ４により洗浄ノズル２から噴射させるこ
とで、食器の残菜が洗い落される。この残菜を含む洗浄
水はフィルタ５でろ過されて洗浄ポンプ４へと循環し再
び洗浄ノズル２から噴射されることを繰返し、所定時間
を経て排水ポンプ６により洗浄槽３外に排水される。引
続き、新たに供給された洗浄水により食器をすすぐ工程
が３回加えられて運転が終了する。以下これを標準コー
スという。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の洗浄方法では汚染後長時間そのま
ま放置された食器等、特に飯粒で汚染されたものに関し
て、洗浄が不完全であるという問題があった。この解決
方法として、洗浄工程を２回にしたもの、洗浄時間を延
長したもの等標準コースより洗浄能力の高い洗浄コース
いわゆる強力コースを設定した機器が多いが、ランニン
グコスト、長時間の運転騒音等問題が多かった。また、
業務用の機器として食器を洗浄水に浸漬し攪拌により洗
浄する機器があるが、この方式では使用水量および洗剤
量が多いため、一般家庭用としてはランニングコストが
高すぎるという問題がある。たとえば特公昭55-11342号
公報に示されるように食器かごを回進させ浸漬による膨
潤効果を併用した洗浄工程による機器があるが、上記と
同様洗剤量が多いため、ランニングコストが高く、ま
た、機構的に複雑で高価な装置となる。

本発明はこのような問題点を解決するもので、従来例の
標準コースよりランニングコストの上昇が少なく、か
つ、洗浄能力が高い食器洗浄方法を提供することを目的
とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明方法は、食器かごで
支持された食器が水中に浸されるつけ置き水位まで洗浄
槽に給水する給水工程と、上記つけ置き水位のもとで所
定時間の間食器をつけ置きするつけ置き工程と、排水の
後、上記食器および洗浄ノズルよりも下方の低水位の洗
浄水位の水を確保する工程と、洗浄水位にある洗浄槽の
水を洗浄ポンプを介して洗浄ノズルより噴射する洗浄工
程とを備えたものである。

作用 前記構成により、長時間放置され強固に付着した汚染
を、つけ置き工程で膨潤させることができ、洗浄工程で
は汚染を短時間で洗浄できる。

実施例 第１図は本発明の一実施例における食器洗い機の縦断面
図を示すものである。第１図において、洗浄槽11は食器
かご９と洗浄ノズル10を内装し、上部には洗浄槽開口部
を覆う蓋12を取付けている。洗浄ノズル10に洗浄水を給
送する洗浄ポンプ13は残菜を捕集するフィルタ14を介し
て洗浄水を吸入し、洗浄ノズル10より吐出す。15は排水
ポンプ、16と17は洗浄水の給水管と排水管である。第１
図はつけ置き工程での状態を示し、洗浄水はつけ置き水
位18まで給水されているが、洗浄工程およびすすぎ工程
では洗浄水位19（第１図に破線で示す）まで給水され
る。

以下その洗浄工程を説明する。食器かご９に汚染された
食器をセットし、洗浄水をつけ置き水位18まで供給し、
そのままの状態で１時間つけ置かれ、その後洗浄水は洗
浄水位19まで排水される。このとき、汚染物は膨潤して
おり、洗い落ち易くなっている。所要量の洗剤が投入さ
れ、洗浄ポンプ13が運転されると洗浄水はフィルタ14を
経て洗浄ポンプ13に送られ洗浄ノズル10より噴射され食
器の残菜を洗い落す。この残菜を含む洗浄水はフィルタ
14でろ過されて洗浄ポンプ13へと循環し再び洗浄ノズル
10から噴射されることを繰返し、通常の汚れに対する場
合と同じ所定時間を経ると、排水ポンプ15により排水さ
れる。引続き、新たに洗浄水位19まで給水された洗浄水
により食器をすすぐ工程が３回加えられる。なお、本実
施例では、つけ置き工程から洗浄工程およびすすぎ工程
まで連続して自動的に行なわれ、運転が終了する。第２
図に本実施例での運転プログラムを従来例のものと比較
して示す。本実施例では、つけ置き工程のある場合を強
力コース，無い場合を標準コースと呼び、従来例では洗
浄工程を２回繰り返す場合を強力コース,1回で洗浄工程
を終了する場合を標準コースとしている。

第３図に洗浄工程の前処理としてつけ置き工程を付加し
た時の洗浄効果を示す。実験結果によれば強固に付着し
た汚洗食器を洗浄水に約30分〜１時間つけ置くことで、
洗浄性能が大巾に向上し、本実施例の強力コースが従来
例の強力コースと同等の洗浄能力を有することが判明し
た。

以上のように本実施例によれば、洗浄工程の前処理とし
て食器をつけ置くことにより強固に付着した汚染物を膨
潤させているので、従来は２回しかも長時間の洗浄工程
を要するほどの汚れに対しても短時間の洗浄工程１回で
良好な洗浄結果を得ることができる。しかも、標準コー
スと強力コースの差は単に水につけ置くのみであるか
ら、ランニングコストの上昇もわずかである。また、構
造的にも簡単である。

特に、つけ置き工程中、洗浄ポンプ13を運転すると、洗
浄ノズル10より洗浄水が噴射し、同時に洗浄ノズル10は
洗浄工程中と同様推進ノズルの噴射により回転するの
で、洗浄水を攪拌することができる。この時は食器に付
着した粒子状の残菜を一部食器より洗い落すことがで
き、より一層高い膨潤効果を得る。この方法によるつけ
置き効果は、従来食器かごを浸漬しながら揺動させる洗
浄効果と同様のものであると考えられる。しかも構造的
には極めて簡単であり、運転時の騒音も低い。

発明の効果 以上説明したように本発明によればつけ置き工程で汚染
を膨潤することおよび洗浄ノズルで洗浄水を攪拌するこ
とで洗浄能力が高くかつランニングコストが安い画期的
な食器洗い機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明における一実施例の食器洗い機の縦断面
図、第２図（ａ），（ｂ）は従来例および本発明の一実
施例の運転プログラムを示す図、第３図は本発明の一実
施例におけるつけ置き効果を示す図、第４図は従来の食
器洗い機の縦断面図である。 ９……食器かご、10……洗浄ノズル、11……洗浄槽、13
……洗浄ポンプ、18……つけ置き水位、19……洗浄水
位。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】食器かごで支持された食器が水中に浸され
   るつけ置き水位まで洗浄槽に給水する給水工程と、上記
   つけ置き水位のもとで所定時間の間食器をつけ置きする
   つけ置き工程と、排水の後、上記食器および洗浄ノズル
   よりも下方の低水位の洗浄水位の水を確保する工程と、
   洗浄水位にある洗浄槽の水を洗浄ポンプを介して洗浄ノ
   ズルより噴射する洗浄工程とを備えた食器洗浄方法。
2. 【請求項２】つけ置き工程時に洗浄槽の水を洗浄ポンプ
   を介して洗浄ノズルより噴出するようにした特許請求の
   範囲第１項記載の食器洗浄方法。