JPH0673173B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0673173B2
JPH0673173B2 JP60290772A JP29077285A JPH0673173B2 JP H0673173 B2 JPH0673173 B2 JP H0673173B2 JP 60290772 A JP60290772 A JP 60290772A JP 29077285 A JP29077285 A JP 29077285A JP H0673173 B2 JPH0673173 B2 JP H0673173B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体に関し、更に詳しくは優れた遮光
性,電磁変換特性,走行性及び耐摩耗性を有する磁気記
録媒体に関する。
〔従来技術〕
近年、磁気記録媒体は技術的に高密度記録化に指向し、
そのための記録トラツク幅は狭く、記録波長は短く、ま
た記録媒体は薄くという方向に向つている。これらの手
段はS/N比,周波数特性等において一般に不利に作用す
る。
そこで磁性体の微細化,強磁性化や充填度の増大,更に
は磁性表面を平坦に仕上げる等の検討が進められてい
る。しかし、磁性体の微細化や充填度を増大するために
磁性体以外の粉体を減少させると、これに伴つて波長の
長い光は磁性層中で散乱されにくくなり、磁気記録媒体
の光透過率が高くなる。このため非磁性支持体と磁気記
録層の光透過率の差を利用して終端検出を行う磁気記録
媒体では光センサー作動によるVTRの誤動作を防ぐため
にこ光透過率を下げる必要が生じて来た。そしてこの要
求は長時間録画に対応するため、記録媒体、特に磁気記
録層の薄膜化を進めることによつて更に高まつている。
〔発明の目的〕
本発明はかかる問題点に着目して鋭意検討した結果到達
したものであり、その目的は特に優れた遮光性,電磁変
換特性,走行性及び耐摩耗性を有する磁気記録媒体を提
供することにある。
〔発明の構成・効果〕
本発明のかかる目的は、本発明によれば、可撓性基体の
少くとも片面に磁性層を設けた磁気記録媒体において、
該可撓性基体が平均粒径0.01〜2.0μmのカーボンブラ
ック0.1〜3重量%と平均粒径0.1〜2.0μmの不活性粒
子0.03〜3重量%を含み、表面粗さ(Ra)が0.025μm
以下であり、かつ波長900nmの光透過率が30%以下であ
る二軸配向ポリエステルフイルムであり、波長900nmの
光透過率が磁性層では2%以上、かつ磁気記録媒体全体
としては0.05%未満であることを特徴とする磁気記録媒
体によつて達成される。
本発明において可撓性基体はカーボンブラツクと不活性
粉体とを含有する二軸配向ポリエステルフイルムであ
る。ここでいうポリエステルとは、テレフタル酸,イソ
フタル酸,ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の如き芳
香族ジカルボン酸成分とエチレングリコール,ジエチレ
ングリコール,テトラメチレングリコール,ネオペンチ
レングリコール等の如きグリコール成分とを重縮合させ
て得ることのできるポリマーである。該ポリエステルは
芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重縮合させて
得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステル
とグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合せし
める、或いは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステ
ルを重縮合せしめる等の方法によつても得られる。ポリ
エステルの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタ
レートやポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート等が例示される。これらポリエステルは、ホモ・
ポリマーであつてもよく、またジカルボン酸成分の15モ
ル%以下が非芳香族ジカルボン酸成分であり及び/また
はジオール部分の15モル%以下が脂肪族グリコール以外
のジオール成分であるような共重合ポリエステルであつ
てもよい。又ポリエステルが85重量%以上、(好ましく
は90重量%以上)を占め、他の重合体が15重量%以下
(好ましくは10重量%以下)であるようなポリマーブレ
ンドであつてもよい。ブレンドできる他の重合体として
ポリアミド,ポリオレフイン,他種ポリエステル(ポリ
カーボネートを含む)が例示される。また前記ポリエス
テルは必要に応じて、安定剤,着色剤,酸化防止剤等の
添加剤を含有するものであつてもよい。
本発明においては、ポリエステル中に平均粒径0.1〜2.0
μmの不活性粒子を0.03〜3重量%と平均粒径0.01〜2.
