JPH0673441B2 - 食品用保存剤 - Google Patents

食品用保存剤

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JPH0673441B2
JPH0673441B2 JP11375891A JP11375891A JPH0673441B2 JP H0673441 B2 JPH0673441 B2 JP H0673441B2 JP 11375891 A JP11375891 A JP 11375891A JP 11375891 A JP11375891 A JP 11375891A JP H0673441 B2 JPH0673441 B2 JP H0673441B2
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acid ester
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純 平木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品に対し優れた防腐
効果を発揮する食品用保存剤に関する。
【0002】
【従来の技術】食品の保存性を向上させるため、エチル
アルコール、無機酸、有機酸、低級脂肪酸モノグリセラ
イド等の各種抗菌剤が単独もしくは数種併用で用いられ
ているが、適用食品の制限や使用量の制限、あるいは食
品の風味の低下、異臭の発生、さらには防腐効果が不十
分である等の欠陥が指摘されている。一方、低級脂肪酸
モノグリセライド(脂肪酸炭素数C4 〜C12を主体とす
るモノエステル)、わけても抗菌性の高いカプリル酸と
カプリン酸のモノグリセライドは安全性も高く近年注目
されている保存剤であるが、低級脂肪酸モノグリセライ
ドには特有の刺激味があり多量に使用することができな
い。このため、低級脂肪酸モノグリセライドの効果を高
めるため、重合リン酸塩、クエン酸塩等のキレート剤又
は有機酸、エタノール等と併用することが現在行われて
いるが、まだ満足すべき組み合わせを見ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから食
品の保存性を向上させる効果が高く、しかも食品の風味
に影響を与えない食品の保存剤が求められていた。本発
明は、これらの課題を解決し、食品を微生物的に安全
で、衛生的に提供する食品の保存剤を提供することを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は食品の加工に際
し、ポリグリセリン脂肪酸エステルとポリリジンを併用
することを特徴とする食品用保存剤である。以下、本発
明につき詳述する。本発明の食品用保存剤は、食品に噴
霧あるいは添加して用いる場合、ハム、ソーセージなど
の畜産製品、ちくわ、かまぼこ等の水産練製品、菓子、
麺等の小麦粉製品、海苔、珍味製品などに使用すること
ができる。
【0005】また、本発明の食品用保存剤を食品に添加
して用いる場合、ココア飲料やコーヒー飲料、スープ
類、めんつゆ等の調味液、焼き肉のたれ、菓子等に用い
ることができる。また、特に炊飯に用いると炊飯の保存
性を飛躍的に高めることができる。なお、本発明の食品
用保存剤を添加して炊飯すると、米粒につやが出ること
が認められた。
【0006】本発明の保存剤を食品に添加して用いる場
合、食品に対し、0.01〜10重量%添加するのが望まし
い。10重量%を超えると食品の風味が低下するので好ま
しくない。本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルは、好ましくは重合度が6〜10のポリグリセリン
の脂肪酸エステルであり、その構成脂肪酸はカプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸等の炭素数8〜12の飽和又
は不飽和直鎖脂肪酸であり、これらの脂肪酸は単独又は
その混合物でもよい。ポリグリセリンの重合度が6未満
の場合および10を超える場合には得られる食品用保存剤
の静菌作用が低下するので好ましくない。
【0007】また脂肪酸のポリグリセリンへの結合度
は、モノの脂肪酸エステル含量が高いほど、水に対する
溶解度が高くなるので望ましい。本発明の食品用保存剤
中のポリグリセリン脂肪酸エステルの濃度は、0.01重量
%以上、好ましくは0.1 〜5.0 重量%である。濃度が5.
0 重量%を超えると食品の風味が低下するので好ましく
ない。
【0008】本発明に用いられるポリリジンは、例えば
特公昭59-20359号公報に記載のε−ポリリジンの製造法
によって得ることができる。すなわち、ストレプトマイ
セス属に属するポリリジン生産菌であるストレプトマイ
セス・アルブラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラ
スを培地に培養し、得られた培養物からε−ポリリジン
を分離・採取することによって得られる。
【0009】リジンは1分子中に2つのアミノ基を有す
るアミノ酸であり、これから得られるポリリジンは一般
にα位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合したα−ポ
リリジンと、ε位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合
したε−ポリリジンとの2種類が存在するが、本発明で
は上述の製造法により得られるε−ポリリジンを用いる
のが安全性の面から好ましい。
【0010】本発明にあっては、ポリリジンは遊離の形
で用いることができるが、塩酸、硫酸、リン酸などの無
機酸もしくは酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ
酸、クエン酸などの有機酸との塩の形で用いることもで
きる。ポリリジンは遊離の形であれ、上述の無機酸もし
くは有機酸との塩の形であれ、食品保存剤としての効果
は本質的に差はないが、遊離の形のポリリジンの方が、
ポリグリセリン脂肪酸エステル水溶液に対する溶解性に
優れている。上記ポリリジン及び/又は該ポリリジンの
塩の添加割合は特に制限はないが、好ましくは食品用保
存剤に対して0.01〜0.5 重量%である。特に本発明の食
品用保存剤を食品中に添加して用いる場合には食品に対
して0.01〜10重量%とするのが良い。しかし、ポリリジ
ンもしくはその塩の添加割合は食品の日持ち希望日数、
雰囲気水分活性、含有塩分等の条件により適宜増減して
用いることが望ましい。
【0011】また、本発明の食品用保存剤にあっては、
保存性向上に有効な他の成分、例えば、グリシン、アジ
ピン酸、グルコン酸、グリセリン、ショ糖脂肪酸エステ
ル等を任意に選択して併用することも可能である。この
場合、併用される添加物の量は保存剤に対し、0.1 〜30
重量%とするのが良い。30重量%を超えると、食品の風
味が低下するので好ましくない。