0μmのカーボンブラツク0.1〜3重量%を均一に分散含
有させる。これらの量が多すぎたり、粒径が大きすぎた
りするとフイルム表面が粗れすぎ、また量が少なすぎた
り、粒径が小さすぎるとフイルム表面が平坦しすぎるの
で好ましくない。
ここで言う“不活性粒子”はカーボンブラツク以外の常
温で固体のもの、例えば有機酸の金属塩,無機物等を意
味する。好ましい不活性粒子としては、二酸化ケイ素
(水和物,ケイ藻土,ケイ砂,石英等を含む)、アル
ミナ、SiO2分を30重量%以上含有するケイ酸塩(例え
ば非晶質或は結晶質の粘土鉱物,アルミノシリケート化
合物(焼成物や水和物を含む),温石綿,ジルコン,フ
ライアツシユ等)、Mg,Zn,Zr及びTiの酸化物、Ca及
びBaの硫酸塩,Li,Na及びCaのリン酸塩(1水素塩や
2水素塩を含む)、Li,Na及びKの安息香酸塩、Ca,
Ba,Zn及びMnのテレフタル酸塩、Mg,Ca,Ba,Zn,Cd,Pb,S
r,Mn,Fe,Co及びNiのチタン酸塩、Ba及びPbのクロム酸
塩、Ca及びMgの炭酸塩、ガラス(例えばガラス粉,
ガラスビーズ等)、MgCo3、ホタル石、及びZnSが
例示される。特に好ましく用いられるものとして、無水
ケイ酸,含水ケイ酸,酸化アルミニウム,ケイ酸アルミ
ニウム(焼成物,水和物等を含む),燐酸1リチウム,
燐酸3リチウム,燐酸ナトリウム,燐酸カルシウム,硫
酸バリウム,酸化チタン,安息香酸リチウム,これらの
化合物の複塩(水和物を含む),ガラス粉,粘土(カオ
リン,ベントナイト,白土等を含む),タルク,ケイ藻
土等が例示される。
本発明において、カーボンブラツクとはカーボンブラツ
クは勿論のことグラフアイト等を包含する。これらは従
来より公知のものが使用できる。カーボンブラツクは、
所望により、Cr,Cu等の元素を含む化合物と焼成して得
られる非磁性黒色無機質微粉体と併用することができ
る。
ポリエステル中への不活性粒子及びカーボンブラツクの
分散含有は、従来から微粒子の含有法として知られてい
る方法によつて行なうことができる。例えば不活性粒子
及びカーボンブラツクを、ポリエステル製造の反応系例
えば反応前、反応中にまた反応後に添加することができ
る。その際、不活性粒子及びカーボンブラツクは溶媒特
にグリコールに均一分散させて添加するのが好ましい。
特に粗大粒子のない状態で添加するのが好ましい。
ポリエステルフイルム表面には微細な突起が形成されて
いるが、この突起はポリマーに添加した不活性粒子,ポ
リマーの重合に際し生成した不溶性の触媒残渣に基づく
粒子,または両者の粒子と、カーボンブラツクとに由来
する。不活性粒子のみの含有ではフイルムの遮光性が低
く、またカーボンブラツクのみの含有ではフイルムの対
金属の摩耗係数が高く、走行性に劣るようになる。不活
性粒子とカーボンブラツクの組合せによつて初めて遮光
性,耐スクラツチ性の優れた特性を得ることができる。
更に、ポリエステルフイルム表面には、上記突起とこれ
を核した窪とからなる凹凸単位が多数形成されている。
この突起を核とした窪は、従来のエンボス等機械的なス
タンプによる凹状のものではなく、フイルムを延伸する
工程に於て、フイルム自身の変形によつて生じるもので
ある。
粒子を含有した未延伸フイルムを常法により一軸方向に
延伸すると、粒子は変形せずにポリマーが塑性変形する
から、大変形(延伸)に際しポリマーと粒子との境にボ
イドが生じる。このボイドを含むフイルムを、次は一軸
延伸方向とほぼ直角方向(第二軸方向)に延伸して二軸
配向フイルムにすると、一軸延伸時に生じていたボイド
は更に第二軸方向に変形されて、図1−1に示す如く、
突起21の周りにボイド22が擬円形状に形成される。この
場合は図1−2の断面図に示す如くフイルム表面近傍の
浅い部分に存在する粒子とその周囲のボンドは粒子を核
とする突起をもたらすが、粒子周囲には窪を形成するこ
とはない。
上記凹凸単位の窪は、上記のボイドをフイルム表面の窪
に変化させたものである。未延伸フイルムを一軸延伸す
るに際し、延伸前のフイルムの予備加熱を高い温度に設
定するか、または(及び)延伸倍率を低く設定すること
よつて第一軸延伸を経たフイルムが粒子(無機添加物に
よる外部粒子又は触媒残渣を含む内部粒子)周辺にボイ
ドが実質的に形成されないようにする。次いでこの状態
の延伸フイルムを第二軸方向に延伸するとこの第二軸方
向に沿つて粒子を核としたフイルムの陥没部分(窪)が
形成される。そして楕円状の窪の長径は第二軸方向に沿
つたものとなる。
第一軸延伸に際し、僅かなボイドが粒子周辺に形成され
た場合でもこの粒子を核として窪が生ずる。
このような二軸延伸を経たフイルム表面は図2−1(平
面図)の如き状態にあり、第二軸延伸が粒子を中心に応
力集中されるような延伸条件であれば陥没部分は応力集
中の程度に応じて深く窪みかつ第二軸方向に沿つて長径
が大となる傾向がある。図2−2(断面図)は表面近傍
のフイルム断面を示すものであつて、粒子を含む突起21
とその周辺に形成された窪24とがポリエステルフイルム
23に生じる。
本発明では突起の周辺に生じた窪は第二軸方向に偏奇し
た擬楕円状のものを包含する。
本発明のポリエステルフイルムの製膜方法の例を具体的
に説明するが、本発明はこの例に限定されるものではな
い。
平均粒径が0.01〜5μmの炭酸カルシウム,シリカ,カ
オリン等の不活性粒子とカーボンブラツクとを夫々0.01
〜3重量%含有した未延伸ポリエステルフイルムを、第
一軸方向に延伸するに際し、80〜120℃に予備加熱す
る。この未延伸フイルムを約90〜120℃に予備加熱する
場合には、表面がマツト加工された硬質クロム鍍金ロー
ルやセラミツク製のロールが好ましい。未延伸フイルム
はロール表面に粘着することなく、実質的な結晶化の起
きない条件で所定の予熱温度に達し得る。勿論、非接触
的に未延伸フイルムを予備加熱することができる。未延
伸フイルムは90〜125℃の温度で3.2倍以下(好ましくは
2.6〜3.2倍)の延伸倍率で延伸される。延伸速度は比較
的遅い方が好ましく、150m/minを越えない方がよい。通
常50〜100m/min程度の延伸速度を選択し、低速度の場合
には延伸温度をやや低温側に移すことができる。
次に、第二延伸は一軸配向フイルムを一旦ガラス転移点
以下に冷却するか、又は冷却することなく、100〜150℃
の温度に予備加熱し、更にほぼ同程度の温度下において
第二軸方向に3.0〜4.0倍(好ましくは3.2〜3.8倍)に延
伸する。第二軸延伸の温度が高い場合は凹凸単位の窪部
の境界が明瞭となるが、低温では境界が明らかとならな
い場合が多い。第二軸方向の延伸倍率は凹凸単位の発生
頻度に著しい影響を及ぼすことはない。
この二軸延伸フイルムは、もし第一軸方向の機械的強度
が不充分の場合には、この方向に更に120〜170℃程度の
温度下において、1.2〜1.6倍程度再延伸してバランスド
フイルムとすることもできる。
2段延伸、要すれば3段延伸を経た二軸配向ポリエステ
ルフイルムは、180〜240℃(好ましくは190〜210℃)の
温度で0.2〜30秒間程度熱固定を施すことができる。な
お、3段延伸における第3段(第一軸方向)再延伸は熱
固定を経たフイルムに実施することも可能である。
上記の延伸条件を適宜組合せることによつて、凹凸単位
して適切な頻度を備えた表面粗さの小さい、しかも光線
透過率の小さいポリエステルフイルムが製造できる。
上述の製膜において第一軸延伸を施す方法は、フイルム
の機械方向でも幅方向でも差支えない。また第二軸延伸
方向は第一軸方向とはほぼ直角であるとよい。勿論、更