【0012】ポリグリセリン脂肪酸エステルは0.05重量
%以上の濃度でフラットサワー菌と呼ばれる耐熱性菌の
増殖を抑制することが知られている。しかし、その他の
一般細菌類に対してはその効果は弱い。一方ポリリジン
は0.005 重量%以上の濃度で一般細菌類の増殖を抑制す
ることが知られているが、フラットサワー菌に対しては
単独では効果が低い。
【0013】しかしながら実施例で示されるようにポリ
グリセリン脂肪酸エステル及びポリリジンを併用して使
用することにより、それぞれ単独では得られなかった高
い抗菌作用が得られ、これはポリグリセリン脂肪酸エス
テルとポリリジンの相乗効果によるものである。
【0014】
【発明の効果】本発明の食品用保存剤は、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリリジンの相乗効果によって、従
来の食品保存剤と比較して、食品に対し優れた防腐効果
を発揮することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の試験例及び実施例を用い、そ
の詳細を説明する。なお、本実施例は本発明をなんら限
定するものではない。 実施例1、比較例1 ブレインハートインフュージョン培地を用い、これにポ
リリジンあるいはポリグリセリン脂肪酸エステルを、表
1〜3の濃度になるように加えて、良く混合した。
【0016】それぞれに、食中毒の原因となるバチルス
属の耐熱性菌を2×102 個/mlになるように接種した。
接種後、55℃で48時間振盪培養した。培養液についてブ
レインハートインフュージョン寒天培地(日水製)を用
いて菌数を測定した。その結果を表1〜3に示す。表1
〜3の結果から明らかなように、培地にポリリジンのみ
を200ppm、あるいはポリグリセリン脂肪酸エステルのみ
を200ppm、400ppm添加するだけでは、菌の増殖を十分に
抑制する作用は認められなかったが、培地にポリリジン
を200ppm、ポリグリセリン脂肪酸エステルを200ppmを添
加したものは、その相乗効果で顕著な増殖抑制効果が認
められた。
【0017】実施例2、比較例2 粉末ココア13gを100ml の水に溶解し、これを120 ℃、
1kgf/cm2Gで高温、加圧殺菌した後、これにポリリジン
あるいはポリグリセリン脂肪酸エステルを、表4〜6の
濃度になるように加えてよく混合した。それぞれにバチ
ルス属の耐熱性菌を5×101 個/mlとなるように接種し
た。接種後、55℃で9日間静置培養した。培養液につい
てブレインハートインフュージョン寒天培地(日水製)
を用いて、菌数を測定した。その結果を表7、8に示し
た。
【0018】表7、8の結果から明らかなように、培地
にポリリジンのみを200ppm、あるいはポリグリセリン脂
肪酸エステルのみを200ppm、400ppm添加するだけでは、
菌の増殖を抑制する効果は認められなかったが、培地に
ポリリジンを200ppm、ポリグリセリン脂肪酸エステルを
200ppmを添加したものは、顕著な菌の増殖抑制効果が認
められた。
【0019】実施例3、比較例3 表9の組成を持つ食品用保存剤を作成した。生米200gに
水240gを加え、これに上記保存剤を4g添加して炊飯し
た。この炊飯を空中落下菌で汚染されるように、しゃも
じで混合冷却した。冷却した炊飯をポリスチレントレー
に入れ、30℃で保存し、一般細菌の増殖を測定した。一
般細菌の測定には標準寒天培地を用いた。
【0020】尚、対照として表10、11に示すように
本発明の食品用保存剤よりポリリジンを除いたもの、及
び、グリセリン脂肪酸エステルを除いたものを添加して
炊飯し、他は同じ条件で保存試験を行った。結果は表1
2、13に示す。この結果から明らかなように本発明の
食品用保存剤を4g以上添加したものは、顕著な一般細
菌の増殖抑制効果が認められた。なお、本発明の食品用
保存剤を4g添加して炊飯したものも異臭は感じられな
かった。また、本発明の食品用保存剤を添加して炊飯し
たものはブランクの炊飯に比べて米粒につやが出てい
た。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】
【0029】
【表9】 (単
位:重量%)
【0030】
【表10】 (単
位:重量%)
【0031】
【表11】 (単位:重量%)
【0032】
【表12】
【0033】
【表13】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.01重量%以上のポリグリセリン脂肪酸
    エステルおよび0.01重量%以上のポリリジンあるいはポ
    リリジンの塩を含む水溶液からなる食品用保存剤。
  2. 【請求項2】 ポリリジンがε−ポリリジンである請求
    項1記載の食品用保存剤。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグ
    リセリンが重合度6〜10である請求項1記載の食品用保
    存剤。
  4. 【請求項4】 ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸
    がカプリル酸、カプリン酸およびラウリン酸から選ばれ
    る1種以上である請求項1記載の食品用保存剤。
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WO2006044906A1 (en) * 2004-10-19 2006-04-27 Mionix Corporation Polylysine-containing food additive and acidic adjuvant
US20070212462A1 (en) * 2006-03-09 2007-09-13 Kraft Foods Holdings, Inc. Method for improving microbial and flavor stabilities of beverages
ATE516706T1 (de) * 2007-09-17 2011-08-15 Purac Biochem Bv Neues antibakterielles mittel auf basis von fettsäureestern von hydroxycarbonsäuren
US7973006B2 (en) 2007-09-17 2011-07-05 Purac Biochem B.V. Antibacterial agent based on fatty acid esters of hydroxy carboxylic acid acids
US20090074926A1 (en) * 2007-09-17 2009-03-19 Purac Biochem B.V. Preservation of acidic beverages

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