に第一軸方向及び(又は)第二軸方向に延伸を加える高
段(多段)延伸を施すことができる。
この場合にも、フイルム表面の突起と窪とがその凹凸単
位の形状が多少変形しても、そのまま残存する。
なお、本発明においては凹凸単位の頻度は窪の長径の長
さが2μm以上のものが400ヶ/mm2以上あることが好ま
しく、これによつて望ましい表面特性を発現することが
できる。殊に優れた電磁変換特性,優れた走行安定性に
加えて光透過率レベルでも満足できるものとなる。
ポリエステルフイルムは波長900nmでの光透過率が30%
以下である必要があり、好ましくは10%以下、さらに好
ましくは5%以下の遮光性を有する。この遮光性の程度
はポリエステル中に分散含有させるカーボンブラツク,
不活性粒子等の粒径,量の調節によつて調整できる。
ポリエステルフイルムは、表面粗さ(Ra)が0.025μm
以下であることが好ましく、特に好ましくは0.008〜0.0
23μmのものである。
磁気テープにおいては電磁変換特性を向上させるために
磁性層の表面を平坦にすることが望ましく、そのために
支持体である二軸配向ポリエステルフイルムの表面も平
坦であることが好ましく、かつ求められる。しかし、こ
のフイルムのRaがあまりに平坦化しすぎると走行耐久性
が劣るようになり、好ましくない。特にビデオテープに
おいてはフイルムのRaが0.008μmを下まわると走行耐
久性が悪く、使用時に磁気テープの走行ストツプを生じ
る恐れがあり、好ましくない。一方、電磁変換特性の面
からRaが0.025μmを越えると好ましくない。
フイルムの表面粗さ(Ra)については不活性粉体の種類
とその添加量によつて変るが、カーボンブラツクによつ
ても同様に表面粗さ(Ra)は大いに影響され、この添加
量を多くすると表面粗さ(Ra)は大きくなる。このよう
にカーボンブラツクは遮光性の効果が大きく、その添加
量を多くすると遮光性は増すが一方ではベースフイルム
の表面粗さ(Ra)は高くなり、そのためその表面に塗工
される磁性層の表面粗さ(Ra)も高くなり、優れた電磁
変換特性は得難くなるために、カーボンブラツク単独で
は本発明の目的を達成することができにくい。従つて、
カーボンブラツクの添加量は遮光性電磁変換特性,走行
性,耐摩耗性等の品質レベルの兼ね合いを考慮して他の
不活性粉体の種類,添加量との組合せによつて最適条件
に設定される。
更に、カーボンブラツクやその他の不活性粉体をポリエ
ステルに分散させるに際して、これらの添加物が均一に
分散されず一部凝集を生じたりすると、フイルム表面に
高い突起を生ずることがある。この種の高突起でフイル
ム表面から0.87μm以上の高さのものは磁性層を塗工し
ても磁性層表面に異常な凸部となつて残り、ビデオテー
プに成形した場合実機のヘツド当りが異常となり、信号
の記録が欠落し、いわゆるドロツプアウトの原因となる
のでこの種の高突起が存在することは好ましくない。
可撓性基体であるポリエステルフイルムの厚みは、3〜
100μm、更には4〜75μm、特に25μmが好ましい。
本発明においては可撓性基体上に設ける磁性層は波涛90
0nmの光透過率が2%以上、好ましくは3%以上である
ことが必要である。
本発明が目的とする特に優れた電磁変換特性を得るため
には強磁性体を高充填に用いるのが好ましく、更にこの
強磁性体としてはγ−Fe2O3,Co−γ−Fe2O3,CrO2,純鉄
や合金鉄,バリウムフエライト等の針状,盤状微粒子等
を用いるのが好ましい。これら磁性酸化鉄のうち特にCo
含有の磁性酸化鉄を用いる塗布型の磁性層においては比
表面積が30m2/g以上の微粒子を用いると、充填度が高
く、かつ光透過率を高い、しかもS/N特性の良好なもの
が得られる。このS/N特性は波長900nmの光の光透過率が
2%以上のところで特段に良好になる。磁性層のバイン
ダーとしては例えば塩ビ−酢ビ共重合体,ポリウレタン
樹脂,ニトロセルロース,飽和ポリエステル樹脂等の如
き熱可塑性樹脂,あるいはエポキシ樹脂や、熱可塑性樹
脂に例えばポリイソシアネート化合物の如き架橋剤を加
えた熱硬化樹脂,更には熱,活性光線等により架橋する
多官能アクリレート等が好ましく用いられる。
又、潤滑剤としてはシリコーンオイル,各種脂肪酸や脂
肪酸エステル等が、更にまた研磨剤としてはAl2O3,Cr2O
3,SiCの一酸化鉄等が主として用いられる。その多に分
散剤としてレシチンや界面活性剤等が用いられる。
本発明において磁性層は、上述の光透過率を有するが、
この光透過率はできるだけ小さい方が好ましい。磁性層
の光透過率を調整するには上述の成分の他にカーボンブ
ラツクその他の染顔料等の粉体を添加する手段も用いる
ことができる。その際、カーボンブラツクについてはそ
の種類,粒子の大きさ等は従来より公知のものを用いる
ことができるが、数種のカーボンブラツクを組合せて用
いることもできる。
これらの粉体は、磁性層中の使用量としては磁性体100
重量部に対して10重量部以下が好ましく、特に好ましい
のは7重量部以下である。
磁性層の塗設は従来から用いられる或は知られている方
法によつて行うことができる。
本発明の磁気記録媒体は可撓性基体及び磁性層がそれぞ
れ上述した光透過率を有すると同時に記録媒体全体の光
透過率が0.05%未満である必要がある。これにより従来
の磁気テープでは達成されなかつた高品質の遮光性と電
磁変換特性の磁気記録媒体とすることができる。磁気記
録媒体全体の光透過率は可撓性基体の光透過率と磁性層
の光透過率との組合せによつて調整される。
本発明の磁気記録媒体は遮光性,電磁変換性,走行性及
び耐摩耗性にすぐれ、高記録密度の磁気テープ特にビデ
オ用磁気テープとして有用である。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を詳述する。なお、各特性
値の測定は、次の方法に従つて行なつた。
(1) 平均粒径 ストークス(stokes)の式 を用い、粒子の沈降速度を測定して算出した粒子の直径
DP(μm)の値で表わす。
(2) フイルムの摩擦係数(μk) 図1に示した装置を用いて下記のようにして測定した。
図1中、1は巻出しリール,2はテンシヨンコントロー
ラ,3,5,6,8,9および11はフリーローラ,4はテンシヨン検
出機(入口),7はステンレス鋼SUS304製の固定棒(外径
5mmα),10はテンシヨン検出機(出口),12はガイドロ
ーラー,13は巻取りリールをそれぞれ示す。
温度20℃,湿度60%の環境で、巾1/2インチに裁断した
フイルムを、7の固定棒(表面粗さ0.3μm)に角度 で接触させて毎分200cmの速さで移動(摩擦)させる。
入口テンシヨンT1が35gとなるようにテンシヨンコント
ローラ−2を調整した時の出口テンシヨン(T2:g)をフ
イルムが90m走行したのちに出口テンシヨン検出機で検
出し、次式で走行摩擦係数μkを算出する。
(3) 耐久スクラツチ判定 ベースフイルムを1/2インチ巾にスリツトした上記2の
摩擦係数測定と同時に固定棒に150゜の角度までフイル
ムをかけ20cm/secのフイルム速度で10m走行させ、これ
を50回繰返した後の1/2インチ巾ベースフイルムの表面
に入つたスクラツチの太さ,深さ,数を総合して次の5
段階判定する。
<5段階判定> ◎ 1/2インチ巾ベースフイルムに全くスクラツチが認
められない ○ 1/2インチ巾ベースフイルムにほとんどスクラツチ
が認められない △ 1/2インチ巾ベースフイルムにスクラツチが認めら
れる(何本か)。
× 1/2インチ巾ベースフイルムに太いスクラツチが何
本か認められる ×× 1/2インチ巾ベースフイルムに太く深いスクラツ
チが多数全面に認められる (4) 光透過率 島津マルチパーパス自記分光光度計(MPS−5000)を用
い、ベースフイルムの波長900nmにおける光透過率を測
定する。
(5) フイルム表面粗さ(Ra) JIS B 0601に準じて測定する。東京精密社(株)製の触
針式表面粗さ計(SURFCOM 3B)を用いて、針の半径2
μ,荷重0.07gの条件下にチヤート(フイルム表面粗さ
曲線)をかかせた。フイルム表面粗さ曲線からその中心
線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り
部分の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸として、
粗さ曲線をY=f(x)で表わしたとき、次の式で与え
られる値(Ra:μm)をフイルム表面粗さとして定義す
る。
本発明では、基準長を0.25mmとして8個測定し、値の大
きい方から3個除いた5個の平均値としてRaを表わす。
(6) 凹凸部分の測定法 フイルム表面に薄くアルミニウム蒸着をしたものを微分
干渉顕微鏡装置(例えばNikon微分干渉顕微鏡R型)を
用いて写真撮影し、その大きさをスケールで測定し、窪
の長径が2μm以上の凹凸単位をカウントし、ケ/mm2
表わす。
(7) 磁気コーテイングフイルムの電磁変換特性(ク
ロマS/N) ベースフイルム上に、下記組成 を持つ磁性粉末塗料をグラビアロールにより塗布し、ド
クターナイフにより磁性塗料層をスムージングし、磁性
塗料の未だ乾かぬ間に常法により磁気配向させ、しかる
後オーブンに導びいて乾燥キユアリングする。更にカレ
ンダー加工して塗布表面を均一にし、スリツトして約5
μの磁性層を形成した1/2インチ巾の磁気コーテイング
テープを作成する。この磁気コーテイングテープの電磁
変換特性(クロマS/N)を下記の方法にて測定する。
市販家庭用VTRを用いて50%白レベル信号(100%白レベ
ル信号はピータ:ツー:ピークの電圧が0.714ボルトで
ある)に、100%クロマレベル信号を重畳した信号を記
録し、その再生信号をシバソクノイズメーター(タイプ
925R)を用いて測定を行う。クロマS/Nの定義はシバソ
クの定義に従い、次の通りである。
ここでES(p−p)は白レベル信号の再生信号のピー
ク:ツー:ピークの電圧差(p−pである。
ES(p−p)=0.714V(p−p) また、EN(rms)はクロマレベル信号の再生信号のピー
クの電圧の平方根値である。
EN(rms)=AMノイズ実効値電圧(V) (8) ドロツプアウト 上記(7)にて磁性粉末塗料を塗布処理したテープ(1/
2インチ巾)を市販のドロツプアウトカウンター(例え
ばシバソクVH01BZ型)にて5μm×10dBのドロツプアウ
トをカウントし、1分間のカウント数を算出する。
(9) 走行性 上記(7)にて作成するテープを同所に記載の方法で電
磁変換特性を評価すると同時にテープの走行状態を観察
する。
○……走行状態は良好で問題なし △……走行状態に若干斑が見られ張力も高目であるが何
とか使用できる ×……走行状態が悪く、張力も高く走行に耐えない (10) 表面突起数 フイルムの表面に400〜500Å乃至それ以下の厚みにアル
ミニウムを均一に真空蒸着し、反対の非蒸着面(フイル
ム面)にコロジオンを塗つて貼りつけ乾燥する。次いで
Tl単色光多重干渉反射式顕微鏡(例えばCarl Zeiss JEN
A社製)を用い、100倍でアルミニウム蒸着面の任意の10
0cm2を観察し、顕微鏡視野内の突起物の突起高さに対応
して生ずる3環以上(0.87μm以上)の干渉縞を持つ突
起の数をかぞえる。
実施例1 ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料と
して酢酸マンガンをエステル交換触媒,三酸化アンチモ
ンを重合触媒,亜リン酸を安定剤として用い常法により
ポリエチレンテレフタレートを製造した。その際、エチ
レングリコール中に、不活性粉体として表−1に掲示す
る如く炭酸カルシウム,シリカ,カオリンを各々の平均
粒径と添加量を、カーボンブラツク(平均粒径,添加量
は表−1に示す)と共に分散させておくことによりポリ
マー中に含有せしめた。
得られたポリマーを常法により溶融押出して未延伸フイ
ルムを得、120℃で3.2倍に速度60m/分で縦方向に一段延
伸し、次いで120℃で横方向に3.6倍に延伸し、220℃で
熱固定して膜厚14μの二軸配向フイルムを得た。
その後、これらの二軸配向フイルムに所定の組成で電磁
変換特性の評価の項で述べた方法で厚み4μの磁性層を
形成して1/2インチ幅のビデオ用テープを作つた。これ
らベースフイルムの表面には0.87μm以上の高突起物は
認められなかつた。得られたテープの特性を表−1に示
す。
表−1から明らかな如く、ベースフイルムの表面粗さ
(Ra)、ベースフイルム,磁性層及びテープ全体の光透
過率が本発明の要件を満足するものは、テープの実機走
行テストでのカラーS/N,ドロツプアウト及び走行性,更
にはテープ走行面の摩擦係数,耐スクラツチ性の各評価
項目においてすぐれ、総合評価としても良好な結果が得
られた。
実施例2 ポリエチレンテレフタレートの代りにポリエチレン−2,
6−ナフタリンジカルボキシレートを用い、フイルムの
延伸温度を130℃,熱固定温度を230℃にする以外は実施
例1と同様にして膜厚14μの二軸配向フイルムを製造
し、更に4μの磁性層を形成して1/2インチ幅のビデオ
用テープを作つた。これらベースフイルムは0.87μm以
上の高突起物は認められなかつた。得られたテープ特性
を表−2に示す。
表−2から明らかな如くベースフイルムの表面粗さ(R
a)、ベースフイルム,磁性層及びテープ全体の光透過
率が本発明の要件を満足するものは、テープの実機走行
テストでのカラーS/N,ドロツプアウト及び走行性,更に
はテープ走行面の摩擦係数,耐スクラツチ性の各評価項
目においてすぐれ、総合評価としても良好な結果が得ら
れた。
【図面の簡単な説明】
第十図は従来法で延伸した場合に粒子の周りに出来たボ
イドの状態を示し、第1−1図は平面図,第1−2図は
断面図である。 第2図は本発明のポリエステルフイルムであつて、粒子
を含む突起とその周辺に窪が形成されたものであり、第
2−1図は平面図,第2−2図は断面図である。 第3図は本発明の実施例に用いた延伸機の模式図であ
る。 第4図はフイルム粗面の動摩擦係数μkを測定するテー
プベース検査機の模式図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性基体の少くとも片面に磁性層を設け
    た磁気記録媒体において、該可撓性基体が平均粒径0.1
    〜2.0μmの不活性粒子0.03〜3重量%と平均粒径0.01
    〜2.0μmのカーボンブラック0.1〜3重量%とを分散含
    有したポリエステルよりなり、フイルムの表面にこれら
    粒子に由来する突起と該突起を核とした窪とからなる凹
    凸単位を多数有し、フイルム表面粗さ(Ra)が0.025μ
    m以下であり、かつ波長900nmの光透過率が30%以下で
    ある二軸配向ポリエステルフイルムであり、そして波長
    900nmの光透過率が磁性層では2%以上、かつ磁気記録
    媒体全体としては0.05%未満であることを特徴とする磁
    気記録媒体。
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